7月5日に19歳の誕生日を迎えた日本ハム・大谷翔平投手(19)が、バースデー前夜の4日、ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)で、プロ5度目の先発。
5回2/3、プロ最多の107球を投げ、6安打4四球を許しながらも、プロ最少の1失点(自責点1)に抑え、6・1の中日戦以来、約1カ月ぶりのプロ2勝目を挙げた。これで、大谷が登板した試合で、チームは5戦4勝1分けと負け知らずで、“不敗神話”は継続された。
内容はよくなかったが、ピンチになると気合が入るのか、得点圏での被打率は通算で、24打数3安打、.125と、抑えており、「ピンチはつくっても、ピンチになったら強い」とのイメージを印象付けた。
この日の大谷は最速155キロの直球に、100キロ前後のカーブで緩急をつける投球。2回以外は毎回走者を出しながらも、粘り強いピッチングで、ピンチをしのぎ、5回まで無失点。自軍は3回表に2点を先取し、大谷は勝ち投手の権利をもったまま、6回裏のマウンドに立った。
2死を取ったが、安打と四球で、一、二塁とした後、ブライアン・ラヘア内野手にタイムリー安打を許して1失点。その後、四球を出して、満塁となったところで降板。救援した石井裕也投手が、ピンチを切り抜けてリードを守った。
その後、8回に両軍ともに2点ずつ挙げたが、日本ハムのリリーフ陣が踏ん張って、4-3で勝利。この結果、日本ハムは待望の3位に順位を上げた。
チームのAクラス浮上に貢献した大谷は、「調子はよくなかったです。援護がなかったらどうなっていたか…。チームのいい雰囲気に助けられました」と反省しきり。栗山英樹監督は「緩い球と強い球でメリハリをつけた。(調子が)悪い中であそこまでいけるんだから、よかった」と一定の評価を与えた。
この日の粘投で、ローテーションに残ることは決定的。次回は球宴前の最後の登板になりそうで、プロ3勝目をマークして、球宴出場に自ら花を添えたいところだ。
(落合一郎)