報道によると同日20時頃、JR大塚駅の駅員から「車内で催涙スプレーをまかれた」という通報を受けた警察官数名が30代の女性を傷害の疑いで現行犯逮捕した。女性は優先席を巡り同車内にいた男性と口論となり、護身用に持っていた催涙スプレーを噴射したという。女性は現在、釈放されている。
催涙スプレーは携帯性に優れていることもあり、近年急激に普及している防犯グッズであるが、その使用方法については各々で確認と注意が必要だという。現在、多くの催涙スプレーで採用されている「OCガス」は、唐辛子の辛み成分であるカプサイシンを原材料としている。
顔に噴射されると激しい痛み、咳、涙、皮膚のヒリヒリ感などを引き起こす。しかし、原材料が自然由来であるため、目にかかっても失明のリスクは低いとされるが、角膜を損傷する危険性はあるという。
また、簡単に手に入りやすいことから近年では犯罪に催涙スプレーが使用されるケースも少なくないようだ。今年9月には東京江戸川区の路上で現金5300万円が奪われそうになった事件が発生しているが、凶器になったのは催涙スプレーであった。このように防犯に役立つ反面、危険性も高い催涙スプレーは“諸刃の剣”であり、使用者自身にモラルが求められるグッズといえる。
常に危険と隣り合わせの現代社会。防犯対策の進化は、そのまま凶器の進化とも言い変えられるのかもしれない。