同イベントは、街中に設置してあるペットボトルの「リサイクルボックス」の正しい使い方を啓発するイベント。リサイクルボックスの投入部分にゴミやコーヒーチェーン店のプラスチック容器が詰め込まれ、満杯になったリサイクルボックスの周りにペットボトルを立てて放置した状態を「お供え型」、ストロー付きのテイクアウトカップがゴミ箱の投入口を塞いだ状態は「触覚型」などといった名称で呼ばれている。
ユニークな催しでイベントの注目度は高く、ネットではさまざまな意見が相次いだ。
中でも多かったのは、街中にある「ゴミ箱」の少なさを指摘する声だ。「ゴミ箱がないからリサイクルボックスにゴミを入れる人が出てくる」「コーヒーのプラ容器とか処分に困るので店で引き取るかゴミ箱を設置してほしい」「企業努力の問題なのでは?」といった声が相次いでいる。
確かに、日本では2000年代前半の頃から街中や駅構内でのゴミ箱の設置は縮小傾向にあり、現在では街中でゴミ箱を見る機会はほとんどない。背景には04年から05年にかけて世界で鉄道を狙ったテロ事件(マドリード列車爆破テロ、ロンドン同時爆破テロなど)の影響もあり一時的にゴミ箱が撤去された。この流れに日本も追従し、ゴミ箱が街中や駅構内から撤去されるという流れになったようだ。ゴミ箱が姿を消してから20年が経過し、「ゴミは持ち帰る」というマナーが一般的になった一方、「ゴミ箱をもっと作ってほしい」「売る側はゴミの始末にも責任を持ってほしい」「行政の努力次第ではないのか」という意見も多い。
本来、「崩壊リサイクルボックスをなくそう展」は、リサイクルボックスのマナーについて啓発するイベントであったが、「ゴミ箱の少なさ」という国民の不満を浮き彫りにしたイベントでもあったようだ。