「高市早苗さんには日本維新の会との連立は見送ってほしい。なぜなら維新には巨悪の根源である竹中平蔵がいる。この大阪万博でどんだけもうけたんだ? さらに日本を食い物にする気か」
「竹中平蔵は派遣社員制度を進め日本の中間層を壊し日本の貧困を進めた1人。維新や国民民主は竹中平蔵の政策を進める政党」
「維新には竹中平蔵がいるんだった!また日本を壊しにかかるのかよ」
竹中氏は2001年から06年にかけて、経済財政政策担当大臣、金融担当大臣、郵政民営化担当大臣などを歴任し、小泉構造改革を推し進めた人物だ。特に派遣労働の規制緩和は国民の経済格差を広げたとして、これまで批判の対象となってきた。竹中氏は日本維新の会のメンバーではないが、今年3月には日本維新の会が党内に設けた諮問機関「ガバナンス委員会」の委員長に就任するなど、距離が近い関係にある。
高市氏は赤字国債も辞さない積極財政派で、国民民主党や維新との連携を模索するのは、ガソリン暫定税率の廃止や「年収の壁」の見直しなどの政策で、部分的に一致しているからだ。そして、国民民主が重要視する安全保障政策や原発を巡るエネルギー政策でも同調している。
高市氏は総裁選の議論の中で、「男系維持のための皇室典範の改正」を掲げている。今回の自民党総裁選で皇室制度に明確に触れた候補者は高市氏だけで、日本の歴史に対する見方を示した「思想」とも言える。
思想的に高市氏に近いのは、日本保守党と参政党だ。しかし、この両党が加わっても衆議院、参議院両院で、議席数は過半数に到達しない。そのため、数合わせのために経済政策で近い国民民主と維新にも声をかけるのである。
ほとんどのメディアは連日、各党の連立協議を報じる中で「政策」を巡る駆け引きばかりに目を奪われているが、「思想」についての各党のすり合わせが今後の焦点となってくる。