村上氏は人前で頻繁に泣くことから、一部のネット民からは“涙の大臣”といわれていた。最後のあいさつの前日、石破内閣総辞職後の最後の総務大臣としての記者会見でも泣いている。会見ではこれまで取り組んだ職務について説明していると次第に目に涙があふれ、今後について「総務省の仕事を微力ではありますがバックアップしたいと思いますので」と話すと感極まり、かけていた眼鏡を取って白いハンドタオルで涙を拭いた。
また、兵庫県の内部告発文書問題をめぐり、SNSで誹謗(ひぼう)中傷を受けていた竹内英明前県議が亡くなったことでも泣いている。村上氏は2月18日の衆議院総務委員会で「人を傷つける誹謗中傷は絶対に許されない」と声を震わせて答弁し、X(旧Twitter)では「哀悼の意を表する村上総務大臣の声が震えている。私も心が痛い」「自民党の良心だな」といった村上氏の涙に共感する意見が相次いだ。
しかし、独特の“泣き”もあるようだ。4月9日に開かれた参議院決算委員会で防災関係を議題に、避難の際にペットを置き去りにしてしまう問題について問われた。村上氏は「ペットは家族以上のかけがえのない存在」とした上で、「避難所等における家庭動物の適切な飼育などを地域防災計画に定めて」などと行政の取り組みを答弁用のペーパーをもとに説明しているうちに声が震え出し、答弁後は涙目になっていた。
村上氏はペットを愛する気持ちから感動したとみられるが、SNSでは「何で泣いてるんだ」「ペット同伴避難の答弁で思いがこみ上げ涙にむせぶ」「泣きたいのはこっちだよ」などの厳しい意見もあった。涙の理由は本人にしかわからないが、大臣の重責から解放され、泣く機会は減るのかもしれない。