栗山監督は5月28日に予定されながら、降雨中止のため、6月18日に順延された広島戦(マツダ)で、二刀流に挑むスーパールーキー・大谷翔平投手(18)を先発させることを決めた。
大谷は5月23日のヤクルト戦でプロ初登板初先発、6月1日の中日戦で2度目の先発をしたが、いずれもパ・リーグ本拠での試合で、指名打者制のため打席に入る機会はなかった。6・18は広島のホームゲームで、指名打者制が使えないため、大谷は初めて、投手として投げながら、打席に立つことになる。
当初、栗山監督は「5番投手とかあるかもしれない」と発言していたが、大谷の疲労度を考慮し、「まだ2つともやれるほど余裕がない」とトーンダウン。打順は通常の投手と同じ下位打線で、起用することになりそうだ。
「打順によって役割があると思う。どこの打順でも、自分の仕事ができればいいです」と話している大谷。下位打線とはいえ、“投手・大谷”が打席に入ることに変わりはない。
二刀流を目指す大谷にとって、究極の形は、投手で先発する試合で指名打者制を放棄させて、打者としても打順に名を連ねること。これに関して、栗山監督は「この1、2、3年でやる必要があるのか。2つとも余裕が出るようになってから」と慎重な考えを示しているが、6・18広島戦はひとつのその指標になる試合になる。
6月11日のイースタンリーグ、巨人戦(鎌ヶ谷)で調整登板した大谷は、初回にプロ初のボーク絡みで先取点を奪われ、3回には河野元貴捕手に本塁打を浴びるなど、3回まで2失点と、立ち上がりは悪かった。しかし、その後は立ち直り、プロ最長7回109球を投げ、5安打2四球で、13三振を奪い、ドクターKぶりを発揮した。
投手としても、打者としても非凡なセンスを見せつけている大谷だけに、18日の広島戦は大いに注目されるところだ。
(落合一郎)