打者としては、打席が少ないながら、6月10日現在、23試合に出場し、63打数21安打0本塁打4打点、二塁打が10本で、打率は.333と依然高打率をキープし、非凡なセンスを見せつけている。
かたや、投手としては5月23日のヤクルト戦(札幌ドーム)でプロ初登板初先発。5回86球を投げ、6安打2四球2三振2失点で勝ち負けはつかず。6月1日の中日戦で(札幌ドーム)、2度目の先発をし、5回87球を投げ、4安打2四球1死球で3失点したが、味方の援護に恵まれて、プロ初勝利を挙げた。
しかし、交流戦中で日程に余裕があることから、先発投手の枚数が少なくてすむため、当面、大谷の1軍での登板予定はなく、11日のイースタンリーグ、巨人戦(鎌ヶ谷)で調整登板した。大谷は河野元貴捕手に本塁打を浴びるなど、イマイチの内容だった。
1軍での2度の登板では、150キロ台のストレートを連発し、大器の片りんぶりを見せつけているが、制球にやや難があり、決め球に欠ける状態で、まだ1軍半の扱いでしかなく、ローテーション入りはできていない。
投手として、登板、投げ込みの前後は疲労を考慮して、野手での出場も控えられており、二刀流の難しさを痛感させられている。
まだ、1軍ではパ・リーグ球団相手の登板がない大谷だが、交流戦が終わって、リーグが再開したら、しばらく、ローテーションに入れて回してみるのも、ひとつの手である。1軍と2軍を行ったり来たりで、1軍の試合に穴をあけているような状態では、大谷も落ち着いて、試合にも練習にも臨めないのではなかろうか。あとは栗山英樹監督の決断次第だ。
(落合一郎)