スポーツ
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スポーツ 2020年03月23日 11時30分
広島・佐々岡監督が「痩せた?」と言われるワケ 期待の選手が迷走、投手整備の心労は尽きない?
「ちょっと痩せた? ダイエットとか…」「何にもしてないから」 広島東洋カープを取材するプロ野球解説者の多くが、佐々岡真司監督にそう話し掛けている。佐々岡監督はダイエット説を否定しているが、就任当初は「痩せたほうがいい」とファンもコメントを寄せていた。 90年代の広島を、先発、リリーフの両方で支えたエースである。当時を知るオールドファンからすれば、スマートな体型だった佐々岡監督が見たいのだろう。 「佐々岡監督がもっとも期待していたピッチャーは、5年目の岡田明丈です。リリーフに配置換えし、セットアッパーの重要どころで使い、『状況次第ではクローザーも』と考えていました」(チーム関係者) その岡田が期待に応えられなかった。オープン戦4試合で失点6(計4イニング)、防御率9・00。3月13日のソフトバンク戦では2イニング目に炎上し、同16日には二軍降格となった。 広島戦の中継を多く担当してきたプロ野球解説者がこう言う。 「13日のピッチングに関して言うと、登板した6回は走者を出しながらもなんとか抑えました。7回にいきなり炎上したんです。『イニングまたぎ』が苦手なリリーバーもいますが、岡田は先発での経験もあります。イニングまたぎで崩れるなんて考えにくい。技術的に何かが不足しているんです」 岡田は2017年シーズンに12勝を挙げたが、その後は鳴かず飛ばず。重量感のあるストレートが武器なのでリリーフでも起用されることもあったが、今回の二軍調整は少し長引きそうだ。 「昨年4月のヤクルト戦でいきなり崩れたんですよ。急にストライクが入らなくなって。8月にチャンスをもらいましたが、ダメでした。不振の原因として、精神面だと指摘されています」(ベテラン記者) 佐々岡監督が岡田に目を掛けている理由は、重量感のあるストレートももちろんだが、チーム事情で先発、リリーフの両方をやらされてきたことに、自身の現役時代を重ねているからだという。今季のリリーフ専念も「短いイニングなら」と、復活への足掛かりにさせたかったようだ。 「3月22日の中日との練習試合で、リリーフ陣が大荒れとなりました。中田廉は1回無失点でしたが、その後に出てきた藤井皓哉、菊池保則、フランスアが失点を積み重ねていきました」(前出・同) 本来ならば、同日は開幕3連戦の最終日だ。ペナントレースが始まっている時期での投手陣の炎上は、指揮官を不安にさせる。佐々岡監督は就任当初から「救援陣の再整備」をV奪回のカギに挙げていた。期待の岡田が迷走中、懸念材料だった救援陣の調子が上がって来ない…。佐々岡監督が“スマート”になったのは、やはりダイエットではなかったようだ。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2020年03月23日 11時00分
K-1武尊の発言に那須川天心が反応!「格闘技は素晴らしいんだよ」
キックボクシング団体K-1が22日、年間最大大会「K-1 WORLD GP 2020 JAPAN~K'FESTA.3~」を埼玉・さいたまスーパーアリーナで開催した。直前になり、新型コロナウイルス感染拡大の懸念から、行政や会場側から自粛要請があったが、K-1は大会を開催。全20試合という長丁場だったものの、会場はマスク姿のファンから熱気溢れる声援が飛ぶなど、好勝負が続いたこともあり、格闘技熱を発信する大会となった。 当初は、ダブルタイトルマッチを開催する予定だったK-1のエース、スーパーフェザー級チャンピオンの武尊だが、新型コロナの影響で対戦相手の来日がキャンセルとなり、ペッダム・ペットギャットペット(タイ)とノンタイトルマッチに臨み、2R0分49秒でTKO勝ち。唐突に組まれたワンマッチを圧勝した武尊は、マイクを握ると今大会開催までの葛藤や、世界情勢を見据えたような険しい表情で話し始め、「僕はタイトルマッチ、スーパーファイト(ワンマッチ)関係なく、試合内容で見ている人たちにパワー与えられたらと思って試合をしていますので、応援してくれる皆様のおかげで勝つことが出来ました。大変な事っていっぱいあると思うんですけど、格闘技は本当に人にパワーを与えられるスポーツだと思っていて。こんな状況だからいろんなこと言われますけど、格闘技って凄いスポーツだと思うので、格闘技でもっとたくさんの人にパワーを与えたいと思います」とコメント。 さらに、「本当は言うなと言われてたんですけど…団体とか関係なく、日本中世界中もっとでっかくもっと元気にしていきたいし、もっとパワーを与えていきたい。格闘技全体を応援してもらって、必ずでかい大会やりますので、それに向けて頑張ります」と涙ながらに語り、最後はいつもの「K-1サイコー!」ではなく、「格闘技サイコー!」で締めた。武尊は昨年から那須川天心との対戦を熱望していると思わせる発言が続いており、今回も“ギリギリ”のラインまで踏み込んだ発言と思われる、天心の反応が気になる中、天心は23日未明にツイッターを更新。「格闘技 は 誰が なんと 言おうが 素晴らしいんだよ」とツイートして、これに応えた。天心が「もうあまり興味がない」と語ったことで、2人の対戦は夢物語になるのかと思われたが、「格闘技を盛り上げたい」気持ちを誰よりも持っている自負がある天心の心が“動く”のか?今後の言動が再び見逃せなくなってきた。(どら増田)
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スポーツ 2020年03月22日 22時30分
“闘魂の遺伝子”藤田和之、19年の歴史を経てノアの頂点に挑戦!
新日本プロレス出身のフリーの大物プロレスラーで、PRIDEなど総合格闘技でも活躍した藤田和之が、29日のプロレスリング・ノア東京・後楽園ホール大会で、潮崎豪のGHCヘビー級王座に挑戦する。 藤田とノアの歴史をひも解くと長い。2001年3月の東京・両国国技館大会の試合後に小川直也氏らとともにノア勢と大乱闘したのがノアと藤田の初遭遇。あのとき藤田は故・三沢光晴氏率いるノア勢に対して「ノア!いつでもやってやるぞ」とマイクでアピールしていた。当時はPRIDEやK-1を主戦場にしていた藤田が、ノア勢と試合で当たるのか注目されたが、藤田がノアに初参戦したのは昨年9月のこと。実に18年の月日が経っていた。 ノアでは得意のタックルをはじめ、衰えることのないパワー殺法で快進撃を続けており、遂に、最高峰のタイトルであるGHCヘビー級王座にまでたどり着いた。チャンピオンは全日本プロレスの王道プロレスも体感している潮崎とあって、新日本出身で格闘スタイルも駆使してくる藤田とのシングルマッチは、令和の時代ではなかなか見られない刺激的な遭遇になるのは間違いない。 19年越しに実現する異次元対決。当日はどんな化学反応を見せるのか大注目だ。(どら増田)
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スポーツ 2020年03月22日 11時30分
阪神・藤浪、今シーズンも復活の気配なし? 制球難・痛打に苦しむ現状、首脳陣は中継ぎ転向も選択肢か
縦じまの背番号19の再起はなるか。 阪神タイガースの藤浪晋太郎が、今月11日にヤクルトとのオープン戦に先発登板。4回を無失点に抑えるパフォーマンスを見せた。 しかし、18日に登板したオリックスとの2軍練習試合では、最速157キロを記録するも3回を投げ5安打1失点。自身は試合後に「感触としては悪くなかった」とこの日の内容を振り返っているが、矢野燿大監督は「しっかり捉えられてる打球も多かった」と厳しい評価を下している。 ここ数年の藤浪の不振については、改めて記す必要もないだろう。プロの投手として極度の不振に陥り、昨年は未勝利、一軍登板が僅かに一度だけに終わった。イップスが囁かれ、数シーズンに渡りトレード候補にまで名前が挙がる程で、選手としての危機に直面している状況だ。一度や二度の実戦マウンドにおいて好投を見せたところで、「復活」と捉えることはあまりにも安易であることは、虎党のみならず、プロ野球ファンの誰もが感じるところだ。 また、ここまで二度のOP戦登板、そして練習試合においての四死球や三振数などを見ても、藤浪が復活に近づいているとは言い難い。最大の課題である制球難をはじめ、来月には26歳を迎える「元」エースがクリアすべき課題は山積している。 ただ、現在のプロ野球は投手陣の分業化が細かく、先発以外でも救援など多くの役割が求められている。首脳陣は藤浪の復活を目指す過程で、実戦において様々な形でのシチュエーションを与える道も一つの手段だろう。 開幕が延期となっている2020シーズン、NPBは本来行われるはずだった公式戦カードをベースとしての練習試合を行うことを発表している。実戦でのマウンドの機会を途絶えさせることなく、周囲の評価を覆していくことが出来るか。ローテーション投手としての姿を蘇らせるために必要なものは、コンディションの他、マウンド感覚、さらには勝負勘などにも及ぶ。藤浪晋太郎がもう一度、表舞台に戻るには決して簡単ではない。それでも彼ならばまた帰ってくる、その期待も未だ、薄れてはいない。(佐藤文孝)
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スポーツ 2020年03月22日 08時00分
プロレスラー世界遺産 伝説のチャンピオンから未知なる強豪まで── 「スコット・ノートン」新日の思惑に従順だった90年代の外国人エース
新日本プロレスのエース外国人として活躍した“超竜”ことスコット・ノートンは、闘魂三銃士の壁となり、ビッグバン・ベイダーやホーク・ウォリアーとも互角以上に渡り合った。 しかしながら、どこか物足りなく感じる昭和ファンもいるのではなかろうか。※ ※ ※ 90年代半ばからの新日本プロレスファンに「最強の外国人は誰か?」と尋ねれば、その多くから「スコット・ノートン」の名前が挙がるだろう。 昭和の時代からのファンにしてみれば、「アンドレ・ザ・ジャイアントやスタン・ハンセン、ハルク・ホーガン、ビッグバン・ベイダーらを差し置いて、なぜノートン?」と違和感を抱くかもしれない。 しかし、1990年の初来日から10年以上にわたってトップ外国人の座を守り続け、100回以上来日したことへの敬意も含めて、当時のファンにとってはノートンが大きな存在であったことに違いはない。 元アームレスリング世界王者で、映画『オーバー・ザ・トップ』では端役ではあるがシルベスター・スタローンとも共演、プリンスのコンサートツアーではボディガードを務めたという。輝かしいながらも、同時にどこかうさん臭さも漂う肩書を引っ提げて来日したノートン。 アームレスリングに限らずボディビルや重量挙げ王者と聞くと、長州力と異種格闘技戦を行ったトム・マギーのような“食わせ者”ではないかと、うがった見方をしてしまうのは昭和ファンの習い性であろう。「しかし、ノートンはマサ斎藤のブッキングによる来日で、これはベイダーと同様。マサ自らレスリングの手ほどきをしたようで、基礎がしっかりできていました」(プロレスライター) ’92年にはトニー・ホームとのコンビでスタイナー・ブラザーズを破り、IWGPタッグ王座を獲得。翌年にもヘラクレス・ヘルナンデスとの「ジュラシック・パワーズ」でヘルレイザーズを破り、2度目の戴冠をするなど存在感を発揮した。この頃から新日においては、“ノートン超え”がトップに立つための合言葉となっていった。「日本マットで順調に成長していったノートンでしたが、nWoジャパンに加入したことは、果たしてノートンにとっては、どうだったのか」(同) NWOジャパンの主役はあくまでも蝶野正洋であり、ノートンはその引き立て役に回る格好となった。これは後に、やはり蝶野が立ち上げたブラック・ニュー・ジャパンの頃まで続くことになる。 岩山のようなゴツい体躯から溢れ出すパワー、フライング・ショルダーアタックなどに見る素軽い動き、一流の素材であることは多くが認めるところでありながら、かつての大物外国人たちのような伝説的名勝負に恵まれなかったのも、こうした経歴によるところが大きかった。★IWGP戴冠も会社の事情含み 新日トップの証しであるIWGP王座も2度獲得しているが、最初は蝶野が負傷して返上したとき、まだ海外武者修行帰りの若手だった永田裕志を破って獲得したもの。いわば蝶野の代役である。 2度目は佐々木健介から藤田和之へタイトル移動するためで、このときは“つなぎ”のような扱いだった。「アントニオ猪木の意向で、弟子の藤田を王者にするのが既定路線でしたが、当時の現場監督だった長州は、自分の子飼いの健介が直接対決で藤田に負けることを嫌がった。それで間にノートンを挟んだというのが、大方のプロレスファンの見解でした」(同) そんな状況下でのIWGP戴冠であっただけに、ノートンが勝った内容よりも、敗戦後の健介が藤田に対して放った「正直すまんかった」のマイクで知られる試合となってしまった。 のちにノートンは、「新日からのオファーは一度も断ったことがなかった」と語っている。 デビュー間もない頃からトップ扱いしてくれた新日への恩義があり、人としては正しい考え方なのだろうが、そうした便利屋的なところが強烈なインパクトを残せなかった要因と言えなくもない。 もっとも平成以降は、プロレスにおいてもコンプライアンスを求める傾向が強まり、猪木の無法ぶりなどはむしろファンに敬遠され、時には非難の対象になるぐらいなので、ノートンの従順さというのはそんな時代に合ったものだったのかもしれない。 ’89年のデビューから30年がすぎた今も、ノートンは正式に引退表明していない。アメリカの自動車販売会社に勤める傍ら、ときおり日本にもやってきてTEAM2000の再結成などに参加している。このあくせくしない感じも、どこかノートンらしいと言える。スコット・ノートン***************************************PROFILE●1961年6月15日生まれ。アメリカ合衆国ミネソタ州ミネアポリス出身。身長190㎝、体重150㎏。得意技/ジュラシック・ボム、パワースラム。文・脇本深八(元スポーツ紙記者)
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スポーツ 2020年03月21日 15時00分
横綱・白鵬が“無観客”春場所でヒジ打ち連発! 横審にムキ出しの対抗心
無観客で行われている春場所もいよいよ終盤戦。誰がこの異例の場所を制すか。候補もしぼられてきたが、もう1つ注目されるのが横綱・白鵬と横綱審議委員会(横審)の対決だ。 白鵬の肘打ちのような張り手、かち上げは、これまで横審に何度も注意を受けてきた。去年の九州場所では、「見苦しい。そんなことをしなくても勝ってほしいという気持ちだ」と、横審の矢野弘典委員長にクレームをつけられたが、ルール違反ではないだけに本人は平然としたもの。 今年の正月明けも、「禁じ手というものではないので。自分は自分の相撲を取るだけです」と、白鵬は全く意に介さない。 そこで矢野委員長は、先場所の定例委員会後に改めてこの問題に触れ、「ルール違反と言っているんじゃない。横綱は違うんだから、より高く自分を律する基準を持ってほしいと言っているんです」と切り込んだ。 これに対して白鵬がどう反応するか。春場所の出方が注目されたが、答えはある意味で予想通りのものだった。 10日目を終えて白鵬は9勝1敗だが、勝ち星の内の半分以上が立ち合いに強烈な張り手を見舞い、勝機をつかんだものだった。とりわけ、初日の遠藤戦はこめかみを狙い、2発でKO勝ちしている。決まり手は、叩きこみだった。どうして白鵬はここまで横審に逆らうのか。「白鵬は勝つには勝っているが、モタつきが目立つなど、明らかに衰えている。もう張らなきゃ勝てないんですよ。これから優勝争いが佳境に入りますが、ますます張るでしょうね」(担当記者) こんな白鵬を周囲はどう見ているか。春場所2日目、白鵬にかかった懸賞はたった1本。10年前には歴代最多の年間2111本も獲得しただけに、何かの手違いかと思ったら、4日目も、6日目も1本。無観客で懸賞が半減しているとはいえ、いよいよスポンサーが背中を向け始めている。 大阪のファンはシビア。無観客でブーイングがないのが救いかもしれない。
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スポーツ 2020年03月21日 11時30分
開幕低調でも心配無用? プロ野球開幕4番の常連選手、5年連続起用のスター打者にも意外な共通点が
投手にとっての開幕投手と同じく、打者にとってはこの上ない名誉である開幕4番。「今シーズンはこの打者が打線の中心」という首脳陣の意向が反映されるため、誰がその座に座るかは毎年ファンの注目を集めている。 チームを代表する長距離打者が務める例が多い開幕4番だが、過去にはどのような打者が起用されてきたのか。ここでは過去5年間の開幕戦における、各打者の開幕4番回数のトップ3をそれぞれ見ていきたい。 開幕4番をこれまでに3回務め、全体3位に入ったのは西武・中村剛也。中村は「2015-2017年」にかけ、3年連続で4番として開幕戦に出場。しかし、成績は3年合計で「.125・0本・1打点・1安打」と振るわない。 ただ、開幕戦こそ低調な数字が並ぶものの、この3年間はいずれもシーズン20本塁打以上をマーク。また、2015年には本塁打(37本)、打点(124打点)の二冠に輝くなど、4番の名に恥じない素晴らしい成績を残している。 全体2位となる4度開幕4番を務めたのは、DeNA・筒香嘉智(現レイズ)、中日・ビシエド、ソフトバンク・内川聖一の3名。筒香は「2015-2017年、2019年」、ビシエドは「2016-2019年」、内川は「2015-2018年」にかけそれぞれ開幕4番として出場。だが、開幕戦での打撃成績は筒香が「.200・2本・6打点・3安打」、ビシエドが「.235・1本・2打点・4安打」、そして内川が「.176・0本・1打点・3安打」と3名いずれもそこまでの数字は残していない。 シーズン成績で見ると、内川は打撃タイトルこそゼロだが2016年に打率3割をクリア。一方、筒香は2016年に本塁打(44本)、打点(110打点)、ビシエドは2018年に首位打者(.348)、最多安打(178安打)と、それぞれの年で打撃二冠を獲得してもいる。 そして全体1位となる5回開幕4番に座っているのが日本ハム・中田翔。過去5年の開幕戦の合計成績は「.053・1本・5打点・1安打」と打率が1割にも届いていないが、2019年の開幕戦では延長10回裏に劇的なサヨナラ満塁本塁打を放つなど勝負強さを見せつけている。 その勝負強さはシーズンでも発揮されており、中田は過去5年のうち2015、2016、2018年で100打点以上をマーク。また、2016年は打点王(110打点)のタイトルを手中に収めている。 以上に挙げた開幕4番の選手たちを見ると、開幕戦自体は低調だったもののシーズンを通してはしっかりと結果を残している例が多い。逆に言えば、開幕戦、及びに序盤戦が不調でも、心配をよそに必ず復調しているといえるだろう。 今シーズンは新型コロナウイルスの影響により開幕が当初予定された今月20日から延期されているため、出だしでつまずく選手も続出するかもしれない。ただ、それが開幕4番を何度も務めているスター打者ならば、その後調子を上げてくれるため何も心配はいらないだろう。文 / 柴田雅人
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スポーツ 2020年03月21日 11時00分
センバツ高校野球中止に第102回「夏の甲子園」が大混乱!
コロナダメージは「夏の甲子園大会」まで尾を引きそうだ。 野球界が負ったダメージは、センバツ甲子園中止だけではなかった。プロ野球、Jリーグ、大学リーグ戦など他のスポーツ団体も、最も影響力の大きい高校野球が「中止」を決断したことで、危機意識を深めつつある。今後、目を背けることのできない“現実”をどう解決すべきか…。「日本高等学校野球連盟(高野連)がセンバツ大会の中止を発表したのは3月11日。高野連は4日にも運営委員会と臨時理事会を開き、『開催か、中止か?』を協議し、『開催する方向で』と出場各校に通達していました。最後まで球児たちのために開催する方法を模索した努力は認めますが、4日時点で、たとえ無観客でも開催が厳しいことは分かっていたはずです。球児や関係者を余計に傷つける結果となってしまいました」(スポーツライター・飯山満氏)「屋外の甲子園球場なら」「応援を行わないのであれば」という意見もあるが、勝ち上がれば、球児たちは宿舎に長期間滞在することになる。閉鎖された空間に滞在することによって生じる感染リスクは、その時点で分かっていたはずだ。 しかも、球児たちは一連の学校の臨時休校措置により、練習試合もままならない状況だった。 プロ野球、Jリーグは開幕戦を延期。大学の各スポーツ団体も春季リーグ戦を延期・中止を決断している。このしわ寄せが数カ月後、一気に押し寄せる。「今年は五輪イヤーです。プロ野球は昨年より9日も早い開幕を予定していましたが、それだけ前倒ししても過密日程は避けられませんでした。すでに地方球場の日程をずらすなどの措置を検討していますが、そうなると、6月から始まる夏の甲子園大会の都道府県予選にも影響してきます。『昼は高校野球、夜はプロ野球』という球場も出てくると心配されています」(スポーツ協会担当記者) ナイター設備のある地方球場ならば、“棲み分け”は可能だ。しかし、それらの設備があったとしても、日中に行われた高校野球が延長戦に突入した場合、あるいは、雨天中止でさらにタイトなスケジュールともなれば…。当然、地方大学のリーグ戦などもあるので、球場の数が足りなくなってくるのだ。「高野連には棚上げ状態になっている問題がまだあります。4月半ばから始まる春季大会を開催するのかどうか、です」(アマチュア野球担当記者) 都道府県の高野連スタッフに聞いたところ、「時期を遅らせて」というニュアンスの回答が得られた。春季大会のスタートがずれた分、そのしわ寄せは後ろにずれるわけだ。 今回のセンバツ中止、棚上げ状態となっている春季大会のスケジュール調整。もはや夏の甲子園大会への影響は避けられそうにない。「高校野球も学校行事の一環だと解釈すれば、学業優先となります」(同) 高野連は文科省“支配”の組織ではない。歴史的理由があってのことで、その是非はともかく、いくら「郷愁の大会」とはいえ、甲子園大会を優先するような措置がとられた場合、今度はバッシングの標的となりかねない。「政府要請で学校が臨時休校となった直後、センバツ出場校の一部が『野球部だけ例外』の措置を取りました。倉敷商(岡山)、明石商(兵庫)は他の部活同様、野球部も練習中止となり、明徳義塾(高知)、大阪桐蔭、履正社(大阪)などは時間の短縮こそありましたけど、練習を続けていました。寮生を親元に帰していた出場校もありました」(同)「例外措置」を取った学校に対し、非難の声もすでに出ていた。これも、中止の決定を先送りした高野連の責任と言える。 先送りといえば、プロ野球界にも影響が出てくるのは間違いない。「オープン戦を無観客とし、試合(調整)を続けてきましたが、延期によって緊張感が切れてしまい、プレーが緩慢になりがち。特に開幕投手を伝えられていたピッチャーは調整が難しい」(ベテラン記者) 高野連を始め、どのスポーツ団体も日程調整に苦しんでいる理由に、東京五輪がある。高野連がセンバツ中止を発表した時点では開催する方向で、どの団体も五輪に協力するつもりでいた。しかし、状況次第では“五輪開催中の一部実施”も念頭に入れなければならなくなった。「1964年に行われた前回の東京五輪でも、プロ野球は雨天などで全日程を消化できず、日本シリーズ第7戦が東京五輪の開会式とぶつかってしまいました」(球界関係者) 東京五輪は8月9日に閉会式を予定しており、その翌10日に夏の甲子園大会は開会式を迎える予定だ。しかし、センバツ大会の中止と、いまだ決められない春季大会の日程調整のため、地方予選の遅延が避けられない状態。そうなると、8月7日の組み合わせ抽選会に、全出場校が出揃っていない危険性もある。 プロ野球は高野連、大学野球との地方球場の棲み分けが厳しくなり、7月24日の五輪開会式までに予定の試合数を消化できなくなる。五輪の裏で国内スポーツ大会を開催していくしかない。五輪組織委員会は今後の行方を検討すべきだろう。
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スポーツ 2020年03月20日 18時00分
本誌独走! プロ野球「全公式戦取り止め」最悪シナリオ
プロ野球が、開幕しないまま閉幕へ――。 東京オリンピック組織委員会は3月30日に理事会を開き、世界的な新型コロナウイルスの感染拡大を理由に2020年7月の開催を断念、1年延期する案を緊急協議するという。政府、財界も「延期案」に賛同しており、それに向けて動き出す模様。これに伴い、プロ野球の公式戦開催も困難に…。 新型コロナウイルスの感染拡大による影響が懸念される東京五輪について、アメリカのトランプ大統領が「無観客など想像できない。1年間延期した方がよいかもしれない」と発言。これを受けて東京オリンピック・パラリンピック組織委員会が雪崩を打つように7月開催断念へ舵を切り、プロ野球の今後にも波及している。 感染症の専門家チームから助言を受けたプロ野球の斉藤惇コミッショナーは、「4月24日開幕」の準備を進めてきた。しかし、大きな壁となって立ちはだかるのが、3月30日の東京五輪組織委員会理事会だ。理由は、ここで「東京五輪の1年延期」が俎上に乗るからで、五輪すら延期となれば、プロ野球の公式戦の行方もおのずと見えて来る。「五輪の中止・延期を決めるのは、国際オリンピック委員会(IOC)ですが、日本が主体性を持って延期を主張すれば、中止だけは回避できるでしょう。たとえ5月までに新型コロナの国内感染が終息しても、世界的に広がる中、すべての国や地域が参加できない可能性があります。また、中国、イタリア、アメリカなどが選手団の派遣を見送るケースも…。そういう状況になれば、中止は避けられません。そこで組織委員会は、中止による損失を少なくするための代替策として『1年延期案』を用意しているのです。変更には各国IOC委員に根回しする必要があり、3月末がタイムリミットになります」(全国紙の五輪取材記者)「1年延期案」は、IOCに大きな影響力を持つ米放送大手のNBCユニバーサルに人脈を持つ五輪組織委の髙橋治之理事が事前に根回しをし、12日にトランプ大統領も冒頭のように発言、支持を引き出していた。 呼応するように、これまで「予定通り」を強調してきたIOCのバッハ会長も「WHO(世界保健機構)の助言に従う」とトーンダウン。WHOのテドロス事務局長が「パンデミック(世界的流行)と呼べる状態だ」と宣言すると、安倍晋三首相も「IOC、WHOと緊密に連絡をとり、連携していきたい」と応じ、東京五輪延期の流れができた。 新型コロナ感染防止でプロ野球と東京五輪は連携しており、一方だけの中止というのはありえない。東京五輪が中止・延期となれば、運命をともにするプロ野球も今シーズンの開催を断念せざるを得ない。とどのつまり、プロ野球の開幕は「五輪組織委員会の決議次第」という構図なのだ。「IOCは新型コロナの世界的な感染拡大を理由に東京五輪を延期するわけで、プロ野球が勝手に開幕すれば、軋轢が生じるのは間違いない。どのような形であれ、感染者が確認されれば、チームにとどまらず、一斉中止は不可避となる。ただ、延期開催が決まっても、野球が除外される可能性もある」(スポーツ紙デスク) その場合、考えられる「最悪のシナリオ」が、一旦開幕した後の中断、公式戦打ち切りだ。開幕に踏み切った以上、新型コロナに責任を押し付けることは出来ず、各球団は年間スポンサー料、年間指定席料など様々な返金を求められる。一方、IOCが「五輪中止」を決めた後なら、シーズンをそっくり取り止めても、緊急事態とみなされるため理解が得られるのだ。 世界規模でメジャースポーツが次々に中止を決め、プロ野球を取り巻く環境は、日毎に厳しさを増している。国内感染者が1万7000人、死者が1200人を超えたイタリアでは、サッカーの名門ユヴェントスの選手から陽性反応が出たため、リーグ戦が中断。イギリスでも、プレミアリーグ・アーセナルのアルテタ監督やチェルシーの若手選手に陽性反応が出たため、濃厚接触した選手やスタッフは隔離措置がとられたほか、欧州チャンピオンズリーグやヨーロッパリーグなどの主要大会も延期と決まった。「米国のプロバスケットボール(NBA)でも、八村塁と激しく競り合ったジャズの選手の感染が確認されたため、翌日から全試合が中断されました。北米アイスホッケーリーグ(NHL)とメジャーリーグ・サッカー(MLS)もシーズン中断を発表し、プロ野球が追随するメジャーリーグ(MLB)も最低2週間の開幕延期を発表しています。先の展開は不透明のままです」(現地記者) 世界中を転戦するF1も、今季第1戦オーストラリアGPが中止になったばかり。 五輪組織委員会が、延期案の結論を先延ばしにした場合、プロ野球は4月24日に開幕し、クライマックスシリーズ短縮で乗り切る方針だ。しかし、政府は混雑する大型連休を回避させる考えで、開幕は5月のゴールデンウイーク明けとなるのが濃厚だ。さらに政府は「緊急事態宣言」を可能にする「インフルエンザ等対策特別措置法」を施行。都道府県知事が野球場などの大人数が集まる施設の使用制限や外出自粛などの要請ができるように法改正したばかりだ。 大観衆の見守る中でプロ野球が開幕するには、特効薬の開発を待つほかないのか…。
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スポーツ 2020年03月20日 17時30分
西武・松坂、先発としては通用しない? OP戦で露呈した懸念材料、「中継ぎなら戦力」との見方も
埼玉西武・松坂大輔の好投はホンモノか!? オープン戦最終戦(3月15日)で、松坂が「3回被安打1失点ゼロ」と好投したのは、既報通り。辻発彦監督も「上出来。良くなっている」と“合格点”を与えたが、復活と見て良いのだろうか。かつて、「平成の怪物」と称されたベテランは、今季40歳を迎える。シーズンを通して投げ続ける体力も「ない」と思うのだが…。 同日に対戦した東京ヤクルトの関係者がこう言う。 「ベテランならでのピッチング。ランナーにではなく、バッターに対してクイックモーションを使ってタイミングを外したりして」 変化球主体のピッチングだった。同関係者によれば、同じ球種でも曲がり幅を変えてバットの芯から外させていたという。 こうしたピッチング内容を聞かされると、肩、肘の故障さえなければ、「そこそこイケるのは?」と思えてくる。しかし、 「タイミングを外すテクニックが通用するのは、打者一巡のみ」(スポーツ紙記者) という厳しい声も聞かれた。 また、投手出身のプロ野球解説者がこう続ける。 「松坂が通用するかどうか、そのポイントは左足を見れば分かります。投げ終わった後、体重が左足に乗っていません。今の松坂の投げ方は、右肩を痛めている投手の典型的なパターンです。今のところ、松坂が右肩を痛めているという情報はありません。ただ、松坂はこの『右肩を痛めている投手』の投げ方でずっとやっていくことになります」 見方を変えれば、今の松坂は右肩痛を再発させる危険性も秘めているというわけだ。 「松坂の中で、右肩痛は完全に消えていないのでは。痛みを抱えながらのピッチングをしているのかもしれません」(前出・同) 同様に、こんな声も聞かれた。松坂は「切り札」も見せてしまった、と。 「同僚のニールに教えてもらったという『落ちるボール』を披露してしまいました。松坂はフォークボールやシンカー系の落ちる変化球をあまり使わない投手でした。今季は落ちるボールも使ってくると教えてしまったようなもの。ペナントレース前なのに、手の内を明かしてしまいました」(球界関係者) 新しい変化球を公開してしまったことへの批判的な声…。しかし、松坂クラスのベテランになれば、「落ちるボールを投げるゾ」と相手バッターに思わせ、それを駆け引きの道具に使ってくるかもしれない。 「松坂は経験豊富なのでどんなピンチにも動じません。肩痛再発がなければですが、中継ぎで来たら、大きな戦力になるのでは」(前出・プロ野球解説者) テクニックで相手打者を翻弄させる投球術。長いイニングが投げられないのであれば、“1イニング零封”のセットアッパーは適任かもしれない。 「松坂は先発投手の自負、美学が強い」(球界関係者) 先発への強いこだわりを捨て、チームに貢献することを最優先に考えた時、平成の怪物は猛威を発揮するだろう。(スポーツライター・飯山満)
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球界サプライズ裏 本誌入手! 松井秀喜と共同で「レイズ買収」へ動き出した孫正義社長(2)
2014年12月06日 15時00分
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スポーツ
『兼任』の功罪 中畑監督を取り囲む旧ベイスターズOB
2014年12月06日 15時00分
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スポーツ
球界サプライズ裏 本誌入手! 松井秀喜と共同で「レイズ買収」へ動き出した孫正義社長(1)
2014年12月05日 15時00分
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スポーツ
高校野球 タイブレーク制のシナリオを修正させた教員の人事異動(後編)
2014年12月04日 15時30分
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スポーツ
代表選でも視聴率が取れない日本サッカーのスポンサー離れ危機
2014年12月04日 15時00分
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スポーツ
高校野球 タイブレーク制のシナリオを修正させた教員の人事異動(前編)
2014年12月03日 15時30分
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スポーツ
プロフェッショナル巧の格言 いつか[女子プロムエタイ世界チャンピオン] 「世界チャンピオンを獲るために「捨ててきた」たくさんのこと(3)
2014年12月03日 15時00分
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スポーツ
プロフェッショナル巧の格言 いつか[女子プロムエタイ世界チャンピオン] 「世界チャンピオンを獲るために「捨ててきた」たくさんのこと(2)
2014年12月02日 15時00分
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巨人『4連覇のカギ』を握る先発投手の中5日
2014年12月01日 16時00分
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スポーツ
プロフェッショナル巧の格言 いつか[女子プロムエタイ世界チャンピオン] 「世界チャンピオンを獲るために「捨ててきた」たくさんのこと(1)
2014年12月01日 15時00分
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ドラフトの目玉をパに奪われ続ける巨人阪神 新人が話題作りの無茶振りで潰されてゆく?
2014年12月01日 15時00分
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スポーツ
俺達のプロレスTHEレジェンド 第48R 愛すべき名悪役の名脇役〈キラー・トーア・カマタ〉
2014年11月30日 15時00分
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スポーツ
思わぬところに落とし穴 巨人お得意の金満戦力補強が封じられた!
2014年11月30日 15時00分
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小塚桃子ゴルフ連載(13)第三部・100を切るゴルフ実践編「パー4コースの攻略法(ドライバー編)」
2014年11月30日 10時00分
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“元K-1ジャパン王者”天田ヒロミが白血病と闘うライバル、ノブ・ハヤシと友情タッグ! アントニオ小猪木は女子にKO負け
2014年11月29日 18時00分
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大久保流管理野球に楽天ナイン困惑 救援投手陣は崩壊寸前
2014年11月29日 15時00分
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まるでレクリエーション活動 阪神秋季キャンプがジャージ姿の若手選手だらけだったワケ
2014年11月28日 15時00分
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大鵬の限界がダブる史上最多タイ優勝を果たした白鵬の不安
2014年11月28日 15時00分
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阪神『球団創設80周年』 「渉外担当が優秀すぎるから勝てない!?」
2014年11月28日 11時45分