社会
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社会 2012年12月18日 11時00分
テレ朝が着々進める本社機能集約計画 注目は『原宿コロンブスビル』の処理
プライムタイム(19時〜23時)で首位を走るテレ朝だが、副業である不動産投資にも積極的である。 目下、'13年秋をメドに新本社ビルを建設中であることは、このコーナーでもリポートした。場所は西麻布1丁目で、昨年7月までに土地も購入していた。 18階建てで開発予定総面積は1100坪。土地は100億円、総工費は400億円だという。ビル上層階に多目的ホールの建築も予定している。 グループ会社を収容し、業務の効率化を図るのが狙いだ。同時にグループ外への資金流失を抑制するというが、当然、不動産純投資という面もあるだろう。 そこで浮かび上がってきたのが、原宿にある『原宿コロンブスビル』の売却説。 テレ朝が2000年に建設した9階建てのフルデジタルビルで、テレ朝系のBS朝日、JCTVも入居している。公開サテライトスタジオ『ガレリア』とデジタルハイビジョンスタジオが3カ所あり、BS朝日向け番組制作の他に、テレ朝向け番組の収録も行われている。それらが新本社への引っ越しに備え、近く別の場所に“仮住まい”を予定しているという。 「原宿コロンブスビルは麻布・六本木と離れているので早く近くに移したいのでしょう。ゆえに、現時点では売却説が有力。引っ越しもそのための動きと思われます」(テレビ朝日事情通) そもそもテレ朝が昨年暮れ、六本木5丁目計画で浮上した現在の本社に隣接する土地を推定50億円で購入したのが本社移転の発端だったといわれる。 テレ朝がここまでできるのは豊富な内部留保があるからだろう。現時点で1545億円('13年3月期中間決算時点)で無借金。 今のテレビ界は、何が起きても不思議ではない。早河洋社長の野望通り、新社屋建設とともに視聴率四冠を獲得する可能性も大である。
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社会 2012年12月18日 11時00分
橋下徹の天敵・丸山和也[参議院議員]が吠えた「暴走・維新は終わった!」(2)
ただ、橋下は首相公選制を提唱しているけど、これは油断できないんだよ。講演会などで聞いてみると、首相公選制には7〜8割の人が賛成なんです。維新が法案を出してきたら、雰囲気的には通ってしまう土壌がある。そして、首相公選制になれば、橋下が総理大臣になる可能性だって否定できない。 石原氏は、なぜこのタイミングで国政に打って出ようとしているのか。 彼は30年以上前から、軍事独裁を称賛するような連中と心中呼応しているように思えるところがある。三島由紀夫の事件のこともずっと頭にあって「三島はやったけど、俺はできなかった」というコンプレックスを抱き続けているともいわれている。そういう屈折した思いが今回の行動にも出ているような気がする。 大前研一さんが、完全に維新を見限ったと書いていた。道州制は彼が先駆者みたいなものだし、『平成維新』の名前で政治活動を始めたのも彼だし、名前を譲ったようなところもある。橋下が石原さんと組んだことにとても失望したようだ。大前さんは国際派の経営コンサルタントだから、石原さんが尖閣を購入しようとしたことなどで、ビジネス環境がとても悪くなったと言っている。尖閣では領土問題がなかったのに、石原さんの言動のせいで、国際的に領土問題があるということになってしまった。 核保有だの憲法破棄だの、80歳を過ぎた男が幻影の中で、一人で騒ぎを起こそうと執念を燃やしているということじゃないかな。ある意味、誠に大したもんではあるが。他方で「暴走老人」なんて言われていたけど、我々は、これから先は彼の暴走と妄想の違いを見極める必要がある。実際に今の日本に、アメリカや中国と戦争できるだけの思想や体力が備わっているとでも思っているのだろうか。 国民運動のような形をつくるには、安倍さんでは問題もあるんだよね。裾野の広い支持が得られるかというと疑問符だから。まず、総理をやっていた前回のことがあるので、強いイメージがない。そして、やや尖り過ぎているのではないかと。復古趣味とか、保守過ぎるとか、いろいろな言い方はあるけど。そんなこともあって総裁選のとき、全国の支部では圧倒的に石破さんの方が評判良かった。 ところが一部の学者や評論家が動いて、安倍さんを総理にと嘆願書まで出していた。そんな動きと尖閣の問題が重なって安倍さんが勝った。僕は2人とも知っているから言うけど、両方とも弱いかなと思ったな。じゃあ誰がいいのかと聞かれると困るんだけど、あの2人じゃ風を起こせないと思ったね。風を起こすという意味で、小泉進次郎に「おまえさん出ろ」ってけしかけたんだけどダメだったな(笑)。もちろん今は力を養成していくという彼の判断が正当だったんだがね。
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社会 2012年12月17日 11時45分
JR西日本でまた不祥事 大阪環状線の運転士が走行中に喫煙
JR西日本では和歌山駅の駅員が遺失物から現金約100万円を着服していたことが発覚し、当該社員を懲戒免職にしたばかりだが、またしても不祥事が発生した。 同社は12月13日、大阪支社奈良電車区に所属する男性運転士(55)が、大阪環状線の電車を運転中に運転席で喫煙をしていたと発表した。同社によると、運転士は「たばこを吸うのが我慢できなった」と話しており、過去に数回の喫煙行為を認めているという。同社は乗務中やホームでの喫煙を社内規定で禁じており、今後、処分を検討する。 運転士は12日午前7時10分頃、大阪環状線内回り普通電車を運転中に、大正駅(大阪市大正区)〜新今宮駅(同市浪速区)間(約1.6キロ)で、持参したたばこ1本を吸った。喫煙していた時間は約5分間で、携帯灰皿で吸い殻を処分したという。当時乗っていた乗客は、約200名と推定されている。 新今宮駅で降車した乗客が同駅社員に、「運転士がたばこを吸っていた」と申告。運転士に確認したところ、喫煙の事実を認めた。 電車の運転士の喫煙をめぐっては、大阪市営地下鉄で6月に回送電車を運転中にたばこ1本を吸ったとして、40代の男性運転士が停職1年の懲戒処分となった例がある。ただ、回送中と乗客を乗せての営業運転中とはワケが違う。電車の運転士は乗客の命を預かっており、自覚のなさが問われることになる。 JR西日本では「会社を挙げて社員一人一人が信頼回復に努めている中で、このような事象は運転士としてあるまじき行為で、ご利用のお客様に不信感を与えてしまったことは誠に遺憾であり、深くお詫び申し上げます」とコメントしており、運転士には厳罰が下されることになりそうだ。(蔵元英二)
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社会 2012年12月17日 11時00分
60歳無年金時代が到来! 死を待つだけの老後難民の実態(3)
中小企業に勤めていたHさん(66)。年金額を退職の1年前に社会保険事務所で調べてガックリ。新聞の求人欄で、週3回、夕方5時から朝9時までの病院の夜間警備の職を見つけた。もらえる金額は、東京都の最低賃金(時給850円)を少し超える程度だ。 バツイチの独り身だが、内縁の妻(夫は死別)がいるというIさん(67)。本人の年金は年95万円。彼女の遺族年金が110万円。遺族年金は妻が再婚すると権利が消滅するため、籍を入れないようにしている。しかし彼女に何もしてやれないヒモのような生活に「捨てられたらどうしよう…」という不安の日々だという。 大阪在住の大手企業でエリート街道を進んだものの、会社のリストラや企業合併で、本来なら企業年金が年300万円出るはずだったJさんのケース。64歳になり厚生年金の定額部分の受給が始まり、報酬比例部分を合わせて満額需給になった。これが年100万円強。これに老齢基礎年金が約70万円、妻が60歳未満のため総額は200万円に届かない。企業年金の減額分を合わせて年300万円を切っている。それでも夫婦2人で300万円はいい方。月2回は友人たちと飲み会を開き、年に一度は韓国や中国旅行に、オフピークの安い時期を選んで旅行する。これも時間があればできることだ。車は小型車に買い替えた。車くらいないと何かと不便だからだ。 ヒマつぶしという思いで、シルバー人材センターに登録し、そこから自転車置き場に派遣されたKさん(70)も一流企業からの定年退職組で、派遣先の同僚とは退職金や年金額が1ケタ違う。時給は900円で、1日中座っているだけだから退屈で仕方がない。センターには経理事務や学童の登下校の見守り要員など、見栄えのいい職もあるが、区会議員などにコネがないとまず採用されない。辛いのは、仕事仲間は競馬、パチンコしか興味がなく、会話が全くかみ合わないことだ。Kさんはジャズ演奏が趣味。カラオケに行っても他人の演歌を聞くのが苦痛でしかない。 57歳でやはり一流企業を早期退社、大手人材派遣会社に登録し、自営業として仕事を請け負う形をとったLさんにも悩みがある。登録者は同じく大手企業の管理職出身者が多く、登録会社のセミナーなどに出た後は飲み会となる。アルコールが嫌いではないLさんは、本来なら楽しいはずなのだが、会はサラリーマン時代の自慢話が飛び交い、中には名刺交換した有名企業経営者などの名刺を見せびらかす人もいる。Lさんは、つくづく不毛の時間だと思っている。
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社会 2012年12月17日 11時00分
橋下徹の天敵・丸山和也[参議院議員]が吠えた「暴走・維新は終わった!」(1)
丸山氏は、本誌5/24号のインタビューの中で「橋下市長と石原都知事(当時)が一緒になるわけがない」と言っていた。その理由は「橋下は利にさとい男ではあるが、それでも人間を観る眼力が多少なりともあると評価していたからだ」という。 これで、維新は終わりですよ、はっきり言って。まったくバカなことをやったなあ、というのが私の印象。仮に人気が出たとしても“値打ち”が下がったということです。 これは単なるウワサ話で真偽はわからないけど、石原さんがスポンサーになったという可能性はあるかな。石原さんは次の一手が出せずに行き詰まっていたし、維新はお金がなくて候補者の擁立もままならないという状況だった。 前回、橋下のことを経験主義者だと言ったけど、よく考えてみると、この合流も実は不思議ではなかった。橋下は基本的に哲学や思想にあまり興味がなく、自分の経験が全てだから、他から縛られることが少ない。従って重みはないが、良く言えば、身動きが自由。その代わり、一貫性のある行動がとれないんだよ。そして、周りから見て矛盾のある行動でも、本人の中では思想や哲学と無縁なだけに矛盾とは感じないんだね。その場その場で良いと思ったように動く。それが、石原さんと行動を共にするようなところまで来てしまった。でも、それにしても焦りが見えるな。 橋下氏は、最終的には首相の座を狙っているのかもしれない。石原氏との合流もそのプロセスか。 橋下はよく「白紙委任」という言葉を使う。大阪府知事のときも大阪市長のときも、選挙に勝ったときに「白紙委任されたんだから」と。だから何をやってもいいんだという理屈だろうけど、そこは勘違いしている。白紙委任というのは独裁につながっていくんだ。選挙で選ばれるということと、何をやっても許されるということは、中身は全然違いますよ。有権者は「橋下さんに何かをやってほしい」という漠然とした期待はあるけども、「何でもやってください」というわけではない。 それから、橋下も国旗掲揚とか国歌斉唱を強制しているけど、僕の見る限り愛国心とはまったく無縁のところからの欲求です。彼は愛国心などではなくて、人をコントロールすることの必要性を強く意識していると思える。思想的に「君が代」を日本の国歌として、歴史的にどう位置づけるかというような話ではなく、府や市の職員をどう統制するかという観点から、それらを強制しようとしている。 石原さんから誘われれば、そこにスポっと入ってしまうのも思想、哲学の部屋が空っぽで、何でも入る袋みたいだからだ。 しかし、本当なら“空”の部屋を石原さんで埋めるのではなく、自分なりの花で飾る努力をしてほしかった。そんなわけで、結果としては、橋下は地雷にくっ付いたようなものです。
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社会 2012年12月17日 11時00分
来春歌舞伎座オープンで松竹大幅利益増 不安要素は名古屋・御園座の再建計画
長らく経営が低迷していた松竹が、ようやく蘇ろうとしている。 建て替えていた歌舞伎座が来年4月に完成。来秋まで柿落し公演が続き、歌舞伎興行だけで「20億円程度の増益が期待できそう」(関係者)という。 さらに、もうひとつの収益の柱である賃貸収入も見込める。 29階建てのオフィスビルも併設し、夏までには23の全フロアが埋まるという。これが5億から10億円の利益を押し上げる要因になりそうだ。 歌舞伎座の興行と同新ビルでの不動産収入の大幅増加によって、松竹の決算は将来的に大幅に上向く。 もっとも'13年2月期決算は売り上げ830億円、経常利益5億3000万円、純利益が1億4000万円とやや厳しい。 「市川猿翁、猿之助、中車らの襲名興行が歌舞伎座ビル閉鎖期間の低迷を救った」(女性誌編集記者) だが、来年は映画にも期待が持てる。『渾身』『ひまわりと子犬の7日間』などが待機中だ。 そして、歌舞伎座とそのビルがオープンしてからはがらりと環境も変わる。'14年2月期になると売り上げが930億円、経常利益で25億円、純利益が15億円となりそうだ。 ただし、不安要素は残っている。迫本淳一社長の悩みのタネである債務超過に陥っている名古屋・御園座の再建だ。 「松竹は御園座の3%の株を保有する大株主。御園座は9月末に松竹との業務提携を発表したが、現実としていまの松竹は御園座を救えるほど楽な状況ではない。歌舞伎役者を派遣する程度で限界がある」(歌舞伎界事情通) 松竹はいま830億円の有利子負債を抱えている(利益剰余金は10億円)。 東宝のように不動産収入を回して高利益をあげる体質ではなく、いくら決算が良くなっても課題は山積みだ。(編集長・黒川誠一)
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社会 2012年12月16日 11時00分
60歳無年金時代が到来! 死を待つだけの老後難民の実態(2)
65歳まで働いたAさんは現在72歳。高度成長の時代を一緒に働き抜いた同僚の多くが、定年で辞めた後、やることがないので朝から酒を飲むようになった。退職後の6、7年で肝硬変、ガン、心臓病を患ってバタバタと死んでいったという。 定年退職後すぐに妻の介護に入ったのはBさん(66)。今や在宅介護者の3人に1人は『ケアメン(=親や配偶者などを介護する男性)』といわれる。Bさんは介護を始めてから、ただの一度も飲みに行ったことがない。 不必要なものは一切買わない。使わない物はどんどん捨てる。車も処分したというのはCさん(68)だ。買う物は必要最低限なものだけ。綿のYシャツなどは寝間着にし、それから布巾、最後は雑巾にする。地震で外に飛び出ても「対策として日ごろから外着で寝ている」と言えば恥ずかしくもない。Cさんにとって『ユニクロ』は高級ブランドだ。 大阪市在住の70歳になるDさんは、市営地下鉄、バスが無料なので、ほぼ毎日出掛ける。高齢者向けの無料イベントを探し、史跡巡り、先着順の高齢者マッサージ、風邪を引いたときも市販薬を買うより病院の方がはるかに安いので、週に3回は病院通いをする。医療費の自己負担は1割だから行かなければ損と考えている。エアコンの効いた図書コーナーで読書し、時間つぶしのため成人病セミナーにも出るという。 家賃6000円の県営住宅に、独りで暮らしているEさん(73)。月の収入は年金の6万円のみで、1食500円の『福祉弁当』を3回に分けて食べている。テレビはなく、徒歩30分の最寄駅に通い、新聞を拾って読むのを日課にしているが、雨が続くと何日もこもりきりになるのがつらいとか。 年金は年250万円(月約20万円=夫婦2人)の、標準よりちょっと上のFさん(69)のお隣は、生活保護受給の母娘家庭。保護費は月17万円程度だが、公営住宅家賃の約2万円、住民税、医療費、NHK料金もタダ。お隣はちょくちょく寿司の出前を取っているが、Fさん宅の食費は1人1食250円。おかずは納豆かシャケ1品。みそ汁の具は野菜のあまり部分。中国米しか食べたことがなく、コンビニの食材などとても高くて買ったことがない。 65歳までの再雇用を会社から拒否されたGさん(62)は、求職活動と並行して、会社に対し高齢者雇用安定法を順守するように申し入れている。ハローワークの求人広告も露骨に年齢制限を設けているものが多く、事実上60歳以上は拒否。アルバイトは肉体労働しかなく、持病を抱える身ではムリ。ハローワーク通いはヒマつぶしにしかなっていない。
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社会 2012年12月15日 17時59分
靴下フェチの犯行? 女子高生ばかり被害に
千葉県市原市で女子高生が男に、はいていた靴下や脚を覆うスパッツを強奪される事件が相次いでいる。 12月13日午後5時35分頃、同市西国分寺台の住宅街で、歩いて帰宅途中だった近所の私立高校1年の女子生徒(16)が、後ろから近づいた男に靴下を奪われた。男は走って逃げ、女子生徒にケガはなかった。 男は女子生徒の背後からいきなり左足首をつかみ、女子生徒が尻もちをついた後、左足の靴下を奪った。男は30〜40代くらいで、身長約160センチ。黒いダウンジャケットを着ていたという。 千葉県警市原署によると、9月初旬以降、同市内で女子高生ばかり、計5人が靴下やスパッツを奪われる事件が頻発している。同署では、一連の事件が同一犯の可能性が高いとみて、窃盗容疑で捜査している。 それにしても、なんとも奇妙な事件である。変質者の男が路上で、女性の衣服をはぎ取って盗む事件はあるにはある。ただ、それらのほぼすべては下着が目的。下着には見向きもせず、靴下のみを奪うというのは、ちょっと聞いたことがない。 犯人はよほどの靴下フェチであることが予想されるが、女子高生ばかりを狙っている点から、ロリコン趣味でもあるのだろう。 被害者が乱暴されたり、ケガを負わせられたりしていないことは不幸中の幸いだが、襲撃を受けた恐怖感やショックの大きさは想像に難くない。これ以上、被害者を出さぬよう、早期の犯人逮捕が望まれるところだ。(蔵元英二)
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社会 2012年12月15日 15時00分
世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第6回 「買いオペレーション」
中央政府は「子会社」である中央銀行に国債(借用証書)を買い取らせることで、借金の返済・利払い負担から解放される。これを「不公平だ!」と思った人は、国家の仕組みを理解していないことになる。 読者の財布の中に入っている紙幣(1万円札など)にしても、日本銀行が国債を買い取る代金として市中に供給したものだ。日本銀行に「国債を買い取るな!」と主張する人は、「日本円の通貨を発行するな!」と言っているのも同じなので、物々交換の原始共産社会を実現するべく努力して欲しい。 政府が日銀に国債を買い取らせることが可能なのは、「利益」を追求できない経済主体だからだ。日本政府(地方自治体含む)は、実はNPOなのである。NPOである以上、政府は利益を追求してはいけない。国債発行にせよ、通貨発行にせよ、政府は「公共」のために行うべきで、自らの利を追ってはならないのだ。 そういう意味で、「政府に損をさせるな!」「政府は赤字事業をヤメロ!」などという人は、国家の概念をまるで理解していないことになる。 そもそも黒字になる(利益が出る)事業ならば民間がやるべきだ。政府が「利益が出る」事業に乗り出すなど、民業圧迫もいいところである。短期的には利益が出なくても、長期的、マクロ的(国民経済的)に国民のためになるからこそ、政府は各種の事業を遂行するのだ。 また、国民全体のためになるのであれば、政府は超長期の国債を発行することも可能であるし、中央銀行に国債を買い取らせることで金利を抑制することもできる。 利益を追求すべき企業と、NPOである政府を同一視してはならない。 短期的には利益が出ないが、長期的、国民経済的には国民のためになる事業の代表株が、ずばり公共インフラ(道路など)の建設だ。いわゆる公共事業である。 公共投資、公共事業を実施するに当たり、政府は60年償還の建設国債を発行する。なぜ建設国債の償還期間が60年かといえば、公共事業で建設されたインフラは数十年スパンで国民が使用し続けるためだ。 ところで、現在の日本国民が使用しているインフラは、主に高度成長期の公共事業で建設された。道路や橋梁など、代表的なインフラ建造物の寿命はおよそ50年。コンクリートの劣化や鋼材の腐食により、築後50年を超えたインフラ建造物は、大々的にメンテナンスを実施するか、あるいは造り替えなければならない(さもなければ、国民に危険が及ぶ)。 さらに、東日本大震災を受け、国民の「安全」に対する需要は高まっている。しかも、現在の日本はデフレという「通貨不足」に悩んでいる。 日銀はより多額の日本円の通貨を市中に供給しなければならない。 というわけで、自民党は「建設国債発行」「日銀の建設国債買入(通貨供給)」「公共事業(国土強靭化など)」のパッケージというデフレ対策を、総選挙の公約に掲げたわけである。 ちなみに、安倍総裁は日本銀行の建設国債買入について、 「政府が国内の銀行に建設国債を発行し、お金を借りる。日本銀行が国内の銀行から建設国債を買い入れ、日本円の通貨を供給する」 と、いわゆる買いオペレーションを主張した。買いオペレーションとは、日本銀行の「通常業務」である。要は、「政府は公共事業拡大のために建設国債を“銀行に”発行するので、日本銀行は買いオペで金利を調整して欲しい」という話である。 ところが、安倍総裁の発言を一部のマスコミが歪め、「安倍総裁が日銀直接引受を要求している!」と大騒ぎしている。 日銀の直接引受とは、銀行を介さず、政府が直接的に国債を日本銀行に買い取らせることだ。日銀の直接引受は、財政法第五条により「特別な事由」があり、「国会の議決」を経ない限りできないことになっている。 国会の議決が必要であるため、自民党が総選挙で過半数を得たとしても、参議院が反対に回れば不可能だ。それ以前に、買いオペレーションも直接引受も、経済的な効果は変わらない。マスコミは安倍総裁の「買いオペレーションで」という発言を、イメージが悪い「直接引受」にすり替え、政策の信頼性を貶めようとしているわけである。 現実問題として、日本は「建設国債発行」「日銀の建設国債買入」「公共事業」をワンパッケージで回さない限り、デフレから脱却することはできない。 無論、上記の政策を実行に移すと、市中に新たな日本円が供給され、インフレ率が上がる。とはいえ、現在の日本は「デフレ」なのだ。日本の消費者物価指数の対前年比は、他国と比べると惨めになるほどに低い(低すぎる)。 というわけで、日本は一定のインフレ目標を設定し(例:3%)、目標を達成するまで日本銀行は無制限に(銀行から)国債を買い取り、日本円の通貨を供給していく必要がある。 日本銀行が供給した通貨は、日本政府が建設国債で借り入れ、公共投資、公共事業で「所得」「雇用」を創っていく。 ごくごく当たり前の「デフレ対策」なのだが、なぜかこれがマスコミから総バッシングされているわけだから、日本というのは本当に不思議な国だ。三橋貴明(経済評論家・作家)1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、わかりやすい経済評論が人気を集めている。
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社会 2012年12月15日 11時00分
候補者指導でガッポリ稼ぐ ベテランウグイス嬢が語る選挙戦の“裏”
ウグイス嬢の「よろしくお願いしまーす」という声が聞こえると、選挙が近いことを実感する。この仕事は、それなりのベテランになればなるほどオイシイ思いができるという。 「組織が固い公明党や共産党は自前のウグイス嬢がいるので、私たちのビジネス相手は自民、民主、無所属といったところです」 と言う、大は国政レベルから小は市町村レベルまでこなすウグイス嬢歴30年のベテランF子さんに、知られざる実態を語ってもらった。彼女自身の本業は“プロの司会者”。他にはバスガイドのアルバイトルートが多いらしい。 F子さんによると、派閥選挙が幅を利かせていたころは選挙資金も潤沢で、それなりに実入りもよかったが、小選挙区導入後は資金の削減、小党化、有権者の政党離れなどからウマ味も少なくなったという。そのため、限られたパイを巡り、壮絶なバトルが演じられているのだとか…。 「だから、実は枕営業も少なくないんです。もちろん、相手は候補者ではありません(笑)。側近や選対の参謀格に取り入り、肉弾戦法で仕事を獲るのです」 選挙は短期決戦。毎日朝の8時から夜の8時まで、頭を下げつつ同じセリフを連呼する対価は、20万円そこそこと微妙。それでも希望者は多いらしい。 「20代30代は、まだまだ素人。それなりの経験を積まないと、同じ『お願いします』でも、振り向かせる人数が違いますよ」 電柱やポストにも手を振るぐらいの熱意と誠意を見せなければ、有権者の心には響かない、とF子さんは語る。さらにベテランともなると、マイクの使い方、声の出し方、身振り手振り、聴衆との間合いなど、勝つためのパフォーマンスまで候補者に指南するという。 「このレクチャー代が、実はベテランにとって大きいのです」 ウグイス嬢も必死だ。
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都知事選 ラストサンデーで石原氏を袋叩き
2007年04月02日 15時00分
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都知事選特集 占い師対決
2007年04月02日 15時00分
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谷隼人が都知事選候補者を応援
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都知事候補 黒川氏がメイドさんと“合体”
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都知事選 石原氏「厳戒歌舞伎町演説」で語った手柄話
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都知事選政見放送で仰天マニフェスト
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都知事選「浅草雷門で時間差対決、石原VSドクター中松」
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都知事選きょう告示、石原氏ら第一声
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桜金造都知事選正式表明
2007年03月20日 15時00分
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都知事選 黒川氏が石原知事をホリエモン呼ばわり
2007年03月19日 15時00分
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ホリエモン実刑
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丸山弁護士東京都知事選出馬へ
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石原カジノ構想消滅!?浅野氏に“追い風”吹く
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上層部スタッフが告発 NOVA 怪文書
2007年02月21日 15時00分