社会
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社会 2013年04月12日 11時45分
富山の少年少女4人がアプリ「LINE」を使って美人局 男性を恐喝
若者に絶大な人気を誇るスマートフォン(多機能携帯電話)の無料通信アプリ「LINE(ライン)」を介した少年犯罪が、またしても起きた。 富山中央署は4月7日、同県富山市長柄町の公園で上市町に住む男性(21)から、現金を脅し取ったとして、14〜16歳の少年少女4人を恐喝の疑いで逮捕した。 逮捕されたのは、県東部の無職少年(16)と高校入学予定の少年(15)、富山市内の中学3年の少年(14)と少女(14)の計4人。 逮捕容疑は、6日午前0時頃から1時15分頃にかけ、少年少女4人が共謀して、公園に呼び出した男性から現金約6万円を脅し取った疑い。 同署によると、「LINE」を通じて男性と知り合った少女が「会いましょう」などと言って、公園に誘い出した。2人で会っていた際に、仲間の少年3人が現れ「カネを出すのか」「警察に行くか」などと脅し、殴る蹴るの暴行を加えて、カネを奪ったという。少女と男性は初対面だった。 被害者の証言や現場周辺の聞き込みなどから、4人が浮上した。4人は「カネが欲しかった」などと供述し、容疑を認めているという。 また、同じ方法でこれまで10回ほど恐喝し、奪ったカネは分け合っていたと供述しており、同署が裏付けを進める。 男性は殴る蹴るの暴行も受けており、同署は傷害の疑いでも捜査する。 無料で通話やメールができるとあって、若者を中心に普及した「LINE」だが、出会い目的に利用されることも多く、犯罪の温床にもなっている。どこかで、歯止めをかける必要がありそうだ。(蔵元英二)
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社会 2013年04月11日 16時00分
静岡・毒塗り男逮捕 足指5本切断は2度目の被害だった美人同僚の悲劇
勤務先の同僚女性に惚れ込み告白してフラれるや、その腹いせに女性の靴に毒物を塗布した男が逮捕された。 「被害に遭ったのは、静岡県内の炭素製品製造会社研究所に勤める40代の女性。昨年12月5日、退社時に靴を内履きから外履きへ履き替え退社したところ、左足指先に違和感を覚え病院へ駆け込んだ。診断の結果、靴に塗り込まれた毒物の薬品『フッ化水素酸』により足先が浸食されていることがわかったのです」(社会部記者) 結果、足指5本を切断する重傷を負った女性が被害届を提出。3月28日、静岡県警と御殿場署は、女性と同じ研究所に勤務する山梨県山中湖村の深澤辰次郎容疑者(40)を、殺人未遂の疑いで逮捕したのだった。 『フッ化水素酸』は、'82年に東京都八王子の歯科医院で誤って幼児の口に塗布し死亡した件や、'09年にも千葉県で起きた殺人事件で遺体を溶かす目的で使用された例もある毒物だ。法令でも鍵付の保管庫での保存を義務付けられている。 「深澤容疑者は容疑を否認していますが、彼が『フッ化水素酸』の管理を担当し、事件当時に通常ではない不自然な減り方をしていたことも確認しています。また、昨年10月も今回と同様に、女性が退社時にブーツに履き替え退社しようとした際、足先に違和感を覚え病院へ行っており、足先がただれて1カ月の重傷を負っている。そのときは右足、今度は左足で、同一犯だとすれば非常に悪質です」(捜査関係者) 出身地である山中湖村の小中学校を卒業し「小さい頃は勉強も運動も優秀で通っていた」(近隣住民)という深澤容疑者だが、就職後の生活は地味そのものだったという。 「現在も生まれ育った町で4畳半一間にバストイレ付きのプレハブにひっそりと暮らし、そこから会社へ車で通っていて、職場でも自分の仕事を黙々とこなす目立たない社員だったとのことです。一方、女性は控えめな美人タイプで、2度3度と交際を申し込まれ、はっきりと断った揚げ句、悲劇に襲われたのです」(前出・社会部記者) 全容解明が待たれる。
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社会 2013年04月11日 15時00分
森永卓郎の「経済“千夜一夜”物語」 アベノミクスのゴール
政府・与党が、農家への新たな所得補償制度を作ろうとしている。現在行われているコメの収入補填、コメ・麦・大豆などへの補償金を統合し、さらには農家が掛けている農業共済も統合して、農家への包括的な所得補償制度を実現しようとしているのだ。 新制度は、'16〜'17年度の導入を目指しており、そこでは財政資金の投入も視野に置かれている。こうした制度を導入しようとするのは、もちろんTPP参加で農産物価格が大きく下落することを見越してのことだ。 もうひとつ、政府が急いでいるのは、米軍普天間基地の名護市への移設だ。政府は3月22日に名護市辺野古沿岸部の埋め立てを沖縄県に申請した。沖縄県民の理解を十分得ない中での強行突破だが、すでに名護漁協とは内々に補償額の合意を得ているという。 この二つの事実から浮かび上がるのは、2月の日米首脳会談の本質は、日本が金融緩和をアメリカに認めてもらうのと引き換えに、TPP参加と辺野古移設を差し出したということだ。 アベノミクスは、(1)金融緩和、(2)財政出動、(3)成長戦略という3本の矢で構成される。最初の2本は、経済のパイを大きくする政策だ。これは今のところうまく行っているが、問題は3本目の成長戦略だ。この中身は、どうやら日本の経済社会をアメリカ型に改造することだということが、最近明らかになってきたのだ。 もちろん、そのことは、「世界で最も成功した社会主義」と呼ばれた日本の経済社会に、大きな痛みをもたらす。それを緩和するのが、補助金のバラマキという自民党が得意としてきた政治手法なのだ。 ただ、そうしたやり方は、決して日本の経済を強くしない。たとえば、米軍基地の負担を一手に引き受ける沖縄には、これまでさまざまなバラマキが行われてきた。そのおかげで沖縄には立派な道路や橋が架かり、摩天楼が建ち並ぶようになった。しかし、沖縄の産業競争力は相変わらず低く、所得水準も高まらず、雇用機会は少ないままだ。だから、同様に今後補助金漬けになっていく日本の農業が強くなるはずがないのだ。 それでは、アベノミクスの成長戦略が描くゴールはどのような社会になるのか。それはコネ社会だろう。いま農業をやっている人や辺野古で漁業をやっている人は補償金で潤う。しかし、新たに農業を始めた人は、丸腰で安い輸入農産物と戦っていかなければならない。 TPPで自由競争が強化されれば、努力が報われる社会になると思われるかもしれない。だが、現実はそうはならない。たとえば、15〜24歳層の若年失業率は、日本では25〜54歳層の2倍弱だが、アメリカや韓国は3倍だ。つまり、若年層が就職しにくい社会になっている。両国とも競争社会で、良い会社に就職するためには高い学歴が必要なのだが、それは必要条件であって、確実に就職するカギはコネなのだ。 かつての日本のように、学校の成績順に良い企業への就職斡旋がなされるというのが、一番努力が報われる社会なのだ。ところが、自由競争になればなるほど、コネがモノを言うようになる。だから、アベノミクスのゴールは、権力者にすり寄った人ほど良い生活ができる社会だと私は思う。皆が安倍総理になびくのは当然なのだ。
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社会 2013年04月11日 15時00分
中小企業苦しめる円滑化法“期限切れ”
3月27日付の主要全国紙全面広告に、次のような政府広報が載った。 『中小企業の皆さま、金融円滑化法の期限が切れる4月以降も、おーきな安心をお届けします!』 わざわざ“おーきな”と棒引きまでして強調したこの「円滑化法」とは、平たく言えば“企業が銀行から借りたお金を約束通り返さなくてよい法律”である。その法律が、3月末をもって終了したのだ。 金融庁や民間の信用調査会社帝国データバンク等の推計によれば、「円滑化法」を利用している企業は40万社程度存在するといわれている。日本に約420万社存在しているとされる企業の、およそ10社に1社が、この“平成の徳政令”にすがっていたわけだ。 冒頭の広告は、銀行がすぐに“手のひら返し”をしないように「ちゃんと金融庁が目を光らせていますよ」というアピールに他ならない。金融庁にとっても、企業倒産の増加は自身の政策失敗と捉えられかねず、ひいては安倍政権の命題でもある景気浮揚策にも影響が出るからだ。 しかし、このメディア戦術の裏で、実際には“手のひら返し”は既に始まっているという。 「返済を猶予することは不良債権の蓄積を意味し、銀行にとっては望ましいものではありません。金融庁からの指導はありますが、融資の現場では、返済条件の変更や借入金の元本部分の支払い猶予を繰り返すにも限度が出ます。借り手の中には、銀行側の勧めで中小企業再生支援協議会を頼ったものの効果がなく、毎年借りていた短期資金の融資すら銀行から断られる状態となり破産した会社もあります」(大手銀行幹部) 景気を下支えするはずの中小企業が死んでしまっては、経済再生どころではないはずだ。
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社会 2013年04月11日 11時45分
詐欺罪で公判中の元阪神・塩谷容疑者 被害総額は2400万円
兵庫県警は4月10日、プロ野球・元近鉄バファローズ(オリックスに吸収合併)監督の佐々木恭介氏(63)に、架空の投資話を持ち掛けて現金をだまし取ったとして、詐欺の疑いで、元阪神タイガース、オリックス・ブルーウェーブ(現バファローズ)選手で不動産会社社長・塩谷(しおたに)和彦容疑者(38=別の詐欺罪で公判中)を追送検した。 追送検容疑は、10年3月頃、LEDライトを道路に埋める公共工事に投資すれば、儲かるなどと佐々木氏に持ち掛け、現金約200万円をだまし取った疑い。 佐々木氏の被害を裏付けた上で、塩谷容疑者の捜査を終えたが、起訴分を含む、その被害総額は約2400万円に上った。 捜査関係者によると、塩谷容疑者は元オリックスの投手で、チームメートだった会社員・本柳和也氏(36)にも、同様の投資話を持ち掛けた際、佐々木氏の自筆の契約書を示して「特別な人脈がある」などと勧誘に悪用していた。本柳氏からは285万円をだまし取ってとして、今年2月に再逮捕されていた。 塩谷容疑者は昨年11月16日、架空の儲け話を持ち掛け、兵庫県西宮市の会社役員の男性から、現金550万円をだまし取ったとして、詐欺容疑で兵庫県警西宮署に逮捕され、同12月に起訴された。その後も次々に、ウソの投資話による詐欺の余罪が発覚していた。 92年のドラフト6位で阪神に入団した塩谷容疑者は、02年にオリックスに移籍して開花。03年には初の3割をマークし、オールスター戦にも出場。05年限りで日本球界を去り、06年は韓国・SKでプレーしたが、シーズン途中で引退した。引退後は不動産会社を経営していた。(蔵元英二)
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社会 2013年04月10日 11時45分
大阪市営地下鉄の助役らが駅構内で喫煙
大阪市交通局は4月5日、市営地下鉄御堂筋線・天王寺駅構内で、男性助役(45)と男性駅務職員(41)が、駅構内で喫煙していたと発表した。今後、同局では詳細を確認した上で、厳正に対処する方針。 同局によると、助役らは終電後の3日午前1時頃、ホームからコンコースに上がる階段の途中で、たばこを1本ずつ吸ったという。清掃業者が目撃し、同局に連絡して発覚した。 大阪市では職場での喫煙を禁じており、また駅構内でも禁煙のため、駅職員には休憩中に外で吸うよう指導している。 助役は「この日は清掃や工事の業者が多くて外に出にくく、『もういいやんか』と安易な気持ちで吸ってしまった」と話しているという。 同局では「今回の事象を踏まえて、全事業所の巡視を行い服務規律の徹底を図るほか、喫煙習慣のある職員に対し、直属の上司が個別面談を行い指導します」としている。 市営地下鉄での喫煙をめぐっては、昨年4月3日、四つ橋線・本町駅で、男性助役が駅長室内にある給湯室でたばこを吸い、自動火災報知器が作動。報知器作動を知らせる自動放送がホームにも流れ、電車4本の出発を一時見合わせたが、約1分後に運転を再開。約1000人に影響する事故があった。この助役は停職3カ月の懲戒処分を受けている。 また、同年7月17日、男性運転士が千日前線・阿波座駅と中央線・阿波座駅の間で回送電車を運転中、信号待ちの約4分間に、乗務員室内でたばこ1本を吸ったとして、停職1年の懲戒処分という厳罰を受けている。 今回の場合、終電も終わっており、利用客に迷惑はかけていないが、駅構内という禁煙エリアで喫煙したのは事実。一人は助役という立場でもあり、軽い処分では終わりそうにない。(蔵元英二)
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社会 2013年04月10日 11時00分
放送業界ではこれまであまり例がない TOKYOFMヘッドハント人事の風評
FM業界でトップを独走するTOKYOFMで、社長を外部から招く人事が注目されている。 次期社長として名前が挙がっているのは、日本航空出身者の千代勝美氏。 「まだ確定とはいえませんが、今年6月の株主総会で千代氏が社長になるといわれています。昨年6月にTOKYOFMに『経営戦略特別顧問』として入り、その段階ですでに“社長含み”という声が高かった。現社長の冨木田道臣氏は代表権をもつ会長昇格といわれています」(FM業界事情通) 次期社長候補とされる千代氏は早大政経学部卒。66歳で、前職はJALホテルズ社長。現在は金沢工業大学大学院コンテンツ&テクノロジー融分研究所客員教授、大島造船所最高顧問などの肩書きを持つ。 1970年に設立された同局で、最初の2人の社長は“天下り”だった。初代は郵政省元次官の大野勝三氏、二代目が新聞社出身の津田亮一氏。三代目の後藤亘氏が初のはえぬき社長となり、今の冨木田氏へとバトンタッチされた。 それまで、TOKYOFM中興の祖である後藤社長が絶大な権力を握っていた。 だが、後藤氏は今、TOKYOFMが筆頭株主である東京メトロポリタンテレビの代表取締役会長職にあり、TOKYOFMでは「名誉相談役」である。 それにしても、外部から社長を連れてくるのは、放送業界ではあまり例がない。 「テレビ局は、親会社の新聞社から天下ることが少なくない。最近までのテレビ朝日や日本テレビは、ほとんどそうでした。だが、東京メトロポリタンテレビのケースも過去にある。その手法を学んだともいえる。要するに、業績が悪ければ社長を代えればいい、という安易な風潮があるのです」(テレビ業界事情通) しかし、その東京メトロポリタンの場合は失敗している。'07年にドンの後藤会長がソニーから社長を連れてきたが折り合いが悪く、社長は任期途中で辞任を申し出た。 さて、どういう展開になるか…。
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社会 2013年04月10日 11時00分
勝栄二郎のIT会社 次期社長内定のウラ
『日本の影の支配者』の異名を取った“大物”勝栄二郎・前財務事務次官が、東証1部上場で法人向けITサービスを手掛けるインターネットイニシアティブ(IIJ)の次期社長に内定した。財務省の次官経験者は天下り先に事欠かず、それこそ引く手あまたのはず…。それなのに、全く畑違いのネット通信会社に転出とは−−。 実はこの裏には、しっかりと“政官癒着の構図”が隠れている。永田町関係者が喝破する。 「2月末に成立した補正予算の中に、独立行政法人・情報通信研究機構のIT関連事業として、500億円の予算がついたことから『この独法を通じてIIJに500億円がそっくり流れるのではないか』との疑惑が浮上しました。情報通信研究機構の本予算は、わずか5800万円。大物次官が絡んだ結果、桁違いどころか、およそ862倍のビッグマネーが転がり込んだのです。 それだけではありません。この天下りを許した背景には今、世間の関心を呼んでいるネット選挙とマイナンバー(国民総背番号制)があります。政府の本音は、インターネットを通じて国民の秘匿財産はもちろん、思想や行動様式までガッチリ監視すること。そのためには目的を隠しながら実態に迫れる存在が欠かせない。その点、官公庁を主な顧客とするIIJは、ダミー会社として好都合なのです。当然、将来的な見返りは500億円程度では済まないでしょう」 かつて“手土産工事”が堂々と幅を利かせた伝統的な“高級官僚の天下り”に比べれば、勝・前次官の場合は多少、手が込んでいる。とはいえ、やはり“大物”だけに、政府ぐるみの“忍法”はあからさま。こういうことを平気でする自民党は、やはり昔と変わっていないようだ。
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社会 2013年04月09日 15時00分
世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第21回 グローバリズムの正体
TPPに最も似ているのは、実はEU(欧州連合)である。EU加盟国は、加盟国同士でモノ(製品)に関する関税をゼロとする関税同盟を実現している。同時に、EU加盟国は各国が国内法を変更し、サービスの貿易に関するルールを統一化した。 さらに、互いの国境を超えたカネ(資本)の移動に制限はない。加えて、シュンゲン協定により加盟国間の「ヒト」移動についても国境検査が行われない状況になっている。 経済の三要素とは、モノ(&サービス)、カネ、ヒトである。EUやTPPに代表されるグローバリズム的政策とは、モノ、カネ、ヒトという経済の三要素の「国境を超えた自由」を実現するものなのだ。 各要素のモノ、カネ、ヒトの動きを自由化するとは聞こえがいいが、これは各国の国民や企業について「国家という共同体による保護をなくす」という意味でもある。 関税とは、自国企業、自国市場を外国企業から守るための「盾」だ。サービスの分野における各種の規制、ルールとは、その国が歴史的に育んできた文化、伝統、慣習に基づいている「法律」のことである。 資本移動の制限や外資規制とは、各国の企業や投資家に「自国の国民経済」のために投資(工場建設など)を行うインセンティブ(意欲への刺激)を与える。同時に、自国の重要資産(インフラ、放送局など)への外国人の投資を制限するのは、これは国民国家として当たり前の「主権」だ。 観光客はともかく、労働者の国境を超えた移動の自由を制限することは、国民所得の水準(=人件費の水準)が異なる国々の労働者の流入により、自国の雇用が奪われる事態を防止する意義を持つ。 ゆえに、国家という共同体が持っている関税や各種の規制、制度、ルールは、その国の国民や企業を保護し、国民経済が内需中心で健全に成長するための武器・盾なのだ。 内需、すなわち国内の需要が拡大することは、国民の所得増大とイコールになる。とはいえ、政府による各種の規制が強すぎると、民間企業や投資家が自由にビジネスや投資を行えず、国民経済における潜在GDP(供給能力)が成長しない 故に、各種の規制は可能な限り緩和もしくは撤廃し、自由な競争が行われる市場を「国家」の上に位置させるべし。以上が、1980年代以降に世界で広まった新古典派経済学、新自由主義、あるいは構造改革主義の本質だ。この種の規制緩和を「国境を超えて、実施するべき」という考え方が、まさにグローバリズムなのである。 EUは欧州におけるグローバリズムの結実であるが、それをより究極的な形に押し進めたのが「共通通貨ユーロ」である。共通通貨ユーロに加盟している国々は、関税に加えて、為替レートという「自国企業」を保護する手段を喪失している。 結果的に何が生じたかといえば、もちろん「市場ルール」という国家の枠を超えたルールに基づく「弱肉強食」の市場競争である。 日本のマスコミは、ユーロを単純思想で「グローバリズムが実現したユートピア的世界」として報じるのみだ。現実のユーロは、決してユートピアではない。むしろ、「サバンナ」的な状況が、共通通貨ユーロにより発生しているのである。 ユーロ加盟国は、それぞれが関税自主権や対ユーロ諸国の為替レートの変動という「盾」を喪失している。結果的に、ユーロ加盟国は、外国から輸出攻勢を受けた際に、「関税で自国企業を保護する」ことも「為替レートの引き下げで、自国企業を保護する」こともできない。 結果的に何が生じるかといえば、生産性が高いユーロ加盟国が、ひたすら生産性が低いユーロ加盟国への輸出を拡大していく「サバンナ」の出現である。 例えば、ドイツとギリシャの生産性の違いは、これはもう「圧倒的」だ。生産性が異なる国同士が関税や為替レートといった「盾」なしで戦うと、ストロー級のボクサーとヘビー級のボクサーが、同じルールで殴り合うような有様になる。生産性が低いストロー級のボクサーの側には、全く勝ち目がない。 読者のほとんどがご存じないだろうが、ギリシャには自動車企業がない。だからといって、ギリシャが車社会ではないかといえば、そんなことはない。ギリシャの鉄道や公共交通網は、日本に比べると悲しくなるほど貧弱だ。国民は基本的には、自動車を運転して移動するしかない。 それにもかかわらず、ギリシャには「国民車」が存在しない。公共交通網が貧弱で、かつ国民資本の自動車企業が存在しないギリシャは、現在はドイツ車を始めとする外国車で溢れている(主にドイツ車、イタリア車、日本車、韓国車など)。 それほどまでに自動車に対する需要が大きいのであれば、ギリシャ国民車が誕生しても良さそうなものだが、現実には不可能だ。何しろ、ドイツ車やイタリア車など「ユーロ加盟国」の自動車に対しては、ギリシャは関税をかけることも、為替レート引き下げで輸入を防止することもできない。 ギリシャ企業が自動車生産に乗り出したとしても、生産性の違いを埋めることは不可能で、結局、ギリシャ国はドイツなどから自動車を輸入し続けるしかないのだ。 ギリシャなどの低生産性国が、ドイツなど生産性が高い国々から自動車等の製品の輸入を続けた結果、ユーロ圏では「経常収支のインバランス」が拡大していった。経常収支のインバランスが何を引き起こすかは、次回以降、解説していく。 ところで、ギリシャがドイツから自動車を輸入し続けるということは、自国で「自動車関連の雇用が創出されない」という意味だ。「関税なし、為替レート変動なし」という「ガチンコのリング」でストロー級ボクサー(低生産性国)とヘビー級ボクサー(高生産性国)が統一ルールで殴り合った結果、ユーロ圏は綺麗に「勝ち組」と「負け組」に分かれていった。 勝ち組、負け組の判定が最も明確に出るのは失業率だ。'13年1月時点の失業率の数値を見れば、勝ち組と負け組の差は「圧倒的」である。 この状況で、負け組に対し勝ち組が「負け組の失業率が上昇しているのは、自己責任」と切り捨てるのがグローバリズムなのだが、読者はいかなる感想を抱いただろうか。三橋貴明(経済評論家・作家)1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、わかりやすい経済評論が人気を集めている。
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社会 2013年04月09日 11時45分
肥後銀行の女性行員が約1億3000万円分の交通局カード購入し換金して着服
肥後銀行(本店・熊本県熊本市)は4月3日、本店の庶務担当の30代の女性行員が同行の名を使って、熊本市交通局のバス・市電のプリペイドカード1億2836万円分を購入し、換金して着服し、遊興費などに使っていたと発表した。 同行は3月27日付で女性行員を懲戒処分として解雇し、役員ら7人を管理監督責任で減給処分などにした。 同行によると、女性行員は熊本県内の路線バスや熊本市電で使う、行員用のプリペイドカードを市交通局に発注する業務を担当。10年1月〜今年1月、肥後銀行名義で業務用と称して、カードを余分に86回購入。金券ショップで換金して着服した。 着服額の総額は不明だが、カードの購入額は1億2836万円に上る。交通局への支払いが後日振り込みだったため、換金したカネの一部で購入費を穴埋めしていたため発覚が遅れた。 2月末の支払期限が過ぎても2112万円が未払いだったため、3月上旬、市交通局が同行に確認して発覚した。未払い分は女性の親族が全額支払った。 当初の購入額は1回3万円だったが、だんだんとエスカレートして、購入額が増えていったが、次第に自転車操業に陥ったもよう。 女性行員は交通局には「11年から全支店の公用車を廃止して交通費がかかる」と説明しており、多額の購入にも、交通局側は「相手が肥後銀行なので不審に思わなかった」という。 同行では「今回の事態発生を厳粛に受け止め、法令遵守意識のさらなる徹底及び管理態勢の強化に向け、役職員一同全力で取り組んでまいります」とコメントしている。 同行では、11年7月に20代女性行員が顧客の預金約168万円を着服する問題が起きている。その行員は懲戒解雇された上、刑事告訴されたが、そんな事件が発覚しても、当該行員は着服をやめなかったことになる。(蔵元英二)
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都知事選 ラストサンデーで石原氏を袋叩き
2007年04月02日 15時00分
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都知事選特集 占い師対決
2007年04月02日 15時00分
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谷隼人が都知事選候補者を応援
2007年04月02日 15時00分
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都知事候補 黒川氏がメイドさんと“合体”
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2007年03月30日 15時00分
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都知事選 石原氏「厳戒歌舞伎町演説」で語った手柄話
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2007年03月28日 15時00分
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都知事選「浅草雷門で時間差対決、石原VSドクター中松」
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桜金造都知事選正式表明
2007年03月20日 15時00分
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ホリエモン実刑
2007年03月16日 15時00分
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丸山弁護士東京都知事選出馬へ
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石原カジノ構想消滅!?浅野氏に“追い風”吹く
2007年03月07日 15時00分
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上層部スタッフが告発 NOVA 怪文書
2007年02月21日 15時00分