実はこの裏には、しっかりと“政官癒着の構図”が隠れている。永田町関係者が喝破する。
「2月末に成立した補正予算の中に、独立行政法人・情報通信研究機構のIT関連事業として、500億円の予算がついたことから『この独法を通じてIIJに500億円がそっくり流れるのではないか』との疑惑が浮上しました。情報通信研究機構の本予算は、わずか5800万円。大物次官が絡んだ結果、桁違いどころか、およそ862倍のビッグマネーが転がり込んだのです。
それだけではありません。この天下りを許した背景には今、世間の関心を呼んでいるネット選挙とマイナンバー(国民総背番号制)があります。政府の本音は、インターネットを通じて国民の秘匿財産はもちろん、思想や行動様式までガッチリ監視すること。そのためには目的を隠しながら実態に迫れる存在が欠かせない。その点、官公庁を主な顧客とするIIJは、ダミー会社として好都合なのです。当然、将来的な見返りは500億円程度では済まないでしょう」
かつて“手土産工事”が堂々と幅を利かせた伝統的な“高級官僚の天下り”に比べれば、勝・前次官の場合は多少、手が込んでいる。とはいえ、やはり“大物”だけに、政府ぐるみの“忍法”はあからさま。こういうことを平気でする自民党は、やはり昔と変わっていないようだ。