同行は3月27日付で女性行員を懲戒処分として解雇し、役員ら7人を管理監督責任で減給処分などにした。
同行によると、女性行員は熊本県内の路線バスや熊本市電で使う、行員用のプリペイドカードを市交通局に発注する業務を担当。10年1月〜今年1月、肥後銀行名義で業務用と称して、カードを余分に86回購入。金券ショップで換金して着服した。
着服額の総額は不明だが、カードの購入額は1億2836万円に上る。交通局への支払いが後日振り込みだったため、換金したカネの一部で購入費を穴埋めしていたため発覚が遅れた。
2月末の支払期限が過ぎても2112万円が未払いだったため、3月上旬、市交通局が同行に確認して発覚した。未払い分は女性の親族が全額支払った。
当初の購入額は1回3万円だったが、だんだんとエスカレートして、購入額が増えていったが、次第に自転車操業に陥ったもよう。
女性行員は交通局には「11年から全支店の公用車を廃止して交通費がかかる」と説明しており、多額の購入にも、交通局側は「相手が肥後銀行なので不審に思わなかった」という。
同行では「今回の事態発生を厳粛に受け止め、法令遵守意識のさらなる徹底及び管理態勢の強化に向け、役職員一同全力で取り組んでまいります」とコメントしている。
同行では、11年7月に20代女性行員が顧客の預金約168万円を着服する問題が起きている。その行員は懲戒解雇された上、刑事告訴されたが、そんな事件が発覚しても、当該行員は着服をやめなかったことになる。
(蔵元英二)