杉並区には、日本に500以上あるといわれるアニメスタジオのうち70以上が集まっているという。区ではアニメーションを重要産業ととらえ、人材育成事業「杉並アニメ匠塾」や、アニメーション産業振興と地域振興を目的とする「アニメーションフェスティバルinすぎなみ」などを行っている。
「杉並アニメーションミュージアム」は、杉並会館内にある。「杉並アニメ資料館」をリニューアルし、2005年に、開館した。日本全国には、特定の作家やスタジオらの紹介に特化した施設は多くある。「杉並アニメーションミュージアム」は、作家や制作会社の壁を越え、日本のアニメーション全体を紹介している。
企画展『トキワ荘のヒーローたち・〜マンガにかけた青春〜』では、「トキワ荘」が「マンガアパート」と呼ばれた時代の暮らしぶりや、当時の作品・資料などが展示、紹介されている。
「トキワ荘」は一般的なアパートであったが、1953年に、マンガ家の手塚治虫が入居したことにより、若いマンガ家たちが集まった。
企画展『トキワ荘のヒーローたち・〜マンガにかけた青春〜』会場では、マンガ家である寺田ヒロオの部屋が再現されており、「トキワ荘」と「トキワ荘」での暮らしぶりを、間近に見ることができる。
「トキワ荘の暮らしと遊び」というコーナーでは、新人マンガ家たちにより結成された「新漫画党」の野球チーム「エラーズ」に関する写真や、経済的に裕福ではなかったマンガ家たちの食事事情や、飲み会の様子などが展示されている。
「トキワ荘」は、1982年に、老朽化のため解体された。企画展内のコーナー「トキワ荘の最後」では、「トキワ荘」の解体後に、石ノ森章太郎らが呼びかけ、赤塚不二夫なども参加したアニメーション制作会社などが、アニメーションの歴史の一環として、紹介されている。
また、「トキワ荘」があった豊島区では、住民と協力し、椎名町周辺を紹介する散策マップを製作。区役所などで配布している。豊島区立郷土資料館では、「池袋モンパルナス」と呼ばれた、豊島区旧長崎町を中心とする「アトリエ村」を、常設展示で紹介している。(竹内みちまろ)