新日本
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スポーツ 2017年12月27日 22時50分
【新日本・見どころ】前売り3万枚突破で、札止めが見えてきた1.4東京ドーム大会!
新日本プロレスが92年から来年で26年連続(東京ドームでの興行は29年連続)となる、1.4東京ドーム大会『レッスルキングダム12』の前売り券が、ブシロードが2012年1月末に新日本を買収してから初めて開催された2013年の大会以降、最速の売り上げを見せている。関係者の話によると「年内に3万枚を突破したことで、用意したチケットがすべて売り切れる可能性も出てきた」という。 ブシロード体制になってから、実数発表となり、90年代のような6万人という数字を叩き出すのは難しい状況になっているが、日曜開催で満員マークをつけた2015年の36,000人を超えるのは濃厚で、チケットが完売した場合は札止めで発表されることになる。新日本は次に1月4日が週末となる2020年大会での札止めを目指していただけに、この目標が大きく前倒しされるかもしれない。2019年大会からはしばらく開放されていなかった外野寄りの内野スタンドや、外野スタンドを開放し、動員数を増やしていくことが考えられる。 昨年1月に主力選手だった中邑真輔をはじめ、複数の選手がアメリカの世界一のプロレス団体WWEへ移籍したことで、一瞬動員が下がった時期もあったものの、入れ替わるかのようにロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンを結成した内藤哲也が台頭。現在は中邑が在籍していた時よりも動員数が上がっているのだ。今回、ドーム大会の前売りが好調なのも、内藤人気がかなりのウェイトを占めているのは確実で、先日、東京スポーツが選定するプロレス大賞のMVPに内藤が2年連続で選ばれたことも追い風になった。 メインで行われるオカダ・カズチカが持つIWGPヘビー級王座に、真夏の最強決定戦G1クライマックスで優勝した内藤が挑戦するというのは、2013年にも同じシチュエーションで実現したカード。しかし、当時立場が不透明だった内藤はファンから全く支持されず、新日本も中邑にライバル棚橋弘至が挑戦するIWGPインターコンチネンタル王座に挑戦する試合と、ファンにどちらがメインで行われるのが相応しいのか問いたいと、ファン投票を実施。結果、オカダ対内藤はダブルメインイベント第1試合に降格している。 この時の苦い経験が現在の内藤の原動力に繋がっているのは言うまでもない。しかし、この時に悔しい思いをしたのは、チャンピオンとして誰が相手でもドームのメインを守れなかったオカダも同じ。内藤人気が爆発する一方、オカダはケニー・オメガ、鈴木みのる、柴田勝頼らと命を削るような防衛戦を続けることで、超人ぶりを発揮してきた。特にケニーとは1.4ドーム大会で46分を超える死闘を制し、6.11大阪城ホール大会では60分フルタイムドロー、G1の公式戦で行われた8.12両国国技館大会では接戦の末敗れている。その翌日の決勝戦でケニーをG1史上最長の試合タイムで破り優勝し、ドームメインの切符を手に入れたのが内藤である。前哨戦の内容を見ていても内藤は勝敗に関わらず、余裕を見せているだけに、現状は挑戦者の内藤が優位に立っていると思わざるを得ない。ただ、今年1年間の防衛戦でオカダから底知れぬ強さを感じたのは誰もが認めるところ。勢いが強さを超えるのか?強さが勢いを阻むのか?死闘は避けられない一戦だ。 ダブルメインイベント第1試合では、現在もWWEの主要ブランド、スマックダウンのHPに“掲載”されている(本人は「現在の契約はフリーだが(WWE会長の)ビンス・マクマホンには話した」とのこと)クリス・ジェリコが、カナダの同郷後輩レスラー、ケニー・オメガが保持するIWGP USヘビー級王座に挑戦する。ジェリコは日本マット(天龍源一郎さんの団体WARが主戦場だった)で育ち、アメリカでスーパースターになった選手なので、WWEの日本公演には毎回のように凱旋。今年も来日し、ヒデオ・イタミ(元ノアのKENTA)とのシングルマッチを難なく制している。一方のケニーは前述のように、今年はオカダと3度に渡る死闘を繰り広げ、G1決勝では敗れはしたが、内藤とギリギリの試合を行い、レスラーとしてステータスを高めている。ジェリコの新日本参戦が発表されると、ストリーミング配信サイト新日本プロレスワールドへ登録するファンも世界中から殺到しているそうで、新日本プロレスがWWEに続くプロレスカンパニーとして、世界にアピールするには十分過ぎるカードと言ってもいいだろう。この試合はあらゆる反則が認められるノーDQマッチで行われるのもポイント。ジェリコとケニーがニューヨークやカナダの空気感を東京で体感させてくれるはずだ。 アンダーカードでは、メインやセミファイナルから久々に降格した棚橋が、ジェイ・ホワイトの凱旋マッチの相手を務める。IWGPインターコンチ王座を賭けての闘いなだけに負けは許されないが、まだどのユニットに属するかも判明していないホワイトが何処まで成長しているのかは不透明で不気味。2012年に凱旋帰国していきなり棚橋を破り、IWGPヘビー級王者に輝いたオカダのような雰囲気を感じる。棚橋は2年連続でドームの試合を勝ててないこともあり、ここはスカッと勝ちたいところだが…。 今回のドーム大会は、CS(第0試合を除く)とストリーミング配信で完全生中継。テレビ朝日と一部の系列局では、当日の深夜に特番が放送される。年末は格闘技、年始はプロレスを楽しむ文化の再来を期待したい。取材・文 / どら増田カメラマン / 舩橋諄
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スポーツ 2017年12月25日 22時00分
【DDT】10万視聴!“ゲイレスラー”男色ディーノの生き様!サイバー本社で路上プロレス
今年の9月1日に株式会社サイバーエージェントの傘下に入り、グループ会社となったDDTプロレス。藤田晋社長がリングで挨拶をしたときに、“ゲイレスラー”男色ディーノが背後から接近。藤田社長のお尻を触ったことがキッカケとなり、『DDTvsサイバーエージェント路上プロレス−男色死亡遊戯−』が、21日サイバーエージェント本社ビルから、Abema TVの格闘チャンネルで生中継された。 テーマはディーノが藤田社長の唇を奪うことができるか? DDTの所属レスラーも、ディーノ軍と藤田社長を守る高木三四郎軍に分かれて、基本的にはディーノ軍が勝てば社長室に近づく階のカードキーが渡されるというルールのもと、全9試合(変則マッチも含む)が行われた。 ディーノは「地上波じゃ出来ないことがこれならできると思った」 とコメントしていたが、“ゲイレスラー”男色ディーノの存在自体が、現在の地上波では微妙なラインというのは、今年お台場で起こった騒動を見ても想像に難くない。しかし、男色ディーノという選手は、しっかりと見てもらえれば“生き様”を感じる素晴らしい選手。実際、今回の路上プロレスでは「“ゲイレスラー”男色ディーノの生き様を生中継で見せたい」とも語っている。 午後5時30分。番組は4階からスタート。5階フロアに突入したと同時に、サイバーエージェント(CA)の社員が騒動とは関係なく、PC業務などを続ける中、第1試合のゴングが鳴り、ディーノ軍は順調に勝ち進むが、9階で佐々木大輔&遠藤哲哉に敗退。しかし、佐々木組が高木に3万円で買収されていたことを知ると、ディーノ軍はその場にいたCA社の社員からのカンパや解説を務めていた豊本明長(東京03)の財布を強奪し、佐々木から10階のカードキーを奪取。10階では相撲出身レスラーを退けるが、実は藤田社長が3階の社長室にいることが判明。ディーノ軍は10階から3階まで階段で降りる羽目に。 3階フロアに突入したディーノは、社長秘書からあっさりと社長室のカードキーを奪い取り、マジックミラーで中が見えなくなっている社長室へ。奥の椅子には藤田社長が座っていた。そしてディーノがリップロックで藤田社長の唇を奪おうとした瞬間、MCとしてディーノ側に付いていたはずの斉藤慎二(ジャングルポケット)が、ディーノ軍を急襲。まさかの裏切り劇に動揺を隠せないディーノ軍。ここに高木が現れ、催眠ガスを噴射。藤田社長に雇われていたという斉藤は、高木とともに救出に成功。ディーノたちは深い眠りについてしまった。 ここでディーノたちを救ったのが、KO-D無差別級王者である竹下幸之介、彰人、石井慧介の3選手。3人は寝ているディーノ軍を13階まで運び出して叩き起こし、再び藤田社長の唇を奪うべく新たな闘いに挑むため結束する。13階には坂口征夫&タノムサク鳥羽という難敵が立ちはだかったが、竹下の奮闘により坂口からクリスマスプレゼントとして、12階のカードキーを渡される。12階に待ち受けていたのは、デスマッチのカリスマファイター葛西純(FREEDOMS)。デスマッチファイターにはデスマッチファイターを…。ここでディーノの味方として、木高イサミ(プロレスリングBASARA)が彗星の如く現れ、葛西 対 イサミというドリームマッチが突如実現。2人はPCのキーボードで叩き合い、テーブルの上でも容赦なく攻撃をし合って、CA社の備品を破壊しまくった。グループ会社の人間たちが、親会社の本社を破壊して行くというカオスな状況の中、2人の闘いは決着がつかず両者KO。瀕死のイサミから11階のカードキーを託されたディーノは泣きながら10階へ。 待ち受けていた高木は「大物を用意していると言っただろ!」と叫ぶと、元新日本プロレスの田中ケロリングアナウンサーが登場し、往年の名調子に乗せて、WRESTLE-1の武藤敬司と黒潮“イケメン”二郎が入場。これには11階フロアで業務に励んでいたCA社の社員も大喜び。田中リングアナが選手をコールする中、メインイベントとして豪華な6人タッグマッチが実現した。竹下とイケメンのエース対決など注目の顔合わせも多いカード。中でも路上プロレス参戦は初めてという武藤の存在感は際立っていた。竹下にドラゴンスクリューを決めると、すかさず足4の字固めへ。一連のムーブをオフィスでも違和感なく決めてしまうのはさすがは武藤敬司である。しかし、ディーノのリップロックで唇を奪われてから形勢が逆転。最後は真・男色ドライバーからの漢固めで、ディーノが高木からスリーカウントを奪取。高木軍の制止をディーノ軍が全力で止めて、ディーノは泣きながら再び3階の社長室へ。 しかし、そこにいたのは斉藤慎二。斉藤は憎々しい表情で高笑いをしながら、「(藤田社長は)もう帰ったよ!オマエの計画は無駄だったんだよ!」と既に藤田社長が帰宅したことをディーノに告げる。するとディーノは… 「確かに無駄なことかもしれないわ。多くの人の前で、男の唇を奪う私のファイトスタイルに批判も多いわ。これをやってもいいのか、私だって悩むことがある。でも、そういう姿を見せて笑ってもらうのが、“ゲイレスラー”男色ディーノの務めなの。ゲイであることを笑ってほしいんじゃないわ。ゲイである私の人生を見せて、見ている人に楽しんでほしいのよ。こんなの今の地上波じゃ流せないわ。だから私、DDTがCAグループに編入されてチャンスだと思ったの。私は私の生き様を見せつけるのよ。私にとっては無駄なことじゃない」 と熱弁。続けて斉藤に「私の生き様をあんたに見せつける」と言うと、斉藤にリップロックを仕掛けると見せて、社長室を去っていった。入れ替わるように高木が社長室に入ると…。 「ヤツはとんでもないものを奪っていきました。あなたと視聴者の心です」 これに言葉を失った斉藤は「ちょっと!DDT!これからも楽しみだ。ハーイ!」と某アニメを連想させるエンディングでエンドロールが流され、次回は新宿で再び藤田社長の唇を奪う続編が放送される予告がされた。 DDTがCAグループに入ってから、Abema TVで後楽園ホール大会の生中継がスタートしているが、他にどんなオリジナルコンテンツを配信するのか注目されていた。路上プロレスは今年の6月に、高木が鈴木みのるを相手に東京ドームでノーピープルマッチを実現させており、親会社の社屋をグループ会社が破壊して行くという発想はDDTならでは。そこに地上波では実現不可能なエッセンスを男色ディーノを中心に散りばめたセンスは、文化系プロレスDDTとIT企業のCA社が組んだからこそ生まれたコンテンツといっていいだろう。視聴数も10万と高い数字をはじき出した。 先日もAbema TV『72時間ホンネテレビ』の企画で、DDTグループのガンバレ☆プロレスで、草なぎ剛がディーノとのタッグでプロレスデビューを果たし、セコンドには稲垣吾郎と香取慎吾が付き話題になったばかり。今後も地上波では見られない刺激的なエンターテインメントプロレスを見せてもらいたい。【大会名】DDTvsサイバーエージェント路上プロレス−男色死亡遊戯−【日時】2017年12月21日【会場】東京・株式会社サイバーエージェント本社内【視聴数】10万視聴▼オープニングマッチ 時間無制限一本勝負大石真翔&勝俣瞬馬&○MAO vs 高木三四郎&大鷲透&上野勇希●5分52秒 横入り式エビ固め▼第二試合 時間無制限一本勝負男色ディーノ&○才木玲佳 vs アジャ・コング&伊橋剛太●4分35秒 体固め※シャイニング・ウィザード▼第三試合 騒音防止デスマッチ 時間無制限一本勝負●スーパー・ササダンゴ・マシン vs 村上和成○7分39秒 TKO勝ち※水をかけられ絶叫→3ロストポイント▼第四試合 学力テスト 時間無制限一本勝負○才木玲佳&○竜剛馬 vs 赤井沙希●&山下実優●15分30秒 全問正解※ポイント400-0で才木組。▼第五試合 時間無制限一本勝負●大石真翔&●MAO vs 佐々木大輔&遠藤哲哉○5分24秒 体固め※シューティングスター・プレス▼第六試合 時間無制限一本勝負○男色ディーノ&大家健 vs 樋口和貞●&星誕期1分47秒 漢固め※男色ドライバー▼第七試合 時間無制限一本勝負○竹下幸之介&彰人 vs 坂口征夫&タノムサク鳥羽●7分0秒 体固め※垂直落下式ブレーンバスター・オン・ザ・デスク▼セミファイナル ハードコアマッチ 時間無制限一本勝負▲木高イサミ vs 葛西純▲5分51秒 両者KO▼メインイベント 時間無制限一本勝負○男色ディーノ&竹下幸之介&石井慧介 vs 武藤敬司&高木三四郎●&黒潮“イケメン”二郎9分58秒 漢固め※真・男色ドライバー文・どら増田写真提供・©︎DDTプロレスリング
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スポーツ 2017年12月25日 16時00分
プロレス解体新書 ROUND77 〈プロレスにおける忖度〉 ホーガンvsムタ“いくつかの配慮”
1993年5月3日、福岡ドーム(現在の福岡ヤフオク!ドーム)で初となるプロレス大会、新日本プロレスによる『レスリングどんたく』が開催された。目玉は8年ぶりの新日参戦となったWWF(現WWE)王者ハルク・ホーガン。対するはWCWのトップで、当時IWGP王者のグレート・ムタであった。 2017年度の流行語大賞となった忖度。国会などの政治の場で使われたことでうさん臭いイメージを持つ人も多いだろうが、本来は「相手の意図をくみ取って行動する」という気遣いや思いやりの表現であり、決してマイナスイメージの言葉ではない。 そんないい意味での忖度を求められるのが、プロレスの世界である。 「例えば試合中、相手がどんな技を仕掛けようとしているかを読み取った上で、逐一、しっかり受け身を取るのか、それともかわすのかなどと判断していかなければならない。これは試合自体の見栄えをよくするという意味もあるが、それに加えて自分が怪我をしないためにも必要なことなのです」(団体関係者) 相手の動きにへたに逆らって踏ん張ったりすれば、それが互いの故障につながることにもなる。 「アントニオ猪木の提唱した“風車の理論”とは、相手の攻撃を受け止めながら、それを逆に自らの力に変換して反撃していくというもので、一種の忖度と言えるのかもしれない」(同) 試合中のみならず、興行開催やマッチメークにおいても、やはり忖度は欠かせない。 「外国人選手をブッキングしたとき、最終的には日本陣営が勝つにしても、相手の商品価値を落とすような勝ち方はするべきではない。八百長うんぬんではなく、良質な興行を継続していくためには、必要不可欠な配慮なんです」(同) 相手に見せ場をつくらせないような勝ち方をしたら、それで勝った側の評価は上がるかもしれないが、負けた相手はその1回きりの使い捨てとなってしまう。しかし、互いの持ち味を活かしながらライバル関係をつくり上げていけば、その両者の闘いは長きにわたっての興行の目玉になる。 「相手のフィニッシュホールドを簡単に返す奴とか、3カウントが入った後、すぐに立ち上がって反撃してくる奴とかたまにいるけれど、そういうのは三流レスラー。相手の技が“効いていない”なんてことをアピールするよりも、相手の強さをファンに印象付けることの方が、それと闘う自分の格も上がるってことを理解できないんだね」(引退した元レスラー) だが、忖度が行きすぎてしまうケースもある。その最たるものが団体トップ同士の対戦だ。 ファンからすれば明確な勝負をつけてもらいたいが、それぞれの選手とその所属団体からすれば、変な負け方をしたときには、飯の食い上げにもなりかねない大問題である。そのため、互いに“負けないこと”が最優先事項となってしまう。 「昔からダブルタイトルマッチとなれば、引き分けやノーコンテストなど不透明な決着が当たり前でした」(プロレスライター) 複数の試合が予定されていれば、互いに譲り合っての“行って来い”にもできるが、1回きりの特別試合となると、なおさら勝負付けは困難となる。 ハルク・ホーガンが特別参戦した1993年、新日本プロレス初の福岡ドーム大会で、グレート・ムタとの大一番が実現した。 WWFとWCWのトップ同士の一騎打ちという、アメリカでも見られないドリームマッチでありながら、結果はホーガンのクリーンフォール勝ちとなった。試合も互いに見せ場たっぷりの内容で、それだけ見ると過度な忖度とは無縁のようだが…。 「このときホーガンはWWF王座を所持していたものの、すでに退団への意向を固めており、水面下では再度の新日参戦やWCW移籍の話が進められていた。それでムタもここで負けても次があるという試算があったのでしょう」(同) だからといって、この試合に忖度がなかったわけではない。 「まず試合序盤、ホーガンがアメリカでは見せないグラウンド技にこだわったことから、日本のファンへの多大な配慮がうかがえました。また、ムタも反則技をほとんど出さず、もちろん流血試合にもしなかった。毒霧もいつものように顔に向けてではなく、胸元に吹きかけていました。勝利後のパフォーマンスで、ホーガンの顔が緑色に染まっていたのでは格好がつかないですからね。あと、ホーガンのフィニッシュが、当時の定番だったレッグドロップ(日本ではギロチンドロップの名称)ではなく、アックスボンバーだったのも日本仕様と言えるでしょう」(同) なお、この試合は大会のセミファイナルで行われ、メインを張ったのは、アントニオ猪木&藤波辰爾vs長州力&天龍源一郎のタッグマッチだった。 猪木と天龍の初絡みという話題性があったとはいえ、そこにも総帥の猪木に対する悪い意味での忖度が感じられなくもない。
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スポーツ 2017年12月20日 22時04分
【新日本】東京ドーム大会史上初の敗者髪切りマッチが実現!
今年の1月5日に新日本プロレスに鈴木軍の仲間とともに帰還した鈴木みのる。1.4東京ドーム大会に出場するのは、2015年の桜庭和志戦以来3年ぶり。4.27広島サンプラザ大会で後藤洋央紀が保持するNEVER無差別級王座に挑戦し、奪還に成功。鈴木は田中将斗、石井智宏と並んで最多の4度防衛に成功しており、来年1.4ドーム大会では同王座5度目の防衛を目指して、後藤の挑戦を受けることになった。 11.5エディオンアリーナ大阪大会以降、鈴木との対戦を訴えて来た後藤だが、鈴木は「俺に負けっぱなしのヤツの願いを、この俺がかなえなきゃいけねぇんだ? 俺はこのベルトを懸ける。下のほうにいるテメェは、なぜ何も懸けない?」と後藤に何か懸けろと挑発。これに対して、後藤は「この髪の毛を懸ける!」と凱旋帰国以降、後藤のイメージとして定着している長髪を懸けることを明言。 これには鈴木も感じるところがあったのか、18日の後楽園ホール大会で「後藤! よく聞け! 1月4日東京ドーム、NEVER無差別級、オマエの望みどおり、ノーセコンド、1対1で、敗者髪切りデスマッチ決定だ!」とアピール。何と鈴木も負けたら髪を切ることになった。ノーセコンドによるデスマッチということも付け加えられたが、これまでの鈴木は、セコンドに関してルールを守ったことがほとんどないだけに、後藤は万が一の時を考えてCHAOSの仲間を待機させておく必要がある。 新日本マットにおける敗者髪切りマッチは、アントニオ猪木 対 ラッシャー木村、野上彰 対 小林邦昭、タイガーマスク 対 石井智宏(マスクと髪の毛を懸けたルール)、棚橋弘至 対 矢野通などが行われているが、東京ドーム大会で行われるのは、新日本が初使用した平成元年の4月からの歴史を振り返っても初めて。猪木 対 木村は負けた木村が猪木の髪を切ったり、石井も断髪途中の隙を突いてタイガーを急襲し、マスクを剥ぎ取り逃走に成功している。 他団体を見渡しても、ヒールサイドの選手は敗れてもすんなり髪を切る例が少ないだけに、後藤はデスマッチルールを逆に利用して、完膚なきまでに鈴木を倒さなければならない。逆に鈴木が勝った場合、後藤の落武者度に拍車がかかるのは確実。2016年の1.4ドーム大会で対戦し、後藤が完全勝利を収めた内藤哲也との差は歴然としており、今回の鈴木戦は髪の毛よりも後藤のレスラー生命を懸けた闘いになりそうだ。取材・文 / どら増田カメラマン / 広瀬ゼンイチ
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スポーツ 2017年12月20日 22時03分
【WWE】ヒデオがRAWにサプライズ登場!連勝アスカは女子版ロイヤルランブル出場?
アメリカ現地時間18日、ロードアイランド州プロビデンスで開催されたRAW(WWEの主要ブランド)に、日本ではプロレスリング・ノアでKENTAのリングネームで活躍していたヒデオ・イタミがサプライズ登場した。 まず、新日本プロレスでプリンス・デヴィットとして活躍していたフィン・ベイラー対ミズトラージュの1対2ハンディキャップマッチが行われるも、試合を有利に進めるベイラーにミズトラージュが2人がかりで攻撃して反則判定に。試合終了後も攻撃を受けるベイラーだったが、そこに突然ヒデオがリングに登場すると、左ハイキック2発で2人を一蹴してベイラーを救出した。 ベイラーは「俺の友達、明日の205 Liveでデビューするヒデオ・イタミだ」とヒデオを紹介すると、タッグマッチを提案。ヒデオは自身初のRAWのリングでトップロープからのクローズライン、串刺しドロップキックを決めて暴れまわり、最後は首を掻っ切るポーズを決めると、必殺のGTSでアクセルを沈めて勝利した。ベイラーがアナウンスしたように、ヒデオはWWEの育成ブランドNXTから、軽量級ブランド205 Liveへの“昇格”が発表されており、今回のRAW初登場は、ヒデオにとって強力なプロモーションとなった。 NXTからRAWに昇格しても連勝を続けるアスカ(日本ではリングネーム・華名として活躍)は、アリシア・フォックスとのリマッチに挑んだ。アスカは不敵な笑みを浮かべながらアリシアに攻撃を始めると、アリシアはロープエスケイプを多用して攻撃を回避。しかし、アリシアが隙を突いて大技を連続で決めるとアスカの本気モードにスイッチが入り、バズソーキックで沈めると、最後は腕十字を決めて貫禄勝ち。危なげない勝利で、WWE入りしてから負け知らずの連勝記録を更新した。 メイン終了後に現れたRAWのステファニー・マクマホンコミッショナーは「3年前にWWEで女子革命が始まったが、それを進化させる。もう一度歴史をつくるため、PPV「ロイヤルランブル」で史上初、女子によるロイヤルランブルマッチを行う」と発表。ここにアスカやカイリ・セインといった日本人女子メジャーリーガーがどのように絡んでいくのか注目だ。 女子ロイヤルランブル戦が行われるPPV「ロイヤルランブル」は日本時間1月29日に開催される。文・どら増田写真・©2017 WWE, Inc. All Rights Reserved.
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スポーツ 2017年12月14日 22時02分
【新日本】内藤哲也が史上5人目のプロレス大賞V2達成!松井珠理奈も特別賞受賞
13日、東京スポーツ新聞社制定のプロレス大賞選考会議が行われ、2017年度プロレス大賞・最優秀選手賞・MVPに、新日本プロレスの内藤哲也選手が、21票中15票という圧倒的な支持を受けて選ばれた。内藤は昨年に続いて2年連続受賞となり、これはアントニオ猪木、ジャンボ鶴田、天龍源一郎、オカダ・カズチカに並ぶ史上5人目の記録。 内藤は昨年受賞したときに「来年はベストバウトを狙いたい」と話していたが、ベストバウト賞には、今年の1月4日東京ドーム大会で行われたIWGPヘビー級選手権試合、オカダ・カズチカ 対 ケニー・オメガが受賞し、悲願の2冠達成はならなかった。 他に新日本からは敢闘賞に柴田勝頼が選出され、特別賞には、1.4東京ドーム大会のスペシャルアンバサダーを務め、ハリウッドJURINAとしてドラマの枠を超え、今年はプロレスデビューも果たしたSKE48の松井珠理奈が選出されている。 新日本プロレス事務所でMVP受賞会見に臨んだ内藤は、めでたい席にもかかわらず不服顔。「一つ大事なことを言わなきゃいけない」と前置きをすると、嫌味や皮肉を交えながら内藤節を炸裂させた。「昨日、ケニー・オメガ 対 クリス・ジェリコがダブルメインイベントという発表がありましたが、ダブルメインイベントの第1試合っていうのは要するにセミファイナルですから。4年前、ボクは経験してますから。『あなた方はしょせんセミファイナルなんですよ?』『あなた方はしょせん内藤vsオカダ戦の前座なんですよ?』と。何かちょっと余裕を持ちながら、発表を聞くことが出来ました。でも! 俺は『G1 CLIMAX』を優勝して、この東京ドーム大会メインイベントの出場権利証を手に入れた。オカダ・カズチカもケニー・オメガも出場しているリーグ戦で優勝して、この東京ドーム大会メインイベントの出場権利証を手に入れたわけですよ。新日本プロレスにとって、東京ドームのメインイベントって言うのは、それぐらい大切な場所なわけでしょ? なのに、世界的な知名度があるっていうだけで、メインイベントがダブルメインイベントに変更されてしまう。新日本プロレスにとって、『G1 CLIMAX』優勝。そして、東京ドーム大会のメインイベントっていうのは、その程度のことなんすかね?知名度はやはりとても大事なことですよ。世界にアピールするには、彼の知名度を利用しない手はないでしょう。もちろんそれはわかってますよ。でも! 新日本プロレスが世界にアピールする、それにおいて一番大事なことは! 『これが新日本プロレスのメインイベントです』、『これで新日本プロレスは世界に打って出ます』ってアピールすることじゃないの? 世界的な知名度がある? 違うだろ? 『いま押さなきゃいけないモノは、我々が普段見せているものだろ』って。この新日本プロレスはいつまで、海外の某団体のご機嫌をうかがっていれば気が済むんだって。中邑真輔選手が移籍した時もそうだったでしょう? 人気選手が移籍してしまうにも関わらず、『おめでとう』って。それはないぜ? そんなゴマすってばっかいるような会社が世界一のプロレスの会社に? なるわけないでしょ? 選手がどんだけがんばっても、こんなことしてるようじゃ世界一なんかになれるわけがない。今回のダブルメインイベントの件に関して、ボクは新日本プロレスの“姿勢”にガッカリしたっすね」 12日にケニーが「ナイトーは不満があるだろう」と予告した通り、内藤は自身の試合にダブルメインイベントというタイトルが付いたことについて、一気に不満をまくし立てた。 2年連続のMVP受賞に関しては「ほとんどの方が内藤を指示したと。当然の結果でしょう。この1年間、様々な話題を提供し、そして皆様を楽しませてきたわけですから。当然の結果かなと思いながら、今日この時間のスケジュールをちゃんと空けておきましたよ。当然のことが当然のように起こっただけ。まさに、デスティーノですよ」と、内藤は受賞は当然とばかりにコメント。続けて報道陣から、選考委員会は来年1.4ドームで対戦するオカダと票を競っていた話を聞くと…「選考委員会の中では、実力のオカダ、人気の内藤っていうことだったんですね。まぁ、確かにオカダはこの一年間、IWGPヘビー級王座を守り続けたと。チャンピオンであり続けたと。俺はそれを経験したことないですからね。とてつもなく凄いことなんだろうなと思います。ただ、俺はオカダに負けてないですからね。(今年はシングルマッチで)直接対決してないですからね。逆に、一緒にエントリーした『G1 CLIMAX』で優勝を手に入れたのは内藤ですから。彼は優勝決定戦にすら、コマを進められなかったわけですからね。まあ、間接的な勝負ではありますが、俺が勝ってたってことでしょ? 彼の実力は認めますよ。でも、やはり彼には実力以外の部分で何か足りないものがたくさんあるんじゃないですか? 彼は俺を見ていろいろ学んだ方がいいよ。彼に足りない部分を、俺はたくさん持ってますよ。1年間、IWGPヘビー級チャンピオンだったのに、MVPになれなかった。新日本プロレスにカネの雨を降らせてるはずなのに、MVPを獲れなかった。さぞかし、彼は肩身の狭い思いをしてることでしょう。俺が東京ドームで楽にしてやりますよ。彼もそれを望んでることでしょう」と、オカダの2017年の闘いを皮肉交じりに振り返りながら、1.4ドーム大会での自信を覗かせた。ただ、ダブル受賞を狙っていた年間ベストバウトを取れなかったことについては、素直に「悔しい」とコメント。さらに「1月の試合がベストバウトを獲るというのは難しいこと。これに関してはオカダやケニーが素晴らしかったんだと思う」と評価した。会見の最後には猪木、天龍に続く史上3人目の3年連続MVP受賞にも意欲を示し、来年もロスインゴ旋風を巻き起こしていくと宣言。新日本プロレス人気ナンバーワンの座を揺るがないものにするには、1.4ドーム大会の大舞台のメインイベントでオカダを倒し、IWGPヘビー級王者として「デ・ハポン」と超満員のファンと大合唱するしかない。取材・文 / どら増田カメラマン / 広瀬ゼンイチ
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スポーツ 2017年12月13日 22時02分
【新日本】1.4大乱戦必至!ケニー・オメガがサプライズ来日のジェリコと連日大乱闘!
11日に行われた新日本プロレス福岡国際センター大会で、試合を終えたケニー・オメガに、来年1月4日東京ドーム大会での対戦が決定している“世界のスーパースター”クリス・ジェリコからビデオメッセージが流される。「どちらが世界最高か決めよう。首を洗って待っていろ」 ジェリコが挑発する言葉をゆっくりと連呼し、メッセージは終了。場内が暗転すると、ケニーの背後にジェリコの姿が!ケニーが気づいたと同時にコードブレイカーを炸裂させてケニーはKO。ジェリコは攻撃をさらに続けて、ケニーが持っていたIWGP USヘビー級王座のベルトで頭を殴打すると大流血。ジェリコは傷口にパンチの連打から再びコードブレイカーでケニーを葬り、ヤングバックスが救出に入ったところで退散。“ALPHA CLUB JERICHO”のタンクトップを着たジェリコは、バックステージでも灰皿をぶちまけるなど大荒れで、ノーコメントのまま、待たせたタクシーで会場を後にした。 翌12日。前日の結果を受けて新日本プロレスは、1.4ドーム大会でのIWGP USヘビー選手権試合<王者>ケニー・オメガ 対 クリス・ジェリコ<挑戦者>を、ダブルメインイベント第1試合として行うことを発表。ダブルメインイベント第1試合とはいえ、新日本プロレスの東京ドーム大会の歴史を紐解いてみても、外国人同士の対決(しかも初対決)がこのポジションで実現するのは画期的なこと。ダブルメインイベント制に異を唱える内藤哲也や、1.4ドーム大会では8大会ぶりにラスト2試合から漏れた棚橋弘至の心中は穏やかではないだろうが、新日本プロレスのナンバーワン外国人と、今世紀に入ってWWE以外のリングで試合をしていない世界のスーパースターとのドリームマッチは、世界中に新日本プロレスの名を轟かせる大チャンス。世界戦略を掲げている新日本にとって、年間最大のビッグマッチの“サブトリ”に相応しいカードである。 福岡から一夜開けた都内の明治記念館では、前日のダメージがまだ残る包帯を巻いたチャンピオンのケニーから会見に臨み、「WWE 対 新日本プロレスということも、もう一切関係ない。これは二人の真の男が、どちらかが最強かを決める闘いになる。とても大きな人生を賭けた勝負になる。ダブルメインイベントと発表があったが、メインイベントを獲得したナイトーにとって大切な一日を台無しにするかもしれない。これはもう個人の闘いではない。自分がここで犯したミスがあるとすれば、自分自身のクリス・ジェリコに対する尊敬の念というものを見せてしまったことだ。もう人としてのクリス・ジェリコに尊敬の念を持つことはできないね。クリス・ジェリコ、おまえは“真のケニー・オメガ”を覚醒させた。まだ、新日本プロレスに来てからは見せたことがない“真のケニー・オメガ”をここで見せることになるだろうな」とジェリコへの思いを断ち切り、今まで新日本マットでは見せたことがない姿を見せることを予告して、会見を切り上げた。 続いて、ジェリコが登場。前日とは打って変わり、落ち着いた口調で「昨日、すべての想いはリングの上でぶつけたつもりだよ。あの攻撃で自分自身も満足したし、自分がどれだけケニーよりも上回っているか?ということがよくわかった。そして、あの光景を見た誰もが自分自身の力を理解しただろう」とコメント。そして、質疑応答に移り、話し始めようとした瞬間、隙をつく形でケニーがジェリコを襲撃。頭部への攻撃を気にしていたジェリコだが、会見に使われた机をひっくり返してケニーに当てるなど一歩も引かず、ジェリコとはかつて日本でタッグ王者を戴冠している外道、ロッキー・ロメロ、タイガー服部レフェリーが2人を分けると、ケニーは退場。怒り心頭なジェリコは司会者のマイクを強奪。「この試合は、新日本プロレスがいままでには見たことがないような試合になる。七ツ星の試合にはならない! 真の闘い。戦争だ!そしてアルファ 対 オメガの闘いだ!自分自身、もう日本には何度も来ているが、この1月4日の東京ドームの試合が、自分のキャリアとして最高・最大の試合になる。だから絶対にまばたきせず、この試合を観てくれ!こんな試合、もう二度とないぞ! 1月4日東京ドームは唯一無二の試合になる!1月4日はケニー・オメガの東京ドームでのラストマッチ、新日本プロレスで最後の試合だ。ぜひ見に来てほしい」とまくし立てると、帰り際、マスコミのノートに「KENNY OMEGA LAST MATCH」と書き残し、「ラストマッチだ!」と吠えて、その場でノートを破り捨てると、暴言を叫びながら会場を後にした。 このカードが決まったとき、WWE時代のジェリコの闘いぶりから、荒れた試合というより、両選手のベースでもあるジャパニーズスタイルに、カナディアンでアメリカンなエッセンスが散りばめられた、高度なテクニック合戦が見られるのではないかという期待感があった。しかし、ジェリコがケニーを上回るヒールファイトを仕掛けて来たことにより、ケニーの中にあるヒール魂にも火がついたのではないだろうか。ケニー率いるバレットクラブは本来、ヒールユニットだったが、最近では“ゆとり系”ヒールの感じが否めなかったのも事実で、現に新日本マットでヒールのポジションをブレずに続けているのは、鈴木軍だけ。ジェリコとの試合がキッカケとなり、バレットクラブが再び新日本マットの最大ヒールユニットになる可能性もある。 個人的にはHHH 対 ショーン・マイケルズのような試合を期待したいが、果たしてどうなるか?今回のドーム大会のチケットは、近年で最速の売り上げを見せており、前売り完売も見えてきたという。ブシロード体制になってからひとつの目標にして来た実数3万人突破も夢ではない。週末開催となる2019年、2020年には5万人の動員を目指しているだけに、世界中が注目するカードと、日本中が注目するメインイベント、IWGPヘビー級選手権試合<王者>オカダ・カズチカ 対 内藤哲也<挑戦者>の2大カードで、東京ドームのスタンドを埋め尽くしたい。取材・文 / どら増田カメラマン / 広瀬ゼンイチ
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スポーツ 2017年12月11日 22時06分
【KNOCK OUT】不可思が“山本KIDを破った男”に激勝!折れた前歯を那須川天心が届ける
『KING OF KNOCK OUT 2017』▽10日 両国国技館 観衆5,100人(札止め) 昨年12月にTDCホールでプレ旗揚げ戦を行ったキックボクシングイベント『KNOCK OUT』が僅か1年で両国国技館大会を開催する大勝負に出た。結果は当日券も含めてチケットは完売。5000人を超えるファンが両国に集まり、会場は熱気に包まれていた。 引退を撤回した町田光がハイキックで復活KO勝利を収めた試合に始まり、石井一成が能登龍也にリベンジ、水落洋祐が圧巻の試合を見せ、那須川天心戦に王手をかけていた小笠原瑛作は、高橋亮相手に大苦戦。何とかドローに持ち込んだものの、天心戦は遠のいてしまった。新日本キックボクシングの重森陽太と江幡塁はKNOCK OUTのリングでインパクトを残すことに成功。 メインでは8名の強豪選手が参加し、今年4月から激闘を繰り広げてきた『KING OF KNOCK OUT 初代ライト級王座決定トーナメント』の決勝が行われ、ここまでKNOCK OUTの大会を皆勤出場してきた森井洋介が、新日本キックの勝次を左フックでKO。森井はトーナメント3試合の全てをKOで勝利を収め、最高の形で初代王者に輝いた。伝説のキックボクサー藤原敏男、小林聡の遺伝子を持つ森井の強さが際立った決勝戦。試合後リング上では涙ぐんだ森井だが、「人生をかけたトーナメントだったので、凄く嬉しい。外国人でも日本人でも強い挑戦者と防衛戦をしてベルトの価値を高めていきたい」とイメージカラーと同じ白い新しいベルトを巻きながら目を輝かせた。 いろんなドラマが渦巻いていた両国大会の中で、大会場を意識した闘いを見せたのが、第5試合で行われた、KNOCK OUTの“色男”不可思と、総合格闘家で2008年には山本KID徳郁を破り、2014年にはアメリカのUFCに進出し初戦で初勝利を収めた経験を持つ、金原正徳の一戦。入場から両選手の色気が会場を魅了。不可思は髪の色をイメージカラーである赤に染め上げ、ゴールドがイメージカラーである金原との赤と金の対決は、2階席から見てもわかりやすく、試合後も「赤い選手がカッコ良かったね」と話しているファンの声を聞くことができた。これはKNOCK OUTが旗揚げ以来掲げてきた“わかりやすさ”を選手が理解している証。これまで、その辺までセルフプロデュースしていたのは、那須川天心だけだったということを考えると、KNOCK OUTの1年間は選手たちを大きく成長させた。「不可思選手は、やり難かったと思います」 小野寺力プロデューサーが、試合後の総括でこの試合についてコメントしていたが、その言葉の通り、序盤は金原がキックボクシングとは異なるリズムで、試合のペースを不可思に渡さない。むしろ、不可思は顔面に金原のパンチをもらい続ける展開に。しかし、3Rに入ると、足に古傷を抱えている金原に対して打ちまくっていたローキックの効果が見え始め、金原のペースが崩れていく。戦前「不可思選手は昔の自分に似た野心を感じる。昔の自分と闘ってみたいと思った」と不可思戦を希望した理由について話していた金原は、最終ラウンドまで放ち続けた不可思のローやミドル、ハイキックに苦悶の表情を浮かべながらも、最期までダウンしなかったのは、かつての自分に対する意地もあったのだろう。 判定は49-48・49-47・49-47と3-0で不可思が勝利した。 試合後、場内のビジョンにて、来年2月12日に開催する大田区総合体育館大会より『初代スーパーライト級トーナメント』を開催すると発表。出場決定選手として、不可思、前口太尊、水落洋祐、健太、山口裕人の5選手が発表された。その他3名の選手は後日発表される予定だが、金原や10月の後楽園ホール大会で水落と大激闘を繰り広げた鈴木博昭らの参戦が期待される。 試合後、不可思は「さすがだなと思いました。強かったです。距離のタイミングがつかめなかった。今日は100点中3点。負けない自信があったので、途中まで付き合ってしまったのがダメでした。でも、あのまま蹴り続けていれば勝ったと思うんですよ。最後のラッシュはお客さんが喜ぶかなと」とコメント。顔面に傷跡を残すことが珍しい不可思の額には大きなタンコブが。「これと歯をやられました」と半分欠けた前歯を笑いながら見せていたが、会見が終わると「放送席まで飛んで来ました」とこの日、テレビのゲスト解説をしていた那須川天心が折れた歯を届けて来た。「ライト級の白いベルトは獲れなかったけど、スーパーライト級のトーナメントは優勝してベルトを赤く染め上げてやりますよ」 来年に向けて、不可思はさらに目をギラつかせながら、インタビューブースを後にした。不可思を見ているとKNOCK OUTの闘いを通じてビッグになってやろうという強い野心を感じる。金原がかつての自分と重ねて挑戦表明したのは、そこに魅力を感じたからである。スーパーライト級のトーナメントでは、不可思がスターになるための足掛かりになるような活躍をして、KNOCK OUTのステージを森井とともに引っ張ってもらいたい。取材・文・写真 / どら増田
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スポーツ 2017年12月08日 14時00分
プロレス解体新書 ROUND75 〈交錯するプロレス人生〉 鈴木vs健介“人間ドラマの集大成”
2007年8月26日、全日本プロレス両国大会のメインイベントは、王者・鈴木みのると挑戦者・佐々木健介の三冠タイトルマッチ。結果は42分の激闘の末、健介の勝利となったが、実はこの試合、王者も挑戦者も全日所属ではないフリー参戦の日本人という、それまでの三冠戦の歴史にない異例のものだった。 21世紀初頭のプロレス界は“冬の時代”といわれるが、これを支えた立役者の1人が鈴木みのるであった。高山善廣とともに新日本、全日本、ノアとメジャー各団体の垣根を乗り越え、インディーにも積極的に参戦。まさにプロレス界を渡り歩き、各団体を盛り上げた。 「アメリカではWWEの寡占化が進み、選手のギャラが高騰。フリーの大物外国人レスラーを招聘しても、次回WWE出場までの“つなぎ”と言わんばかりのアルバイト感覚だから、高いファイトマネーに見合うだけの集客にはつながらない。それに比べれば鈴木や高山はずっとお得感がありました」(興行関係者) 各団体に“外敵”として参戦すれば、それだけで試合内容も会場の雰囲気も格段に盛り上がるのだから、マッチメーカーにしてみれば「他団体に出たからウチには出さない」などと言ってはいられない。 「UWF系の団体に所属して総合格闘技の経験もある2人だからこそ、いわゆる“純プロレス”についてその世界に長くいる人間たちよりも、ずっと客観的に見ることができたのでしょう。そこが彼らの強みとなりました」(同) 業界のしがらみにとらわれず、こうすれば面白いと思うことを迷いなく試合やマイクパフォーマンスで表現したことで、鈴木は停滞していたプロレス界に大きな刺激を与えた。 SWSにおけるアポロ菅原との不穏試合やUWFからパンクラスにかけてのモーリス・スミス戦など、かつての鈴木が発したストイックなイメージが強い昭和ファンからすると、プロレス界に順応して自ら盛り上げ役に回るその姿は信じ難いかもしれない。 外見を見ても、スパイラル模様に刈り込んだ髪形で舌を出しながら相手を挑発する今のスタイルと、以前のリーゼントヘアでタオルをかぶった寡黙な姿では180度異なる。 「とはいえ、鈴木自身の勝負へのこだわりは変わっていない。かつては対戦相手とだけの勝負だったものが、ファンやマスコミを含めたプロレス界を取り巻く環境すべてを相手に勝負するようになった。そう考えれば見た目の変化にも違和感はないでしょう」(プロレスライター) 鈴木がプロレスに本格復帰を果たすきっかけとなったのは、2002年に佐々木健介との対戦が持ち上がったことからだった。 若手時代、新日に所属していた鈴木とジャパンプロレスから合流した健介は、互いに意地をむき出しにしたファイトを繰り広げ、プロレス専門誌に“前座の名勝負”として取り上げられたりもした。 鈴木のUWF移籍により2人は袂を分かつことになるが、「互いにビッグになっていつか大舞台でもう一度闘おう」と誓い合った。その約束を果たすためというのが、鈴木が新日に参戦する名目とされた。 「ぶっちゃけ、それは鈴木を新日に招聘するためのアングルだったのでしょう。そのため、まず健介がパンクラスの大会で、鈴木と総合格闘技ルールで闘い、それから鈴木が新日に参戦するというのが当初の予定だったようです」(同) ところが、そこでアクシデントが起こる。健介の師匠である長州力が、新日退団後に新団体WJの旗揚げを画策する中で、健介もこれに引き抜かれることとなったのだ。 結局、鈴木vs健介は実現に至らず、獣神サンダー・ライガーが代役として鈴木と闘い敗戦。その流れで鈴木はパンクラスにプロレス部門を立ち上げ、なし崩し的に古巣の新日に参戦することになる。 WJ崩壊後の'04年になって、やはりフリーとして新日に復帰した健介がIWGP王座を獲得すると、これに鈴木が挑戦する格好で大阪ドームでの対戦が実現。しかし、メインのどたばた(アントニオ猪木の横やりでカード変更)に話題をさらわれたこともあり、どこか盛り上がりを欠くものとなってしまった。 「試合内容自体も、互いに相手に合わせるような間延びした印象で、若手時代の気持ちをぶつけ合うという雰囲気は薄かった」(同) 時は流れて'07年。鈴木は着実にフリーレスラーとして実績を重ね、全日の三冠ヘビー級王座を獲得し、5度の防衛を重ねていた。 健介もまた、長州の呪縛から解かれたゆえか、それとも“鬼嫁”こと北斗晶の指導のたまものか、かつてしょっぱい試合ぶりからファンに“塩介”とあざけられた頃とは打って変わり、さまざまな団体でフリーの大物として名勝負を繰り広げていた。 そんな両者が共にフリー参戦ながら、全日両国大会のメインイベント、三冠戦で激突。名実ともに2人が業界トップに立ったことの証しとなる一戦であった。
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スポーツ 2017年12月03日 14時00分
プロレス解体新書 ROUND74 〈最後の新日“頂上対決”〉 坂口が10戦目で猪木から初勝利
新日本プロレス旗揚げ当初、日本プロレスのエースだった坂口征二を「片手で3分」で倒すと豪語したアントニオ猪木。実際の両者の対戦でも6勝1敗3分と猪木が大きく勝ち越している中で、唯一、坂口が勝利したのが1986年5月30日、広島での一戦であった。 プロレスに限ったことではなくスポーツや芸能全般において、興行関係者の間でかつて“三種の神器”と呼ばれたのが宗教団体、在日組織、そして暴力団の3つであったという。 宗教団体と在日組織はその強い結束による観客動員力、つまりチケットのまとめ買いを見込んでのこと。また、今のようにチケットのネット販売がなく、手売りが当たり前だった時代、暴力団のネットワークによる販売力は興行成功のために欠かせないものだった。 プロレスにおいてはそうした組織の影響が、あからさまにリング上に影響することもある。 「誰とは言えませんが、普段は前座で目立たない選手がある決まった地域での試合に限って、見せ場たっぷりの活躍をすることがある。なぜかといえば、その土地の有力者のお気に入り選手なわけです」(スポーツ紙記者) それとは逆に、ある地域に限っては成績が振るわないということもある。例えば、広島でのアントニオ猪木だ。スタン・ハンセンに逆ラリアットからの逆さ抑え込みで勝利したNWF王座戦の印象が強く('80年9月25日、広島県立体育館)、猪木と広島の相性が悪いとは思わないファンも多いだろう。 だが、あらためて成績を振り返ると、タイガー・ジェット・シンとのNWF王座決定戦におけるピンフォール負け('75年3月13日)や、アンドレ・ザ・ジャイアントに秒殺リングアウト負けした第5回MSGシリーズ('82年3月26日)など、手痛い敗戦も目立つ。 「アンドレに負けた試合はテレビ生中継の時間がなくなったため、早期決着を図ったというのが真相でしょうが、あまりの呆気なさに暴動騒ぎにまでなりました。また、このときは膝の負傷を理由に決勝戦を欠場しています(結果、繰り上がりで決勝進出したキラー・カーンをアンドレが下して初優勝)」(同) さらに'77年11月29日には、グレート・アントニオを相手に反則負け(伝説の不穏KO勝利の前哨戦)を喫し、この敗戦により、それまで続いていた猪木のシングル戦100連勝(格闘技戦や引き分けを含む)がストップしている。 猪木の生涯シングル戦績が612勝41敗50分けであることからしても、広島での敗戦の多さは際立っている。しかし、だからといって猪木が、広島で嫌われていたということではない。 「広島は地元組織が地域にしっかりと根ざしていて、常に安定した興行が打てる。その返礼として看板カードを提供するのですが、シリーズの山場を大阪や東京の大会場に持っていくには、広島あたりで“猪木敗戦”のようなアクシデントが起きると、ちょうどいいアクセントになるわけです」(プロレスライター) 猪木と坂口の初対決('74年4月26日、時間切れ引き分け)が広島であったことも、そうした事情が関係している。 「猪木と坂口という団体トップの直接対決を大都市の大会場で行うとなると、どうしても“雌雄を決する大一番”の色合いが出てしまう。'78年4月21日、蔵前国技館で行われた第1回MSGシリーズ開幕戦でも、延長、再延長の激闘の末にようやく猪木がリングアウト勝ちを収めています。その点、シリーズ途中の広島ならば、勝っても負けても次につなげることができるし、普段は陰に隠れがちだった坂口に花を持たせるにも具合がいいわけです」(同) とりわけ印象深いのは坂口の初勝利となった'86年5月30日のIWGPリーグ戦であろう。 WWFとの提携解消により外国人レスラーの顔触れは大きくスケールダウン。下剋上を狙う藤波辰爾も負傷欠場とあって、無風のままの猪木優勝が予想されていたところに、勇躍立ちはだかったのが坂口であった。 セミファイナルに組まれた両雄の一戦。メインは藤波&木村健吾にディック・マードック&マスクド・スーパースターが挑戦したIWGPタッグ王座戦であった。 シリーズ前に写真誌で不倫報道をされた件により、猪木は丸坊主姿でリングに臨んだが、坂口は序盤からパワーファイトで押しまくる。対する猪木もラフファイトで対抗し、起死回生の延髄斬り。 これにふらつきながらもアトミックドロップの態勢に持ち込んだ坂口は、バランスを崩してロープ最上段に猪木を投げ捨てる恰好になる。すると、このとき股間を強打した猪木が場外で悶絶する間にカウントが進み、坂口が勝利を収めたのであった。 「ただ猪木が計算高いのは、この日、前田日明とアンドレ(リーグ戦不参加で特別参戦)のタッグ戦を組んだこと。伝説の不穏試合以来となる対戦に話題を持っていくことで、自分の負けの印象を薄めさせる意図があったのでしょう」(同) むろんこのIWGPリーグ戦も、結局は猪木の優勝で幕を閉じたのだった。
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