新日本
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スポーツ 2018年01月12日 12時05分
【新日本】イッテンヨンをHey!Say!JUMP伊野尾慧も観戦!来年はジャニーズ並みの札止めを!
11日に放送されたフジテレビ系列『めざましテレビ』の“伊野尾ピクチャー”で、ジャニーズのユニットHey!Say!JUMPの伊野尾慧が、新日本プロレス1.4東京ドーム大会のパンフを手に約3万5000人集まった観客をバックに撮った写真を紹介していた。 伊野尾は昨年、仕事でプロレスラーと知り合ったのがキッカケで、今回のドーム大会が人生初のプロレス観戦。Hey!Say!JUMPは、昨年大晦日に初出場したNHK紅白歌合戦、ジャニーズカウントダウンライブを挟んで、12月30日と今年元旦に東京ドームで公演を行っており、伊野尾にとってはかなり新鮮に映ったようで、「東京ドームで見るプロレスの迫力は凄かったですね。オカダ・カズチカさんのレインメーカーからエビ固めが凄かったです」と興奮気味にコメント。これには、女子プロレス中継で本格実況デビューした三宅正治アナウンサーも嬉しそうだった。 3万4,995人の大観衆を集めた今回の1.4ドーム大会だが、SKE48の松井珠理奈がスペシャルアンバサダーに就任し、期待以上の広報活動を繰り広げるなど動員に大きく貢献した。前売り券は前日の時点で3万2,000枚を超えるなど、平日開催とは思えぬスピードでアリーナ席は12月の早い段階で完売。スタンド席も見切り席や、外野スタンドなど未開放の席以外はほぼ埋まっていた。伊野尾に限らず、芸能人や著名人が観戦する姿も数多く見られ、彼らがSNSで発信したことも、ツイッターのトレンド世界1位になった要因の一つと考えてもいいだろう。 「ライトスタンド…ガラガラ!レフト…ガラ空き。上のほうも空いてるところが、まだまだある!レインメーカーに任せなさい!しっかり! 超満員札止めの! 東京ドームを見せてやるからな」 メイン終了後のマイクでオカダはこのように叫んだが、90年代はステージセットを縮小してでも見切り席を極力減らし、外野席もセットの真横までギッシリ埋めていた。あれだけ入ったように見えた今回の大会で、(超満員)どころか(満員)マークすら付けて発表しなかった新日本も、オカダもまだまだ満足していないことが伺える。オカダなら東京ドームの先…すなわち新国立競技場での大会開催も視野に入れている可能性も高い。アメリカWWEが毎春に開催している世界一のプロレスイベント『レッスルマニア』を集客で超えるには新国立競技場をギッシリ埋めるしかないからだ。 その前にやっておくべきことが、東京ドームを札止めにすること。ちなみにジャニーズはプロ野球が実数発表になってからは、5万5,000人で発表している。90年代のドームプロレス最盛期は、マイク・タイソン初来日試合での観衆を基本に考えられたとされる東京ドーム大会の観衆は、6万人以上の発表が当たり前になっていた。主催者発表では2002年にK-1(旧)が記録した74,500人となっているが、関係者によると「まだ猪木さんの引退試合(1998年に7万人で発表)を超える公演はない」とのこと。これはドームの回転扉に付いているカウンターが証明しているという。確かに当時のK-1の大会は、新日本よりも巨大なステージセットを組んでいたので、客席は埋まっていたが、発表に違和感を覚えるものがあった。 チケットが完売すれば、何人で(札止め)マークを付けても構わないのだが、黄金時代完全復活を印象づけるには、ジャニーズの平均動員数である5万5,000人(ちなみにジャニーズ勢の東京ドーム最多動員は2007年KinKi Kidsの67,000人)をひとつの目安にしてもらいたいところ。カレンダーで来年以降の1月4日の曜日を見ると、2019年は金曜開催、2020年は土曜開催と、地方からのファンも見込める週末開催に突入する。ここで一気に5万人の壁を突破して、東京ドーム札止め神話を築いてもらいたい。
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スポーツ 2018年01月10日 21時53分
【新日本】棚橋対みのる、ケニー対ジェイは雪の札幌、オカダ対SANADAは大阪で実現!
新日本プロレスは1月27日北海きたえーる2連戦から開幕するシリーズ『THE NEW BEGINNING』の全対戦カードを発表した。 1.4東京ドーム大会の翌日、後楽園ホールで勃発した因縁カードが、1.27&28札幌大会、2.10エディオンアリーナ大阪大会で実現する。「ターナーハーシー!次の標的はお前だ!」 1.4ドーム大会の敗者髪切りマッチで後藤洋央紀に敗れて、NEVER無差別級王座からも陥落した鈴木みのるだが、翌5日の後楽園大会ではIWGPインターコンチネンタル王者の棚橋弘至に狙いを定めて古傷の膝を破壊。もん絶する棚橋にみのるが挑戦表明。昨年のIWGPヘビー級王座への挑戦(対オカダ・カズチカ)に続いて、みのるの師匠である藤原喜明とも因縁深い雪の札幌(1日目)のメインで大役を担うことになった。満身創痍の棚橋だが、圧倒的に不利な状況からの巻き返す力が凄い選手なので、好勝負を期待したい。「ターゲットをUS王座に切り替える」 1.4ドーム大会で棚橋に敗れた後は今後も棚橋を狙っていくと話していたジェイ・ホワイトだが、翌1.5後楽園大会ではケニー・オメガからバレットクラブへの勧誘を受けるも、ケニーを襲撃し戦線布告。6日に新日本プロレス事務所で行われたオカダの会見に、オカダからCHAOSの新メンバーとして紹介されると、「バレットクラブのやりかたは好きじゃない」「タナハシからターゲットを切り替える」とケニーが持つIWGP USヘビー級王座に挑戦表明をした。一方で、オカダのIWGPヘビー級王座も狙うと発言するなど不穏なムードが漂う会見だったが、このジェイの主張が認められ、札幌2連戦2日目のメインでケニーとのタイトルマッチが決定。1.4ドーム大会であのクリス・ジェリコの挑戦を退けたケニーを倒すのはかなり厳しいと思うが、ケニーはジェリコ戦の翌日は上半身をテーピング覆うほどダメージを受けており、昨年からくすぶっていたCodyとの確執も表面化。バレットクラブ内紛の火種も抱えている。ジェイがそこを上手く突いていけば勝機もゼロではない。なお、ヤングバックス対ロッポンギ3KによるIWGPジュニアタッグ戦も2日目にラインナップされた。 飯伏幸太は1.4ドーム大会で対戦したいCodyと連日タッグ対決が組まれているが、現時点で飯伏とバレットクラブのメンバーは、最終戦の2.10大阪大会に名前が入っていない。 大阪大会では内藤哲也を追い続けているYOSHI-HASHIのシングル、ウィル・オスプレイに高橋ヒロムが挑戦するIWGPジュニアヘビー王座戦、後藤洋央紀にEVILが挑戦するNEVER無差別級王座戦、そして、オカダにSANADAが挑戦するIWGPヘビー級王座戦がラインナップされた。オカダはSANADAの挑戦を認める代わりに、SANADA&EVILが保持するIWGPタッグ王座に後藤とのタッグで挑戦させることを条件として出していたが、今回のシリーズでこのカードは実現せず、珍しくロスインゴ勢の主張が完全に通った形になった。G1クライマックスでの対戦では2連敗中のSANADAだが、師匠である武藤敬司直伝のラウンディングボディプレスや、オカダに劣らない高度なドロップキックなど、身体能力はかなり高い。同い年のオカダから何とか1勝を勝ち取り、ライバルの一人に名乗りを上げたいところ。オカダにとっては10度目の防衛戦で、棚橋が持つ最多防衛記録(11)も見えて来ただけに、負けられない試合ではあるが、SANADAのIWGP初戴冠を大阪で見てみたい期待感があるのも確か。SANADAには爪痕を残してもらいたい。 さて、1.5後楽園大会の試合後にジェリコが乱入し、内藤と大乱闘を繰り広げたが、今回のシリーズで両者の対戦がマッチメイクされることはなかった。神出鬼没なジェリコのことだから、また内藤を襲いに来る可能性もあるが、3月の旗揚げ記念日、ロサンゼルス大会、4月の両国国技館大会のいずれかで実現するのかどうか、注意深く見守っていきたい。「明日帰ってもう日本には来ない」と言いながら、翌日の夜に乱入したジェリコの理不尽さは、新日本ファンにも支持されている。次にアルファが現れるのはいつになるのだろうか?取材・文 / どら増田カメラ / 萩原孝弘
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芸能ニュース 2018年01月08日 12時17分
プロレスにハマってオードリー・若林と交際した南沢奈央
元旦付の一部スポーツ紙で女優の南沢奈央との交際が報じられていた、お笑いコンビ・オードリーの若林正恭が、6日深夜放送のレギュラーをつとめるラジオ番組「オードリーのオールナイトニッポン」に生出演し、堂々と交際宣言した。 番組冒頭から、相方の春日俊彰は「告白はどっちからしたのか? 真剣交際について聞いているんだよ。正月からびっくらこいたんだから」などと追及。 しばらく若林はのらりくらりとスルーしていたが、スポーツ紙の記事について「インドアデートはインドアデートなんだけどね。オレと南沢がね…7年前からずっと友だちで(交際は)去年の9月から」と交際について初めて言及した。 記事では共通の趣味である読書と古今亭志ん生の落語で意気投合と報じられた。若林は「古今亭志ん生師匠ふたりとも好きですよ、でも同じくらい好きなのが立川流なんですよね。DVDの貸し借りは、談春師匠とか志の輔師匠なんですよ」と情報を補足。そのうえで、「オレたちはバリバリ付き合っています。これは縁だろうな」と南沢との熱意を認めた。 また、交際のきっかけは若林が趣味だったプロレスを南沢に紹介したことがきっかけだったのだとか。南沢は1人で会場観戦するほど夢中になり、若林は南沢の携帯電話の待受画面が今は新日本プロレスのイケメンレスラー・オカダカズチカであることを明かした。「今の新日はオカダをはじめイケメンレスラーが多く、会場には若い女性たちも足を運ぶようになった。そのため、南沢が観戦していても違和感はなさそう。それでも、レスラーのようなタイプには行かず、若林と交際したので世の男性たちの好感度はアップするのでは」(芸能記者) 若林は交際を認めただけに、南沢がどのような形で交際を認めるのかが注目される。
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スポーツ 2018年01月07日 12時55分
【新日本】松井珠理奈アンバサダーの職責を果たす!今年のG1決勝は武道館3連戦
新日本プロレス『レッスルキングダム12』▼1月4日 東京ドーム観衆 34,995人 第1試合開始前、場内のビジョンでカウントダウンVTRとオープニングVTRを上映。続いてリング上に“1・4東京ドーム・スペシャルアンバサダー”を務めるSKE48の松井珠理奈が登場。「この新日本プロレスの激闘を、世界中に届けて行きましょう」とファンに挨拶した。そして、珠理奈がファンと一緒に「みんなでプロレス! イッテンヨン!」のキャッチフレーズを叫び、大会がスタート。 珠理奈は年末の忙しい合間を縫って、1.4ドーム大会に関する発信をし続けた。その甲斐もあってか、試合終了後にグッズテントを覗くと品切れの嵐。ドーム大会でパンフレットが完売したのは何年ぶりだろうか。これは今年に限った話ではないが、大会前もグッズテントの入場列は東京ドームホテルまで延びており、人気アーティストと何ら遜色ない光景である。 珠理奈は3日にディファ有明で開催された『大プロレス祭り』に同じくSKE48の松村香織とともに、2人が出演していた『豆腐プロレス』のトークショーも行っている。ここでも最後に「プライベートでも絶対に1.4東京ドームに行こうと思っていたんですけど、まさかアンバサダーに選んで頂けるとは…。これからもプロレスをまだ知らない方にも広めていきます!」と今後もプロレス布教に一役買って行くことを力強く宣言した。 テレビ解説は、蝶野正洋、松木安太郎とともにゲスト席に座ると、決して知ったかぶることなく、積極的に話していたのが印象的だった。特に最後の2試合は大興奮していたようだが、今年上半期の新日本は、例年以上に大会場を開催を連発する。【新日本プロレス2018年上半期主要日程】▼1月27日(土)&28日(日)『THE NEW BEGINNING in SAPPORO〜雪の札幌2連戦〜』北海道・北海きたえーる▼2月10日(土)『THE NEW BEGINNING in OSAKA』大阪・エディオンアリーナ大阪▼3月6日(火)『旗揚げ記念日』大田区総合体育館▼現地時間・3月25日(日)『STRONG STYLE EVOLVED』アメリカ・ロサンゼルス ロングビーチWalter Pyramid※2度目のロサンゼルス大会。▼4月1(日)「SAKURA GENESIS 2018」両国国技館▼4月29日(日)『レスリング火の国 2018』熊本・グランメッセ熊本▼5月3日(木・祝)&4日(金・祝)『レスリングどんたく 2018』福岡・福岡国際センター▼5月18日(金)『BEST OF THE SUPER Jr.25』開幕▼6月9日(土)『DOMINION 6.9 in OSAKA-JO HALL』大阪・大阪城ホール▼6月15日(金)『KIZUNA ROAD 2018』開幕▼“真夏の最強戦士決定戦”『G1 CLIMAX 28』7月14日(土)&15日(日)東京・大田区総合体育館で開幕7月16日(月・祝)北海道・北海きたえーる▼『G1 CLIMAX』優勝決定戦8月10日(金)、11日(土)、12日(日)東京・日本武道館※『G1』で初めてとなるだけでなく、日本武道館の使用自体が15年ぶり(2003年6月以来)の開催となる。 今年の夏、両国国技館が使用できないという話題は昨年からあったが、その代替として日本武道館を選ぶとは驚いた。しかも3連戦だ。国技館より5,000人は入る武道館を札止めにするには、プロレスを多角的に広めてもらう人材は不可欠。今月末のきたえーる2連戦然り、5月のどんたく2連戦然り、大会場を2日押さえているシリーズも目に止まる。珠理奈のアンバサダー就任と活動内容は、プロレスファンにも概ね歓迎されていたので、今後もプロレスの発信を続けて、会場にファンを呼び寄せてもらいたい。取材・文 / どら増田カメラ / 舩橋諄
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スポーツ 2018年01月07日 12時00分
プロレスラー世界遺産 伝説のチャンピオンから未知なる強豪まで── 「アブドーラ・ザ・ブッチャー」人気と凶暴さを兼ね備えた“黒い呪術師”
昭和から平成、そして新元号へと時代が移っても、記憶に残しておきたいプロレスラーがいる。日本で最も有名な外国人レスラーと言えば、これはもうアブドーラ・ザ・ブッチャーで間違いあるまい。 黒光りする究極のアンコ体形に、度重なる流血でギザギザになった額。これらブッチャー個人の特徴は、いまだ悪役レスラーのアイコンにもなっている。 プロレスファンからの人気度では、もちろんスタン・ハンセンも引けを取らないだろう。というか、むしろハンセンを上に見る向きもあろうが、広く一般からの知名度となるとやはりブッチャーが上回る。 例えば、あだ名。肥満体でヤンチャな人物の多くは、一度はブッチャーと呼ばれたことがあるはずで、ひょろっとした長身ならば馬場、あごがしゃくれていたら猪木と呼ばれるのと並び、プロレスラーに由来するあだ名の定番となっている。 これは広くブッチャーのイメージが浸透している証拠であり、残念ながらハンセンではこうはいかない。 ブッチャーという名前の響きも、どこか日本人になじみやすかったのだろう。これが改名前のゼーラス・アマーラというリングネームのままだったら、果たしてここまで受け入れられたか。 また、カラテの型から繰り出す地獄突きも、その分かりやすさと真似しやすさで“プロレスごっこ”の定番となった。 「特に地方の子供たちからの人気は高く、かつて街角で見られた大会の告知ポスターでも、ブッチャーの写真があるとないのとでは、明らかに客入りが違いました」(興行関係者) 最初の来日は1970年(昭和45年)の日本プロレス。すでにアメリカでは図抜けたヒールぶりが評判となっていたが、日本ではほぼ無名だったことから、参加外国人の中では2〜3番手の格付けとされていた。 しかし、その初戦でタッグマッチながらジャイアント馬場からピンフォールを奪うと、それまで日本では見られなかった会場全体を使っての場外乱闘を繰り広げ、悪役人気はうなぎ上り。一気に外国人エースにまで上り詰めた。 ここで注目すべきは、馬場のプロデュースセンスだ。無名の外国人選手が日本人トップの馬場からフォールを奪うことなど、当時の常識からすれば到底あり得る話ではなく、そこには馬場なりの“計算”があったに違いない。 「ブッチャーは必ずトップヒールになれるという読みがあったからこそ、大抜擢したと見るべきでしょう」(プロレスライター) 以後、日プロから全日本プロレスへと舞台を変えて、馬場とブッチャーは34度のシングル戦を行っており、勝敗こそは大きく馬場の勝ち越しとなっているが、そのほとんどでブッチャーは見せ場たっぷりの悪党ぶりを披露している。 「これについては、のちにブッチャー自身も『馬場との試合から日本でウケるコツを学んだ』と話しています。新日本プロレスのリングではイマイチ振るわなかったのも、猪木との相性というよりは、最初からブッチャーの人気頼りだったため、馬場のように積極的にプロデュースする人間がいなかったことが大きかった。ただ、馬場とブッチャーの闘いの中で割を食ったのがブレイク前のジャンボ鶴田で、UNタイトル戦や『チャンピオンカーニバル』決勝戦など、大舞台でたびたび敗戦を喫しています。鶴田を倒して馬場と勝負という“ブッチャー格上げ”のダシに使われた感はありましたね」(同) また、馬場は自分との試合だけでなく、ザ・デストロイヤーや大木金太郎らがブッチャーと抗争する演出もしていた。 中でも大ヒットとなったのが、ブッチャーとザ・シークの地上最凶悪コンビと、ザ・ファンクスによる因縁の闘いだ。 '77年に開催された『世界オープンタッグ選手権』の最終戦、テリー・ファンクの右上腕をブッチャーがフォークで突きまくり血だるまにする凄惨さと、そこからのテリー復活の左ストレート連打は、今でも日本プロレス史に残る名場面として語られるほどである。この一戦があったからこそ、年末のタッグリーグ戦が定着することにもなった。 その後、ブッチャーとテリーの抗争は激化の一途をたどり、'80年の『チャンピオンカーニバル』では、ブッチャーが叩き割ったビール瓶でテリーの胸を刺すまでに至る。この場面はあまりの過激さから、テレビ中継においては動画ではなくストップモーションで放送された。 「近年、こうした大流血戦がマイナーな団体でしか見られなくなったのには理由があって、一つはコンプライアンスの問題。もう一つは血液によるウイルス感染症の危険性が周知されるようになったことがあります。そうした意味で、今後はブッチャーのような極悪レスラーは二度と現れないかもしれません」(同) 人気と凶暴さを兼ね備えた、まさしく歴史に名を残すべきプロレスラーと言えるだろう。アブドーラ・ザ・ブッチャー1941年1月11日生まれ、カナダ出身。身長186㎝、体重150㎏。得意技/地獄突き、エルボードロップ文・脇本深八(元スポーツ紙記者)
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スポーツ 2018年01月06日 22時50分
【新日本】今年のサプライズはカッキー!Uインターの後輩、高山善廣に熱烈エール!
新日本プロレス『レッスルキングダム12』▼1月4日 東京ドーム観衆 34,995人▼1分時間差バトルロイヤル〜ニュージャパンランボー〜(21選手参加)○垣原賢人(32分6秒 片エビ固め)チーズバーガー●※カッキーカッター※以下、退場順。1.デリリアス、2.BUSHI、3.レオ・トンガ、4.中西学、5.永田裕志、6.北村克哉、7.チェーズ・オーエンズ、8.獣神サンダー・ライガー、9.エル・デスペラード、10.タイガーマスク、11.TAKAみちのく、12.金丸義信、13.ジノ・ガンビーノ、14.トーア・ヘナーレ、15.YOSHI-HASHI、16.デビッド・フィンレー、17.高橋裕二郎、18.小島聡、19.天山広吉、20.チーズバーガー 毎年、かつて新日本プロレスで活躍していた選手がサプライズ参戦する『レッスルキングダム』第0試合恒例のニュージャパンランボー。試合開始前に参加選手が21名であることだけがアナウンスされ、観客は1分毎にビジョンに映し出されるカウントダウン映像とテーマ曲で誰が入って来るルールは、ファンにも好評の企画であり、本戦を前にした東京ドームを温め続けてきた。昨年は新日本マットで一世を風靡したスコット・ノートンがサプライズ枠で登場し、古くからのファンを喜ばせている。 今年はこれといったサプライズがないまま最終21番目のカウントダウンが始まり、カウントゼロと同時にヒットしたのは『UWFメインテーマ』。しかし、この曲を使用していたUWF系の選手が多いこともあり、場内が騒つく中、ビジョンにはテレビ解説を務めていた山崎一夫氏(現役時代は最もこの曲をテーマ曲に使用していた)が放送席を立ち上がろうとしている場面が映し出され、さらに騒然とする東京ドームに現れたのは、悪性リンパ腫と闘病中の垣原賢人。垣原はUWFインターナショナル時代にカッキーの愛称で親しまれ、1995年10月に行われた新日本との全面戦争では佐々木健介を相手に勝利を収め名を上げている。2002年からは新日本に所属。ジュニアヘビー級戦線を盛り上げたが、怪我の影響により、2006年5月に引退している。2014年の年末に悪性リンパ腫であることを公表し、闘病中の様子もFacebookで伝え続けている。昨年8月の藤原喜明戦での復帰を経て、今回の古巣帰還となった。 垣原は天山広吉や小島聡のパワーにタジタジだったが、2人を上手くオーバー・ザ・トップロープで片付けると、軽量のチーズバーガーをカッキーカッターで仕留め優勝を果たした。試合後、頸椎の負傷でリハビリを続ける高山善廣のTシャツを着てマイクを握ると、「お久しぶりです。垣原です。ガンに負けずにリングに戻って参りました。皆さんの応援のおかげです。本当にありがとうございます。最後に、いま大きなケガと闘っているUWFの同志である高山選手にエールを送りたいと思います。タカヤマァーー! 東京ドームのリングに立ったぞ! 俺だってここまで回復することができた。“帝王”なら、必ず! 必ず! 必ず! 克服することができる! 俺はそう信じてる。皆さんもぜひ高山選手の応援をよろしくお願いします」とUインター時代の後輩である高山に熱烈なエールを送った。 インタビュールームでは、「同じ病に苦しんでいる人たちの希望の光になりたいという気持ちもありますし、そして何よりも、高山選手に熱いエールを送りたいという気持ちで、逃げちゃいけない、負けちゃいけないと。正直、こんなに大勢の前でリングに上がるのは本当に怖かったですし、レスラーのみなさんと対峙するのはすごく勇気がいりましたけど、“逃げちゃいけない”という部分で、お引き受けいたしました」とサプライズ参戦した理由をコメント。続けて「自分は大きな夢を持っています。でも、それを実現させるためには、このガンという病気を必ず克服しなければなりません。今も決してまだ完治したわけではないので、病気と向き合いながら、しっかりと治療も行いながら、完治目指して、そして大きな夢を叶えていきたいなと思います」と自身の夢と病気との向き合い方についても話してくれた。 今回の参戦が決まってからは、「身体の調子がよくなった感じがしますね。免疫力が上がったと言いますか、好きなのでしょうね、目立つことが(笑)」と充実した表情を浮かべていた。1995年10月9日東京ドーム大会を熱狂させてくれた垣原と高山が再び東京ドームのリングに上がる日が来ることを心から願いたい。取材・文 / どら増田カメラ / 舩橋諄
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スポーツ 2018年01月06日 12時45分
【新日本】ジェリコ、ケニーに敗れるも、故・冬木弘道さんの理不尽魂が爆発!
新日本プロレス『レッスルキングダム12』▼1月4日 東京ドーム観衆 34,995人▼IWGP USヘビー級選手権試合 ノーDQマッチ○<王者>ケニー・オメガ(34分36秒 片エビ固め)クリス・ジェリコ<挑戦者>●※イスの上への片翼の天使※ケニーが4度目の防衛に成功大会前に東京ドーム周辺を歩いていると、ちょっとした異変に気づいた。明らかにプロレスファンだとわかる外国人が多い。関係者によると、今回はアメリカからの観戦ツアーも組まれているという。ドームのグラウンドに足を踏み入れると、アリーナ席の後方は外国人ファンが占拠している。まさに国際色豊かなリングサイドだ。お目当てはケニー・オメガ対クリス・ジェリコによる“世紀の一戦”であることは言うまでもないだろう。オープニングの対戦カード発表映像でも盛り上がりが尋常じゃなかった。私は1.4ドームに限って言うなら1992年の1回目から観ているが、観衆6万人を超える発表をしていた“黄金時代”と全く引けを取らない熱量を、今回の大会で感じた。いや、熱量だけなら今のほうが優っているかもしれない。ケニー対ジェリコというドリームマッチは、1990年2月10日に東京ドームで実現したビックバン・ベイダー対スタン・ハンセン(当時の新日本対全日本のトップ外国人対決)、同年4月13日に同じく東京ドームで実現したハルク・ホーガン対スタン・ハンセン(当時のWWE対全日本のトップ対決)のような「ホントにやるの?」と耳を疑うほどビックリしたカードである。新日本はブシロード体制になってから、積極的に他団体と絡まなくなったこともあり、最近はまた実現していない“夢の日本人対決”が出来つつあるが、機が熟すにはもう少し時間がかかるだろう。そうなると“夢のカード”は今回のようにWWEスーパースターとの対決に限られてくる。現在のジェリコはフリーだが、WWEスマックダウンのホームページからは削除されておらず、ビンス・マクマホン代表にも今回参戦することを話し、理解を得たとコメントしている。このWWEを辞めてるけど辞めてないというどちらにも解釈できる感じがドリームマッチの格を世界規模に押し上げた。昨年夏のWWE日本公演では、大声援をバックに好ファイトを見せてくれたジェリコだが、今回のケニー戦は完全なるヒールモード。ケニーに残虐な試合を仕掛けることで、会場の空気をケニーのホームに、自身はアウェーへと立場をハッキリさせていた。東京ドームのような大会場でいちばん必要とされることは、わかりやすさである。この辺は17年間WWEのトップとして揉まれてきた経験が自然と生かされているのだろう。用意された凶器を全て破壊させた上でケニーに敗れたジェリコだが、「やっぱメジャーリーガーは違うね」という声が会場から漏れ伝わってきた。しかし、このメジャーリーガーは日本が育てたメジャーリーガーの一人。その象徴的な場面が今回の試合で見られたので、触れておきたい。それはライオンサルトからケニーを踏みつけ、雄叫びを上げながらマッチョポーズを決めた場面と、ケニーがドラゴンスープレックスの体勢に入るも、ジェリコがサムソンクラッチの要領で切り返してウォールズ・オブ・ジェリコを決めた場面。これはかつてWAR時代に、ジェリコがライオン道のリングネームで、故・冬木弘道さんをボスに、邪道&外道と活動していた冬木軍を意識した動きである。試合後、少し遅れてインタビュールームに現れたジェリコは、椅子や機材入れなどを投げまくる不機嫌モード。「オマエら、何が聞きたいんだ? 聞けよ、何でも答えてやるから!」と言いながら代表質問を続けようとすると…「一人1問だ! 誰か他の記者が質問しろ! 欲張るな!」と怒鳴る始末。報道陣が萎縮する中、私は意を決して一連の冬木さんムーブメントについて質問した。すると、ジェリコは口調が穏やかになり、「冬木は真の日本の戦士だからだ。彼こそ天才であり、プレスやファンのことを気にせず自分のことだけをやり遂げた人だった。彼を尊敬しているし、その思いからアレをやったんだ」と冬木さんへの思いから出た行為であることを認めた。その直後に「お前のことは尊敬してないけどな」と悪いジェリコに戻っていたが、ずっとプロレスを見続けているファンにとっては、涙なしでは語れない話である。最後に、いつでもWWEに戻れるジェリコに今後について質問が飛んだ。「それはオマエには関係ない。ノーコメントだ。きょう、この試合がレッスルキングダム史上最高の試合だったはずだ。ものすごく計算されていて、観客もエキサイトしていて、バズりまくった。そして、これが新日本プロレスを次のレベルに押し上げたことだろう。ブレイクスルーになったはずだ。それを、ケニー・オメガとクリス・ジェリコが、アルファ対オメガが実現させたんだ。今日、負けはしたが自分自身のパフォーマンスに恥ずべき点は一切なかった。誇らしく思うし、俺たちは素晴らしい試合を見せられたと思う。そして、新日本プロレスを世界的に次のレベルに押し上げたことをすごく誇りに思っている。観客動員数もこれまでにない大きな数字を叩き出したと聞いている。それも、アルファ対オメガがレッスルキングダム12で実現したからだと思う。しかし、今日の試合に負け、日本のファンのリアクションを見て、明日、日本を発って、もう二度と戻っては来ないだろう」ジェリコは席を立つと、インタビュールームのイスを蹴り上げながら引き上げて行った。この試合は大会前にジェリコに名前を挙げられた棚橋弘至も「(インタビュー中だったため)この試合は注目しているので、早く戻って見たい」と語り、飯伏幸太も「しっかり生で観ます」と話していた。「もう戻って来ない」発言は、理不尽大王だった冬木さんイズムであると信じたい。ジャパニーズスタイルを理解している2人による素晴らしいカナディアンかつアメリカンレスリングだった。取材・文 / どら増田カメラ / 萩原孝弘
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スポーツ 2018年01月05日 22時14分
【新日本】「スタンドの空席を埋める」“絶対王者”オカダ、内藤に傾いた流れを渡さず!
新日本プロレス『レッスルキングダム12』▼1月4日 東京ドーム観衆 34,995人▼IWGPヘビー級選手権試合○<王者>オカダ・カズチカ(34分26秒 片エビ固め)内藤哲也●※レインメーカー※オカダが9度目の防衛に成功 “世紀の一戦”ケニー・オメガ対クリス・ジェリコの衝撃が冷めやまぬ中、ダブルメインイベント第2試合の煽り映像が流れた。東京ドームは内藤哲也の入場を待ちきれないムード。日本人のファンはロスインゴパーカーや、キャップなど、内藤のグッズを身につけて来場しているファンが多かった。さすがは2年連続プロレス大賞MVP男。ダブルメイン第1試合に降格させられた2014年の2人なら、ケニー対ジェリコに喰われてしまう恐れがあったかもしれない。しかし、あれから時は経ち、オカダ・カズチカは絶対王者への道を歩み、内藤はカリスマレスラーに変貌を遂げた。 「いや、すごいなと思いました。入場の時の大・内藤コール。僕も入場の前に控えてて聞こえましたし、『こりゃやべぇな』と思いましたけど、リング上に立てば、そんなことは関係なかったことで、内藤さんは強かったです。勢いもかなりありました。でも、僕の方が強かったというだけだと思います」 先月の前哨戦では「0-10で僕に声援が来なくてもいい」と言っていたオカダだが、試合後には思わず本音が出た。オカダはこの日から「気分転換です。僕もずっと同じコスチュームでやってるっていうのも、自分としても新たな刺激が欲しいと思ってましたし、そういう意味でちょっとコスチュームを変えました」とタイツを足が露出するタイプから、パンタロンに新調した。これには客席からもどよめきが起こっていたが、「今年はいろんな雨を降らせたい」というオカダにとっては「驚きの雨」のひとつ。対する内藤は中学3年生の時に立てた『新日本プロレス東京ドーム大会のメインに立つ』という夢のゴールを胸に、オカダの前に対峙した。 大・内藤コールの中、ゴングが鳴ると、両選手の止まらない攻守のラリーに東京ドームの客席は釘付けに。序盤の段階でケニー対ジェリコの余韻は消えていた。ノンストップな攻防は終盤まで続き、最後は内藤の必殺技デスティーノを強引に捕まえて、旋回式ツームストンパイルドライバーを放ったオカダがレインメーカーで仕留め、内藤に傾いていた流れを渡さなかった。 死闘を制したオカダの視線は一塁側ベンチに引き上げていく内藤に… 「みっつ、言わして下さい。ひとーつ! 内藤さん。内藤さーん! 東京ドームのメインイベント、どうだった? 最高に気持ちいいだろ? そして! 勝つとな、もっと気持ちいいぞ、コノヤロー! またやろうぜ。東京ドームのメインイベントで、もう1回やろうぜ。ふたーつ! 今日は、東京ドーム、凄いお客さん。どうも! ありがとうございました。でも…ライトスタンド、ガラ空き! レフト、ガラ空き! 上のほうも空いてるトコ、まだまだある…。レインメーカーに、任せなさい! しっかり! 超満員札止めの! 東京ドームを見せてやるからな。みっつ! 特にあるぞ。今日勝ったオカダファン、うれしいかもしれない、ハッピーかもしれない。内藤さんのファンは悔しいでしょう。バレットクラブのお客さんだって、鈴木軍のお客さんだって、レインメーカーがいまここに立ってるの、納得できない人もたくさんいると思います。でも俺は! 俺のプロレスで全員満足させて、ハッピーにしてやります。いままでは、レインメーカーとして“カネの雨”しか降らせて来なかったですが、2018年、“感動の雨”“驚きの雨”“幸せの雨”、いろんな雨を降らせて行きたいと思います。でも! 1番は“カネの雨”。というわけで! 2018年も、新日本プロレスにー! カネの雨が降るぞー!」 と今年の所信表明演説的なマイクパフォーマンスを行い、ドームの花道を歩いて帰った。今大会は前売り券の売り上げ枚数が、ここ数年で最速だった。ただ、ステージセットが例年より大きかったことも影響したのか、見切り席が多数発生していた。オカダはその辺の矛盾点をしっかりと言葉に出したのである。 棚橋弘至は「俺がメインのときに4万人入れたかったー!」とかなり悔しがっていたが、今回の発表が34,995人だったことで、来年から週末開催を迎える1.4ドーム大会で、どのカードがメインを張れば、4万人、5万人のファンでスタンドが埋め尽くされるのか、これは気になるところ。今年は飯伏幸太も「新日本の試合が増える」と明言しており、オカダとはまだノンタイトルマッチで2試合しか当たっていないことからも、有力かつ強力な挑戦者として立ち塞がる可能性を秘めている。 オカダは棚橋が記録した連続防衛記録11を超えたい野望も持っているので、誰がオカダを止めるのか? 当面オカダ時代が続くのか? 楽しみに見守っていきたい。取材・文 / どら増田カメラ / 萩原孝弘
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スポーツ 2017年12月27日 22時50分
【新日本・見どころ】前売り3万枚突破で、札止めが見えてきた1.4東京ドーム大会!
新日本プロレスが92年から来年で26年連続(東京ドームでの興行は29年連続)となる、1.4東京ドーム大会『レッスルキングダム12』の前売り券が、ブシロードが2012年1月末に新日本を買収してから初めて開催された2013年の大会以降、最速の売り上げを見せている。関係者の話によると「年内に3万枚を突破したことで、用意したチケットがすべて売り切れる可能性も出てきた」という。 ブシロード体制になってから、実数発表となり、90年代のような6万人という数字を叩き出すのは難しい状況になっているが、日曜開催で満員マークをつけた2015年の36,000人を超えるのは濃厚で、チケットが完売した場合は札止めで発表されることになる。新日本は次に1月4日が週末となる2020年大会での札止めを目指していただけに、この目標が大きく前倒しされるかもしれない。2019年大会からはしばらく開放されていなかった外野寄りの内野スタンドや、外野スタンドを開放し、動員数を増やしていくことが考えられる。 昨年1月に主力選手だった中邑真輔をはじめ、複数の選手がアメリカの世界一のプロレス団体WWEへ移籍したことで、一瞬動員が下がった時期もあったものの、入れ替わるかのようにロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンを結成した内藤哲也が台頭。現在は中邑が在籍していた時よりも動員数が上がっているのだ。今回、ドーム大会の前売りが好調なのも、内藤人気がかなりのウェイトを占めているのは確実で、先日、東京スポーツが選定するプロレス大賞のMVPに内藤が2年連続で選ばれたことも追い風になった。 メインで行われるオカダ・カズチカが持つIWGPヘビー級王座に、真夏の最強決定戦G1クライマックスで優勝した内藤が挑戦するというのは、2013年にも同じシチュエーションで実現したカード。しかし、当時立場が不透明だった内藤はファンから全く支持されず、新日本も中邑にライバル棚橋弘至が挑戦するIWGPインターコンチネンタル王座に挑戦する試合と、ファンにどちらがメインで行われるのが相応しいのか問いたいと、ファン投票を実施。結果、オカダ対内藤はダブルメインイベント第1試合に降格している。 この時の苦い経験が現在の内藤の原動力に繋がっているのは言うまでもない。しかし、この時に悔しい思いをしたのは、チャンピオンとして誰が相手でもドームのメインを守れなかったオカダも同じ。内藤人気が爆発する一方、オカダはケニー・オメガ、鈴木みのる、柴田勝頼らと命を削るような防衛戦を続けることで、超人ぶりを発揮してきた。特にケニーとは1.4ドーム大会で46分を超える死闘を制し、6.11大阪城ホール大会では60分フルタイムドロー、G1の公式戦で行われた8.12両国国技館大会では接戦の末敗れている。その翌日の決勝戦でケニーをG1史上最長の試合タイムで破り優勝し、ドームメインの切符を手に入れたのが内藤である。前哨戦の内容を見ていても内藤は勝敗に関わらず、余裕を見せているだけに、現状は挑戦者の内藤が優位に立っていると思わざるを得ない。ただ、今年1年間の防衛戦でオカダから底知れぬ強さを感じたのは誰もが認めるところ。勢いが強さを超えるのか?強さが勢いを阻むのか?死闘は避けられない一戦だ。 ダブルメインイベント第1試合では、現在もWWEの主要ブランド、スマックダウンのHPに“掲載”されている(本人は「現在の契約はフリーだが(WWE会長の)ビンス・マクマホンには話した」とのこと)クリス・ジェリコが、カナダの同郷後輩レスラー、ケニー・オメガが保持するIWGP USヘビー級王座に挑戦する。ジェリコは日本マット(天龍源一郎さんの団体WARが主戦場だった)で育ち、アメリカでスーパースターになった選手なので、WWEの日本公演には毎回のように凱旋。今年も来日し、ヒデオ・イタミ(元ノアのKENTA)とのシングルマッチを難なく制している。一方のケニーは前述のように、今年はオカダと3度に渡る死闘を繰り広げ、G1決勝では敗れはしたが、内藤とギリギリの試合を行い、レスラーとしてステータスを高めている。ジェリコの新日本参戦が発表されると、ストリーミング配信サイト新日本プロレスワールドへ登録するファンも世界中から殺到しているそうで、新日本プロレスがWWEに続くプロレスカンパニーとして、世界にアピールするには十分過ぎるカードと言ってもいいだろう。この試合はあらゆる反則が認められるノーDQマッチで行われるのもポイント。ジェリコとケニーがニューヨークやカナダの空気感を東京で体感させてくれるはずだ。 アンダーカードでは、メインやセミファイナルから久々に降格した棚橋が、ジェイ・ホワイトの凱旋マッチの相手を務める。IWGPインターコンチ王座を賭けての闘いなだけに負けは許されないが、まだどのユニットに属するかも判明していないホワイトが何処まで成長しているのかは不透明で不気味。2012年に凱旋帰国していきなり棚橋を破り、IWGPヘビー級王者に輝いたオカダのような雰囲気を感じる。棚橋は2年連続でドームの試合を勝ててないこともあり、ここはスカッと勝ちたいところだが…。 今回のドーム大会は、CS(第0試合を除く)とストリーミング配信で完全生中継。テレビ朝日と一部の系列局では、当日の深夜に特番が放送される。年末は格闘技、年始はプロレスを楽しむ文化の再来を期待したい。取材・文 / どら増田カメラマン / 舩橋諄
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スポーツ 2017年12月25日 22時00分
【DDT】10万視聴!“ゲイレスラー”男色ディーノの生き様!サイバー本社で路上プロレス
今年の9月1日に株式会社サイバーエージェントの傘下に入り、グループ会社となったDDTプロレス。藤田晋社長がリングで挨拶をしたときに、“ゲイレスラー”男色ディーノが背後から接近。藤田社長のお尻を触ったことがキッカケとなり、『DDTvsサイバーエージェント路上プロレス−男色死亡遊戯−』が、21日サイバーエージェント本社ビルから、Abema TVの格闘チャンネルで生中継された。 テーマはディーノが藤田社長の唇を奪うことができるか? DDTの所属レスラーも、ディーノ軍と藤田社長を守る高木三四郎軍に分かれて、基本的にはディーノ軍が勝てば社長室に近づく階のカードキーが渡されるというルールのもと、全9試合(変則マッチも含む)が行われた。 ディーノは「地上波じゃ出来ないことがこれならできると思った」 とコメントしていたが、“ゲイレスラー”男色ディーノの存在自体が、現在の地上波では微妙なラインというのは、今年お台場で起こった騒動を見ても想像に難くない。しかし、男色ディーノという選手は、しっかりと見てもらえれば“生き様”を感じる素晴らしい選手。実際、今回の路上プロレスでは「“ゲイレスラー”男色ディーノの生き様を生中継で見せたい」とも語っている。 午後5時30分。番組は4階からスタート。5階フロアに突入したと同時に、サイバーエージェント(CA)の社員が騒動とは関係なく、PC業務などを続ける中、第1試合のゴングが鳴り、ディーノ軍は順調に勝ち進むが、9階で佐々木大輔&遠藤哲哉に敗退。しかし、佐々木組が高木に3万円で買収されていたことを知ると、ディーノ軍はその場にいたCA社の社員からのカンパや解説を務めていた豊本明長(東京03)の財布を強奪し、佐々木から10階のカードキーを奪取。10階では相撲出身レスラーを退けるが、実は藤田社長が3階の社長室にいることが判明。ディーノ軍は10階から3階まで階段で降りる羽目に。 3階フロアに突入したディーノは、社長秘書からあっさりと社長室のカードキーを奪い取り、マジックミラーで中が見えなくなっている社長室へ。奥の椅子には藤田社長が座っていた。そしてディーノがリップロックで藤田社長の唇を奪おうとした瞬間、MCとしてディーノ側に付いていたはずの斉藤慎二(ジャングルポケット)が、ディーノ軍を急襲。まさかの裏切り劇に動揺を隠せないディーノ軍。ここに高木が現れ、催眠ガスを噴射。藤田社長に雇われていたという斉藤は、高木とともに救出に成功。ディーノたちは深い眠りについてしまった。 ここでディーノたちを救ったのが、KO-D無差別級王者である竹下幸之介、彰人、石井慧介の3選手。3人は寝ているディーノ軍を13階まで運び出して叩き起こし、再び藤田社長の唇を奪うべく新たな闘いに挑むため結束する。13階には坂口征夫&タノムサク鳥羽という難敵が立ちはだかったが、竹下の奮闘により坂口からクリスマスプレゼントとして、12階のカードキーを渡される。12階に待ち受けていたのは、デスマッチのカリスマファイター葛西純(FREEDOMS)。デスマッチファイターにはデスマッチファイターを…。ここでディーノの味方として、木高イサミ(プロレスリングBASARA)が彗星の如く現れ、葛西 対 イサミというドリームマッチが突如実現。2人はPCのキーボードで叩き合い、テーブルの上でも容赦なく攻撃をし合って、CA社の備品を破壊しまくった。グループ会社の人間たちが、親会社の本社を破壊して行くというカオスな状況の中、2人の闘いは決着がつかず両者KO。瀕死のイサミから11階のカードキーを託されたディーノは泣きながら10階へ。 待ち受けていた高木は「大物を用意していると言っただろ!」と叫ぶと、元新日本プロレスの田中ケロリングアナウンサーが登場し、往年の名調子に乗せて、WRESTLE-1の武藤敬司と黒潮“イケメン”二郎が入場。これには11階フロアで業務に励んでいたCA社の社員も大喜び。田中リングアナが選手をコールする中、メインイベントとして豪華な6人タッグマッチが実現した。竹下とイケメンのエース対決など注目の顔合わせも多いカード。中でも路上プロレス参戦は初めてという武藤の存在感は際立っていた。竹下にドラゴンスクリューを決めると、すかさず足4の字固めへ。一連のムーブをオフィスでも違和感なく決めてしまうのはさすがは武藤敬司である。しかし、ディーノのリップロックで唇を奪われてから形勢が逆転。最後は真・男色ドライバーからの漢固めで、ディーノが高木からスリーカウントを奪取。高木軍の制止をディーノ軍が全力で止めて、ディーノは泣きながら再び3階の社長室へ。 しかし、そこにいたのは斉藤慎二。斉藤は憎々しい表情で高笑いをしながら、「(藤田社長は)もう帰ったよ!オマエの計画は無駄だったんだよ!」と既に藤田社長が帰宅したことをディーノに告げる。するとディーノは… 「確かに無駄なことかもしれないわ。多くの人の前で、男の唇を奪う私のファイトスタイルに批判も多いわ。これをやってもいいのか、私だって悩むことがある。でも、そういう姿を見せて笑ってもらうのが、“ゲイレスラー”男色ディーノの務めなの。ゲイであることを笑ってほしいんじゃないわ。ゲイである私の人生を見せて、見ている人に楽しんでほしいのよ。こんなの今の地上波じゃ流せないわ。だから私、DDTがCAグループに編入されてチャンスだと思ったの。私は私の生き様を見せつけるのよ。私にとっては無駄なことじゃない」 と熱弁。続けて斉藤に「私の生き様をあんたに見せつける」と言うと、斉藤にリップロックを仕掛けると見せて、社長室を去っていった。入れ替わるように高木が社長室に入ると…。 「ヤツはとんでもないものを奪っていきました。あなたと視聴者の心です」 これに言葉を失った斉藤は「ちょっと!DDT!これからも楽しみだ。ハーイ!」と某アニメを連想させるエンディングでエンドロールが流され、次回は新宿で再び藤田社長の唇を奪う続編が放送される予告がされた。 DDTがCAグループに入ってから、Abema TVで後楽園ホール大会の生中継がスタートしているが、他にどんなオリジナルコンテンツを配信するのか注目されていた。路上プロレスは今年の6月に、高木が鈴木みのるを相手に東京ドームでノーピープルマッチを実現させており、親会社の社屋をグループ会社が破壊して行くという発想はDDTならでは。そこに地上波では実現不可能なエッセンスを男色ディーノを中心に散りばめたセンスは、文化系プロレスDDTとIT企業のCA社が組んだからこそ生まれたコンテンツといっていいだろう。視聴数も10万と高い数字をはじき出した。 先日もAbema TV『72時間ホンネテレビ』の企画で、DDTグループのガンバレ☆プロレスで、草なぎ剛がディーノとのタッグでプロレスデビューを果たし、セコンドには稲垣吾郎と香取慎吾が付き話題になったばかり。今後も地上波では見られない刺激的なエンターテインメントプロレスを見せてもらいたい。【大会名】DDTvsサイバーエージェント路上プロレス−男色死亡遊戯−【日時】2017年12月21日【会場】東京・株式会社サイバーエージェント本社内【視聴数】10万視聴▼オープニングマッチ 時間無制限一本勝負大石真翔&勝俣瞬馬&○MAO vs 高木三四郎&大鷲透&上野勇希●5分52秒 横入り式エビ固め▼第二試合 時間無制限一本勝負男色ディーノ&○才木玲佳 vs アジャ・コング&伊橋剛太●4分35秒 体固め※シャイニング・ウィザード▼第三試合 騒音防止デスマッチ 時間無制限一本勝負●スーパー・ササダンゴ・マシン vs 村上和成○7分39秒 TKO勝ち※水をかけられ絶叫→3ロストポイント▼第四試合 学力テスト 時間無制限一本勝負○才木玲佳&○竜剛馬 vs 赤井沙希●&山下実優●15分30秒 全問正解※ポイント400-0で才木組。▼第五試合 時間無制限一本勝負●大石真翔&●MAO vs 佐々木大輔&遠藤哲哉○5分24秒 体固め※シューティングスター・プレス▼第六試合 時間無制限一本勝負○男色ディーノ&大家健 vs 樋口和貞●&星誕期1分47秒 漢固め※男色ドライバー▼第七試合 時間無制限一本勝負○竹下幸之介&彰人 vs 坂口征夫&タノムサク鳥羽●7分0秒 体固め※垂直落下式ブレーンバスター・オン・ザ・デスク▼セミファイナル ハードコアマッチ 時間無制限一本勝負▲木高イサミ vs 葛西純▲5分51秒 両者KO▼メインイベント 時間無制限一本勝負○男色ディーノ&竹下幸之介&石井慧介 vs 武藤敬司&高木三四郎●&黒潮“イケメン”二郎9分58秒 漢固め※真・男色ドライバー文・どら増田写真提供・©︎DDTプロレスリング