11.5エディオンアリーナ大阪大会以降、鈴木との対戦を訴えて来た後藤だが、鈴木は「俺に負けっぱなしのヤツの願いを、この俺がかなえなきゃいけねぇんだ? 俺はこのベルトを懸ける。下のほうにいるテメェは、なぜ何も懸けない?」と後藤に何か懸けろと挑発。これに対して、後藤は「この髪の毛を懸ける!」と凱旋帰国以降、後藤のイメージとして定着している長髪を懸けることを明言。
これには鈴木も感じるところがあったのか、18日の後楽園ホール大会で「後藤! よく聞け! 1月4日東京ドーム、NEVER無差別級、オマエの望みどおり、ノーセコンド、1対1で、敗者髪切りデスマッチ決定だ!」とアピール。何と鈴木も負けたら髪を切ることになった。ノーセコンドによるデスマッチということも付け加えられたが、これまでの鈴木は、セコンドに関してルールを守ったことがほとんどないだけに、後藤は万が一の時を考えてCHAOSの仲間を待機させておく必要がある。
新日本マットにおける敗者髪切りマッチは、アントニオ猪木 対 ラッシャー木村、野上彰 対 小林邦昭、タイガーマスク 対 石井智宏(マスクと髪の毛を懸けたルール)、棚橋弘至 対 矢野通などが行われているが、東京ドーム大会で行われるのは、新日本が初使用した平成元年の4月からの歴史を振り返っても初めて。猪木 対 木村は負けた木村が猪木の髪を切ったり、石井も断髪途中の隙を突いてタイガーを急襲し、マスクを剥ぎ取り逃走に成功している。
他団体を見渡しても、ヒールサイドの選手は敗れてもすんなり髪を切る例が少ないだけに、後藤はデスマッチルールを逆に利用して、完膚なきまでに鈴木を倒さなければならない。逆に鈴木が勝った場合、後藤の落武者度に拍車がかかるのは確実。2016年の1.4ドーム大会で対戦し、後藤が完全勝利を収めた内藤哲也との差は歴然としており、今回の鈴木戦は髪の毛よりも後藤のレスラー生命を懸けた闘いになりそうだ。
取材・文 / どら増田
カメラマン / 広瀬ゼンイチ