スポーツ
-
スポーツ 2011年11月18日 17時30分
巨人のGM解任発表で気になる清武氏の「次の一手」
プロ野球・読売巨人軍の桃井恒和オーナー兼社長(61)は18日、東京・千代田区の球団事務所で緊急会見を行い、“巨人内紛劇”における一連の責任をとるかたちで、清武英利球団代表兼GM(61)の解任を発表した。 清武氏は11日、文部省記者クラブにおいて緊急会見し声明文を発表。渡辺恒雄球団会長が来季ヘッドコーチ人事で既定路線の岡崎ヘッド留任とはちがう江川卓氏を推挙したことを「プロ野球の私物化」と内部暴露し糾弾していた。 この発表を受けて清武氏の直接のコメントは出ていないが、社のトップに楯突く以上、清武氏はなにかしら“ネタ”もしくは“交換材料”を持っているのでは? というのが大方の野球マスコミの見方。解任発表を受けて清武氏がどのような反撃にうってでるのか。固唾を飲んで見守っている状況だといえそうだ。
-
スポーツ 2011年11月18日 15時30分
亀田興毅が前人未到の5階級制覇宣言も業界は冷ややかな反応
11月17日に25歳の誕生日を迎えたWBA世界バンタム級王者の亀田興毅が、所属の亀田ジムで会見を開いた。 25歳を機に所信表明をした興毅は、「5階級を制覇して、30歳で引退」を掲げた。興毅のプランによると、27歳までに1階級下のスーパーフライ級か1階級上のスーパーバンタム級で4階級制覇。そして、30歳までにスーパーバンタム級のさらに上のフェザー級までを視野に入れて5階級を制することが目標だという。 そもそも、すでに3階級を制した興毅は、日本人としては史上初の快挙であった。さらに、その上を行く4階級、5階級を制するとなると、これはもう国内では前人未到の記録となる。 しかしながら、周囲はあまりにも冷ややかだ。というのは、亀田陣営の世界王座奪取への方法論に、以前から疑問の声が多かったからだ。これまで、興毅はライトフライ級、フライ級、そして現在保持するバンタム級を制したが、3階級中、2回は王座決定戦での獲得。バンタム級に関しては、昨年12・26さいたまで当時ランキング5位のアレクサンドル・ムニョス(ベネズエラ)を下して王座を奪取した。世界王座は真のチャンピオンを破って獲得してこそ、価値があるもの。ランキング1位対2位の王座決定戦ならともかく、5位の選手を下して奪取した王座が、どれほどの価値があるのかはなはだ疑問なのだ。 しかも、興毅はバンタム級王座奪取後、V1戦(5・7大阪)はランク14位、V2戦(8・31日本武道館)はランク8位と下位の選手とばかり防衛戦を行ってきた。12・7大阪でのV3戦もランク12位のマリオ・マシアス(26=メキシコ)で、“勝てる相手”としか世界戦をやらないのは、もはや業界の定説となっている。むろん、それを容認しているWBAにも問題があるのはいうまでもない。2月にWBC世界ミニマム級王座を奪取した井岡一翔(22=井岡)が、8・10後楽園での初防衛戦で、堂々とランク1位の選手の挑戦を退けたのとは、あまりにも対照的だ。 スポーツライターのA氏は「亀田陣営の方法論なら4階級は楽勝でしょう。また、王座決定戦や暫定王座を狙えば、いいのですから。ただ、大きく階級を上げての5階級目となると、パンチの重さも違いますので、苦労はするでしょう。しかし、亀田陣営の手法をもってすれば、5階級制覇も夢ではありません。極端な話、なにかと亀田陣営に甘いWBAなら、ランク10位の選手との王座決定戦なんてことも認めるかもしれませんから」と語る。 国内史上初の3階級を制しても、賛否両論が渦巻いた興毅。その方法論を変えない限り、たとえ国内では前人未到の5階級制覇を達成しても、業界内では冷ややかな反応に終わるであろう。(落合一郎)
-
スポーツ 2011年11月17日 15時30分
“株急落”のボブ・サップだが長島☆自演乙との異次元対決には注目!
IGFプロレスリング(アントニオ猪木会長)主催の12・2両国国技館大会で、“野獣”ボブ・サップ(37)が、10年K-1 MAX日本王者の長島☆自演乙☆雄一郎(27)と異次元対決することが決まった。 かつては、日本格闘技界を席巻したサップだが、近年ではもはや、その株は急落。知名度はいまだ抜群でも、試合への期待はほとんどなくなってしまった。昨年大みそかの「Dynamite!!」では、大相撲元若麒麟の鈴川真一と対戦予定だったが、試合直前に敵前逃亡。今年に入って、準レギュラーとして参戦しているIGFの2・5福岡国際センターで因縁の鈴川と清算マッチを行ったが、わずか117秒で秒殺負け。4・28東京ドームシティホールでも無名の角谷正義とキックボクシングルールで対戦し、これまた79秒で戦意喪失によるセコンドのタオル投入でTKO負け。相次ぐふがいない試合に、過去の栄光は地に堕ちてしまった。 7月24日にはインディー団体のDDT・両国国技館大会に出場し、ゲイキャラの男色ディーノとコミックマッチを行ったが、この試合でも敗れ去ってしまった。格闘技でもプロレスでも、さっぱり気迫が感じられないファイトぶりには、もう“お役御免”の印象はぬぐえなかった。 しかし、今回組まれたサップ対自演乙には少なからず、食指を動かした向きも多いだろう。公称で両者の体格はサップが身長2メートル、体重145キロ、自演乙が身長176センチ、体重87キロ(プロレス参戦時)。体格差は実に身長で24センチ差、体重で58キロ差。まさしく、大人と子どもの対戦だ。 自演乙はK-1中量級での厳しい体重制限のなかでファイトしてきたが、5月のプロレスデビュー以降は、ヘビー級戦士とも闘ってきた。ただし、これだけの体格差がある選手との激突はなかなかなく、相手がなにかと話題性が高いサップとなれば、おのずと興味は沸いてくる。 K-1ではまずあり得なかった中量級対スーパーヘビー級の対決に、自演乙は「どこかでぶん殴りたい。自分らしく、どんどん攻めて勝ちにいきたい」と必勝を誓った。(落合一郎)
-
-
スポーツ 2011年11月17日 11時45分
2011年『12球団ペナントレース総括』 エースのお値段! 横浜編
誰を取り上げるべきか、悩んだ。開幕投手を務めた山本省吾か、チームで唯一、規定投球回数に通達した高崎健太郎か。それとも、貫祿で三浦大輔(38)か…。チームに与える影響力の大きさということで、三浦について考えてみたい。 08年オフ、FA権を行使し、一時は阪神入りが有力視されたが、球団首脳陣の説得で残留。『3年9億円』(推定年俸3億円)で契約が交わされ、今季がその最終年でもあった。成績は18試合登板5勝6敗、防御率2.91。投球回数111回3分の1。前年の成績(3勝8敗/16試合)と比べれば、「復活の兆し」も感じさせるが、FA残留後の3年間で21勝しか挙げていない。今季初登板は開幕4戦目、つまり、第2節の3連戦初戦を託された。首脳陣はローテーションの主軸として計算していたわけだが、5月5日から約2カ月間、不振で二軍落ちしたのは痛かった…。 初勝利は7月10日(対中日戦)。自身3試合目の先発となる5月4日、2回途中で大炎上し、その後再調整に徹して復活マウンドで勝利投手となった。しかし、その7月10日以降、勝ち星こそ伸び悩んだが、投球内容については『プラス査定』と言っていい。同中日戦以降、『クオリティースタート』(6回3失点以内/以下=QS)は12回。先発投手の責務は「ゲーム主導権を掴むこと」。シーズンを通じて見てみても、『先発18試合で12回のQS』を挙げたのは、さすがである。 新しい親会社となるDeNAは高田繁・元ヤクルト監督のゼネラルマネージャー就任(以下=GM)を決めている。日本ハムGM時代に振るったチーム編成力と眼力を考えれば、三浦の勝敗以外の貢献度、投球内容の高さを十分に評価してくれるはずだ。 しかし、『推定年俸3億円』の現状維持は厳しいのではないだろうか。今季、三浦の最長投球回数は『8回』。完投は1試合もない。ちょっと乱暴な比較になるが、主砲・村田修一の推定年俸は2億2000万円。『野球協約の定める減額制限25%』を三浦の推定年俸で考えると、7500万円。この「7500万円まで」が球団と三浦の話し合いとなり、“下げ幅”ともある。 約20年のチーム貢献度も加味し、2億4000万円といったところだろうか。あるいは、三浦が球団経営の諸事情を踏まえ、「減額制限以上」を受け入れるとすれば、『2億円プラス出来高2〜4000万円』で落ち着くと思われる。 三浦が今季初勝利を収めた7月10日、投球スタイルが少し変わっていた。緩急とコントロールで勝負するのは今まで通りだが、ストレートの使い方が変わっていた。その日の最速は144キロ。直球のキレ、スピードが増した。対戦チームの中日ベンチも「(真っ直ぐが)手元で伸びていた」と賞したが、横浜関係者によれば、5月5日以降の二軍調整中、短距離走の練習に重点を置いてきたそうだ。同20日からの1イニングずつではあるが、志願して3試合連続で登板している。得意のスローカーブを有効的に使うため、直球のキレ、スピード、威力を取り戻そうとしたのだ。数年前になるが、ベンチ登録から外れる日もチームの全体練習に加わり、さらに横浜スタジアムのスタンドの階段を昇り降りする姿を目撃したことがある。こういうひたむきさ、練習熱心ぶりが、チームを奮い立たせるのである。 7月10日、殊勲打を放った稲田直人も「三浦さんに勝ってもらいたかった」と話していた(試合後の談話)。 今季、横浜の先発投手陣がマークした『QS』は59回。他球団と比べ、多い方ではない。『QS』が果たされた試合の成績は30勝25敗4分け。勝率5割4分5厘。先発投手がゲームメイクしても、5割そこそこの勝率しか挙げられないのは何故か? 7イニング以降の疲労と同時に先発投手が集中力を失い、打ち込まれた試合もあったが、打撃陣の拙攻も目立った。クローザー・山口俊に繋ぐ前にセットアッパーが踏ん張りきれないシーンも見られた…。こうした弱点をどう解消するかが、新監督の責務ともなる。チーム再建の先頭に立つのは、やはり三浦である。(スポーツライター・飯山満)
-
スポーツ 2011年11月16日 11時45分
オリックスが韓国球界のオフの話題を独占!?
韓国の野球報道のトップニュース、並びに、最大の関心事は「オリックスバファローズ関連」である。李承●(●は火へんに華、イ・スンヨプ)(35)が「韓国に帰りたい」と退団を申し出たのは、クライマックスシリーズ進出が断たれた翌日だった。「1年契約」とも伝えられていたが、実は「2年」。韓国のファンには申し訳ないが、「打率2割1厘、本塁打15、打点51、三振121」の成績では、年俸1億5000万円(推定)を払い続けるのはキツイと思ったのだろう。オリックスはイ・スンヨプを見送ることにした。 しかし、韓国では『国民的バッター』の帰還に沸いている。かつて所属していたサムスンへの復帰が有力だが、「日本球界を経験したプレーヤー」の帰還が韓国球界の年俸相場を“破壊”するかもしれない。 「韓国では李大浩(韓国ロッテ所属)の去就も注目されています。こちらでは、オリックス、ソフトバンク、巨人、阪神も李大浩に興味を示していると伝えられています」(現地特派員の1人) 李大浩は09年WBCにも選ばれている。北京五輪では大会最多タイの3本塁打を放ち、今季はシーズン本塁打数40本、8月には9試合連続アーチと爆発した。 現地報道によれば、韓国ロッテはFA権を獲得した李大浩の慰留に必死で、「歴代最高待遇を約束した」ともいう。歴代最高待遇−−。04年、沈正洙の『4年最大60億ウォン』を越えることになる。 イ・スンヨプ、李大浩、ここに元千葉ロッテを途中退団した金泰均も加わり、その去就が注目されていたが、それに関連して名前が出てくるのが、日本のオリックスバファローズである。<オリックスが李大浩に『2年5億円』を提示した> 韓国ではそんな報道も出ている。 「この一報は、韓国の野球ファンにとって、かなり衝撃的でした」(前出・同)2年5億円。この金額を韓国のウォンに換算すると、約72億ウォン。そう、韓国ロッテが歴代最大規模と訴えた『4年最大60億ウォン』を上回る高額年俸だ。 また、オリックスはイ・スンヨプの在籍球団としても有名だが、イ・スンヨプに払っていた年俸は1億5000万円(推定)。約20億ウォンだ。さらに、金泰均も千葉ロッテと1億5000万円(=20億ウォン)で契約していた。 ちなみに、イ・スンヨプのサムスン時代の年俸は6億3000万ウォン(03年)。巨人時代の推定年俸は6億円。約80億ウォンか…。 オリックスや日本の各球団が韓国FA選手との交渉が可能となるのは、12月10日以降。韓国ロッテとすれば、オリックスが参戦してくる前に李大浩と契約してしまいたいが、「約72億ウォン提示」と報じられ、センパイたちの日本での高待遇を知れば、「オリックスの話を聞いてから決めよう」と思うだろう。 「ソフトバンク、巨人、阪神も正式に獲得に乗り出すとなれば、年俸は『40億ウォン』に跳ね上がるでしょうね」(前出・同) 日本側には金泰均の不振を受け、韓国スラッガーの獲得に慎重論を唱える声もあるが…。 イ・スンヨプ、李大浩、金泰均の3人だが、知人、家族、関係者のコメントとして「(韓国球団と)年俸の釣り上げを狙う駆け引きはしない」と報じられていた。韓国球界の相場は理解しているということだろう。 前出の現地特派員によれば、今オフの韓国FA市場は“豊作”だという。大卒FA年限が9年から8年に短縮されるなどの規制緩和によるものだが、「FAは自分を高く売る権利」である。それは日本、アメリカも同様だ。 有力選手の慰留、獲得にはそれなりの金額が掛かる。繰り返しになるが、オリックスは李大浩の獲得に72億ウォンを用意しているという。オリックスの韓国FA市場の参入により、「年俸10億ウォンの時代が始まる」と、韓国のプロ野球経営陣は驚愕しているそうだ。※ご存じの通り、韓国にも『ロッテ球団』があります。本編は千葉ロッテと混乱させないため、あえて『韓国ロッテ』と表記いたしました。
-
-
スポーツ 2011年11月15日 18時10分
ザックジャパン初黒星は平壌で北朝鮮に
15日、平壌・金日成スタジアムで行われたサッカー・ブラジルW杯アジア3次予選で、ザックジャパンは0-1で北朝鮮に破れ、平壌で日本初の勝利はならなかった。ザッケローニ監督は就任以来初黒星を喫した。 5万人大観衆が詰めかけた金日成スタジアム。バックスタンドではマスゲームが始まるなど、完全アウェーのなかで行われた一戦。試合前の日本の国歌斉唱では観客の悲鳴にも似た“ブーイング”でかき消される場面も。22年ぶりの平壌決戦となった日本は、立ち上がりから慣れない人工芝のグラウンドや大声援に手間取る。中盤と空中を支配した北朝鮮は、後半開始直後にパク・ナムチョルがヘッドでゴールネットを揺らし、最後まで得点を守りきった。 日本はすでに来年6月からのアジア最終予選進出が決まっている。北朝鮮は日本戦を待たずして3次予選敗退が決定していた。
-
スポーツ 2011年11月15日 15時30分
2011年『12球団ペナントレース総括』 エースのお値段! 巨人編
タイトルを獲った。エースとしての逞しさも備わっていた。契約更改で何を訴えるのだろうか−−。 内海哲也(29)、28試合登板で18勝5敗、防御率1.70。今季は『開幕投手』を東野峻に譲ったが、過去2回、その大役を務めている。昨年も2ケタ勝利を挙げたが、不振で中継ぎや二軍降格も辛酸もなめた。WBCメンバーに選出された経緯を指して原辰徳監督(53)に「ニセ侍」なる厳しい檄を飛ばされたこともあった。しかし、今季は違った。最多勝を中日・吉見と分け合い、防御率は2位。1年間、安定した成績を収めてきた。その内海の2011年の推定年俸は、1億2000万円。前年から約2000万円のダウン提示だった。チームは優勝を逃したが、大幅増の2億円前後が提示されるものと思われる。 内海が初めて1億円の大台を突破した08年オフの契約更改でのこと。関係者によれば、交渉の席で球団側は「来年はエースとして存在感を示してほしい」と励ますと、間髪入れず、「生え抜きが少なくなっている。グライシンガーに頼るんじゃなく、僕が勝てるようにしたい」と返したそうだ。 同年の成績は12勝8敗。1年間、ローテーションを守り抜いたが、「リーグワーストの与四球68」、中日戦0勝5敗。前年の最多脱三振のタイトルホルダーとしては物足りない内容だった。ローテーション投手として3年を務めた実績よりも、「チーム優勝の恩恵で大台突破」となったと言っていい。 だが、このときの「グライシンガーに頼るのではなく」の言葉は意義深い。当時は外様・外国人選手がチームの中核を担っていた。その現状を改めたいと自らの発奮材料に変えただけではなく、実は「彼らと自分たち生え抜きの上がり幅の違い」に不満も抱いていたという。 それを口にしたことも何度かある。しかし、言葉に説得力がなかった。内海は『エース』として、それに相応しい成績を残したとき、「待遇改善を訴える」と決め、頑張ってきたのだ。 「20代前半と比べ、真っ直ぐのスピードは落ちています。でも、ボールの勢い、スライダー、カットボールのキレは良くなりました」(プロ野球解説者の1人) 4月20日の阪神戦、内海は先発をトーレスに譲った。首脳陣は「内海と阪神打線の相性が良くないこと」を懸念し、データの少ない新外国人投手を送ったのだが、内海はこの試合で2番手として登板させられた。前日の全体練習ではトーレスと同じメニューをこなす陽動作戦にも駆り出された。「信頼を勝ち取るには、まだまだ足らん!」という原監督の『檄』だろう。しかし、こういう扱いを受けると、大半の選手は折れてしまう。その意味では、内海は本当に「打たれ強い」と思う。 07年対中日戦は4勝1敗だったが、翌08年は0勝5敗。阪神戦も得意にしていたが、次年以降は苦手にしてきた。相手も研究してくるのは当然だが、『得意』を早々と『苦手』にしてしまうのが弱点とも言える。今季はどの球団に対しても、そつなく勝ち星を挙げた。内海がエースの貫祿を付けるのは、来年もう1度、「どの球団からもそつなく…」をやってのけたときだろう。 生え抜きの最多勝投手として、訴えたいことがいくつかあると聞いている。球団とケンカするつもりはないそうだが、生え抜きの待遇面等を話し合うとすれば、それなりの時間を要する。おそらく、一発更改とはいかないだろう。(スポーツライター・飯山満)
-
スポーツ 2011年11月14日 15時30分
亀田大毅“疑惑”の世界王座戦強行に休養王者とされた清水が涙の抗議!
WBAの不可解なやり方に、“休養王者”とされたWBA世界スーパーフライ級王者の清水智信(30=金子)が涙で訴えた。 清水は8・31日本武道館で同級王者のウーゴ・カサレス(メキシコ)を破り、同級の“正規王座”を奪取した。ところが、清水はこの試合で右眼窩(がんか)底を骨折し、当面、防衛戦を行えない状況に陥った。清水の王座奪取当初は亀田兄弟の次男・大毅(22=亀田)との防衛戦も浮上したものの、清水の負傷で亀田陣営はターゲットを暫定王者だったテーパリット・ゴーキャットジム(22=タイ)に切り替えた。しかし、WBAが暫定王座を乱造するため、JBC(日本ボクシングコミッション)は2月に国内でのWBA暫定王座戦を認めないことを決めている。 そこで、飛び出したのがWBAのメチャクチャといえるゴリ押し。WBAは大毅との王座戦を計画するゴーキャットジムを正規王者に格上げし、正規王者の清水を“休養王者”に、事実上降格させた。この措置には、亀田陣営とWBAとの密接な関係が見え隠れするのだ。ゴーキャットジム対大毅の“疑惑”の正規王座戦は、12・7大阪府立体育会館「亀田祭り」で行われる。 この措置に、正当な王者の清水が涙で怒りをぶちまけたのだ。11月13日、都内のホテルで開かれた金子ジム45周年と自身の世界王座奪取を祝うパーティーに出席した清水は、WBAから届いたチャンピオンベルトを手に、「休養王者とは何なのか。こんなのがまかり通って、ボクはボクシングをがんばってきて、ムダにされた気持ち」と涙の激白。さらには、ホコ先を亀田陣営に向けると、「個人的には今後、亀田兄弟とはリング上で関わりたくない」と嫌悪感を露わにした。金子ジム・金子健太郎会長は「そもそも休養王者の定義が分からない。今後どうするかはこれから決める」と語った。 仮に大毅が12・7大阪で王座を奪取した場合、正規王者の大毅と休養王者の清水との統一戦が浮上してくるが、清水陣営がそれを不当とみなして拒否すれば、清水には暫定王者への降格、あるいは王座はく奪といった処分が下る可能性も出てくる。WBAの不可解なやり方の犠牲となった清水。今後、泥仕合になる恐れも出てきたといえよう。(落合一郎)
-
スポーツ 2011年11月14日 11時45分
2011年『12球団ペナントレース総括』 エースのお値段! 阪神編
大幅昇給と見て、まず間違いないだろう。能見篤史(32)、29試合登板。12勝9敗、防御率2.52。12勝の勝ち星はメッセンジャーと並んでチームトップタイ。防御率は岩田稔の方が上だが(2.29)、今季は開幕投手を務めており、各球団のエース対決も続くなかで、チームトップの「完投5、奪三振数186」を挙げた。今季の投球回数は200回3分の1。チームの左腕では200イニングを超えたのは、06年の井川慶以来だという。世代交代の時期を迎えたチームにおいて、能見は新エースの座を勝ち取った。もっとも、昨季から実質的エースとして、3連戦の初戦を任されることも多かったのだが…。 その能見の今季の推定年俸は、5000万円。12球団で1億円の大台に届いていないエースは能見だけである。 プロ7年目。今季挙げた12勝を加えても、通算勝利数は「43」。昨年、右足楔状骨の剥離骨折で約4カ月間も戦線を離脱した。だが、12試合登板で8勝0敗。終盤戦、能見が帰って来なければクライマックスシリーズ進出も危うかったはずだ。能見の活躍を阪神球団がどう評価するか−−。他ナインも注目したが、「4カ月間の戦線離脱」を『公傷』とは認めず、現状維持の5000万円となった。 ローテーション投手として、3年を務め上げた。『実績』も備わり、目立った減俸材料もないため、他11球団のエース同様、“億単位”の年俸が提示されるものと思われる。 「今季の阪神は何かと“物入り”です。FA権を取得した新井、鳥谷、藤川に加え、外国人選手も慰留させなければなりません。能見本人が考えている年俸額には届かないのではないか?」 大阪圏で活動しているプロ野球解説者はそう危惧していた。 一般論として、契約更改はその交渉のテーブルで初めて提示金額を知るのではなく、シーズン中盤以降、フロント担当者と選手がすり合わせをする。球団側は大まかな評価を、選手側も希望金額や自分なりの意見等を伝える。提示金額と選手側の希望金額に開きがありすぎた場合、時間が足らなくなり、年内に合意できなくなってしまうからだ。 能見は一部関西系メディアで「去年(の交渉で)話し合ったことはしっかり覚えています」「僕自身、まだまだ(成績が)伸びると思う」と話していた。交渉前にこういうコメントが報じられたということは、シーズン中の事前交渉で「相当な開き」があったのではないだろうか。 「球団の提示予定額は1億円に到達していません」(関係者談) 終盤戦の10月にも、『月間MVP』を獲得−−。能見を強気にさせる材料はいくらでもある。交渉は揉める…。年越し交渉はもちろん、歩み寄りが見られなければ、能見はキャンプを自費参加することになるかもしれない。(スポーツライター・飯山満)
-
-
スポーツ 2011年11月12日 17時59分
清武GMが涙の宣戦布告! 巨人の内部崩壊は止められない
慌ただしい一日だった…。11月11日、巨人・清武英利球団代表兼GMが記者会見を開き、渡辺恒雄球団会長を批判した。 <読売巨人軍には内部統制と健全な企業体質、つまりコンプライアンスが要求されると思います。それを破るのが、渡辺氏のような最高権力者であっては断じてならないのではないでしょうか。−省略−不当な鶴の一声で、愛する巨人軍を、プロ野球を私物化するような行為を許せない>(原文ママ) リアルライブ『渡辺巨人会長が憤怒!新フロント体制は波瀾の幕開け』でも報じたが、渡辺恒雄・球団会長が清武GMの進めるコーチ人事を「聞いていない!」と激昂(11月4日)。同GMは会見で「報告した」と反論し、渡辺会長の強引なやり方を非難したのである。 しかし、よくよく考えてみれば、巨人内部の『内輪揉め』である。わざわざ会見で語る必要があったのだろうか。 その会見が行われた11日の午前、まず、「午後2時、読売巨人軍のコンプライアンス上の重大な件について会見を行う」とのリリースがマスコミ各社に伝えられた。「コンプライアンス」と言われ、各マスコミも「マルボー関係のトラブルに巻き込まれたのか?」「ドラフトの件で何かあったのでは…」と懸念…。「原辰徳監督も同席するらしい」なるガセネタも流れた。会見が始まるまでその内容は、本当に誰も分からなかった。 文部科学省12階の記者クラブには100人を越す取材陣が集まった。 同GMの主張は『正論』である。11月半ばになって、フロント要職の人事まで代えるのは選手補強にも多大な影響をもたらす。だが、「内部で解決できなかったのか?」なる疑問が多く聞かれた。 「清武氏は渡辺会長にGM職を解くと通告されたそうです。感情で動く人ではないんですが…。外国人選手の獲得、トレード、ドラフト、コーチ人事など。戦力としてプラスにならなかったものもありますが、清武氏が精力的に巨人のために働いてきたのは事実です」(関係者の1人) 興味深いのは、桃井恒一オーナー兼球団社長の対応だ。同GM会見直後、球団事務所で記者団の質問に応じ、「渡辺会長からオーナー職を解く」と伝えられたのに、「独断で開いた会見をかばうことはできないと(清武GMに)伝えた」と話した。会見によれば、清武GMは「原監督、岡崎郁ヘッドコーチ」の体制を組閣したが、渡辺会長が「ヘッドコーチは江川。もう話を進めている。岡崎は降格」と、クレームを付けたという。清武GMはこうした強権的な人事変更に怒ったわけだが、桃井オーナーは「(コーチ人事の)見直しが行われるのは当然」と語った。つまり、渡辺会長を支持しているのだ。 個別に球団、読売、日本テレビ等の関係者に電話を掛けてみた。こちらが驚いてしまうほど、冷静だった…。桃井オーナーの発言、関係者の対応からして、今回の件は「渡辺会長対清武GMの一騎討ち」と見ていいだろう。 清武GMは「自分から辞めることはない」とも語っていたが、上司に楯突いたのだからそれなりの覚悟もできているはずだ。 渡辺会長には失礼だが、氏は巨人オーナー時代から激しい口調で持論を展開してきたので「ダーティなイメージ」も抱かれている。清武GMは会見を開くことで世論を味方に付けたかったのか? 人事で渡辺会長を説得し、球団の健全経営を目指すのであれば、他にも方法はあったはずだ。 同日12時過ぎのことだ。会見が始まる2時間前のことである。「東京ドーム株が前日比10%超下落、東証1部の下落率4位」なる一報も流れた。「日本テレビ株も360円安で取引された」という。『読売巨人軍のコンプライアンス上の重大な件』の報道が流れたからである。巨人のコーチ人事に関する清武GMの主張は正しい。しかし、“独断会見”が関係企業に与えた影響も無視できない。この対立劇はもうひと波瀾起こりそうである。