スポーツ
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スポーツ 2012年04月06日 15時30分
K-1谷川プロデューサーがようやく終結宣言
旧K-1イベントプロデューサーで、運営会社FEG社長の谷川貞治氏が、ようやく旧K-1の終結を宣言。すでに、K-1イベントプロデューサーの立場にないことを明らかにした。 旧K-1は4月5日、元K-1ファイター、マイク・ベルナルドさんの死去を伝えた2月16日以来、約1カ月半ぶりに公式ホームページを更新。「K-1の現状と今後について」のタイトルで、谷川氏が声明を出した。 谷川氏によると、旧K-1は多額の税金の支払い、フィイトマネーの高騰、テレビ業界が激変する社会状況のなかで、資金繰りが悪化し、未払い金が膨れ上がっていったという。 未払い問題を解決すべく、旧K-1は新オーナー探しに奔走。いったんは一大スポンサーだったパチンコ機器メーカーのフィールズ社が名乗りを挙げたが、交渉は頓挫。その後、マレーシアのスポーツエージェント「TSA」、中国の投資ファンド「PUJI」、韓国の投資家・金健一(キム・ゴンイル)氏らと話し合いの場を持ったが、まとまらなかったという。 そして、昨年8月に香港で設立されたK-1・グローバル・ホールディング・リミテッド(金健一社長)が、1月31日、金融業や不動産業を営む株式会社EMCOM(エンコム)ホールディングス(東京都千代田区/上野良治社長) の100%子会社である株式会社EMCOMエンタテイメント(東京都千代田区/金学敏社長)の子会社となることが決定。後にバルビゾン社が保有するK-1の国内商標権はK-1・グローバル社に移行した。 その結果、K-1・グローバル社運営による新生K-1・FIKAが始動。3・17後楽園では「K-1甲子園」を開催。世界大会は5月27日、スペイン・マドリードで開幕。その後、アジア、欧州、ロサンゼルスでの予選トーナメントを経て、11月にアジアで中量級「MAX」の、12月にニューヨークでヘビー級の「WORLD GP」の決勝大会を開催する予定。今後、プロは金社長、アマは創始者の石井和義氏が担当していくという。 ただ、FEGからK-1・グローバル社に事業譲渡されたわけではないため、負債やファイトマネーの未払いなどは未解決のまま。ファイトマネー等については、K-1・グローバル社が契約金の形で、少しずつ解決していくとのこと。 谷川氏は新生K-1に警鐘も鳴らしている。まず、金社長は格闘技に関して素人で、早急に専門的なプロデューサーを決めた方がいいと指摘。そして、ゴールデン・グローリー(バス・ブーン代表)との対立。ゴールデン・グローリーは旧K-1に、セーム・シュルトらの選手を派遣していたオランダの有力ジム。ブーン代表は前述の「TSA」をバックに、新生K-1の社長になる腹づもりだったが、交渉が破談になったため、新生K-1を敵対視。ブーン代表は「グローリー」という格闘技イベントを定期的に開催していく意向で、K-1戦士の引き抜きに躍起。すでに、K-1の象徴でもあるピーター・アーツ、ジェロム・レ・バンナ、ジョルジオ・ペトロシアン(09、10年MAX世界王者)と契約を交わしたという。新生K-1はブーン代表が敵対する欧州最大の格闘技団体「It's showtime」と全面協力する予定で、新生K-1と「グローリー」の仁義なき戦争で、共倒れになることを懸念している。 K-1プロデューサーの座を下りた谷川氏は、今後、新たな格闘技イベントを旗揚げするという。すでに構想は出来上がっており、資本協力する投資家も多数現れているとのことで、「格闘技界の新たな革命になる」と自信満々。新イベントも結構だが、設立の際にはFEGの多額の負債を具体的にどのように返済していくかを明示することが、社長としての責務だと思われる。(落合一郎)
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スポーツ 2012年04月06日 11時45分
日本人メジャーリーガーはどうなる? 青木宣親編
オープン戦を見る限り、「テストされている」といった感が否めない。4月2日時点(現地時間)でのオープン戦を見直してみると、8番での出場が8回、1番が6回、2番と9番が1回。『開幕メジャー』は決定だが、ミルウォーキ・ブリュワーズの青木宣親外野手(30)にとって、今季は気の抜けないシーズンになるのではないだろうか。 過去、アメリカに渡った日本人選手は『レギュラー候補』として契約を交わしている。ブリュワーズも青木を必要と思って契約したのだが、イチロー、松井、福留とは少し事情が違う。一連の報道にある通り、『4番目の外野手』としての契約で、それも「6月以降はどうなるか分からない」という“不安定な待遇”である。昨季、ナ・リーグMVPにも選出された主砲のライアン・ブラウンが『禁止薬物』の使用発覚により、今季から50試合の出場停止に称された。さらに、昨季まで控え外野手ながら好成績を残していたマーク・コッツェイがパドレスに移籍してしまったため、ブリュワーズは慌てて青木のポスティングに参戦したのである。 ブラウンが復帰するまでの代役、コッツェイが担ってきた『4番目の外野手兼左の代打』−−。そんな低評価は青木自身も理解していたが、「覆してみせる」という意気込みでオープン戦を戦ってきた。 「ブラウンが帰ってきたときに2割6分以上の打率を残していれば、他球団が『欲しい』と思い、移籍先でレギュラー契約を交わせる可能性もある。ただ、2割5分以下なら、マイナー落ちでしょう」(米国メディア陣の1人) 青木にとって、ブラウンのいない4、5月が勝負どころとなりそうだ。 『レギュラー契約』。メジャーリーグでは契約事項の中に「レギュラーで使う」「何試合以上、スタメン起用する」といった条文を書き込ませるケースも珍しくない。これに泣かされたのが新庄剛志である。青木は一部スポーツ新聞のインタビューで斎藤隆の名前も挙げ、「見ている人は見ている、と信じてやっていきたい」と意気込みを語っていた。 しかし、ブリュワーズはシーズン中のトレードが比較的多いチームでもある。ブラウンが復帰した後の外野のレギュラー争いに労力を費やすよりも、「自分から『出たい』と言って、外野手層の薄いチームで仕切り直した方が良い」のではないだろうか。 「青木はブリュワーズと契約した当初は、ほとんど注目されていませんでした。しかし、エンゼルス戦(3月23日)では盗塁を2つ、守備でもフェンス際の難しい打球を巧みに処理しており、他球団のGMも一目置いています」(前出・同) 昨季MVPのブラウンはもちろんだが、センターのレギュラーが予定されているナイジャー・モーガンは「メジャーを代表する武闘派」、「スーパーキャッチの外野手」とも称される人気プレーヤーで、ライトのコーリー・ハートは年俸900万ドル(約6億7500万円)。年俸から見ても分かる通り、リーグを代表するトップクラスの選手である。 田口壮のような「スーパーサブ」も、チームには必要だ。しかし、オープン戦で低評価を覆した青木に、他球団が注目しつつある。いずれにせよ、4、5月の2カ月間が青木の運命を決めるのは間違いない。(一部敬称略)※メジャーリーグの選手、監督首脳陣等のカタカナ表記は、ベースボールマガジン社刊『週刊ベースボール』(2012年2月13・20日号)を参考にいたしました。
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スポーツ 2012年04月06日 11時00分
本業は崖っ淵でもゲームで優勝した井川慶
米大リーグ、ニューヨーク・ヤンキースとの契約が切れ、今季の所属先が未定の井川慶投手(32)が先ごろ、セガのアーケードゲーム『WORLD CLUB Champion Football』(WCCF)の関東エリア大会で優勝したと公式ブログで報告。ちょっとした話題となった。 WCCFは、ゲーセンなどの店内に設置された販売機から専用のカードを購入してプレーする。自身がサッカーチームの監督となり、チームを育て、指揮するゲームだ。 「有力選手のカードを何枚も購入し、プレーを重ねてチームを育成していくので、金と時間が必要なゲームです」(ゲーム誌ライター) 井川はブログで「なんと、128チームが参加したトーナメントで、自分が優勝してエリアチャンピオンになってしまいました(笑)」と告白。関東エリアを代表して出場した全国大会では予選リーグで敗退したが、「エリアチャンピオンになって、少しだけうれしくなりました」と喜んでいる。 これを受け、ネット上では「人生楽しんでるな」など、好意的な反応が大半。というのも、井川はもともとサッカーのほかにゲーム、アニメなどのオタク趣味で知られ、ネットユーザーに親しまれていたのだ。 「メジャー移籍が取り沙汰されたころ、甲子園の室内練習場から車で帰る際、『名探偵コナン』の紙袋を持っていた画像は、今でもネットで見られます。また、ガンバ大阪時代の宮本恒靖と対談番組に出演し、趣味のラジコンヘリを披露したのですが、離陸せずに大破したことは語り草になっています」(同) ところで肝心の野球のほうはどうなのか。ブログでは「移籍に関してはすべてエージェントを信頼して任せています。最大限に自分の力を発揮できるよう、いい準備ができています」としているのだが…。 「本人は米でのプレーを希望していますが、オファーはなし。日本では楽天、オリックスが興味を示しています」(同) 今は趣味より本業に打ち込む時なのだが。
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スポーツ 2012年04月05日 15時30分
無名の挑戦者相手に大凡戦! 勝ってブーイング浴びた亀田興毅
4月4日、神奈川・横浜アリーナで行われたプロボクシングWBA世界バンタム級王者・亀田興毅(25=亀田)対挑戦者・同級11位=ノルディー・マナカネ(28=インドネシア)の一戦は、3-0(115-113、117-110、118-110)の大差判定で興毅が同王座のV4に成功した。 それにしても、世界戦にふさわしくない凡戦だった。無名の挑戦者が相手とあって、注目されたのは興毅のKO一点のみ。ところが、試合が始まってみれば、両者とも決定打を欠いた。マナカネは手数で勝ったが、興毅にダメージはなし。興毅も有効打を打てず、ダウンすら奪えず。12回を通じて、全く見せ場がなかった試合に、KOを期待していた観客からはブーイングも飛んだ。 試合後、興毅は2回にマナカネの頭を打った際に左拳を痛めたことを明らかにしたが、その負傷を割り引いても、大きな実力差があると思われた無名の挑戦者相手に、凡戦を繰り広げたのでは、世界王者としての資質が問われる。 興毅が同王座を奪取して以降、選んできた挑戦者は14位、8位、12位、11位と、勝ちが見込めるランキング下位の無名選手ばかり。それなのに、格下相手にぶざまな試合を見せていては、先が思いやられる。 次戦は8月頃の予定で、同級暫定王者のウーゴ・ルイス(メキシコ)との指名試合、5階級を制覇したWBO同級王者=ホルヘ・アルセ(メキシコ)との統一戦もプランされている。ただ、左拳を痛めたとあって、ビッグマッチに打って出るかは微妙。指名試合の期限は年内で、次戦は再び勝てる相手を選択して、お茶を濁す可能性もある。世界チャンピオンで4度防衛していながら、バンタム級での実力が計れない興毅。強さを証明するなら、強豪選手との対戦を組むしかないだろう。 また、同興行で行われたWBA世界スーパーフライ級休養王者・清水智信(金子)と、同級正規王者=・テーパリット・ゴーキャットジム(タイ)の統一戦は、テーパリットが9回2分15秒、TKO勝ちで王座を統一。世界2階級制覇を目指す亀田兄弟の次男・大毅は、ポンペッチ・ツインズジム(タイ)を2回2分53秒、KOで下した。 なお、興毅戦のラウンドガールに起用された国生さゆりは、アニメ「ルパン三世」の峰不二子をイメージした上下黒のキャットスーツで登場。体のラインがハッキリ分かる衣装で、引き締まったボディを披露。このシーンはカットされることはなく、約3秒ほど、テレビ中継(TBS系列)で流されたが、下はパンツルックで肌の露出はなく、一部の視聴者を落胆させた。(落合一郎)
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スポーツ 2012年04月05日 11時45分
日本人メジャーリーガーはどうなる? 上原浩治編
慌ただしいシーズンになるかもしれない。 インディアンズとのオープン戦(3月31日)に登板した上原浩治(36)は1イニングを投げ、無失点と結果を出した。オープン戦前半は調子が上がらず、一時は『5回10失点』とマイナー落ちの危機も伝えられた。しかし、さすがはベテランである。本番直前になって本来の調子を取り戻してきた。この状態なら、開幕25人枠に何とか滑り込めるかもしれない。 「上原と建山(義紀)は『雑音に悩まされた1カ月間』だったと思います。彼らは自身に関する質問よりも、ダルビッシュのことを聞かれる時間の方がずっと長かったんですから(笑)」(現地特派員の1人) 上原にとって、2012年の課題は『一発病』の克服だろう。昨年前半、オリオールズでは『ナンバーワン・セットアッパー』だった。リリーバーの能力をはかるうえでもっとも重要視されるWHIP(1イニングあたりに許した走者の数/安打プラス四球)は、0.77。これはアメリカンリーグのトップ数値だった。ところが、同リーグ西地区のレンジャーズにトレードされた後は精彩を欠いた。ポストシーズンを含め、18回3分の1を投げ、9本のホームランを献上してしまった。本拠地球場『レンジャーズ・ボールパーク・イン・アーリトン』は高温乾燥地帯にある。その地域の「ボールがよく飛ぶ」特性の餌食にされてしまったわけだ。『一発』は制球が甘くなったとき、あるいはストレートの球威が足らなかった際に食らいやすい。 上原自身もこの点は反省材料に挙げていたようである。「連投等でストレートの威力が落ちているときは、どう対処するか」を考え、キャンプではカットボールを習得しようとしていた。カットボールは巨人時代にも投げたことがあるが、封印している。当時のチーム関係者によれば、「カットボールを投げると、次に投げるストレートや別変化球のキレに影響が出た」という。上原にはたまたま合わなかったのだろう。だが、一発病克服のため、新しい変化球を習得する必要性を感じ、今回の再チャレンジとなった。オープン戦前半は数字だけ見れば「不調」だが、そのカットボールの精度や、これまであまり投げていなかったスライダー、チェンジアップをテストしていたのだ。 そんな上原だが、他球団のGMは「レンジャーズが手放す可能性もある」と見ている。上原の投球を球種別に見ると、ストレートを投げる割合が高い。高めのストレートと、低めのフォークボールのコンビネーションが武器で、凡フライでアウトカウントを稼げる「フライアウト投手」とも称されている。つまり、レンジャーズ移籍後に被弾が多くなったのは、「オリオールズ時代は外野フライだった打球が、高温乾燥地区のテキサスではホームランになる」と解釈されており、言い換えれば、他チームに移籍すれば、再び「ナンバーワン・セットアッパー」として活躍できるとも評価されているのだ。 そういった他球団の評価はレンジャーズ側にも届いている。 「上原をトレード放出して資金を捻出し、フィリーズからFAした好投手のロイ・オズワルトを獲得するとの報道もありました(2月半ば)。ほかにも、ブルージェイズが上原獲得の交渉を持ち掛けた、アスレチックスとのトレード交渉のなかで上原の名前が出たとか…。彼の周辺が騒がしかったのも事実です」(米国メディア陣の1人) まだ破談になっていない水面下でのトレード話もあるそうだ。ブルージェイズから持ち掛けられたトレードに関しては、上原自身が『トレード拒否権』を行使している。もっとも、昨年7月のトレードは行き先がレンジャーズだと聞いてそれを受け入れている。移籍先のチーム状況、生活環境等に納得すれば、今回もトレードを受諾する可能性は高い。 今季、レンジャーズで注目すべきはダルビッシュのピッチングだけではないようだ。※メジャーリーグの選手、監督首脳陣等のカタカナ表記は、ベースボールマガジン社刊『週刊ベースボール』(2012年2月13・20日号)を参考にいたしました。
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スポーツ 2012年04月04日 15時30分
今度こそ金メダルを! 女子レスリング・浜口京子が3大会連続五輪出場へ
女子レスリングの浜口京子(34=ジャパンビレッジ)が、4月1日、カザフスタン・アスタナで開催されたロンドン五輪アジア予選72キロ級に出場。決勝で08年北京五輪覇者の王嬌(中国)に敗れて優勝こそならなかったが、2位となったため、各階級上位2人に与えられる五輪出場枠を獲得した。日本協会の女子強化委員会は浜口を五輪代表に推薦する方針で、理事会で正式決定すれば3大会連続代表となる。 浜口にとって、今回の出場枠獲得は険しい道のりだった。五輪出場枠が懸かった昨年9月の世界選手権で屈辱の2回戦負け。女子レスリングの他の3階級は伊調馨(63キロ級)、吉田沙保里(55キロ級)、小原日登美(旧姓・坂本=48キロ級)が世界選手権を制し、早々に五輪出場を決めた。「何もヤル気が起きず、競技をやめることも考えた」という浜口は、気持ちを切り替えて奮起。昨年末の全日本選手権では15度目の優勝を果たし、今大会に臨んでいた。 山本美憂とともに、五輪種目に採用される前から黎明期の日本女子レスリング界を支えてきた浜口。これまで、五輪や世界選手権といった大舞台では誤審や疑惑の裁定などで、不運が多く涙を流し続けてきた。 04年アテネ、08年北京ではともに銅メダル。北京では準決勝で、このアジア予選決勝で敗れた王嬌に敗退し、金メダルを逃した。2大会連続で五輪を制している伊調、吉田より、金への執着心は強いはずだ。 年齢的に次の16年リオデジャネイロ五輪は厳しくなる浜口は、「今回が最後。少しでもきれいな色がほしい」と銀メダル以上を目指すことを誓った。3度目の正直で、なんとしても王嬌へのリベンジを果たして金メダルを獲得してほしいものだ。(落合一郎)
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スポーツ 2012年04月04日 15時30分
開幕カードで露呈「解消されない伝統球団の弱点」
虎の即戦力ルーキー・伊藤隼太外野手(22)が一軍登録を外された。阪神の新人外野手としては40年ぶりの『開幕スタメン』を果たしたものの、2試合で5打数ノーヒット。オープン戦中盤以降、打撃成績を落としていたため、今回の二軍降格を「仕方ない」と見る向きも強いが、「ちょっと早すぎるのではないか?」の声も聞かれた。 「阪神の開幕第2節はヤクルト戦ですよ。それも、神宮球場で。慶応大卒の伊藤をお披露目も兼ね、もうちょっと我慢して使うと思ったんですが…」 東京六大学野球の関係者は、伊藤の凱旋が叶わなかったことを悔やんでいた。 その伊藤の降格と同時に伝えられたのが、左太股痛で『二軍スタート』となったマートンの合流だ。和田豊監督(49)が早々に入れ換えを決断した理由は、打線低迷に尽きる。横浜DeNAとの開幕3連戦を終えた時点での『チーム打率』は1割8分1厘。和田監督の「このままズルズルと行くよりは…」なる判断は間違っていない。だが、今季の得点能力のダウンは覚悟していたともいう。 キャンプ中盤時点だが、チーム関係者はこう語っていた。 「今季は城島をスタメンから外す試合が増えると思う。一昨年オフにメスを入れた左ヒザに負担を掛けないため、今季は主に一塁手としての出場になる。でも、一塁にはブラゼルがいる…。この2人が揃って打線にいるのと、どちらか一方をベンチスタートに落とすのとでは、打線の破壊力も相手投手に与えるプレッシャーも違ってくる」 今季は、『正捕手』に藤井彰人(35)を据える布陣となった。“守備の人”と言っていい藤井が、日米通算244本塁打の城島と入れ代わるのである。得点能力のダウンを補う“他ポジションのスタメン候補”として期待されたのが、柴田講平(25)、大和(24)、そして伊藤を加えた若い外野手たちだった。 伊藤の再スタートに期待したいが、開幕3試合目に『スタメンマスク』を被った小宮山慎二(26)を見て、近年、阪神が抱えてきた『難題』を再認識させられた。若い捕手が育っていない−−。ここに、『生え抜き』という言葉を加えるならば、打線の中核を任せられる長距離バッターも頭角を現していない。 小宮山は昨季、「背番号39」を継承した。矢野燿大氏が背負っていた番号である。その後継者としての期待は小宮山も十分に分かっているはずだが、開幕3試合目のリードを見る限り、経験不足は否めなかった。 ちょっと乱暴な比較だが、同日、ライバル球団の巨人は「杉内俊哉と阿部慎之助」のバッテリーで、今季初勝利をおさめた。杉内は移籍初登板の緊張と重圧で本調子ではなかった。しかし、それを2失点で留めたのは阿部のリードである。杉内はソフトバンク時代から山崎勝己とのバッテリーを好んできた。それは細川亨という経験豊富な捕手が加入しても変わらなかった。巨人に入って「気の合う捕手」と巡り逢えるかどうかも懸念されていたが、阿部は本調子ではない杉内を勝利投手に導いてみせた。阿部はシドニー五輪、北京五輪、09年WBCで杉内のボールを受けてきた。その『経験』が、同日のリードに繋がったとも言える。 捕手というポジションは、『経験』を積ませる目的だけでは選手起用させられない。その点においては、和田監督が開幕3試合目で小宮山をスタメン起用させたのは勇気のいる決断であり、もっと評価されてもいいのではないだろうか。正捕手・藤井に万一があった場合の今季だけではなく、来年以降を見据えたチームビジョンである。 チームビジョンと言えば、巨人の第3戦目が気になった。逆転に成功した4回裏、一死一、三塁で『8番二塁・寺内(崇幸=28)』が併殺打に倒れた。 阿部、村田修一の連続安打、小笠原道大の会心の一打が出た直後だった。ビッグイニングを作れなかったことが問題なのではない。『8番バッター』の寺内でこのイニングの攻撃が終われば、次の5回裏は『9番・杉内』からの攻撃になる。実質、一死走者ナシで『1番・坂本』が打席に立つことになる。4番・阿部、5番・村田に連続安打が出て「1点」しか入らないのはお寒い限りだが、9番打者をイニングの先頭バッターにさせてしまう大雑把な攻撃を見せられると、指揮官の危機意識の差を感じてしまう。阪神はまだ結果こそ出ていないが、和田監督は昨秋キャンプ時からバントゲームをやるなどして僅差の試合に備えてきた。原辰徳監督(53)は選手を信頼しすぎるのか、「犠打、走者を進める実戦的練習メニュー」に時間を割いていなかった。 今季、今のところ、巨人のスタメン二塁手は寺内が務めている。昨季、盗塁王のタイトルも獲った藤村大介(22)がベンチスタートになったのは、ちょっと意外である。考えてみれば、近年の巨人は正二塁手が育っていない。今季、寺内と藤村が競わせ、正二塁手を決めようとしているのかもしれない。 重要ポジションを託せる生え抜きの選手が育っていない…。両球団の弱点が開幕3連戦で露呈されたようである。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2012年04月03日 15時30分
日本ハム栗山監督してやったり! 斎藤佑樹効果で道内視聴率過去最高
日本ハムの栗山英樹新監督(50)が、開幕投手に実績が伴っていない斎藤佑樹投手(23)を指名したことは物議を醸した。 日本ハムのファンですら、その起用には疑問を感じたようで、開幕は昨季、日本人では18勝(6敗)を挙げたダルビッシュ有(25=現レンジャーズ)に続く、11勝(12敗)をマークした武田勝投手(30)が妥当と考える向きも多かったようだ。 しかし、栗山監督はそんな周囲の雑音を振り切って、昨季わずか6勝(6敗)の斎藤を開幕投手に抜てきした。3月30日の西武との開幕戦(札幌ドーム)では日本ハム打撃陣が初回から爆発し、9得点を弾き出した。大量得点に守られた斎藤は、あれよあれよと1失点で、プロ入り初の完投勝利をマークし、監督の期待に応えた。 残念ながら、開幕戦の観客動員は3万6149人で、昨季開幕戦(昨年4月12日)の3万8968人に及ばなかったが、斎藤人気を大いに示したのがテレビ視聴率だった。開幕戦の道内平均視聴率(札幌テレビ=日本テレビ系列)は、なんと驚異の31.6%。瞬間最高は午後8時50分、斎藤の完投目前の9回1死時点の39.4%だった。この視聴率は道内の球団公式戦中継では過去最高。これまでの最高記録は、斎藤が昨年4月17日の千葉ロッテ戦(札幌ドーム)でプロ初登板した試合で、29.4%(北海道テレビ=テレビ朝日系列)。斎藤は自らの記録を塗り替えることになった。 次回登板予定の4月6日の千葉ロッテ戦はQVCマリンスタジアムでビジターとなるが、次々回の登板予定は13日、札幌ドームでの楽天戦となる。両チームがローテーションを替えなければ、斎藤とマー君こと田中将大との2度目の対決が実現する。昨年9月10日の初対決は楽天のホーム(Kスタ宮城)だったが、今回は札幌ドーム。同試合はHBC(TBS系列)がテレビ放送予定。ライバル対決が実現すれば、さらに最高視聴率更新も期待される。 現段階で人気先行の斎藤だが、実績を残せば、今以上に観客動員、視聴率アップにつながることは間違いない。そうなれば、斎藤をダルビッシュの後継者と目している栗山監督の思惑も実を結ぶことになる。(落合一郎)
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スポーツ 2012年04月02日 15時30分
見たい? 見たくない? “美熟女”国生さゆりがボクシング亀田興毅戦のラウンドガール務める!
あなたなら見たいでしょうか? きたる4月4日、神奈川・横浜アリーナで行われるプロボクシングWBA世界バンタム級選手権、王者・亀田興毅(25=亀田)対挑戦者・同級11位=ノルディー・マナカネ(28=インドネシア)戦のラウンドガールを、2月14日にコンサルタント会社社長の甲田英司氏とバレンタイン婚したばかりの“美熟女”タレント国生さゆり(45)とアイドルグループ・Berryz工房の嗣永桃子(20)が務めることになった。なんといっても、注目されるのは御年45歳の国生だ。 興毅はこれがV4戦となるが、V1戦(昨年5月7日=大阪府立体育会館)では熊田曜子、V2戦(昨年8月31日=東京・日本武道館)では熊田曜子、手島優、杉原杏璃の巨乳グラドル3人衆、V3戦(昨年12月7日)ではニューハーフタレント・はるな愛をラウンドガールに起用してきた。 今回は異例とも思える熟女の投入に、周囲の反応もさまざまのようだ。これまで、試合を観戦するなど、興毅と親交があった縁で白羽の矢が立った国生は「微力ですが、より近いところで応援できるので頑張ります。試合までに絞り込みます。楽しみにしてください」と決意表明。 気になるのは当日の衣装。ラウンドガールといえば、水着が定番であるが、国生はセクシー衣装での登場をほのめかしている。87年のおニャン子クラブ卒業後、グラビア系の仕事もしていない国生にとっては、実に25年ぶりに肌を露出することになりそうだが、国生は「いつどこで何があってもいいようにしてある女です」と自信たっぷり。 テレビ的には昨年5月の熊田の際は流されたが、8月の巨乳3人衆、12月のはるなの際は登場時にCMが入り流されなかった。今回、試合を中継するTBSが国生のラウンドガール登場時の映像を放送するかどうか大いに注目されるところだ。 なお、同興行ではWBA世界スーパーフライ級休養王者・清水智信(金子)と、昨年12月に亀田大毅を破った同級王者・テーパリット・ゴーキャットジム(タイ)による王座統一戦とのダブルタイトル戦になり、TBS系列で同日午後7時より8時49分までオンエアされる。(落合一郎)
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スポーツ 2012年03月31日 17時59分
山本KIDも指導! 海老蔵暴行事件に居合わせた元暴走族リーダー経営の格闘技ジム
10年11月25日、歌舞伎俳優の市川海老蔵に暴行を加え、傷害罪で1年4月の判決を受けて服役していた伊藤リオン氏が3月29日、群馬・前橋刑務所から出所した。模範囚だったという伊藤氏は、刑期より4カ月早い出所となった。 出迎えたのは伊藤氏の先輩で、海老蔵暴行事件の際に現場に居合わせた暴走族・関東連合「千歳台ブラックエンペラー」元リーダーの石元太一氏(30)。 石元氏といえば、昨年4月に新宿区歌舞伎町の路上で、男性会社員を殴ったとして、同年5月に傷害容疑で逮捕されたのは記憶に新しいところ。10代の少年期のほとんどを、鑑別所、中等少年院、特別少年院などで過ごした。複数の女性タレントとの交際がウワサになったこともある人物だ。 その石元氏が昨年11月、東京都渋谷区猿楽町の東急東横線代官山駅から徒歩5分ほどの場所に、総合格闘技ジム「SOUL MATE」をオープンさせた。同ジムには小学生から50代のサラリーマンまで、さまざまな年代、目的の会員が通っているという。石元氏は「アットホームな雰囲気でやっています。ストレス解消になるほか、“礼儀”や仲間意識なども学べるので気軽に来てほしい」と語っている。 同ジムでは意外な大物格闘家たちが指導を行っている。その筆頭が山本“KID”徳郁で、他に現キング・オブ・パンクラス・ウェルター級王者の佐藤豪則、初代修斗環太平洋ウェルター級王者の朴光哲、元ルンピニースタジアム・ライト級1位のヌンポントーン・バンコクストア、初代DEEP女子ライト級王者の渡辺久江といったそうそうたる面々が名を連ねている。コーチ陣の陣容では有力ジムとそん色ない。 石元氏は「今後はジム経営のほか、総合格闘技の興行なども手掛けていきたい」と話している。すっかり冷え込んだ日本の総合格闘技界に、石元氏は新風を巻き起こすことができるだろうか。(蔵元英二)