スポーツ
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スポーツ 2012年04月14日 17時59分
ダルビッシュ『5失点 ホロ苦デビュー』で藤川球児の評価が一転?
4月10日、阪神・藤川球児(31)が海外FA権を取得した。その頃、米国ではダルビッシュ有(25=テキサスレンジャーズ)のデビュー戦が話題になっていた。5回3分の2を投げ、『5失点』。相手打線を力(=直球)と技(=制球力と多彩な変化球)で封じ込めてきたファイターズ時代を知る日本のファン、関係者にすれば、ちょっと物足りない数字である。 「ダルビッシュの実力がこの程度だとは、アメリカのファンも思っていません。でも、4点を失った初回を見て、『ダルビッシュでも緊張するんだな。コントロールに苦しむ場面があるんだ』と思いました」 米国メディア陣の1人がそう言う。「公式戦初登板の緊張感」が大量失点の原因かどうかは決めつけられないが、ダルビッシュの『ホロ苦デビュー』は、藤川の評価にも影響を与えていた…。 海外FA権取得とほぼ同時に、『オリオールズが藤川の獲得に向け、調査に乗り出す』との一報もあった。しかし、大多数のメジャー球団は一歩引いた見方をしている(15日時点)。 「藤川? 『直球の速い右のリリーバー』なら、マイナー、中南米にたくさんいますからね。ダルビッシュがポスティングに掛かるまでの間は、メジャースカウトが大挙して日本にやってきましたが、今回の藤川にする調査はさほど熱心ではありません。今は静観しているといった感じです」(米国メディア陣の1人) 在京球団スコアラーの1人もこう続ける。 「去年までの話ですが、阪神対中日戦ではメジャースカウトをよく見掛けましたよ。でもね、チェン・ウェイン(中日−現オリオールズ)が降板すると、ほとんどのスカウトが引き上げてしまいました。メジャースカウトは合理的で目的以外の視察はやらないのかもしれませんが…」 藤川に興味がないのだろうか。いや、阪神球団が藤川をポスティングに掛けるのを強行に拒んできた経緯を知っていて、「早期のメジャー挑戦はない」と判断し、『視察』を先送りしていたのかもしれない。 藤川は第2回WBCでは4試合に登板し、防御率0.00。前年3月に行われたアスレチックスとの親善試合でも好投し、対戦した打者たちも「ストレートの伸び」を称賛していた。「藤川は米国でも十分にやっていける」と見るNPB関係者はかなり多い。 「今さらですが、藤川がメジャーを意識しているのは間違いありませんよ。4月5日のヤクルト戦ではいつものセットポジションではなく、ワインドアップ・モーションをテストし、今年はカットボール、ツーシームなどの変化球の割合も増えています。メジャーを意識してのマイナーチェンジですよ」(前出・在京球団スコアラー) 藤川の去就において、キーマンになるのは、おそらく、元阪神のトーマス・オマリー氏だろう。現在、オマリー氏は松井秀喜、ダルビッシュ有の代理人としても知られるアーン・テレム氏の事務所に所属している。「新たな日本人メジャーリーガーの発掘」が主な仕事で、当然、藤川とも面識はある。 「オマリー氏が藤川と接触? いや、彼は米国メディアにマイクを向けられると、『藤川はメジャーでは厳しい』と話してきました。でも、藤川の直球のスピード、浮き上がってくるような軌道は、メジャースカウトも一目置いています。とはいえ、ストレートの威力はダルビッシュの方が『上』です。そのダルビッシュのストレートが打たれたとなれば、藤川の評価もガタ落ちです」(前出・米国メディア陣) 藤川争奪戦が盛り上がってこないのは、ダルビッシュのホロ苦デビューのせいか、それとも、元同僚の低評価によるものか…。藤川の今後の動向に注目したい。
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スポーツ 2012年04月13日 15時30分
猫ひろしに暗雲漂う! ロンドン五輪出場取り消しの危機
3月25日、カンボジアのロンドン五輪男子マラソン代表に決まったお笑い芸人・猫ひろし(34=本名・滝崎邦明)の五輪出場が取り消される可能性が出てきた。 国際陸上連盟が猫の出場資格を疑問視し、カンボジア陸連などに説明を求めていることが、4月12日に分かった。 国際陸連は国籍変更に関し、過去に国際競技会で代表経験がない選手について、今年から新たな規定を設けた。国籍取得後1年が経過していない場合は、連続した1年の居住実績、または国際陸連理事会による特例承認のいずれかが必要になったのだ。 このルール改定には、中東諸国がオイルマネーの力でアフリカの有力選手を国籍変更させ、若手選手を青田買いするのを阻止する意図がある。猫には全く関係ない話なのだが、規定が厳格化したことで、それが及んでしまった格好だ。 猫がカンボジア国籍を取得したのは昨年10月。日本でタレント活動もしており、連続した1年の居住実績はないと判断される可能性も高い。そうなった場合、猫が五輪に出るには、カンボジア陸連が特例として申請し、国際陸連から承認を受けるしかない。 しかし、承認を得るには相応の説得力がある根拠がなければならず、カンボジア陸連がその根拠を提示できるかどうかは疑問。国際陸連関係者は「重大かつ意義深い理由がなければならない。門前払いになる可能性もある」としている。 猫は2月5日の別府大分毎日マラソンを2時間30分26秒(50位)で走り、自己記録を大きく更新。ライバルである同国の08年北京五輪代表のヘム・ブンティンの昨季最高タイム2時間31分58秒を上回り、カンボジア代表に選ばれた。今月中旬には正式に代表として発表される予定だったが、土壇場で五輪出場取り消しの危機に直面した。 猫の所属事務所は「カンボジア陸連がどう対応なさるか、待つしかないです」とコメントした。(落合一郎)
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スポーツ 2012年04月13日 14時28分
ミスター長嶋裏切り ナベツネ会長がイチロー「巨人球団社長」密約(1)
巨人の渡辺球団会長がMLB開幕戦で来日したイチロー(38)に打診したのは監督業ではなく、球団社長だった−−。巨人フロントは長嶋専務体制からイチロー政権に移行する!? 「ドブネズミか泥棒猫か知らんが、変な人間が一人いなくなると一体感が生まれる」 開幕前の激励会でV奪回に自信と手ごたえを隠さなかった渡辺恒雄巨人軍球団会長。杉内、ホールトンの2人で30勝、エアポケットになっていた三塁には村田を獲得、下馬評でも巨人のぶっちぎり優勝は不動の評価。ところがどっこい、いざフタを開けてみると…。 3月30日の開幕戦ではヤクルトの石川に9回1死までノーヒットに封じ込まれ、球団史上初の開幕戦完封負けを喫してしまった。戦力では圧倒しているのに、歯車がかみ合わず機能しない。これでは渡辺会長が“ドブネズミ”の後遺症を危惧するのも当然だろう。 その渡辺会長も、エネルギッシュとはいえ、御年85歳。球団の象徴・長嶋茂雄終身名誉監督も76歳と高齢化が進んでいるだけに、巨人軍の将来を託すに足る、新世代の経営者の獲得が急務となっている。 「これまで巨人軍の経営陣にはユニホーム組は介入させず、読売新聞本社首脳で構成されてきた。唯一の例外が専務取締役終身名誉監督の肩書を持つ長嶋茂雄氏。しかし、体調が万全ではなく、あくまで名誉職。実際の球団経営には携わっていない。自然と新聞記者上がりのGMやら球団代表が切り盛りすることになり、先日の失態も生じた。そこで今後は、オーナーはともかく、球団社長はプロ野球のスペシャリストに委ねる方針に舵を切ったんです」(巨人関係者) 見逃せないのは、3月27日に都内のホテルで行われた「渡辺会長×イチロー」会談である。MLB開幕戦のマリナーズ対アスレチックスのレセプションパーティーの席で、渡辺会長はイチローに将来の巨人軍監督を要請したことを明かしたのだ。 「私は選手に徹します」 ナベツネ会長によれば、イチローはこう言って辞退を申し出たが、それでもナベツネ会長はいつになく上機嫌でこう話したという。 「理論的なことをイチロー君に教えられた。とにかく精神的にもすごい男だ。あれほど頭のいい男に会ったことがない。イチローじゃなく、一流だ」
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スポーツ 2012年04月13日 14時25分
ミスター長嶋裏切り ナベツネ会長がイチロー「巨人球団社長」密約(2)
東京大学文学部哲学科卒で読売新聞社の主筆をしてこう言わしめるのだから、イチローの頭脳の明晰さは推して知るべし、だろう。 「渡辺会長が実際に期待しているのは、長嶋氏に代わる球団取締役。巨人軍はOB以外の監督は難しいが、球団社長は別。他球団出身者でも経営センスがあり、メジャー経験もあるイチローなら問題はない。メジャーに人材が流れ、日米プロ野球の交流が急速に進む時代は、長嶋さんや王さんでは太刀打ちできない。イチローも監督には興味がないが、球団経営には魅力を感じているようです」(ベテラン巨人担当記者) イチローは'01年の入団以来マリナーズ一筋。こだわった理由は、'92年から同球団の筆頭オーナーが任天堂に代わり、イチローは山内溥相談役(元社長)とともに、米国のニンテンドーの発展に寄与してきたからである。その任天堂が昨年来のドル、ユーロ安とニンテンドー3DSの売り上げ不振で大打撃を受けている。'12年3月期の連結営業損益は450億円の赤字が見込まれ、'81年以来初めての経営赤字が確定的だ。 「ゲーム機の主流が、任天堂が得意とする家庭型から携帯電話型に急速にスイッチしてきたのです。横浜ベイスターズを買収したDeNAやGREEの携帯電話型はいまや日の出の勢い。一方、家庭型は4年連続の減少で、ピークだった'07年の3分の2まで縮小している。その流れをいち早く読んだイチローは任天堂からの撤退を図り、読売グループに新天地を見出そうとしているのでしょう」(イチローと親しい放送関係者) 今回の日本開幕戦で、2日間で延べ9万人弱のファンを東京ドームに呼び込んだイチローの人気と実力を再確認した渡辺会長は、巨人への取り込みを画策している、との情報もある。 「トレードの最終期限は7月末。その時点でマリナーズがア・リーグ西地区の優勝争いから脱落し、巨人が混戦を抜け出せないようならイチローを金銭でトレードしようというのです。任天堂にとっても万一DeNAベイスターズが中畑効果で優勝なんてことになれば、ゲーム機の売り上げにも影響を及ぼす。よろこんで巨人に送り出すでしょう。イチローにしてもキャリアの最後を巨人で飾り、しかるべき時期に球団社長就任となればいい話。要はナベツネさんがミスターに見切りを付け、後継者には松井秀喜ではなく、イチローを選んだということなのです」(スポーツ紙デスク) 将来的にはア・リーグの優勝決定戦で、「西・東・中地区の各優勝チームに混じって日本のセ・リーグ勝者を組み込む」という遠大な構想がぶち上げられているが、その指揮をイチローが執る日も、そう遠くないかもしれない。
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スポーツ 2012年04月13日 11時45分
日本人メジャーリーガーはどうなる? 松坂大輔編
契約最終年が“肩慣らしのシーズン”になるとは…。松坂大輔(31)が総額5200万ドル(約61億円/当時)で6年契約を交わしたのが『遠い昔』のような気がする。メジャー3年目の09年に「4勝」に大きく成績を落とし(前年18勝)、昨年5月には右肘にメスを入れている。過去5年間での通算成績は49勝30敗、防御率4.25。ボストンのファンを失望させてしまったが、ボビー・バレンタイン監督との出会いは、今後のメジャー生活を好転させるかもしれない。 松坂の“試運転”は3月16日だった。実戦形式の打撃投手として登板し、その後も先発ローテーションを意識し、「中4日」での登板を重ねてきた。『ブルペン投球再開の見通し』(3月25日付)、『94マイル(151キロ)が出た』(4月2日付)と報じられ、ペナントレース開幕後もキャンプ施設のあるフロリダ州で調整・リハビリを続けているが、7月には復活マウンドを踏めるかもしれない。 「このまま順調に行けば、6月中にマイナーの試合に登板する運びになるでしょう。『右肘』が大丈夫なら、7月の球宴あたりにチーム(メジャー)に合流できそうですね」(現地特派員の1人) 新指揮官のバレンタイン監督は、松坂を『今季の戦力』とは見ていない。同監督は親日家であり、西武時代の松坂のピッチングも知っている。松坂を復活させれば、日本での『自身の評価』がさらに上がることも分かっている。また、前監督とシックリ行っていなかった松坂と信頼関係を築けば、レッドソックスのフロントも一目置くようになるだろう。バレンタイン監督とは、そういう指揮官でもある。 「右肘に施されたトミー・ジョン手術は、術後の投球数に関して、具体的に『80球まで』とか、制限が設けられるんです。バレンタイン監督は松坂を大切に使ってくれるはず」(米国メディア陣の1人) 今季のレッドソックスの先発5人枠は、ジョン・レスター、ジョシュ・ベケット、クレイ・バックホルツ、アルフレード・アセブェス、ダニエル・バード。レスターはともかく、ベケットは2年続けて活躍したことがない。バックホルツも故障明けでどこまで回復しているか未知数だが、バレンタイン監督はセットアッパーだったバードを先発に転向させている。これは、松坂がローテーションに復帰できなくてもやり繰りできるよう、先手を打ったコンバートでもあった。 「新クローザー候補のアンドリュー・ベイリー(前アスレチックス)は、バレンタイン監督とは旧知の間柄なんです。在籍チームは違いますが、チャリティーイベントを通じて親しくなり、バレンタイン監督の要望で獲得した投手です。バードも先発に抜擢され、ヤル気になっています」(前出・同) 千葉ロッテ時代、同監督は自身のスタッフで周囲を固めてきた。その是非はともかく、自身を支持する者、慕ってくる者に対してはトコトン面倒をみるタイプだ。 「調子が良ければ、ローテーションの谷間での先発テストをさせることもあるとは思います。でも、今年は点差の開いた場面で肩慣らしをさせる程度でしょう」(前出・同) レッドソックスが松坂と再契約を交わすのかどうかは、分からない。だが、すでに松坂はバレンタイン監督の庇護にあるのは間違いないようだ。※メジャーリーグの選手、監督首脳陣等のカタカナ表記は、ベースボールマガジン社刊『週刊ベースボール』(2012年2月13・20日号)を参考にいたしました。
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スポーツ 2012年04月12日 15時30分
ダルビッシュ ほろ苦デビューも日米で記録的視聴率マーク!
米メジャーのレンジャーズに移籍したダルビッシュ有投手(25)が、4月9日(日本時間10日)、地元テキサス州アーリントンのレンジャーズ・ボールパークでのマリナーズ戦で、メジャーデビュー戦に臨んだ。 ダルビッシュはいきなり大炎上。初回に4点、2回に1点を奪われ、5回2/3を投げて、8安打5失点の惨たんたる内容だった。しかし、強打を誇る味方打線が奮起し逆転。ダルビッシュは8-5の展開で勝ち投手の権利をもって降板。試合は11-5でレンジャーズが勝利し、ダルビッシュは不本意な投球ながら、デビュー戦を白星で飾った。 この試合を10日午前9時から放送したNHK総合の平均視聴率(ビデオリサーチ調べ)が分かった。午前9時〜10時2分までは関東地区=9.5%、関西地区=10.0%で、同時間帯では地上波局で断然トップ。同局の同時間帯の過去4週の平均は4.0%で、通常の視聴率の倍以上であった。 NHKのみならず、平日朝でこれだけの視聴率を取るのは異例。なにより、ダルビッシュの初登板に加え、イチローとの対戦は大きな関心を呼んだようだ。瞬間最高視聴率は初回一死一塁でのイチローとの初対戦の場面で、12.1%(関東地区)。ダルビッシュとイチローの初対決は、4打数3安打でイチローが貫録を見せつけた。 午前10時6分からの60分間は関東地区が7.4%、関西地区が6.7%、午前11時9分からの45分間は関東地区が7.3%、関西地区が6.9%だった。 また、この試合を放送したテキサス州の地元テレビ局「FOX SPORTS SOUTHWEST」の視聴率は10.7%で、83年に同局が開局以来の最高視聴率をマークした。これまでの同局の最高視聴率は、10年8月11日に放送したレンジャーズ対ヤンキース戦で9.3%。同局はテキサス州内で、平均で27万4100世帯がダルビッシュのデビュー戦を視聴したと発表した。 日米で驚異的な視聴率を記録したダルビッシュ。いいピッチングをすれば、それもキープされるだろうが、デビュー戦のようなぶざまな投球内容が続くようなら、一気に注目度が下がる可能性もありそうだ。(落合一郎)
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スポーツ 2012年04月12日 11時45分
青森山田高野球部員死亡事件で遺族が学校と先輩部員を提訴 監督は解任
青森山田高校(青森市)野球部の寮で昨年12月、1年生の男子部員(当時16)が先輩部員(17)から暴行を受けた後に死亡した事件で、大阪府内に住む男子部員の両親が4月9日、「死亡したのは、暴行や学校側の管理体制の不備が原因」として、暴行したとされる当時の先輩部員と両親、同校を運営する青森山田学園に総額約8700万円の賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こした。 訴状などによると、昨年12月18日夜、寮の消灯時間後に男子部員が同級生と、禁止されている焼き肉をしたことを先輩部員が注意、男子部員の上半身を殴るなどした。男子部員は直後に心肺停止状態となり、約3時間後に病院で死亡した。青森県警は1月、先輩部員を暴行の疑いで書類送検した。 県警青森署が司法解剖したが、暴行との因果関係は不明とされた。遺族側は、衝撃によって不整脈が生じる心臓振とうが原因と主張。また、寮には夜間いるはずの教諭が不在だったことや、自動体外式除細動器(AED)の設置がなかったことを指摘し、「寮の体制が不十分で未然に暴行を防止できず、救命措置に対応するための準備も怠った」としている。 遺族は代理人の弁護士を通じ「訴訟が再発防止策と緊急時の救命措置の確立と普及に努めてもらえる一助になることを願う」とコメントした。 学園は「訴状の内容を確認し、対応を決めたい。寮の管理体制は見直しを進めており、二度と同じことが起こらないようにしたい」としている。 この事件を受けて、同部の美斉津忠也(みさいつ・ただなり)監督(34)が解任され、後任に日大OBで元いすゞ自動車野球部員の佐藤伸二氏(39)が就任したことが、10日に分かった。五十嵐康朗部長(45)も辞任し、三浦知克教諭が後任に就いた。 美斉津監督は事件現場となった寮の責任者だったが、当時、急用で寮にいなかった。美斉津、五十嵐両氏は引き続き学校に勤務するが、部活動に関わるかは検討中だという。 同校野球部は春夏合わせて計11回、甲子園大会に出場している強豪校。昨秋の東北大会で4強入りし、県高野連は同校を春のセンバツ大会の推薦校に選んでいた。しかし、学校側が推薦を辞退。春の公式戦もすべて出場を辞退する。事件以来、自粛していた練習は14日に再開予定だという。(蔵元英二)
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スポーツ 2012年04月12日 11時45分
『投高打低の統一球』導入2年目で問われるバントと2番バッターの定理
低反発の統一球が導入されて2年目の今季、どのチームも『得点能力のアップ』をはかるため、犠打の重要性を訴えていた。ペナントレースが開幕してまだ3カードを終えた時点だが、『犠打=バント』に対する解釈が両極端に別れたようである。 セ・リーグは「1位・広島、2位・東京ヤクルト、3位・中日、4位・横浜DeNA、6位が巨人と阪神」。パ・リーグは「1位・東北楽天、2位・北海道日本ハム、3位・千葉ロッテ、4位・埼玉西武、5位・福岡ソフトバンク、6位・オリックス」。4月8日時点での『犠打の多さ』の順位だ。ペナントレースの順位とは異なるが、バントと言えば、「2番バッターの専売特許」とも目されている。バントと2番バッターについて考えてみたい。 2番バッターが「チームトップのバント数」を決めているのは、千葉ロッテ(根元俊一=4犠打)、中日(大島洋平=5犠打)、広島(梵英心=4犠打)。北海道日本ハム(小谷野栄一=3犠打)の4チーム。根元と大島はリーグトップである。 広島は昨季、チーム全体で180犠打をマークした。今季も12球団トップの14犠打を決めており、1番バッターを務めることの多い東出輝裕も3犠打をマーク。チーム打率1割9分7厘(リーグ5位)でもペナントレースの首位に躍り出たのは、「走者を確実に進める」という意識によるものだろう。 また、東京ヤクルトの2番バッター・田中浩康は「犠打2」だが、6番の宮本慎也が「4犠打」を決めている。チーム全体でも「10犠打」を記録しており、広島同様、「チーム全体で…」の戦い方が浸透している。 パ・リーグの北海道日本ハムもリーグ2位の「10犠打」を決めている。栗山英樹監督は4番も務めた稲葉篤紀を「2番」に置く攻撃的打順の構想も明かしていた。現在は小谷野栄一を2番に置いているが、彼も本来ならば、クリーンアップに入るべき強打者だ。しかし、小谷野は「右方向へのバッティング」もできる。昨季、112本の安打のうち、32パーセントが右方向に放ったもので、「ヒットエンドラン」などの作戦も秘めた「2番転向」と思われる。その小谷野はチームトップの「3犠打」をマーク。栗山ファイターズは『攻撃的2番』の構想を掲げつつも、「バント」という小技を織りまぜていることが、数字に表れていた。 対照的なのが、巨人、オリックス、西武だ。巨人の2番打者・ポウカーは「犠打ゼロ」。オリックスの2番・大引啓次と栗山巧は「1」。チーム全体でも、巨人の犠打数は「5」、オリックスは「3」。ともにリーグワーストだ。西武は小技と機動力がお家芸のチームではあるが、チーム打率は1割9分2厘(12球団ワースト)で、出塁率も2割5分9厘しかない(12球団中11位)。“走者を出せない”打線の不振が悪循環に繋がっているようだ。巨人、オリックスがスタートダッシュに失敗したのは、「進塁の意識」も影響しているのではないだろうか。 星野楽天はパ・リーグトップの「12犠打」をマーク。高木中日は「9犠打」。福岡ソフトバンクは、僅か「4犠打」。和田阪神は昨秋キャンプから「バントゲーム」を練習に取り入れるなどし、「打つだけの攻撃スタイル」からの脱却をはかっている。現時点で「犠打5」しか決めていないが、巨人戦でスクイズをみせたように、試合の要所で使っていくということだろうか。 したがって、バントを使って好スタートを切ったのは、千葉ロッテ、北海道日本ハム、広島、中日、東京ヤクルト。バントを使いつつも、開幕ダッシュに失敗したのが東北楽天。バントを使わないで首位戦線に絡んできたのが福岡ソフトバンクということになる。 低反発の統一球が導入されて2年目、Aクラスのチームは例外なく、投手陣が好調だ。「野球はピッチャー次第」と言えばそれまでだが、「少ない好機をいかに得点に繋げるか」は重要なテーマではある。ただ、巨人、オリックスは選手層が厚い。両チームが巻き返してきたら、2番バッターの定理も変わるかもしれない。(スポーツライター・美山和也)
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スポーツ 2012年04月11日 15時30分
相撲部屋経営も楽じゃない!? いわくつきの名門・花籠部屋が閉鎖へ
元大関・旭国(64)が師匠を務める大島部屋が4月24日で閉鎖することが決まっているが、かつての名門・花籠部屋(師匠は元関脇・太寿山=53)も閉鎖する方向で動いていることが分かった。 大島部屋の閉鎖理由は師匠の定年。同部屋ではモンゴル出身の幕内・旭天鵬(37)が、07年に日本国籍を取得し、親方と養子縁組を結んだ。親方の定年後は、旭天鵬が後を継ぐ準備に入っていたが、本人が現役続行を希望しているため、部屋はいったん閉鎖。所属力士は友綱部屋に転籍する。 一方、花籠部屋は明確な理由が明らかになっていないが、関係者によると、「部屋の運営が難しくなった」ことが要因だという。親方は5月中にも日本相撲協会に閉鎖の申請を行う見込みで、親方と所属力士10人は同じ二所ノ関一門の峰崎部屋に転籍する方向。 花籠部屋といえば、横綱・初代若乃花(貴乃花親方の叔父)、横綱・輪島、大関・魁傑(現放駒親方)らを輩出した名門。しかし、81年に部屋を継承した輪島に金銭トラブル等が続出。85年には年寄名跡を担保に借金していたことが分かり、同年12月に親方が廃業し閉鎖された。 その後、年寄・花籠を襲名し、二子山部屋の部屋付き親方をしていた元太寿山が独立し、92年10月に同部屋を再興した。現花籠親方は幕内・光龍、荒磯部屋から転籍した荒鷲(十両)と2人の関取を育てたが、光龍は八百長関与が認定され、昨年4月に引退。荒鷲は来場所、幕下陥落が確実で関取不在となる。 関取、横綱や三役など番付上位の力士を多く抱えれば、相撲部屋も潤うが、そうでない部屋の経営は現実として極めて厳しい。関取不在となる現花籠部屋は、その20年の歴史に幕を閉じることになりそうだ。(落合一郎)【訂正】文中誤りがありました、訂正してお詫び致します。
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スポーツ 2012年04月11日 11時45分
原巨人「最下位スタート」で野村IDに八つ当たり?
開幕3カード連続で負け越し…。原巨人は苦しいシーズンのスタートとなってしまった。その敗因は打線の低迷だが、もっと掘り下げて「戦略室の失敗が重量打線の持ち味を殺している」との指摘も出始めた。 『戦略室』とは清武英利・前GMの一存で新設されたセクションだ。しかし、その『戦略室』を立ち上げた直後に、清武氏が巨人を退団。構想そのものを白紙に戻そうとする動きもあったが、担当する橋上秀樹、秦真司両コーチを招聘した後でもあり、「とりあえずやらせてみよう」ということになり、今日に至っている。 一部では、その戦略室のデータが巨人打線から「思い切りの良さを喪失させた」とも伝えていた。 橋上、秦両コーチはID野球の野村克也氏の教え子である。戦略室を設けた背景には『野村式データ解析』のノウハウが欲しかったからだが、改めて調べ直してみた。今季、ヤクルト出身のコーチはどれくらいいるのか−−。阪神、楽天でその薫陶を受けたコーチは何人いるのだろうか。 スワローズ球団を除く11球団中、『野村ヤクルト』で現役生活を送った監督、コーチは数える程度しかいない(二軍首脳陣は除く/以下同)。日本ハム・栗山英樹監督、吉井理人コーチ、三木肇コーチ、西武・渡辺久信監督、先の橋上、秦両コーチといったところで、阪神、楽天時代の野村監督を知る監督、コーチも数人…。野村監督の教え子が球界を席巻しているわけではなかった。 しかし、巨人においては二軍にも田畑一也、荒井幸雄、野村克則といった『野村ヤクルトOB』もいる。河本育之・二軍投手コーチも野村監督の下で指導者経験を積んでいる。ヤクルト出身者がもっとも多い。 「野村監督と関わりのなかったチームも、著書などから研究し、ID野球を取り入れてきました。ヤクルト出身のコーチの人数ではなく、どの球団も多かれ少なかれ、野村監督の野球に今も影響を受けているのは事実です」(プロ野球OBの1人) 昨今では落合博満・前中日監督の野球が注目されているという。僅差の接戦を逃げ切るゲーム展開と、好機に点を入れる高い確率性が研究されているそうだが、落合監督はベンチから細かなサインを出していたわけではない。そういうチーム構成をし、あとは選手に託すというやり方だった。 ボビー・バレンタイン監督のいたころの千葉ロッテには『統計アナリスト』がいた。データ解析や対戦投手との相性を数値化し、それをもとにスタメンを決めていた。当時、日替わり打線だったのはそのためである。 野球の戦略も進化しているのは間違いないが、そのスタイルが現有戦力にマッチするとは限らない。原監督と巨人フロントが見習うべきは、一喜一憂しない落合監督の度胸ではないだろうか。(一部敬称略/スポーツライター・飯山満)