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青森山田高野球部員死亡事件で遺族が学校と先輩部員を提訴 監督は解任

 青森山田高校(青森市)野球部の寮で昨年12月、1年生の男子部員(当時16)が先輩部員(17)から暴行を受けた後に死亡した事件で、大阪府内に住む男子部員の両親が4月9日、「死亡したのは、暴行や学校側の管理体制の不備が原因」として、暴行したとされる当時の先輩部員と両親、同校を運営する青森山田学園に総額約8700万円の賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こした。

 訴状などによると、昨年12月18日夜、寮の消灯時間後に男子部員が同級生と、禁止されている焼き肉をしたことを先輩部員が注意、男子部員の上半身を殴るなどした。男子部員は直後に心肺停止状態となり、約3時間後に病院で死亡した。青森県警は1月、先輩部員を暴行の疑いで書類送検した。

 県警青森署が司法解剖したが、暴行との因果関係は不明とされた。遺族側は、衝撃によって不整脈が生じる心臓振とうが原因と主張。また、寮には夜間いるはずの教諭が不在だったことや、自動体外式除細動器(AED)の設置がなかったことを指摘し、「寮の体制が不十分で未然に暴行を防止できず、救命措置に対応するための準備も怠った」としている。

 遺族は代理人の弁護士を通じ「訴訟が再発防止策と緊急時の救命措置の確立と普及に努めてもらえる一助になることを願う」とコメントした。

 学園は「訴状の内容を確認し、対応を決めたい。寮の管理体制は見直しを進めており、二度と同じことが起こらないようにしたい」としている。

 この事件を受けて、同部の美斉津忠也(みさいつ・ただなり)監督(34)が解任され、後任に日大OBで元いすゞ自動車野球部員の佐藤伸二氏(39)が就任したことが、10日に分かった。五十嵐康朗部長(45)も辞任し、三浦知克教諭が後任に就いた。

 美斉津監督は事件現場となった寮の責任者だったが、当時、急用で寮にいなかった。美斉津、五十嵐両氏は引き続き学校に勤務するが、部活動に関わるかは検討中だという。

 同校野球部は春夏合わせて計11回、甲子園大会に出場している強豪校。昨秋の東北大会で4強入りし、県高野連は同校を春のセンバツ大会の推薦校に選んでいた。しかし、学校側が推薦を辞退。春の公式戦もすべて出場を辞退する。事件以来、自粛していた練習は14日に再開予定だという。
(蔵元英二)

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