スポーツ
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スポーツ 2012年03月11日 11時00分
違和感アリの貴乃花理事の猛PR
3月11日から始まる春場所担当の貴乃花理事が、橋下徹大阪市長や吉本興業、Jリーグ・ガンバ大阪の事務所などを訪問しPRしている。呉服の業界団体を訪れ、和服女性が来館するようチケットを手配した際は、わざわざテレビ中継に映る席を用意するほどの配慮を見せた。 貴乃花理事にとって大阪は因縁が深い。初土俵が昭和63年春場所で、貴花田から貴ノ花に四股名を変えたのも平成5年春場所。そして、協会幹部となった今回は春場所担当理事だ。 しかし、関西の大相撲ファンは辛口で知られる。 「タニマチという言葉は、大阪の谷町筋の医者が初めて後援者になったことに因んでつけられたという説もある。それくらい大阪人は相撲好きです。しかし、面白くない相撲には手厳しいのも事実。昨年、八百長の発覚で開催見送りになったことへの批判は根強いんです」(相撲関係者) そんな中、連日奔走することについて報道陣から聞かれると、「信頼回復のため、小さなことから着実にやっていく」と話す貴乃花理事。ただ、相撲担当記者の見方は冷ややかだ。 「ガチンコで22回も優勝した貴乃花に対する信頼感は大阪でも厚い。橋下市長や要所を訪問するのも、そうした人の支持も取り付ければ将来への理事長職が約束されると、夫人から入れ知恵されているんですよ」 確かに、相撲協会幹部の貴乃花理事に対するアレルギーも以前ほどではなくなったと言われる。前出の相撲関係者が言う。 「幹部の世代交代が進みつつあり、若い世代には一門へのこだわりが強くないうえ、派閥で争っている時代ではないという気持ちがある。その流れに乗れば理事長への道はそれほど難しくはないでしょう」 肝心の土俵上が盛り上がらなければ人気回復はない。貴乃花理事の頑張りが空回りに見えるのは気のせいか?
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スポーツ 2012年03月10日 17時59分
FA権行使せず残留したのに、広島からトレードされた04年首位打者・嶋のトホホ
3月10日、広島・嶋重宣外野手(35)と西武・江草仁貴投手(31)の交換トレードが成立したことが両球団から発表された。 嶋といえば、背番号55にちなんだ“赤ゴジラ”の異名で知られ、04年にはセ・リーグ首位打者(.337)、最多安打(189)のタイトルを獲得した実績ある選手。広島では2000本安打を達成した大ベテランの前田智徳外野手(40)に次ぐ、チームの象徴的なプレーヤーだ。 嶋は10年に国内FA権を取得したものの、同年オフには「愛着がわかないわけがない」として2年契約(推定年俸5000万円)を結び、権利を行使せず広島残留の道を選んだ。昨年には海外FA権も取得している。チームへの愛を叫んで残留したものの、契約途中で放出されるという、まさにトホホの結果となった。 94年ドラフト2位で投手として広島に入団した嶋は、5年目の99年に野手に転向。それでも、5年間芽が出なかったが、10年目の04年に開花。首位打者、最多安打のタイトルを獲り、本塁打も27本放つ長打力も発揮した。05年には自己最多の32本塁打を記録している。しかし、レギュラーとして活躍したのは04年からの3年間だけで、07年以降は故障もあって不本意なシーズンが続き、代打に甘んじることも多かった。昨季はわずか54試合出場、打率.256、2本塁打、8打点で、04年以降でワーストのシーズンとなった。 広島の外野陣は廣瀬純(32)、赤松真人(29)、天谷宗一郎(28)、岩本貴裕(25)、丸佳浩(22)らがレギュラー候補。新外国人のニック・スタビノア(29)、早稲田大からドラフト4位で入団した土生翔平(22)も使えるめどが立ったことから、ベテランの嶋は構想外となったもよう。 西武に移籍しても、代打要員としての起用になりそうだが、パ・リーグには指名打者制もあり、広島にいるよりは出場機会が多くなる可能性はある。嶋にとっては、埼玉は出身地。地元に戻って、心機一転、頑張ってほしいものだ。(落合一郎)
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スポーツ 2012年03月10日 17時59分
キャンプ情報 2012年大混戦の予兆 埼玉西武編
「菊池雄星と十亀(剣=24)を見てほしい」。関係者からキャンプのキーマンをそう教えられていた。菊池は昨年オフ、オーストラリア・ウインターリーグに参加し、実戦感覚を持ったままのキャンプインとなった。収穫は新球・カーブをマスターしたこと。実質、変化球はスライダーしかなかったのも同然だっただけに、本人はカーブ習得に自信を秘めているという。しかし、『新球習得』による自信という点では、大学、社会人を経験したドライチルーキー・十亀の方が大きいのではないだろうか。 十亀のシュートは『空振り』が取れる−−。ドラフトフリークは「JR東日本時代から投げていた」と言うだろうが、NPB公認球では今までと違う軌道を描くようになったのだ。「揺れながら落ちる」軌道で、前出のチーム関係者によれば、ボールの握り方等は全く変えていないという。昨季話題になった統一球がもたらせた“副産物”である。渡辺久信監督の言動からも十亀への期待の大きさが窺える。昨年は事ある度に牧田(和久=27)を褒めていたが、十亀に対する称賛は「牧田の倍」と言っても過言ではない。十亀の先発ローテーション入りは間違いない。 また、今季の投手陣は“壮観”である。エース・涌井秀章を筆頭に、先発6人枠は岸孝之、西口文也、石井一久、大石達也、牧田、ゴンザレス(新加入=29)、平野将光、菊池の8人が争う図式になった。岸がやや出遅れていた。今の大石ではこの高いレベルでの競争だと、ちょっと厳しい。菊池、平野にも「もうひと押し」が欲しいが、ベテランの西口、石井をフル回転させる必要もなくなったのは強みだ。クローザーは新加入の左腕・ウィリアムス(36)、新人・小石博孝(24=左投左打)のどちらに決まるか分からないが、江草仁貴、星野智樹、松永浩典の『左腕リリーバーたち』も順調に仕上がっていた。ウィリアムスは長身から投げ下ろすタイプで、小石はテークバックが独特な変則投手である。小石は『対左打者』のワンポイントでもいける。これで、先発の菊池が一人前になれば、慢性的な左投手不足に泣かされてきた渡辺西武は、一気に『左腕王国』に変貌する。FAで帆足を喪失した穴は解消されたと見ていい。 野手で目を引いたのは、新外国人選手のエステバン・ヘルマン(34)。登録は『内野手』だが、二遊間の守備はもちろん、外野もこなせるユーティリティ・プレーヤーである。肩は余り強くなさそうだったが、『走塁センス』は際立っていた。メジャー通算10年間の盗塁数は「34」と紹介されているが、スタートダッシュが綺麗で、4歩目、5歩目でさらに加速してくる。ランニングフォームにもパワーがあり、ソフトバンク・本多の『4年連続盗塁王』を阻む可能性も秘めている。また、シート打撃練習を見た限り、「選球眼の良いバッター」だと思った。インコースの際どいところも自信を持って見送っており、ヘンに結果(=安打)を欲しがらないというか、ストライクゾーンに来た投球だけをスイングしていた。外国人選手としては珍しく、「ゴロヒット」の多いタイプだと思った。同じく新加入のカーターはフリー打撃でもライナー性の打球を広角に打ち分けており、おそらく、「打率の残す」のは彼の方だろう。しかし、スピードのあるヘルマンは内安打を稼げる。「選球眼が良い」と言っておきながら矛盾するが、「ストライクか、ボールか」の見極めが少し早いような気もする。ボールコースからストライクゾーンに曲がってくる変化球もあるので、1球1球を大切にして欲しい。変化球の多い日本球界の配球に適応するまである程度の時間は要するだろうが、盗塁王候補・ヘルマンは面白そうである。 守備では中島裕之(29)の三塁と、中村剛也(28)の一塁に一抹の不安が残った。中島がヤンキースとの交渉に失敗し、残留を決めた経緯は繰り返すまでもないが、渡辺監督は浅村栄斗(21)の新遊撃手構想を変えず、『一塁・中村、三塁・中島』のコンバートを選択した。遊撃手時代の中島は攻守のイメージも強かった。そのせいか、不慣れな三塁守備では機敏さは感じられなかった(2月中旬)。時間の経過とともに解消されると思うが、中村の方はゴロ捕球の構え方もコーチに指摘されており、ある程度のミスは覚悟しておいた方が良さそうだ。もっとも、守備範囲は狭くないので、シーズンを通して「ゆっくり、一塁守備に慣れていく」ということだろう。 新外国人、新人投手…。オフの補強は大成功だったようである。
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スポーツ 2012年03月09日 15時30分
セ・リーグが導入を決定した予告先発制 本当に観客動員アップになるの?
プロ野球セ・リーグが3月8日、臨時理事会を開き、今季から予告先発制を導入することを決めた。パ・リーグとの交流戦も含め、公式戦全試合で実施する。ただし、ポストシーズンのクライマックスシリーズ、日本シリーズでは実施しない方針。 当初、両リーグで観客動員ナンバー1の阪神は難色を示していたが、最終的には全会一致でまとまった。セ・リーグは2年連続で観客動員が減少しており、危機感を募らせた同リーグがファンサービスの一環として導入を決めた。 予告先発制を採用するおもな理由は、(1)情報提供によるファン層の拡大、(2)先発隠しのために他の投手の調整へ影響をなくすこと、(3)テレビ地上波放送減少の中でメディアの新たな企画の期待、といったところだ。 先発隠しといえば、落合中日のオハコだった。先発が予想される複数の投手に前日に同じ練習をさせて、相手チームを幻惑させる戦法だ。また、相手先発を読むために、スコアラーの能力やデータも重要視されていたが、今季からその必要性はなくなる。落合博満氏が中日監督に留任していれば、まず賛成していなかったと思われ、同氏の解任が予告先発の導入に拍車をかけたといえる。 ところで、予告先発は本当にファンサービスになるのだろうか。先発投手の読み合いや予想を楽しみにしていたファンも多く、批判的な意見も多い。ただ、それよりは「新規ファンの開拓」に重きを置いた措置。確かに野球に詳しくないファンにとっては、あらかじめ先発投手が分かっていた方が見やすいという利点もある。 ただ、予告先発が観客動員につながるかどうかは、はなはだ疑問だ。セ・リーグは具体的なデータを元に議論したわけではない。確かにあらかじめ先発投手が分かっていれば、人気投手が先発のときは当日券の売り上げが伸びるだろう。しかし、逆に人気がない先発投手のときは、とても当日券が売れるとは思えない。この制度が導入されることで、客が入る日と入らない日がハッキリしてしまう危惧もあるのだ。 野球ファンの多くが好きなチームの勝ち負けとともに、好きな選手が出場するかどうかに注目している。絶対的なレギュラー選手ならともかく、準レギュラー、控え選手のスタメン起用は、相手投手によって左右されることも多い。予告先発なら、「この投手が先発なら、好きな選手のスタメンはないだろうから観戦に行くのをやめよう」なんてことも起こり得るだろう。 従って、予告先発で観客動員がアップするかどうかについては懐疑的だ。セ・リーグでは導入を1年に限定せず、来季以降も継続する方向で、効果についてはシーズン中、シーズン後に検証していく方針だ。 果たして、この決断が吉と出るか、凶と出るか。観客動員がダウンするようなら、目も当てられない。(落合一郎)
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スポーツ 2012年03月08日 15時30分
本拠地移転阻止に向け横浜スタジアムがDeNAに大幅譲歩
横浜DeNAベイスターズが3月7日、本拠地の横浜スタジアムと7年間の使用契約を結ぶことに合意したと発表した。同日にはDeNA・春田真オーナーと池田純球団社長が、同球場の鶴岡博社長とともに横浜市役所を訪れ、球場への出資者でもある同市の林文子市長に報告した。 ここ数年、横浜球団(前親会社はTBSホールディングス)は身売りとともに、本拠地移転のウワサが消えることはなかった。 その理由は簡単で、観客動員の悪さと、同球場を本拠地にするメリットの薄さだった。横浜球団の観客動員は、4年連続最下位というチーム事情もあって例年低迷。昨季はわずか110万2192人(1試合平均1万5308人)の動員で、12球団ワーストだった。 本拠地移転がウワサされる度にクローズアップされたのが、横浜球団と同球場との契約内容だった。昨季までは球団が入場料収入の25%を同球場に支払わなければならず、球場内の広告収入は球場に入るようになっていた。球団は同球場から年間約3億円の協力費を得ていたものの、この契約内容では、とても球団経営は立ち行かず、赤字が続いていたが、逆に同球場は黒字だった。 今回、その契約内容が大幅に見直され、球団が納める使用料はこれまでの約半分である入場料収入の13%になった。その代わり、同球場から支払われていた協力費は廃止される。球場内の広告収入は従来通り球場側に入るものの、新たに外野フェンスに設置予定のリボン(帯状)広告は、球団側の収入となる。また、球場外に開設予定のグッズショップの売り上げも球団側に入ることになった。 これまでは、どう考えても、球団側が儲からない契約内容になっていたが、球場側が大幅に譲歩したことで、契約もこれまでの単年から7年の長期契約となった。 春田オーナーは「球場あっての球団であり、球団あっての球場。共存共栄し、ファンの皆さまに喜んでもらえるような環境を作っていければ」と語った。鶴岡社長は「去年までは(身売り問題で)同じテーブルに着けなかった。長期にわたって一緒にやっていける強力なパートナーができたので、大型の設備投資にも取りかかれる」と話し、老朽化が目立つ電光掲示板やトイレなどの設備の改修に取り組むことになった。 同球場としては、球団が本拠地を移してしまったら、会社の存続にもかかわる非常事態となってしまう。契約条件を譲歩してでも、球団には長期で残ってもらう必要があったのだ。まともな契約をゲットした横浜DeNA。あとは観客動員がどこまで伸びるかだが…。(落合一郎)
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スポーツ 2012年03月08日 15時30分
なでしこジャパン アルガルベ杯優勝ならずも、エース“澤穂希抜き”体制確立へ成果!
ポルトガルで開催された女子サッカー「アルガルベ杯」で、なでしこジャパンは3月7日の最終戦でドイツに3-4で敗れ準優勝に終わった。サポーターにとっては残念な結果だったが、チーム内部的には上出来との声も上がっている。 同大会はなでしこ的には、さして重要な位置付けではなく、あくまでも目指すのはロンドン五輪での金メダル。そこに向けての実戦練習的な大会であった。佐々木則夫監督はエース澤穂希(33=INAC神戸)ではなく、宮間あやを新主将(27=岡山湯郷)に指名。積極的に若手選手を起用した。 澤は初戦(2月29日=ノルウェー戦)こそスタメン出場したものの、第2戦(3月2日=デンマーク戦)は出場せず。第3戦(3月5日=米国戦)、ドイツとの最終戦は体調不良を理由にベンチにも入らず、宿舎で静養した。澤の体調に関しては詳細な発表はなく、関係者からは「めまいや立ちくらみがする」「風邪っぽい」といった話がもれ伝わってきただけ。 なでしこは澤が不在でも、米国からは1-0で史上初勝利を挙げ(W杯でのPK勝ちは公式には引き分け)、強豪ドイツには3-4で惜敗したものの、澤のポジションには宮間が入り、十分機能することを見せつけた。宮間は準優勝ながら、大会MVPを獲得し、“ポスト澤”として強くアピールした。そもそも、ドイツはロンドン五輪には出場しないため、負けても大きな問題はない。 佐々木監督は「ステップアップできた。経験の少ない選手もいろいろと経験して、レベルが上がってきた」と満足げ。澤は2月上旬に右ふくらはぎの肉離れを起こしており、始めから無理をさせないことは明らかであった。澤がチーム事情のため、仮病で欠場したとはいわないが、澤抜き体制確立への布石が打てたことは大きな収穫だった。 テレビ視聴率はノルウェー戦=18.7%(関東地区)、デンマーク戦=16.1%、米国戦(深夜)=15.9%、ドイツ戦=21.7%で、澤欠場でも影響ないことを示した。 澤といえば、CMやテレビ、イベント出演など副業で多忙。年齢を考えても、澤依存症から脱却する必要性に迫られている。その意味でも、アルガルベ杯は意義ある大会であったといえよう。(落合一郎)
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スポーツ 2012年03月07日 15時30分
2年ぶりの大阪場所開催に向け貴乃花親方がなりふり構わず!
大相撲春場所(大阪府立体育会館)は3月11日に初日を迎える。昨年は八百長問題で前代未聞の中止となったため、大阪での場所は2年ぶりの開催となる。 大相撲は八百長問題発覚後、両国国技館でも地方場所でも閑古鳥が鳴き続けている。大阪は昨年の件があるだけに、風あたりも厳しい。そんななか、春場所の担当部長を務めている貴乃花親方(39=元横綱)が、PR活動になりふり構わない姿勢で臨んでいる。 3月6日、大阪・万博競技場で行われたサッカー「アジア・チャンピオンズ・リーグ」ガンバ大阪vs浦項(韓国)の試合前には、来場客にちゃんこ500食を無料で振る舞い、春場所の宣伝に努めた。貴乃花親方は「何人かの方が『相撲にも行きます』と言ってくれた」と満足げだった。 さる2月9日には大阪市役所を訪れ、橋下徹市長に春場所開催を猛アピール。橋下市長の口からは、「かつての大横綱が、これだけ頑張っている。うちも見習ってほしいのだが…」という言葉を引き出した。 吉本興業ともタイアップして、強力タッグを結成。2月25日には吉本新喜劇に出演し、池乃めだからと共演し、ズッコケまで披露。春場所の宣伝にも余念がなかった。3月4日には大御所・桂三枝の「最後の三枝まつり」にも登場し、トークショーを行って、春場所をPR。吉本とは春場所と吉本新喜劇とのコラボチケット7500円相当を7000円で割引販売するなど、関係は良好だ。 天下の大横綱がプライドをかなぐり捨てて頭を下げまくった結果、貴乃花親方は約450升のチケットを売った。チケット担当の中川親方(元幕内・旭里)は「2年前よりも倍ぐらい売れています。土日はほぼ完売で、後半戦も一昨年以上。やはり貴乃花部長の影響力と営業力は凄い」と評価。 それでも、貴乃花親方は「物足りない気持ちでやっている。15日間満員御礼のために、まだまだこれから」と話し、残された期間で引き続き営業活動を行っていく所存だ。剣が峰に立たされている大相撲。春場所でどれだけ巻き返しを図れるか、注目が集まる。(落合一郎)
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スポーツ 2012年03月05日 15時30分
71歳のおじいちゃんがロンドン五輪に出場へ
馬術の法華津(ほけつ)寛(70=アバロン・ヒルサイドファーム)が、ロンドン五輪に出場することが確実となった。 法華津は五輪の個人出場枠を決めるランキングの最終選考対象となる、3月1日のフランス・ビドーバンでの国際大会で優勝。この優勝で一気にランクアップし、東南アジア・オセアニア地区でトップに浮上。国際連盟が2日に発表したランキングで、五輪の馬場馬術個人の出場枠を獲得。日本連盟は枠を獲得した人馬を五輪代表にする方針で、近く発表される。 今月28日に71歳となる法華津は、08年北京五輪に日本選手史上最年長の67歳で出場しており、自らの持つ記録を更新。愛馬ウィスパー(14歳=牝馬)とともにロンドン五輪に臨む。 法華津は64年東京五輪の障害飛越で初出場(個人40位、同団体12位)。その後、馬場馬術に転向し、84年ロサンゼルス五輪は補欠。88年ソウル五輪では出場枠を確保したが、愛馬が検疫に引っ掛かり、出場を断念。08年の北京五輪が44年ぶりの出場となり、馬場馬術で個人34位、同団体で9位の成績だった。 2大会連続3度目の五輪出場が確実となった法華津は、「ロンドン五輪出場は1つの目標でしたから、最後に資格を獲得できたので喜んでいます」と語っている。 日本人最年長メダリストは、84年ロサンゼルス五輪の射撃で金メダルを獲得した蒲池猛夫の48歳4カ月。法華津にはぜひ、メダルを獲って蒲池の記録を塗り替えてもらいたいところ。 また、世界の最年長出場は20年アントワープ五輪、射撃のオスカー・スバーン(スウェーデン)の72歳10カ月で、銀メダルも獲得している。4年後の16年リオデジャネイロ五輪時には75歳になる法華津。この際、世界最年長出場記録を狙ってほしいものだ。(落合一郎)
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スポーツ 2012年03月05日 11時45分
今度は一般参加選手が日本人トップでロンドン五輪男子マラソン代表選考は混迷必至! “市民ランナー”川内にもいちるの望み
男子マラソンのロンドン五輪代表の最後の選考会を兼ねたびわ湖毎日マラソンが、3月4日、滋賀県大津市皇子山陸上競技場発着で開催され、招待選手ではない一般参加の山本亮(27=佐川急便)が2時間8分44秒で日本人トップの4位となった。 当初は昨年9月、韓国での「世界選手権」で日本人最高の7位(2時間11分52秒)だった堀端宏行(25=旭化成)が日本人トップを走っていたが、37キロすぎに堀端を抜いた中本健太郎(29=安川電機)がエルネスト・ケベネイ(27=ケニア)も抜き4位に浮上。このまま中本が日本人トップでゴールするかと思われたが、山本が猛追。山本は競技場内で中本を抜いて4位に入った。中本は2時間8分53秒(自己ベスト)で5位、失速した堀端は11位(2時間10分5秒)だった。 五輪代表選考会では昨年12月4日の福岡国際マラソンで、公務員の“市民ランナー” 川内優輝(24=埼玉県庁)が2時間9分57秒で日本人トップの3位。2月26日の東京マラソンでは“無職ランナー”の藤原新(30=東京陸協)が2時間7分50秒で日本人トップの2位に入った。立て続けに非実業団の選手が好成績を挙げ、日本陸連の面目も丸潰れだったが、今回はノーマークで一般参加の山本が日本人トップとなり、実業団の有力選手の弱さが浮き彫りとなった。 山本は神戸・長田高校、中央大学を経て、佐川急便に入社。現在は同社陸上部の主将を務める。09年北海道マラソンで出した2時間12分10秒(2位)が自己ベストで、今回3分以上も自己記録を更新した。 こうなると、がぜん注目を集めるのは代表選考。タイムからいって、藤原はまず当確。残るは2枠。尾県貢日本陸連専務理事は「代表選考はタイム、コンディション、レース展開を重視してこれから進めていく」と語ったが、混迷を極めるのは必至。 マラソンの代表選考の場合、必ずしもタイムだけではないのがむずかしいところ。山本は過去の実績に乏しいため、選出に反対意見が出る可能性もあるが、選考会の中で藤原に次ぐタイムを出しており有力だ。 残る1枚は川内、東京で日本人2位(総合6位)の前田和浩(九電工)=2時間8分38秒(自己ベスト)、びわ湖毎日で日本人2位(総合5位)の中本あたりで、選考されることになりそうで、「世界選手権」で日本人トップの堀端は脱落とみていいだろう。タイム的にはこの中で最低の川内だが、自己ベスト(2時間8分37秒)は逆にこの3人の中では一番。従って、可能性は低いとはいえ、川内にもいちるの望みが残っているといえそうだ。代表は12日に発表される。(落合一郎)
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スポーツ 2012年03月05日 11時00分
肥満が原因!? 田子ノ浦親方急死で再び囁かれる“親方短命説”
親方短命説は生きていた−−。2月13日午後、元幕内久島海の田子ノ浦親方(本名・久島啓太、和歌山県新宮市出身)が、東京都江東区の田子ノ浦部屋で倒れ病院に運ばれたが、死亡した。まだ46歳の若さだった。 「この日の朝、いつものように部屋頭の碧山らを連れて春日野部屋に出稽古し、帰り際、清見潟親方(元幕内栃栄)に、今度は大阪で会おうと笑顔で話したそうです。あまりにも突然すぎる死で、事件性があるのではないかと警察官が部屋を訪ねる一幕もありましたが、翌日、死因は虚血性心不全と発表されました」(相撲担当記者) 田子ノ浦親方は、昭和58年の全日本相撲選手権で史上初めて高校生で優勝するなど、早くから“怪物クッシー”と呼ばれ注目を浴びた。しかし入門後は伸び悩み、最高位は東前頭筆頭。平成10年九州場所後に引退し、平成12年2月、田子ノ浦部屋を再興。2場所前に愛弟子の碧山が入幕を果たしたばかりだった。 大相撲界では去年の九州場所前、稀勢の里の師匠の先代鳴戸(元横綱隆の里)が急性呼吸不全のために一晩の入院で亡くなったばかり。こちらは59歳だった。どうしてこんなに親方たちが若くして急死するのか。 「昭和40年代まで、『親方は長生きできない』と言われたものですが、その後、健康管理に励む親方たちが急増。長生きする親方が増え、年寄株が回らなくなり急騰するという計算外の現象も起こっています。短命説が再び息を吹き返しつつあるということは、親方たちの健康管理にも限界があるということでしょうね」(協会関係者) そう言えば、先代鳴戸は大関昇進のときの口上にわざわざ「健康管理」という言葉を織り込んだが、亡くなったときは現役時代よりも20キロ以上重い180キロ台だった。田子ノ浦親方も平成15年に急性心筋梗塞で倒れたのをきっかけに食事にも気をつけ、80キロあまりも減量したが、現役時代の体重は200キロを超えていた。 急逝した2人の親方に共通するのは過度の肥満。長生きしたかったら、くれぐれも太り過ぎには御用心。