社会
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社会 2017年03月02日 10時00分
世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第211回 潜在成長率の倍増
昨年12月、内閣府は国民経済計算の統計手法を、国連の定める新たな国際基準である『2008SNA』に変更した(編集部注釈:国民経済計算とは、経済の全体像を国際比較可能な形で体系的に記録するために作成される基幹統計のこと)。結果的に、日本の名目GDPはいきなり約31兆円も増加したわけだが、同時に潜在成長率が倍増するという、興味深い結果をももたらした。 やや難しい話ではあるが、経済学者やエコノミストがどれほど奇怪な存在であるかが如実に分かる事例であるため、本稿でご紹介する。 潜在成長率とは潜在GDPの成長率を意味する。そして、潜在GDPとは、日本の労働力や資本がフル稼働した際に生産可能なGDPだ(これを最大概念の潜在GDPという)。 例えば、失業者は「稼働していない労働力」になる。失業者が雇用され、生産活動に従事するようになれば、当然ながらGDP(国内総生産)は増えるはずだ。すなわち、潜在GDPは完全雇用環境下におけるGDPと言い換えることもできる。 ところが、不思議なことに内閣府や日本銀行は、「労働力や資本のフル稼働」の値について、なぜか過去のリソース稼働の「平均」で設定する。最大ではなく平均の稼働率で見るため、潜在GDPが小さくなってしまうという弊害が生じている(これを平均概念の潜在GDPという)。 平均概念の潜在GDPを使用すると、デフレギャップ(総需要の不足)が小さく見える。結果、デフレ対策を打ちにくくなる。 さて、潜在成長率であるが、潜在GDPは以下の三つの要因によって決定されると考えられている。○労働投入量○資本投入量○TFP(全要素生産性) 例えば、労働投入量が増えるならば、論理的に日本の生産量は増えるはずだ。あるいは資本投入、言い換えれば投資の拡大もまた、日本の生産力を強化する。ここまでは分かる。 不思議なのはTFPだ。TFPとは何なのか? TFPとは、技術革新や技術の活用法の進歩、労働や資本の質向上などによる潜在成長率への寄与として定義される。果たして、「技術革新」「技術の活用法の進歩」「労働や資本の質向上」といった抽象的な概念を、数値データ化することができるだろうか。不可能だ。 例えば、日本の経済が5%成長したとしよう。その期間、労働投入量の増加によるGDP成長への寄与度が1%、資本投入量増加分の寄与度が2%とする。労働投入量や資本投入量“だけ”がGDPを決定するならば、日本の経済成長率は3%のはずだ。ところが、現実の成長率が5%だった場合、2%分、大きくなってしまう。 この“乖離分”について「TFPの向上によるもの」と考えるわけだ。 実は、TFPは事前には決定できない。あくまで、経済成長率が確定し、そこから労働投入量と資本投入量の寄与度分を差し引いたものがTFPであると計算されるわけである。 例えば、労働投入量と資本投入量に変化がなく、それでも実質GDPが拡大した場合、 「TFPが高まったため、潜在成長率が増えた」 と解釈されるのだ。 さて、内閣府のGDPの算出方法の見直しに伴い、日本経済の中長期の実力を示す潜在成長率が、これまでの0.4%から0.8%へと跳ね上がった。 GDPが統計手法の変更により成長したものの、労働投入量と資本投入量が劇的に変わるわけではない。労働投入量や資本投入量が変化していないにもかかわらず、いきなりGDPが31兆円も増えてしまった。というわけで、内閣府は、 「全要素生産性(TFP)の伸びとして潜在成長率の推計に反映された結果」 と、潜在成長率が倍増した理由を説明している。 ポイントがお分かりだろうか? 式で書くと、 【TFP=経済成長-労働投入量の寄与度-資本投入量の寄与度】 なのである。そして、 【潜在成長率=労働投入量の寄与度+資本投入量の寄与度+TFP】 である。 経済成長すれば、TFPは自動的に高まる。TFPが高まれば、潜在成長率は伸びる。労働投入量と資本投入量が伸びなかったとしても、経済成長しさえすれば、潜在成長率は上昇するのである。 逆に、経済成長しない場合、潜在成長率は低下する。わが国はデフレーションにより、1998年以降、経済が成長しない状況が続いている。結果的に、潜在成長力は下がって当たり前なのだ。 日本は経済成長していないために、潜在成長率が低い。ただそれだけの話なのだが、経済学者やエコノミストたちは低い潜在成長率を構造改革に利用してきた。 「日本の潜在成長率は低い。潜在成長率を高めるためには、労働投入量を拡大すればいい。そのためには、雇用の流動性を強化し、外国移民を受け入れるべきだ」 「日本の潜在成長率は低い。潜在成長率を高めるためには、資本投入量を拡大すればいい。そのためには、各種の規制を緩和し、企業の投資を促せばいい」 と、日本国内で構造改革が推進され、さらに緊縮財政でデフレが深刻化すると、経済成長率は低迷する。すると「潜在成長率が低い。構造改革が必要だ」という話になり、またまた構造改革が…。 現実には、日本がデフレから脱却し、経済成長率が上昇すれば潜在成長率もまた高まる。実際に内閣府が統計基準を変更し、GDPが約31兆円増えた結果、潜在成長率が倍増したわけである。 ところが、経済成長すればTFPが向上し、潜在成長率は高まるという単純な事実を、経済学者やエコノミストは認めようとしない。どれだけ頭が悪いのか。 繰り返すが、日本は潜在成長率が低いため経済成長しない、のではない。デフレで経済成長していないから、潜在成長率が低いのである。 この当たり前の話を国民が理解し、潜在成長率の低迷を構造改革に利用させないようにしなければならない。日本がデフレから脱却し、GDPが堅調に成長を始めれば、TFP向上により潜在成長率も勝手に上がっていくのである。みつはし たかあき(経済評論家・作家)1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。
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社会 2017年03月01日 14時00分
北朝鮮・金正恩「斬首作戦」に米中GOサイン! 動き出した暗殺者(2)
中国とて正恩委員長をこのままにしておけば、米軍の最新鋭迎撃システム『THAAD(高高度防衛ミサイル)』の韓国配備をみすみす許してしまうことになる。しかも、正恩の中国に対する非礼ぶりからすると、北朝鮮の核が中国に向けられるかもしれないのだ。 「中国政府は米軍が侵攻する前に自分たちの手で決着をつけようと考えているフシさえある。この選択の方が後々、北朝鮮に影響力を行使できるからです。中国人民解放軍が北に侵攻する場合に備え、中朝国境の鴨緑江に橋を完成させたのもこのためです。橋を渡れば平壌までわずか200キロですから。とはいえ、いくら北朝鮮相手でも他国のトップを殺したらさすがに国際社会から批判される。そこで採られるのが、北の人民軍を動かしてクーデターを起こさせる作戦です。実は、中国からは公安のスパイが貿易会社社員などになりすまして北に潜入している。彼らが人民軍を裏から操って正恩の宮殿に突入させ、逮捕すれば一瞬で政権が転覆します。暫定クーデター政権が、国内の裁判で死刑判決を下せば、国際社会からの批判も免れる。その場合、正恩の後任は、金正日に排除された異母弟で、チェコ大使の金平一か、正恩の実兄の金正哲を据える腹でしょう」(日本在住中国人ジャーナリスト) ただし、中国は今秋に5年に1度の共産党大会を開かなければならない。すぐに動けるかどうかは微妙な情勢だ。 2013年12月に叔父の張成沢を処刑し、'15年4月にも当時の玄永哲人民武力部長、同5月に崔英健副首相を処刑した。昨年7月には金勇進副首相を「座る姿勢が悪い」という理由で処刑している。もはや気に入らない奴は片っ端から処刑するという状況の中で起きたのが今回の正男氏暗殺だが、血のつながった兄殺しは彼らの処刑とは意味合いが異なる。 北朝鮮では「建国の父」として神格化された故・金日成主席の一族を「白頭の血統」と呼び、最高権力が世襲されてきた。正恩委員長の権力の基盤は唯一、金日成の血統であるということだけだが、実はこれが砂上の楼閣にすぎないのだ。 「正恩の母親の高英姫は、大阪生まれの在日帰国者で“出身成分”が低いことから北朝鮮国内では彼の出自は秘匿されている。'11〜'12年頃に北朝鮮に帰国した正男は、『正恩は白頭の血統か? 富士の血統じゃないか』と皮肉ったこともあります。ですから、出生も公にされず、祖父の金主席とも会ったこともありません。『富士山の血統』発言は相当頭に来たようで、正恩政権が発足した直後の'12年から『場所、手段を選ばず正男を除去せよ』との指令が出されていました」(在韓脱北者団体) 従って正男氏と正恩委員長は面識すらない。これは“金正日の料理人”こと藤本健二氏が「王の宮廷内で正男を見たことは一度もなかった」と証言していることからも分かる。
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社会 2017年03月01日 10時00分
森永卓郎の「経済“千夜一夜”物語」 したたかなトランプ戦略
2月10日に行われた日米首脳会談は、トランプ大統領の対日強硬姿勢がすっかり封印され、「満額回答」や「ホームラン」との評価が新聞紙面に踊った。安全保障関連では、尖閣諸島が日米安全保障条約5条の適用対象であることが確認され、経済関係でも、為替や通商政策で具体的な要求を突き付けられることがなかったからだ。 しかし、今回の首脳会談をみて、私にはむしろトランプ氏のしたたかさが印象づけられた。 まず、尖閣諸島への安保条約適用は、これまでも米国が繰り返し表明してきたことで、米国は何ら譲歩をしていない。しかも、日本の施政権、すなわち実効支配を追認しただけで、日本の領有権は認めていないのだ。 従来から米国は、尖閣諸島の領有権は日中間の話し合いで解決すべきだとして、中国の主張に配慮する立場だった。 しかも、トランプ氏は日米首脳会談の前日に中国の習近平国家主席と電話会談を行い、台湾を中国の一部とみなす「一つの中国」原則を尊重する意向を伝えたのだ。つまり、トランプ政権は、反中国ではないことを示して、日本に無言の圧力をかけた。 そして、決定打は、通商関係に関して、麻生財務大臣とペンス副大統領の下に置かれる「日米経済対話」の枠組みで行われることにしたことだ。 この枠組みに異常さを感じないだろうか。通商関係の交渉は、経済産業大臣の所管となっている。ところが、今回の首脳会談に、当初同行予定だった世耕経済産業大臣は、安倍総理に帯同しなかった。米国側は、麻生大臣の同行を強く求めたのだ。 麻生大臣の下で通商交渉を行うことは、米側に二つのメリットがある。 一つは、麻生大臣の所管にすることで、通商交渉に手慣れた経済産業省の官僚を遠ざけることができること。そして、もう一つは、通商交渉の場面で、為替を人質に取ることができることだ。 歴史を振り返ってみよう。レーガン政権の時代、当初米国は、「強いドル」を掲げた。しかし、結局、財政赤字と貿易赤字という双子の赤字が生まれて、その政策は、決してうまくいかなかった。そこでレーガン大統領は、ニューヨークのプラザホテルに先進5カ国の財務大臣、中央銀行総裁を集め、協調介入によって日本を急激な円高に誘導する政策に出たのだ。日本経済を集団リンチにかけるような事件だった。 レーガン元大統領を心から尊敬するトランプ大統領が、そのことを知らないはずがない。為替介入の実行者は日本銀行だが、指図をしているのは財務省だ。つまり、麻生大臣を日米経済対話のトップに据えた理由は、第二のプラザ合意という脅しをかけるためだったのだろう。 麻生大臣は、ある程度の円高を受け入れざるを得ない。しかし、急激な円高というシナリオを呑むわけにはいかない。そのため、今後の二国間交渉の中では、TPPのときよりも、さらに踏み込んだ譲歩を迫られることになる。 お隣の韓国では、米韓FTAの締結によって、すでに畜産や医療などの分野で大きな被害が出ている。日本にも、より深刻な影響が出るだろう。
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社会 2017年02月28日 14時00分
北朝鮮・金正恩「斬首作戦」に米中GOサイン! 動き出した暗殺者(1)
日米首脳会談に合わせた北朝鮮の新型弾道ミサイルの発射に、トランプ大統領の顔は引きつった。そこへ飛び込んできたのが、金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄である金正男氏(45)が、2月13日にマレーシアのクアラルンプール国際空港で殺害された一件だ。怒り狂ったトランプがついに“金正恩斬首作戦”に動き出す。 米国では昨年9月、マイク・マレン元統合参謀本部議長らによって、金委員長を排除するための先制攻撃シナリオが公然と練られた。また、トランプの外交顧問だったピーター・フックストラ元下院情報特別委員長は「大統領はいかなるオプションも排除しない」と断言している。 歴代米政権は極秘の「朝鮮戦争ファイル」を尊重してきたという。1950年6月25日に勃発した朝鮮戦争で、米国は北朝鮮軍の恐ろしさを身に染みて分かっているからだ。後続兵は素手で突撃し、先兵が倒れるとその銃を持って米軍(国連軍)に襲い掛かってきた。このムチャな戦いぶりは米軍をして「地上戦はやらない」という不文律になったが、トランプにはこのファイルの警告が通じない。 「2月行われた韓国の韓民求国防相とマティス国防長官との会談では、来月から始まる米韓合同軍事演習で、北朝鮮の挑発を抑え込むための訓練を例年より強化することで一致しており、より実戦を想定した訓練になるはずです。これを踏まえ、3月にも米軍が北に攻撃を仕掛けるのではとの観測も流れている。バンカーバスター(地中貫通爆弾)などによる空爆ではなく、シールズやデルタフォースのような特殊部隊が、金委員長の首を取る作戦です。今回の正男暗殺事件で、同氏を庇護してきた中国も“正恩抹殺”を黙認せざるを得ません。しかもトランプ大統領は、シリアやイランと違い東アジアの超独裁国家をつぶすことは国際的にも評判を上げるとソロバンを弾いている。ただ、実行に当たっては、安全保障問題の司令塔であるマイケル・フリン大統領補佐官が辞任したのは不安材料ですが」(軍事アナリスト) 2月12日に発射した新型弾道ミサイル『北極星2号』(ムスダン改良型:射程2500〜4000キロ)は、固形燃料で飛ばすことができ、移動車両もタイヤではなくキャタピラー式の車両へと改良されたため発射の兆候を把握するのが難しい。しかも、発射ボタンを押せば10〜20分で発射できる。米軍が空から破壊できない可能性が高まり、米国の準州であるグアムも射程に入ることで、米韓軍の戦略の柱である“キルチェーン(発射兆候から30分以内の先制攻撃)”を無力化させられたのも同然だ。 「北朝鮮の新型ミサイルは、米韓軍が第1撃を封じ込めたとしても任意の水域にいる潜水艦からSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)で第2撃の報復攻撃を可能にする能力があるとみられています。北朝鮮はすさまじい勢いで技術革新を進めているわけで、国際社会による経済制裁も、技術流入を食い止める圧力も、中国による“ガス抜き”で効果を持ちません。トランプはそこに激怒しているのです」(同・アナリスト)
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社会 2017年02月28日 10時00分
小池百合子都知事に命乞い“落ち目の三度笠”石原ファミリー
石原慎太郎元東京都知事がついに完全屈服し、密かに小池百合子知事に“命乞い”を始めた――。そんな情報が永田町、都庁周辺に飛び交っている。 「豊洲市場移転問題から逃げ回っていた石原氏が一時、記者会見まで匂わして強気になっていた理由も分かっている。しかし、今は一転して弱気になっており、小池氏に何とか怒りを納めて見逃して欲しい――石原氏がそんな思いで今、奔走しているとの噂が飛び交っているというのです」(全国紙政治部記者) まず、石原氏が突如、強気な行動に出た理由は何だったのか。 小池氏周辺関係者はこう言う。 「石原さんは2月上旬、浜渦武生元副知事ら豊洲移転関係者と集まり、話し合いの場を持ったという。結果、石原さんにとって不明な点や記憶違い、忘れていたことなどが整理され、“責任はない”という意見も出たことが、自信につながったのでしょう」 その一部が『週刊新潮』(2月23日号)での独占インタビューで表れた。石原氏はそこで「築地の豊洲移転は、私が知事に就任した'99年の時点で既定路線となっていました。先代の青島(幸男)君からの“引き継ぎ事項”のなかに豊洲移転に関する項目があった」とし、「とにかく豊洲ありきだった。つまり豊洲移転への機運は私の就任前に既に整っていた」と話している。強気な発言はエスカレートし、小池氏には知事としての発想力とリーダーシップがないとバッサリ。 しかしその態度が一転、同誌の発売前日の15日になり、石原氏が14日に報道陣の前で「来週に開く」としていた記者会見を突如、中止にすることが判明した。 「鼻息荒かった石原さんを弱気にさせた理由はいくつかあった」とは、別の小池氏周辺関係者。 「一つは、石原さんのインタビュー記事が載った『週刊新潮』と同日に発売された『週刊文春』。そこには『石原慎太郎都政「血税豪遊」全記録』のタイトルで、海外出張に総額約5億円、豪華クルーズ出張にワイン1本3万9000円の宴席、四男の事業に補助金7億円などの疑惑が羅列された。会見を開けば、それらへの質問責めで火だるまになりかねない。そのため『都議会の参考人招致の日程(3月18日〜20日)が決まったため』と取って付けたような理由で会見を取りやめたのです。参考人質疑で扱われるのは豊洲問題だけに絞られるため、そちらの方が得策と判断したと思われます」 二つめは、ここへ来ての都議会自民党の動き。 2月16日、自民党都議11人が参考人招致ではなく百条委員会設置を求め、有志の会を結成。さらに20日には、議会運営委員会の理事会で、百条委員会設置について全会派で一致した。 「もちろん自民党都議の間には、ここで豊洲問題などを追及する姿勢を見せなければ、石原氏や、すっかりダーティーなイメージが付いた都議会のドン・内田茂議員と同じ穴のムジナと判断され、夏の都議選で落選に陥りかねない。この風向きはさらに拡大する勢いを見せており、自民から離党し小池氏になびく議員も出始めている。参考人招致でのらりくらり逃げようとしていた石原氏にとって、刑事罰もありうる百条委員会が現実のものとなった今、会見を開いている場合ではなくなったということです」(都政記者) 石原氏を弱気にした三つめの理由は、最後の拠り所だった長男・石原伸晃経済再生相の崖っぷち状態にある。伸晃氏は都知事選で小池氏に負け都連会長を降り、さらに先頃の千代田区長選でも前面に立ったが、また惨敗。この影響で、伸晃氏が会長で弟の宏高氏も所属する石原派15人が、分裂の危機に陥っているのだ。 「すでに同派閥の重鎮で事務総長の平沢勝栄自民党広報本部長が、退会の意向を固めているという。次期衆院選を睨み、危うい父親を抱え影も薄くなった伸晃氏に見切りをつけたと見られます。仲間数人と退会すると見られており、何と言っても平沢氏自身、自民党都連時代から小池氏と距離が近い。そのため、小池氏のバックアップと再接近の意味もあるとの憶測も呼んでいる」(全国紙政治部記者) ここへ来てファミリーごとピンチに追い込まれそうな石原氏は、かくして一時の強気から再び“弱気の虫”に取りつかれた。そんな中、ついに恥をかなぐり捨てた行動に出たという情報まで駆け巡っているという。 「1月10日、小池氏と安倍首相が会談した際にも話が出たようですが、小池さんは1兆8000億かかるとされる東京五輪経費において、何とか国の支援をもらいたい。これを受け安倍首相は、何をバーターにすれば得策なのかを考慮中だといいます。その状況を知る石原氏が最近、安倍首相に近い人物と密談し、小池氏の猛攻を抑えるよう、安倍首相に説得して欲しいと懇願したという話。これが事実であれば、果たしてこの“命乞い”を安倍首相が受けるかどうか。今後の動きで、その結果が垣間見えるかもしれません」(永田町事情通) 石原ファミリーの落ち行く先やいかに。
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社会 2017年02月25日 14時00分
海外の爆売れに乗り遅れるな 日本酒・緑茶業界アピール合戦の熾烈
ここ数年、日本茶と日本酒の輸出の伸びが著しい。財務省の貿易統計によれば、緑茶の輸出額は115億円で2010年の約3倍、日本酒も155億円で7年連続増加の一途をたどる。 お茶の生産団体などが加盟する公益社団法人『日本茶業中央会』などが会員の日本茶輸出促進協議会(東京都港区)事務局は、その背景をこう分析する。 「最大の輸出国はアメリカで50%前後を占めるが、そのアメリカを中心に欧米でヘルシー志向が強まったことが大きな要因。抹茶を使用した抹茶カフェやアイスクリームなどの海外人気も高くなり、需要が急増しているためです」 日本茶の輸出は戦後、飲料水の多様化もあって減少し、'91年に253トンと底をついた。その後は徐々に増加して2005年には1000トン、'10年には2200トン、'15年に4100トンまで増加。お茶輸出振興の旗振り役の農林水産省・食料産業局輸出促進課の担当者も、その背景をこう分析する。 「'13年に“和食”がユネスコの無形文化財になったことも大きい。和食にはお茶、そして日本酒ですからね。そうした意味で和食がさらに拡大すると思いますので、お茶と日本酒の今後の伸びシロはさらに期待できます。国では'20年までに農産物も含め総額1兆円輸出プロジェクトを掲げていますので、さらにPRに力を入れていきます」 ここで断っておくが、「お茶の輸出増」という「お茶」は、あくまで純粋な茶葉に限ってのもの。そのため農林水産省の関係者は、こうも言う。 「茶葉だけでは100億円程度だが、お茶をペットボトルにしたもの、つまり清涼飲料水の分野まで入れると、裾野は限りなく拡がります。実際、海外の人たちに言わせれば、日本のお茶はペットボトルも含めて見ていることが多いし、和食にお茶のペットボトルという組み合わせもよくあります」 ペットボトルのお茶と言えば、トップメーカーは伊藤園だ。同社の海外での評価はすこぶる高く、消費量も年々上がっているという。昨年、同社は米経済誌『フォーチュン』の、“社会に変革をもたらした企業”として、日本企業では最高位の18位に挙げられた。 伊藤園の広報部担当者はこう語る。 「海外への輸出額は年々増加していますが、特に伸長率が高いのは抹茶製品で、'16年におけるアメリカへの抹茶製品の輸出は、前年比約2倍になっています。また、シリコンバレーでは地道な営業活動を行い、ある企業では『お〜いお茶』が毎月3000ケースも飲用されるなど、現地IT企業の中ではブームを起こしています。理由は、緑茶は無糖飲料で健康的な点。しかも、水とは違うナチュラルな風味があるとして人気が高まったことが挙げられます」 海外での緑茶はティーバッグが主流。そのため緑茶本来の美味しさが知られていない場合も多い。そこで、一部企業では製法に工夫し、うま味成分や渋味成分が急須で入れた濃度と同等になるドリップ式の緑茶を開発、人気が高まっているという。また、抹茶のように粉末タイプの健康茶を開発した企業や、オーガニック茶で攻勢をかけるところもある。 一方の日本酒はどうか。 経産省所管の日本貿易振興機構(JETRO)の日本酒輸出担当部局関係者が説明する。 「日本酒の輸出は毎年10%前後ずつ伸びています。酒蔵さんの努力があり、これを官がバックアップして実を結び始めたのです。さらに、世界各地でのプロモーションも大きい。世界のワイン品評会であるIWCに'07年、日本酒の世界一を決めるSAKE部門が設けられ、一流ソムリエに理解され始めたのです」 酒造メーカーでは、例えば、今や日本酒好きなら誰もが知る純米大吟醸酒『獺祭』を醸造する旭酒造(山口県岩国市)は、海外22カ国に販路を広げ、輸出は売上の10%にも上る。将来の世界市場の目標を50%と定め、さらに輸出、海外直営店の展を拡げる。 「加えて旭酒造は、ユダヤ教徒が口にできる清浄食品基準『コーシャ』を日本酒として初めて獲得。全世界に広がる巨大なユダヤ市場も射程に入れました」(日本酒メーカー関係者) この『コーシャ』認証取得には、玉乃光酒造(京都市)、南部美人(岩手県二戸)なども続く。また、直営店経営では月桂冠(京都市)も共同でロンドンに高級居酒屋を展開している。 兵庫の日本盛(西宮)の広報担当者も、海外戦略についてこう明かす。 「香港、シンガポールなどアジアに積極的に輸出を展開します。人気の純米大吟醸もいいんですが、今後は独自商品、缶入り生原酒販売で売り上げ増を目指します」 国内市場が先細る中、各メーカーは質の向上を目指してシノギを削るとともに、世界に打って出る!
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社会 2017年02月24日 10時00分
人が動く! 人を動かす! 「田中角栄」侠(おとこ)の処世 第57回
総理大臣に就任、「日本列島改造計画」の推進、実施に踏み切ったが、結果、土地と物価の高騰を招き、計画そのものの中止をやむなくされた苦境の田中角栄だったが、メゲることなく政権浮揚策を外交に求めた。昭和48年9月26日、16日間の日程でフランス、イギリス、西ドイツ(現・ドイツ)、ソ連(現・ロシア)への外遊に出発したのである。 田中は、「大名行列はやらない。カバン一つ、同行は秘書官とSPだけで十分。それで列強と交渉する」と意気込みを語っていた。その狙いは「資源外交」で、仏では原子力発電所のためのウラン濃縮工場に関する共同声明を発表。英と西独ではそれぞれ北海油田の共同開発と原発の共同開発に関する合意文書を交わした。 次いで向かったのが、鳩山一郎に次ぐ戦後2人目の首相としての訪問となるソ連であった。ここでは、同行記者のこんな証言がある。 「モスクワ入りする前、田中は言っていた。『シベリア開発には協力するが、狙いは一つ、“北方領土(歯舞、色丹、択捉、国後)”の返還だ。他のテーマは話す気はない』と。ちなみに、経済協力としてのシベリア開発では、田中らしい知恵が働いていた。シベリアには多くの風倒木寸前の樹木があり、これを日本の木材価格の3分の1くらいで引き取り、それを国内の住宅建設に使おうとしていた。結局、交渉相手のソ連のトップ、ブレジネフ書記長が北方領土問題で言を左右して時間がかかり、“木材買い付け”話まではいかなかったが」 その北方領土返還交渉は、相手がなにしろタフ・ネゴシエーター(強力な交渉者)として鳴るブレジネフだけに難航した。 そもそもこの問題は、日本側が昭和31年10月に時の鳩山一郎首相らを全権とし、「戦争状態の終結」「外交関係の回復」をはじめ「平和条約締結のための継続交渉、並びに条約締結後の歯舞・色丹両島の日本への引き渡し」など10項目をソ連側と署名した「日ソ共同宣言」に端を発する。 しかし、その後、ソ連側は平和条約締結を逡巡、北方領土返還交渉は暗礁に乗り上げたままになっている。 昨年暮れ、安倍晋三首相がロシアのプーチン大統領との首脳会議で返還交渉に意欲を示したが、プーチンは歯牙にもかけず帰国してしまったのは読者諸賢にも記憶に新しいところだろう。 さて、田中とブレジネフ書記長との交渉は「火の出るようなやりとりだった」と、前出の同行記者は続ける。ブレジネフは日本側の経済協力問題には応じるが、いざ田中が領土問題に入ろうとすると、すぐ話題をそらしてしまうのだった。 「田中はソ連滞在中、イラ立ちを隠さず度々ウオッカをあおっていた。共同声明を出す最後の首脳会談は、凄まじい応酬だった。田中は共同声明に『“領土”の文言を入れないなら経済協力は無理、声明を出さずに帰国するッ』と迫る一方、日本側の案である『第2次大戦からの未解決の問題を解決して平和条約を締結したい』と畳み掛けた。ところが、ブレジネフもさる者、“問題”の意味が領土問題に絞られると警戒、“諸問題”とせよと切り返してくる。“諸問題”なら経済協力問題を含むとの言い分だったようだ。そこで、田中は求めた。『分かった。それでは“諸問題”で結構。それなら、“諸問題”に領土返還問題も含まれていると解釈したい。それでよろしいかッ』と」 ついにブレジネフは田中の迫力、粘りに根負けしたか、「領土」の文言を入れることは最後まで拒否したが、「諸問題」とした中に、「領土」が含まれていることを口頭で了解したのだった。結果、共同声明は、「双方は第2次大戦のときからの未解決の諸問題を解決して平和条約を締結することが両国間の真の善隣友好関係に寄与することを認識し…」などとなったのである。 以後、先の安倍・プーチン会談を含め、歴代のわが政権は平和条約締結、北方領土返還問題にチャレンジしたが、この田中・ブレジネフ間の共同声明から40年以上経過しているにもかかわらず、1ミリたりとも進展、成果を見せていない。田中以後の歴代政権の“腕力”の乏しさも、また見ざるを得ない。 さて、ソ連訪問でいささか成果を得たとの認識だった田中は、年が明けた昭和49年1月、改めて「資源外交」を秘めた親善外交としてのASEAN(東南アジア諸国連合)国のフィリピン、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア5カ国歴訪に出た。しかし、当時の日本の経済進出に対する不満は各国に渦巻いており、「さっさと帰れ、エコノミック・アニマル!」などのシュプレヒコールを浴びるなど散々、歴訪は完全にウラ目に出たのであった。 加えて、窺っていた内閣の第2次改造もできる状態になく、前年から患っていた顔面神経炎も治らずで顔もヒン曲がってしまった。さすがに、田中も弱音を吐いた。「顔が曲がったのは神のおぼしめしかな。前世の宿縁というものかねぇ…」 その内憂外患の田中に、もう一つの暗雲が忍び寄っていた。「金脈」追及というぶ厚い雲が“豪雨”を伴っていることを田中はまだ知らなかった。(以下、次号)小林吉弥(こばやしきちや)早大卒。永田町取材46年余のベテラン政治評論家。24年間に及ぶ田中角栄研究の第一人者。抜群の政局・選挙分析で定評がある。著書、多数。
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社会 2017年02月23日 14時00分
開始前からシラけムード漂う「プレミアムフライデー」
経済産業省が旗振り役となり2月24日からスタートする『プレミアムフライデー』は、月末の金曜日15時に業務を切り上げ、夕方からショッピングや食事、旅行やレジャーを楽しもうという取り組みだ。 「この施策は、推進協議会に日本百貨店協会や日本チェーンストア協会などの小売業界団体が名を連ねていることからも分かる通り、何とかして個人消費を喚起しようというものです。しかし、効果は一時的と見る向きが多い。そもそも金曜日の午後3時に社員が退社できる環境にある企業が、世の中にどれだけあるのか。さらに言えば、退社時間17時の企業がわずか2時間早く退社しただけで消費が高まるとは思えません」(経済誌記者) 限られた小遣いでやりくりする多くのサラリーマンにとっては、早く帰宅して家で夕食を食べて過ごす人がほとんどかもしれない。 「本当に飲食店や小売業界に対する消費を上げたいのであれば、2000年から始まった“愚策”だったハッピーマンデー制度を廃止し、祭日の分散を元に戻すことです。サラリーマンにとっては“休みになる前日”を増やしてもらう方がありがたい。『心置きなく飲める』など、居酒屋を中心とした飲食業などにとってはメリットが大きく、即効性が期待できます」(同) ハッピーマンデーが施行された頃は、観光業の衰退が問題視されていた時期。3連休を増やすことで国民が旅行をする機会を増やしたいという国の意向があった。しかし、今やどの街も外国人観光客であふれ、宿泊施設は満杯だ。もう賞味期限が切れた法律であることは言うに及ばない。 「アベノミクスで賃金を上げると息巻いた安倍政権も5年目に入った。にもかかわらず、意図した賃金上昇は実現していない。だから、『時間だけは与えてやる』で、ごまかそうとしているのでは」(経済アナリスト) 最初からシラけた雰囲気が漂うのもムリはない。
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社会 2017年02月23日 10時00分
わずか4年で党本部“再お引っ越し” 追い込まれた社民党の断末魔
党勢低迷から抜け出せない社民党が、またもや党本部を移転する。同党は2013年、国会近くの旧党本部から、首相官邸裏手のオフィスビルに移転したばかり。わずか4年での再引っ越しとなるが、何が起こっているのか。 「そもそも今の党本部が分不相応なんですよ」と吐き捨てるように語るのは、党関係者。現在の党本部はビルの2フロア分で、党首室や会議室、職員室など約700平方メートル。賃料は年間約4500万円に及ぶ。確かに所属国会議員4人の小政党にしては過ぎた佇まいだ。 「職員の間では旧本部からの引っ越しの際、こんなに高家賃で大丈夫か、との不安の声もあったが、メンツにこだわる幹部が押し切った。そもそも旧本部が老朽化して改修費用を負担できないから移転を余儀なくされたのに、現本部は内装を一新して事務机も椅子もすべて新調する大盤振る舞い。つまるところ、野党第一党時代の意識が抜けていないんです。それで再引っ越しなんて、物笑いのタネですよ」(同) 5月までに、現在の家賃の3分の1以内の物件に移転する方針だが、新本部探しは難航しているという。 「一度は色よい返事をもらった物件でも、オーナーが社民党と知って掌返しで断られたケースもあったとか。都内に限らず、担当者は新横浜まで当たったそうですよ。どこまで“都落ち”するのやら」(同) 党財政はまさしく火の車だ。吉田忠智党首も落選した昨年の参院選惨敗を受け、'17年度の政党交付金は前年から4600万円も少ない約3億9500万円まで落ち込む見通し。別の党関係者からも、「このままでは'17年度中の資金ショートが現実味を帯びる。年内の解散総選挙が必至なのに一体どうするのか」との声も聞こえてくる。 「党職員から早期退職も募っている。地方組織代表の交通費や宿泊費を減らすため、毎週開いていた常任理事会も2月から隔週開催にしたのに、吉田さんは何かにつけて地元大分県から上京したがって担当者は頭を抱えている。少し静かにしていてほしい」(同) 老舗政党の悲しき実情。
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社会 2017年02月22日 14時00分
米中「貿易戦争」が引き起こす第3次世界大戦という最悪のシナリオ
「ベリー ベリー ベリー グッド ケミストリー(抜群の相性だ!)」とまで言い、握手嫌いにもかかわらず19秒間という異例の長さで自ら手を差し伸べた米トランプ大統領。なぜ、ここまで安倍首相を厚遇するのだろうか。「安全保障」と「経済」を密接に絡ませ合ったパートナーシップが確立し、中国つぶしで一致したからなのか…。 トランプ政権が対中国強硬策にかじを切るのは、閣僚の顔ぶれを見れば明らかだ。新設された国家通商会議の代表には、ピーター・ナバロ氏が起用された。同氏は『中国による死』などの著作で知られる筋金入りの親台湾反中国派だ。また通商代表部代表に起用されたロバート・ライトハイザー氏も、中国製鉄鋼材のダンピング(不当廉売)輸出を批判するなど対中強硬派として知られる。今後、トランプ政権の通商戦略はこの両氏が司令塔となって進められることから、米国が中国つぶしに取り掛かることは必然的な流れだろう。 「他にも政権内部にはカルテルやトラスト、コンツェルンという独占活動を規制する反トラスト法の専門家が多く入っており、すでに中国企業のM&A(合併・買収)が頓挫するケースが増えています」(在米日本人ジャーナリスト) 在米華人は約450万人、このうち220万人が有権者だ。祖国からの不法移民の急増で、彼ら正統な移民が就労の機会を奪われており、こうしたことからこれまでの民主党支持を捨て、トランプを支持した。しかし、中国と米国の対立構造が顕著になると、彼らの立ち位置は微妙になる。 「台湾を中国の一部と見なす『一つの中国』の見直しを表明するなど、トランプは各方面から中国を揺さぶっています。2月9日に習近平国家主席と電話会談を行い、この原則を尊重するとは言ったようですが、昨年末に駐中国大使に任命したブランスタド・アイオワ州知事の顔を立てたにすぎません。同氏は習主席と親交があり、『旧友』と呼ぶくらいの仲ですからね」(同) 一方、中国の内憂は何と言っても経済の衰退だ。1月13日、中国税関当局は2016年の貿易統計を発表したが、輸出額は前年比7.7%減、つまりこれまで中国の高度成長を支えてきた「輸出」という柱が大きく棄損しているのだ。 「中国は国家運営の根幹となる穀物輸入を米国に頼っており、輸出がマイナス成長となると虎の子である外貨準備高は見る見るうちに減っていき、国家運営がうまく機能しなくなる恐れがあります。そして、沿岸地域の労働密集型の輸出向け産業は破滅的な打撃を受けて倒産が広がり、失業者が溢れるようになる。トランプは『中国を為替操作国に指定する!』『中国製品に45%の報復関税を課す!』と公約しており、中国は自由経済と計画経済の“いいとこ取り”をする形で国際社会における存在感を拡大してきたので、その歩みはストップせざるを得ない。約50%と最大の輸出相手国である米国が本格的な“通商戦争”を仕掛ければ、貿易への大打撃という外患と経済の衰退に加え、習近平主席vs李克強首相という権力闘争激化の内患が加わり、かつての日米間以上に激しい貿易・経済摩擦に耐え切れず、中国は第3次世界大戦、いわゆる世界経済戦争での敗北を余儀なくされる。もちろん、中国とは切っても切れない関係にある日本も無傷では済みません」(国際情勢に詳しいジャーナリスト) 中国製品は日本の部品を組み立てているにすぎず、日本製や韓国製のような付加価値や優位性はない。中国製品を選ぶ理由は低価格だけだが、そこに公約通りに45%の関税が課せられれば、中国経済は即座に“昇天”だ。 「昨年末、経済産業省はWTO(世界貿易機関)の『市場経済国』に中国を認めない方針を発表しました。日本と同様に米国やEUも認めていないため、日米欧は不当に安い価格で輸出される中国製品に対して、反ダンピング措置を取りやすい体制を整えたわけです。日米欧は、あらゆる手段で中国の競争力を奪う方向に向かっているのです」(経済アナリスト) あえて言えば、トランプ政権内における中国の味方は唯一、長女のイヴァンカさんしかいない。 「彼女は2月1日、ワシントンの中国大使館で開かれた旧正月を祝うパーティーに娘のアラベラちゃんと参加し、京劇を楽しみました。まだ5歳のアラベラちゃんに中国語を習わせるほどの中国シンパです。一方、習主席に近いアリババのジャック・マー会長もトランプと会い、米国内に10兆円の投資と100万人の雇用を生み出す約束をしています。ソフトバンクの孫正義社長が5兆円投資なら、アリババは10兆円というわけです。トランプ大統領は、孫社長と同様にマー会長との会談のときも、わざわざ記者団に『マーは偉大な実業家』と誉めちぎっています。米国の世論軟化を狙ったパフォーマンスにすぎませんが、孫社長もマー会長も、そして安倍首相も、トランプ大統領にとっては飛んで火に入る夏の虫かもしれません」(外交関係者) いくら安倍首相をヨイショしようと、トランプ大統領の「雇用を外国から取り戻す!」という“公約”が変わるわけではない。 TPPに取って代わる日本との自由貿易協定の締結を視野に、自動車貿易や為替の分野で厳しい要求を突き付けられる恐れが消え去るわけではないのだ。
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