社会
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社会 2017年02月22日 10時00分
森永卓郎の「経済“千夜一夜”物語」 核心に迫る日本批判
トランプ大統領が、ついに核心に迫る日本批判を始めた。 1月31日、米国の大手製薬会社幹部との会談のなかで、「他国は、通貨やマネーサプライ、通貨の切り下げを利用し、我々より優位に立ってきた。中国をみてみろ。日本がこの数年でやってきたことをみてみろ。彼らは何年にもわたって通貨を切り下げ、市場を操ってきた」と、中国や日本の金融政策を批判し、米国の製薬会社が被害を受けているとしたのだ。 この日本批判に対して安倍総理は、2月1日の衆院予算委員会で、日本が為替を操作したという事実はなく、金融緩和について「2%の物価安定目標に到達するために適切な金融政策を日銀に委ねている」と述べている。加えて、日銀の黒田東彦総裁も「物価安定のために金融緩和を進めることは、G20各国もすべて了解している」と、為替操作を否定した。 このポイントは、トランプ大統領が円安を批判したのではなく、日本の金融政策自体を批判したところにある。 金融緩和をすれば、通貨安がもたらされるというのは、経済学の教科書にも書いてある“常識”だ。しかし、それを公の場で言ってはいけないという不文律がある。もし、それを公式に認めてしまうと、各国が自国通貨の供給をどんどん増やし、通貨安に誘導する“通貨安競争”を招いてしまうからだ。通貨安競争の先には、世界インフレが待っている。 もちろん、安倍総理も金融緩和を進めれば、円安になることは当然分かっている。分かっているからこそ、金融緩和を頑なに拒んできた日銀の白川方明前総裁の任期切れと同時に、金融緩和派の黒田総裁を任命したのだ。 だから、トランプ大統領の主張は筋が通っているといえば通っているのだ。ただし、安倍総理はここで譲ることはできないだろう。金融緩和は、アベノミクスの根幹となる基本政策だからだ。 リーマンショック時を基準に日米の資金供給量(マネタリーベース)の動きをみると、一貫して米国のほうが金融緩和の度合いは大きかった。そのため、民主党政権末期には1ドル=70円台という円高になってしまったのだが、日銀が黒田体制になってから、急激に日本の資金供給が増えていく。そして、一昨年末に米国がゼロ金利解除をすると、米国の資金供給が横ばいから減少に転じたため、昨年には、ついに日本の資金供給が米国を抜いてしまったのだ。 つまり、トランプ大統領の日本批判は、「子分の分際で親分を抜くとは何事か」ということなのだ。 これにより安倍総理は、難しい立場に立たされた。もし、ここで金融引き締めに転ずれば、アベノミクスは崩壊し、日本はデフレに逆戻りだ。だから、結局のところ、トランプ大統領に生贄を渡して、金融緩和を継続させてもらう可能性が高いのではないか。 しかし、そうなると牛肉やコメなどの日本の農産物を犠牲にするとか、米国から大量の武器を購入するとか、日本の医療や保険を米国に開放するなどといったことが避けられない状態になる。 最終的に、日本の国民生活が厳しくなることは確実だろう。
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社会 2017年02月21日 14時00分
東京・足立区騒然! 鳥インフルエンザ検出でヒト感染への恐れ
ついに東京都足立区へも感染が拡大した。2月3日、同区内の住宅街で回収されたオナガガモ1羽の死骸を遺伝子検査した結果、A型の鳥インフルエンザウイルスの陽性反応が出たという。都内で鳥インフルエンザが確認されたのは2年ぶりのこと。感染を防ぐため、上野動物園や多摩動物公園では鳥類展示を中止するなど、波紋を呼んでいる。 「鳥インフルエンザは1、2年のうちにパンデミック(世界的流行)するかもしれないし、明日なっても不思議ではない状況にあります」 こう警告を鳴らすのは、インフルエンザの事情に詳しい元小樽保健所所長で医療ジャーナリストの外岡立人氏だ。 「鳥インフルエンザにも様々な種類がありますが、お隣の中国には世界中の鳥インフルエンザウイルスがいる。言葉は悪いが、鳥インフルエンザの再生工場の趣を呈しているのです。現在、中国でもの凄い勢いで広がっているのが、H7N9のタイプで、2013年に出てから感染者が倍増した。しかも、致死率40%という驚くべき毒性がある。もし、こんなものがパンデミックになったら、人類の滅亡の恐れさえあります」 1918年から翌年にかけ、アメリカを発生源としたインフルエンザのスペイン風邪は、爆発的に流行し、全世界で感染者5億人、死者5000万人から1億人という被害をもたらしたが、今はその時以上の危険を孕んだ状況なのだ。 「このまま行けばパンデミックもあるなと心配していたら、H5N6型の低病原性のウイルスに感染した鶏が、中国からミャンマーに輸出されていた。しかも同タイプは、韓国や日本でも確認されている。こちらもいつ、ヒトからヒトへ感染するタイプに変異するか分からないので、それが非常に心配です。このようなことは、人類の歴史上なかったことです」(同) H7N9型は、鶏に対しては致死性が低く、低病原性に分類されるが、人に感染すると致死的病原性を発揮するという。これまで1000人以上の感染者が発生し、約350人が死亡している。そして2016年秋以降、感染力が増しているのか、例年になく異常な拡大ぶりを見せているのだ。 「初期症状は通常の季節性インフルエンザと同じですが、数日以内に重篤化し、多くが死亡に至ります。幸いなことに、これまでヒトからヒトへの感染の事例は数件ですが、今後、どうなるかは未知数。潜伏期間は約10日間で、その間に日本に入ってくる中国系旅行者が危険。彼らの風邪症状については、鑑別が非常に重要になってきます」(同) 鳥インフルエンザは、感染した家きん、あるいは野生鳥などの体液・排泄物への濃厚な接触や飛沫を吸入することにより、ヒトへ感染している。北西の風が吹き荒れる今の季節で心配なのは、ウイルスの空気感染である。 「感染野鳥の排泄物に混じった鳥インフルエンザウイルスは、排泄物が乾き、空中に舞いだすと、空気感染を起こす危険が出てきます。数キロ先の農場までウイルスが拡散した事例もありますからね。感染した野鳥が飛び交う地域の空中には、乾いて粒子状となった排泄物に混じって、ウイルスが空中に飛び交っているのです。微量では鳥だけに感染し、ヒトへの感染力は弱いと考えられますが、変異して人に容易に感染するようになれば、パンデミックもありえます」(同) 鳥インフルエンザの中でも、現時点で最も感染が恐れられているのがH5N1型。ヒトや多くの動物に感染しやすい強毒性で、突然変異によってヒトからヒトへの爆発的な拡大が最も懸念されている。 「H5N1は現在、人への感染はあまり起こしていませんが、インドやアフリカでは家きんの間で流行しているのです」(同) では、我々は今後、どのような対策をしていけばいいのか。 「野鳥が衰弱して飛べなくなっていたり、死んでいた場合、鳥インフルエンザに感染している可能性がある。死骸及び周辺の排泄物や、飛び散った羽根にも手足で触れないこと。できるだけ早めにそばを離れ、周辺にいる場合は呼吸を避けること。ウイルスが周辺で排泄物や羽毛などと一緒に浮遊している危険性があるからです。また冬期間、寒い地域ではウイルスが長時間生きていることに留意すること。特に雪の中では数日間は生きていることがあるので、衰弱死した鳥周辺の雪も、当局は消毒する必要があります。家庭の庭で野鳥の死骸が見つかった場合は、即当局に連絡する。調査の上、庭の消毒も行われるはずです」(同) 鳥の死骸を発見、帰宅後は、靴底や手を十分に洗うことだ。 「パンデミックが起きた際の迅速な対応を、行政、医療機関、マスメディアが普段から作っておく必要もあります。一般市民はパンデミックが起きたとき、できるだけ人混みの中に入らないこと。症状のある人間、出始めた人間は自宅で自己隔離し、保健所に連絡して指示をもらいます。これも、保健所が十分機能していればですが…」(同) もはや対岸の火ではない。
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社会 2017年02月21日 10時00分
世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第210回 日米がWinWinになるために
アメリカの商務省が2月7日に貿易統計を発表した。財貨(モノ)の貿易に限ると対日貿易赤字が689億ドル(約7兆7000億円)となり、赤字額が中国に次ぐ2位となったとのことである。特に、トランプ大統領が「不公平だ」と批判する自動車関連で、対日貿易赤字が526億ドルに増加した。 今後、日本はアメリカと2カ国間貿易協定の交渉を進めていく可能性が高い。すなわち日米FTA交渉だが、アメリカサイドは例により日本に「日本の自動車市場が閉鎖的であるためアメリカ車が売れないのだ」などと、言い掛かりをつけてくるだろう。 日本は外国からの自動車輸入に対し、関税を掛けていない。アメリカは、乗用車に2.5%、トラックに至っては何と25%もの関税を掛けている。どちらが閉鎖的なのか、誰の目にも明らかである。 日本の軽自動車を除く国内市場において、すでに輸入車は9%のシェアを得ている。日本の輸入車市場のシェアを見ると、何と過半数がフォルクスワーゲン(&アウディ)、メルセデスベンツ、BMWというドイツ車が占めている。GMやフォードといったアメリカ車は、ベスト10にすら入っていない。 ドイツ車が日本で売れている理由は簡単だ。性能、デザインに加え、「右ハンドル車」が中心になっているためだ。さらには、ドイツ勢はサービスを重視する日本の顧客向けに、日本国内において過去にディーラーネットワークの構築に投資した。 高級感があり、右ハンドル。さらに、購入後のサービスも心配がいらないからこそ、日本国民はドイツ車を喜んで買うのだ。 逆に、アメリカ勢はなかなか日本向けの右ハンドル車を作ろうとせず、ディーラーネットワークへの投資もおろそかにしてきた。しかもフォード社に至っては、2016年1月26日に突然「日本事業から撤退する」とアナウンスし、本当に撤退してしまった。 アメリカ企業の「努力不足」が原因であるにもかかわらず、責任を「日本市場の閉鎖性」に押し付ける。政治力を使い、日本に車を買わせようと、繰り返し、繰り返し、ありもしない「日本市場の閉鎖性」を叫ぶ。これが、自動車分野におけるアメリカ側のスタイルだ。トランプ大統領が真の意味で「製造大国アメリカ」を復活させたいのであれば、この種の政治的な動きは慎むべきだ。政治力で他国に強引に製品を買わせることは、逆にアメリカ製造業の復活を妨げることになるだろう。 ところで、2月3日の衆議院予算委員会で、安倍総理大臣は日米首脳会談において、「インフラ投資などによってアメリカ国内の雇用を生み出し、成長につなげていくことを包括的に説明したい」という考えを示した。とはいえ、日本マネーをアメリカに投じた場合、ドル買い円売りになってしまうため、為替レートはドル高円安に動く。結果的に、アメリカの対日貿易赤字はかえって拡大することになる。 そもそも、「アメリカのインフラ投資を日本が担う」などという意味不明な路線に走らなくても、日本国がアメリカの雇用拡大に貢献する方法はきちんと存在するのだ。すなわち、日本が国内に財政出動を行い、デフレから脱却。内需主導の経済成長路線を取り戻すことである。日本が、自ら健全なインフレ率の下で安定的な経済成長路線に回帰する。そうすることで、日本の生産能力(経済力)が国内の需要に振り向けられることになる。 日本の生産能力が国内に向けば、対米輸出は減る。さらに、内需が拡大していけば、エネルギーや鉱物資源を中心にアメリカからの輸入は自動的に増え、対米貿易赤字は縮小に向かうだろう。 日本政府は内需主導の経済成長実現のために、どうするべきなのか。もちろん、地方の交通インフラ整備への投資拡大だ。 例えば、地方で高速道路と「称する道路」は片側一車線の対面通行で、真ん中にポールを立てて仕切っているところが少なくない。筆者は首都高や東名自動車道に慣れているため、片側一車線対面通行ポール仕切り方式を高速道路と認めることには抵抗感がある。しかも、ポール仕切りの対面通行は悲惨な交通事故の原因になりやすい。 本来、地方において片側二車線、コンクリ仕切りで建設する予定だった高速道路の多くが、実際には対面通行ポール仕切り方式になっている。理由はもちろん公共投資削減路線である。予算を理由に、わが国の地方の高速道路の多くが片側一車線で作られてしまったのだ。情けない限りである。 カネ、カネ、カネと、財務省主導の緊縮財政に誰も逆らえず、最低限のインフラ投資すら実施できず、地方は人口流出に悩まされている。となると、これまた情けない成長否定論者、あるいは「日本衰退論者」たちが、 「地方は人口が減っているのだから、交通インフラの整備は無駄だよ」 と、言い出すのが、わが国の「決まりごと」である。 とはいえ、話は逆なのだ。交通インフラが整備されていない地域の経済が成長するはずがなく、当然ながら人口も減少していく。東京一極集中に歯止めをかけ、地方の人口を増やしたいならば、なおのこと交通インフラに投資をしなければならないのだ。 わが国では、国内の交通インフラ中心に政府が投資する路線に対し、反射的に否定する政治家、学者、官僚、識者が少なくない。しかも、選挙区の区割りが変えられ、地方の国会議員が減らされてしまった。政治的にも、ますます地方のインフラ整備が困難になっているありさまなのだ。 地方のインフラ整備をおろそかにする反対側で、なぜかアメリカへのインフラ投資についてマスコミは礼賛する。まずは「国内」に投資するという普通の発想が、なぜできないのだろうか。 日本が「属国」よろしくアメリカに投資を捧げても、対米貿易黒字は減少しない。何しろ日本の内需は低迷したままで、アメリカからの輸入は増えず、さらに日本国内の生産能力が「外需(アメリカ市場)」に向かわざるを得ない。 日米がWinWinの関係になるためにも、日本国は内需主導型の経済成長を目指さなければならないのである。みつはし たかあき(経済評論家・作家)1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。
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社会 2017年02月20日 14時00分
人が動く! 人を動かす! 「田中角栄」侠(おとこ)の処世 第56回
「日本列島改造計画」へ踏み込んだことにより、工場誘致地区に指定された候補地周辺の地価の値上がりを当て込んだ商社をはじめとする大企業が次々と“買い占め”に出、地価はアッという間に暴騰した。 例えば、昭和48年4月、建設省が公表した全国5490地点の地価は平均約30%、首都圏に限れば35%も暴騰したことを明らかにした。また、高騰したのは土地だけではなく、一般物価も凄まじいばかりの勢いで高騰、毎月1.5%〜2.0%ずつ上昇し続けた。わずか半年ばかり前には「今太閤」「庶民宰相」と喝采を浴びた田中角栄だったが、ここに至ってもはや昔日の面影はなく、人心は離れる一方となったのである。田中の着想の素晴らしさは誰もが認めたが、「負」の側面が現れるや国民の多くが手のヒラを返したということだった。 当時の田中首相番記者のこんな証言が残っている。 「地価の暴騰、インフレの高進、さらには前年暮れのよもやの総選挙での敗北も手伝って、田中の普段の表情は大きく変わった。これらはすべて“想定外”ということで、悩みは相当に深かったと思われた。持ち前の明るさは消え、『分かったの角さん』から『だんまりの角さん』と呼ばれるようになっていた。さらに追い打ちをかけたのは“オイルショック(石油危機)”だった。折から顔面神経痛を患ったため顔が歪み、歯切れがよく分かりやすかった国会答弁も次第に不明瞭になっていったものです」 立ち往生する日本列島改造計画に、あたかもトドメを刺すかのようにオイルショックが日本列島を襲ったのはその年(昭和48年)の秋であった。 OAPEC(アラブ石油輸出国機構)が、この年10月に勃発した第4次中東戦争を有利に導こうと、イスラエル友好国に対する原油価格の値上げと原油自体の供給削減を決定、ために原油価格は一挙に4倍にまで急騰、折からのインフレの高進と相まって、日本は未曾有の経済危機に直面したということだった。 「角福総裁選」で敗れ、行政管理庁長官として入閣していた福田赳夫は、これを評して「まさに狂乱物価」と批判した。地価や物価の高騰はとどまることなく、国民も一種のパニック状態に陥ったものだった。石油がなくなる、トイレットペーパーがなくなるという不安心理から、全国の主婦が争って買い求めるという“トイレットペーパー騒動”も起きたのだった。 田中にとってはまさに緊急事態発生、もはや列島改造を云々しているときではなかった。田中内閣は「石油緊急対策要綱」「消費節約運動」などを立て続けに発表、事態の収束に努めたが効果なく、むしろこうした施策が国民の不安心理を煽る結果ともなった。人間、良いことは重ならないが悪いことは重なる。そうしたさなかの11月23日、右腕と頼んでいた大蔵大臣の愛知揆一が急死したのも田中にとっては“痛打”であった。 田中はこれを機に、政権基盤の再構築、体制強化を狙って愛知死後の翌々日の25日に内閣改造を断行、愛知の後釜の蔵相に財政通と評判だった福田赳夫を起用した。その頃の福田は、 「角さんの強気はいかにも心配だ。これでは超高度成長そのもので、インフレ加速が避けられないだろう」 と、田中批判にさらに声を強めていたのだった。 苦境の中での蔵相就任要請をした田中と福田の間にはこんなヤリトリがあった。 「国際収支も大赤字のいま、もはや財政、経済とも政策転換をするしかない。それをのんでくれた上で全権を任せてもらえるなら引き受けるが」と福田。これに対して、田中は「しかし、列島改造の一枚看板を下ろすわけにはいかない」と逡巡、難色の表情を見せた。福田が言った。「それでは、とても蔵相は引き受けられない」。しばし沈黙の後、田中が口を切った。「列島改造は止める。お任せしたい」。 この福田の大蔵大臣起用は、田中の追い込まれた苦悩ぶりが窺われた。福田は長年のライバルであるだけでなく、経済政策的にも田中の高度成長路線に反対するインフレ抑制の安定成長路線を主張していた。言うなら両者は対極的存在で、田中にとっては決定的に列島改造計画の大幅後退を覚悟せざるを得ない決断だったということである。 その福田は蔵相に就任するや徹底した総需要抑制策を取って物価上昇の抑制にひとまず成功、さらにインフレ対策の目安を付けた上で、翌49年7月、蔵相の座から降りた。田中政権は長からずと見て、「ポスト田中」へ向け立ち位置を保ったということだった。 ただし、福田蔵相の手による総需要抑制策により、昭和49年度は戦後初のマイナス成長となったのだった。田中は福田に「任せた」と言った以上、その間、予算に一切の口を挟むことはなかったのである。 そうした苦渋の中、それでも田中は政権再浮揚に腐心した。内政での失点挽回を、外交に向けたのである。かねがね「中国の次はソ連(現・ロシア)だ」としていた懸案の「北方領土」問題解決へ向けての交渉に、ミコシを上げたということだった。(以下、次号)小林吉弥(こばやしきちや)早大卒。永田町取材46年余のベテラン政治評論家。24年間に及ぶ田中角栄研究の第一人者。抜群の政局・選挙分析で定評がある。著書、多数。
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社会 2017年02月20日 11時37分
赤裸々に明かされたNHKの“受信料詐欺”の手口
視聴者が支払う受信料で運営されている公共放送・NHKだが、一部の徴収員が詐欺まがいの手口で受信料契約を結んでいたことを、発売中の「週刊文春」(文芸春秋)が報じている。 実際に各家庭を回り、受信料の契約・徴収をしているのは、NHKが業務委託する地域スタッフや下請けの企業の社員。同誌に対して、長崎県佐世保市内のオフィスに勤務していた元受信料徴収員が“受信料詐欺”の手口を明かしている。 その手口とは、パラボラアンテナなどの受信機器が設置されておらず、明らかに衛星放送が写らない世帯に衛星契約を結ばせるもの。NHKの受信契約には、「衛星放送」と「地上放送」があり、「地上」は2か月前払いで2520円。対して「衛星」は4460円。ターゲットにしていたのは、1人暮らしの高齢者や親元を離れた学生など、受信料に詳しくない人で、契約の違いにあえて触れず衛星契約を結ぶというのだ。 そうしていた理由は、徴収員の給与は歩合制で、衛星契約を多く取れば、その分ポイントが加算され、給与が上がるからだったという。 「都会はケーブルテレビ局やスカパーなどを通して衛星放送を受信しているので、どの家庭が受信しているのかが分からない。一方、地方はいまだにアンテナがある家庭が多く見分けが付きやすく、受信料をきちんと支払っている家庭が多い。ただし、都会に比べ、自身の家庭がどんな受信状況であるかを把握していない視聴者も多いはずで、ターゲットにされてしまっている。この記事を受け、同じような手口の“告発”が相次ぐかも」(放送担当記者) また、父親がすでに亡くなった家庭を訪問した際、本来はその義務が生じないにもかかわらず、事情が把握できていない息子に父親の滞納分を引き継ぐ契約をさせ、会社の業績にしていたというのだ。 元徴収員の告白は波紋を広げそうだ。
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社会 2017年02月19日 14時00分
世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第209回 2016年のインフレ率▲0.3%
総務省から2016年のインフレ率(コアCPI)が発表された。マイナス0.3%。わが国のインフレ率は4年ぶりにマイナスに落ち込んでしまったのである。 1994年以降の日本のインフレ率(年平均)の推移を左ページ(※本誌参照)にグラフ化した。CPIは「総合消費者物価指数」、コアCPIは「生鮮食品を除くCPI」、コアコアCPIは「食料・エネルギーを除くCPI」を意味する。日本銀行はインフレ率について、コアCPIで定義している。 さて、図から、'94年以降に3回、日本のインフレ率が上昇した時期があることが分かる。 すなわち、橋本龍太郎政権による消費税増税、2008年の資源バブル期、そして安倍晋三政権による消費税増税だ。 '08年の資源バブル期は、何しろ「資源」バブルであったため、食料・エネルギーを除くコアコアCPIは上昇していない。 安倍政権期による消費税増税時='14年は、増税と同時に金融緩和も実施していたため、コアCPIで2.6%にまでインフレ率が上昇した。もっとも、内2%は消費税増税分であるが。 消費税増税による物価上昇は、その後の物価下落を引き起こす。さらに言えば、日本銀行が4年近くで300兆円超の日本円(日銀当座預金)を発行しても、政府が緊縮財政をやっている限り、物価が安定的に上昇することはないという「真実」を、安倍政権は証明したわけである。 ならば結局のところ、どうしたらいいのか。 もちろん、政府が需要創出のための財政政策に乗り出さなければならないのだが、「いつまで」やるべきなのか。短期的な財政出動では、日本のデフレ脱却は果たせない。デフレから脱却するためには、安倍総理本人も言っている通り「十分な脱出速度」が必要だ。 さらに、デフレギャップ(総需要の不足)が完全に埋まるまで、財政出動を「継続」することも重要だ。デフレギャップの額が正確にいくらなのか、厳密には誰も分からないため、一般企業(非金融法人企業)の資金過不足を見るべきだろう。 そもそも、資本主義とは企業が負債を増やし、つまりは資金不足となり、投資を拡大し、成長していくものだ。ところが、デフレ期には企業までもが資金過剰(貯蓄)に走り、「民間主導の経済成長」は絶対に実現しない。 だからこそ、政府が資金不足(財政赤字)を拡大しなければならないのだ。 「政府による需要創出の期間」を定めるならば、「企業の資金過不足が資金不足になるまで」となる。 日本の非金融法人企業は'98年のデフレ化以降、延々と資金過剰を続けている。現在のわが国では、資本主義が成り立っていないも同然なのだ。 また、'14年の日本の非金融法人企業の資金過剰は、'13年(22兆円)から10兆円弱へと、大幅に縮小した。もう少しで、非金融法人企業が「資金不足に戻る」というところで、安倍政権が緊縮財政でぶち壊しにしてしまったのだ('15年には、非金融法人企業の資金過剰は、30兆円超にまで拡大してしまった)。 というわけで、日本政府が真剣にデフレ脱却を望むならば、非金融法人企業が(せめて年単位で)資金不足になるまで、財政拡大の継続をコミットする必要がある。非金融法人企業の資金過不足が「資金不足」になれば、一応、民間主導の経済成長が始まったと判断して構わない。 政府は、少なくとも民間主導の経済成長が確実になるまで、財政出動による需要創出を続ける必要があるのだ。 さて、政府の経済政策に大きな影響力を持つ浜田宏一教授(内閣官房参与)が1月末に中日新聞のインタビューを受け、「金融緩和が徐々に効かなくなってきた」との見解を示した。浜田教授はデフレ脱却のために「財政支出の助けが必要」と述べ、金融中心だった政策を修正する必要性を認めたのである。 さらに、浜田教授はインタビューにおいて、現在の日本にとって極めて重要なことをいくつか語っている。インタビュアーが「日本の財政は世界一の赤字を抱えています」と、財務省的な(かつ事実としても間違っている)煽りをした際に、教授は、 「財政を均衡させる考えにとらわれ過ぎだ。政府が潤っても国民が貧しいなら、どうしようもない」 と、筆者としては心から賛同したい回答をしている。 さらに、インタビュアーの「政府が当面借金を返す気がないと、国民に思わせても本当にいいのですか」という突っ込みに対し、 「構わない。経済が成長していれば財政赤字が増えることは問題ではない」 と答え、「それでは歯止めのないインフレになってしまうのでは」という陳腐(かつ、安倍政権が間違っていることを証明した)な「ハイパーインフレ破綻論」に対し、 「長年デフレが続いている。そのような心配をする必要はない」 と、現実を踏まえた正しい回答をしたのである。 もっとも、多くの国民は浜田教授の「正しい発言」に対し、「???」という印象を覚えるのではないか。 すでに、わが国において「国の借金で破綻する」論は、社会通念化している。社会通念をひっくり返すのは時間と根気が必要となる。 それでもやらなければならない。筆者は最近、財務省の「国の借金プロパガンダ」「嘘の財政破綻論」が原因で、わが国が亡国に至り、将来的に中国の属国化する未来以外を想像することができなくなってしまったのだ。みつはし たかあき(経済評論家・作家)1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。
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社会 2017年02月18日 14時00分
森永卓郎の「経済“千夜一夜”物語」 “万里の長城”の問題点
1月26日、米国のスパイサー大統領報道官が、「メキシコからの輸入品に20%の課徴金を課すことで、年間1兆1400億円を調達できるから、“壁”の建設費用はそれだけで捻出できる」と記者に語った。 メキシコとの国境に作るという高さ12メートル、全長3200キロに及ぶ米国版“万里の長城”の建設費は、約2兆8000億円とされるから、メキシコ製品に3年も課徴金をかければ、十分回収できる計算だ。 もちろん、トランプ大統領は、本気でそんなことを考えているのではなく、課徴金は、壁の費用負担を渋るメキシコへの脅しだ。メキシコからの輸入品だけを狙い撃ちにした関税引き上げは、WTO(世界貿易機関)が認めない。しかし、メキシコの最大の輸出相手は米国なので、最終的にメキシコが脅しに屈して、壁建設費用の一部を支払うことになるだろう。 実は、私は不法移民の流入を防ぐために壁を築くこと自体には、反対ではない。法律は守るべきだと思う。ただし気に入らないのは、トランプ大統領の政策に“文化の香り”がしないことだ。 本物の万里の長城(6〜9メートル)よりさらに高い12メートルの壁が延々と建設されたときの状況を想像してみて欲しい。まるで刑務所のような風景が生まれてしまうだろう。だったら少し構造を変えて、壁の頂上に幅を持たせたうえで、サイクリング道路にしたらよいと思う。もし3200キロに及ぶサイクリング道路が誕生したら、世界中から観光客がたくさん集まってくるだろう。 現在想定されている壁の1メートル当たりの建設単価は、87万5000円だ。国土交通省の資料によると、アメリカの高速道路の建設費は、1メートル当たり190万円だ。つまり、いま考えられている壁は、単価が高速道路の半額程度のコストなのだ。だから、天井にサイクリングロードを作ることくらい、十分可能なことだろう。世界一長いサイクリング道路は、すぐに観光名所になるに違いない。 そして、もう一つ、壁の両面には、アーティストに壁画を書いてもらえばよい。壁へのペイントを自由にすれば、書きたいアーティストはいくらでもいる。もっと言えば、壁に絵を描く権利を分譲すれば、建設費の一部を回収することもできる。 例えば、高さ12メートル、幅1メートルの権利を10万円で売り出したとすると、両面で6400億円もの収入が入ってくる。しかも、自分で絵を描ける人は少ないから、権利を取得した多くの人が、アーティストに絵描きを依頼することになるだろう。そうすれば、トランプ大統領の一番の関心事である雇用が増えるのだ。 荒唐無稽のアイデアだと思われるかもしれない。しかし、世界恐慌で4人に1人が失業するという厳しい経済状況を迎えた米国では、失業対策事業の一環として、アーティストを政府が雇って、公共建築物の壁面に絵を描かせることを実際にやっているのだ。 全長3200キロの巨大壁画が完成すれば、これもまた大きな観光名所になることは間違いない。その観光業でも、雇用は生まれるのだ。そうしたアイデアを出さず、ただ単に他国を恫喝し続けるだけでは、米国経済は長期的には反映しないだろう。
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社会 2017年02月17日 14時00分
迫られる継続・撤退の選択 “24時間営業”を巡る飲食業界の苦悩
日本人の働き方が問われ始めている。要は過重労働問題と、それに追い打ちをかける少子高齢化での人手不足だ。そのため、24時間営業を看板にするところが多かった飲食店業界にも、業態見直しの動きが拡大している。 筆頭は、『ロイヤルホスト』や『マクドナルド』。ファミリーレストラン『ロイヤルホスト』223店舗を運営するロイヤルHDは、大半の店舗で行っていた24時間営業店舗を2017年前半で、すべて廃止するという。 狙いを尋ねると、同社の広報担当者は文書で概ねこう回答した。 「'11年、各地域ごとに分社化していた組織を一つにして、ロイヤルホスト(株)となりました。この時、今後の方向性を検討し“豊かな食の時間”をブランドコンセプトの一つとしました。主に、お客様がランチタイムやディナータイムといったお食事をされる時間帯に、安定したサービスと商品を提供していくことと、また従業員の働く環境をよくしていく取り組みを進めること。その一環で営業時間の短縮を行いました。効果は営業時間に店舗責任者がピーク時に在店することになり、お客様へのサービスや料理の品質が安定。従業員も安全安心に働け、従業員間のコミュニケーションの向上も図られ、責任者の精神的負担の改善にもつながりました」 同様に、すかいらーくグループも見直しの動きだ。24時間営業を行う国内428店舗のうちの310店で4月を目途に24時間営業をやめ、さらに深夜2時以降営業していた559店舗の8割も、原則深夜2時閉店に変更する。 経営コンサルタントの1人は、こうした大手ファミリーレストランの動きをこう分析する。 「社会の風潮に照らし、従業員の職場環境改善の圧力増加、深夜の時給アップ、人手不足、深夜客の減少と四拍子が揃ったことで、24時間営業を止めたほうが得策と判断する経営者が増えつつあるということです」 24時間営業見直しは大手ファミリーレストランに留まらない。 低価格路線と24時間営業店舗の拡大で業績を伸ばした日本マクドナルドも、すでに営業時間短縮に舵を切っている。 そんな中、いまだ24時間店現状維持派もある。 ゼンショーHDが運営する牛丼チェーン『すき家』では、全国で4万人超のパート・アルバイトが働いているが人材を確保できず、1964店舗中、24時間を再開できない店舗は約130店舗あるという。それでも、テナントの都合で24時間対応をできない店舗を省いても、1730店舗が24時間営業を死守している。 「人件費も高騰する中、人材確保は大変です。しかし、ほかの飲食店はいざ知らず、我々は日本の食のインフラを支えているという自負があります。24時間対応できずに灯りが消えたときは、多くのお客様から『早く再開して欲しい』という強い要望もありました。そのため現状では、基本的に24時間営業を変えるつもりはありません」(関係者) 対し、同じ牛丼チェーンの『吉野家』も現状派か。 広報担当者の話。 「最新数値で国内は1207店舗。うち、時間限定が581店舗、24時間営業が626店舗です。24時間店が増減しているかは不明です」 『吉野家』の場合は客需要が減少し、深夜営業を取りやめる店舗もあるなど、時代の流れで形態は臨機応変に変わるという。成田空港店ではLCCの利用者が多く、深夜早朝時間帯の客が増えているため、昨年24時間店舗として新規オープンさせている。 このように見直し機運が高まる中、24時間で急成長する飲食企業もある。 「居酒屋チェーン店には、24時間営業の店がたくさんあります。従業員の確保には苦労しているが、負担にならない工夫をこらしている。また、昼食に居酒屋の利益をカバーするほどの人気メニューを作ったり、午後から夕方の時間帯はシルバー世代が“ちょい飲み”をしやすい価格帯にもしている。24時間を有効に使い分け、売り上げを伸ばしている企業も多い」(飲食業界専門誌記者) 立ち食い蕎麦業界でも、東京都内を中心に116店舗を展開する『名代富士そば』(ダイタングループ)は、24時間営業を押し進める。 「一方で、24時間営業+さらなる味で勝負をかける新興勢力も生まれています。ライトスタッフが運営する立ち食いそば・天丼店『いわもとQ』は、都内新宿歌舞伎町や池袋など繁華街を中心に展開。まだ4店舗ですが、客の評判は上々。蕎麦は店が混んでも一度に4食分ずつしか茹でず、天ぷらも注文を受けてから揚げるなどを徹底し、価格もワンコインを中心にリーズナブルですからね」(フードライター) それぞれの舵取りは、今後、吉と出るか凶と出るか。
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社会 2017年02月17日 13時00分
小池百合子都知事が一網打尽にする石原慎太郎と悪党たちの名前
「小池百合子東京都知事の“黒皮の手帳”に記されているという“都政悪名リスト”の全貌が見えてきた。それらの人物について小池氏は、今後も徹底的に潰しにかかる。現時点での筆頭は、もちろん石原慎太郎元都知事です」(都政記者) 2月10日の都知事定例会見で豊洲新市場問題にからみ、記者から「2月中に“1対1”で直接ヒアリングする気はないのか」との質問が出ると、小池氏はイラ立つように「それはこちらが判断すること」とし、「(石原氏は)大変な住民訴訟を抱えておられるわけでございますから、それは日本一の弁護団をお組みになるのかどうなるのか、その辺のところはよく存じませんけれども、都として何があったのかは、まず都議会の方での参考人招致ということをにらみながら進めていきます」と続けた。 豊洲市場の土地購入を巡る住民訴訟で、汚染対策費を考慮せず購入したのは違法として、都民有志が石原氏に約578億円を請求するよう都に求めている裁判。従来、都は“石原氏に責任はない”との立場だったが、小池氏が方針転換し、責任を問う姿勢を打ち出している。加えて2月7日には、石原氏らの議会での参考人招致も急遽決まった。 「6日放送の『直撃LIVE グッディ!』(フジテレビ系)の取材で石原氏は、『私は逃げていない。そのうち面白いことが起こる。来月、ある雑誌が発売されるタイミングに合わせ、小池知事と公の場で1対1の面会を求める』と発言している。小池氏から一方的に攻め込まれていた石原氏が、参考人招致決定の前に先手を打つ形で意地を見せたかったのでしょう」(同) これを受けての前述した小池氏の10日の発言となったわけだが、小池氏は突っぱねる態度だ。 小池氏側近がこう解説する。 「石原氏はここへ来て、大弁護士団を組むのと同時に、側近だった浜渦武生元副知事とも極秘会談を行って小池対策を練ったという。そこで、今まで墓場まで持っていこうとした都政のデータの開示を決意した。つまり、肉を切らせて骨を断つ戦法を取る構えで、築地市場移転に関わった公には出ていない人物を開示するとも聞く。もし、そのパンドラの箱を開ければ、調査の収拾もつかなくなる。それをチラつかせる場として、石原氏は小池氏との“1対1”の場を提案しているのではないか」(政治記者) しかし、「小池さんも豊洲市場移転を見直しする前段階から石原氏やその周辺を徹底して調査し、満を持しての動きだ」と言うのは小池氏周辺関係者。 「小池氏の手帳には、石原氏の悪行の数々が克明に記されているという。都民の血税1400億円をドブに捨てた新東京銀行の恥部や、東京五輪費用の暗部についてもしかりです。さらに、石原氏以外の関わりの深い複数名の人物についても、詳細が綴られている。1対1の面会で揺さぶりをかけてくるなら、小池さんはそれらを正面から暴露する覚悟ですよ」 その端緒を彷彿とさせる出来事があったという。2月3日の定例会見。そこで小池氏は、豊洲の土地購入の経緯を知るキーマンとされる、浜渦元副知事について触れている。 「浜渦氏はその前日に放送された情報番組『ゴゴスマ』(CBC、TBS系)で、昨年の都知事選で小池氏から『選挙中に電話があったが出なかった』と、支援要請があったような発言をした。さらに豊洲問題では、『交渉では汚染の処理は東京ガスが行うことで話がまとまっていた。内々合意はあったが私の退任後に反故にされた。私がいれば、こんなことにはなってない』と明かしている。しかし、小池氏は支援要請について完全否定。しかも、小池氏が1993年に参院から衆院に鞍替えする際、浜渦氏から『兵庫県から衆院選は出ないで欲しい』と要請されたと突如暴露し、『違う部分については私も色んな形で違うと言う』と発言、会見場に張り詰めた空気が流れた。魑魅魍魎の政界において、仕掛けられれば即座にやり返す。その時のために小池氏は、周辺人物に絡む出来事を事細かに記録しているのです」(同) 睨まれた側は凍りつくような話だが、そこには他にどのような人物の名前があると考えられるのか。 「石原、浜渦氏の次は、豊洲の汚染調査の隠ぺい疑惑が浮上している舛添要一前都知事でしょう。さらには移転の旗振り役で、建設において業者との関連が取り沙汰されている都議会自民党のドン・内田茂氏。先日の千代田区長選の惨敗ですでに虫の息ですが、さらに追い打ちをかけることになりそうです」(前出・都政記者) 一網打尽にするその手は、東京五輪関連の人物にも及ぶ。 「開催費を3兆円にまで膨張させた張本人で、建設会社との深い仲が指摘されている組織委員会会長の森喜朗氏。ボート・カヌー会場の『海の森水上競技場』を落札率99.99%で落札し、新国立競技場ではザハ・ハディド案、白紙撤回後の隈研吾案でも受注に成功した建設会社と森氏の関係は明らかにしなければならない。加えて、五輪の方針や選挙でも度々チャチャを入れる石原伸晃経済再生相、丸川珠代五輪担当相も標的となる」(同) 小池氏の悪党退治は、始まったばかりだ。
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社会 2017年02月16日 18時00分
“目は口ほどに物を言う”? わいせつ眼科医の鬼畜ナンパ術
医師という肩書と高級車で女性を巧みに自宅に誘いわいせつ行為に及ぶ。「無理やりやってはいない」と犯行を否認をしているが、下半身を制御できない男の正体は以前にもわいせつ行為で逮捕された経歴を持つ鬼畜ドクターだった。 「同じ方向だから乗らない? 医者だから安心して。夜中は危ないから送るよ」 そんな誘い文句で若い女性をナンパしていた医師が逮捕された。 警視庁赤坂署が、1月31日までに強制わいせつ容疑で逮捕したのは、東京都港区南青山に住む宗正泰成容疑者(41)。昨年10月26日深夜、南青山の路上を歩いていた女性に声をかけ、車に乗せた上で自宅マンションに連れ込み乱暴しようとした疑いだ。 「その夜、宗正容疑者は路上に愛車を停め通行人を物色。若い女性が来ると車をゆっくり走らせて近づき声をかけ、乗り込むと名刺を見せるなどして安心させた揚げ句、自宅まで誘い込んだのです。女性が逃げ出し事件が発覚しましたが、宗正容疑者はその約1カ月前の9月19日にも、自宅マンションのエレベーター内で居合わせた20代女性に後ろから抱きつき、胸を揉むなどのわいせつ行為で逮捕され、保釈中で公判を待つ身だったのです」(捜査関係者) 宗正容疑者は昨年10月3日にオープンさせたばかりの『金町ひかり眼科』(葛飾区)の院長を務める、れっきとした眼科医だった。 「聖マリアンナ医科大学を卒業後、'03年から総合新川橋病院に眼科医として勤務し、'06年には博士号を取得。'06年から'08年までカルフォルニア大学ロサンゼルス校に留学後、母校の聖マリアンナ医科大学で非常勤講師を勤める一方、『金町ひかり眼科』で院長をしていたのです」(社会部記者) 9月の事件では、「(女性が)嫌がっているとは思わず、そのような行為をしてしまった」と弁明していたという宗正容疑者。 しかし、捜査関係者はこう言う。 「昨年下半期、南青山近辺で、車から声をかけたり、犬の散歩を装って女性に近づきマンションに連れ込んで、わいせつ行為をする事例が少なくとも5件以上発生している。これらとの関係性も含め捜査中です」 宗正容疑者は医師の名刺等で信用させたのだろうが、性犯罪は学歴や職種とは全く関係なく起きている。
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