その他
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その他 2015年05月22日 12時00分
【不朽の名作】バブルのカネ余りが実現させた大規模合戦シーン「天と地と」
戦記モノ・歴史モノの映画作る際、大きな問題となってくるのが制作費だ。特に合戦・会戦シーンなどで、当時の時代背景に合った装備を人数分集めなければいけないので、それこそ至難の業。最近はCGなどで人数を水増しして補うことがほとんどだ。しかし、そんな数々のハードルをバブル景気時代の豊富な資金を元にして実現した映画があった。それが今回紹介する1990年に公開された『天と地と』だ。 この映画は海音寺潮五郎著の同名小説を映像化したもので、原作では戦国武将・上杉謙信の生涯を描いている。映画では、さすがに生涯を全て収めるのは難しかったのか、謙信が長尾家の当主になってから、一般に「川中島の戦い」と呼ばれる、武田信玄と対決した「第四次川中島合戦」までとなっている。ストーリーの方は、当時から言われていることだが、原作に脚色を入れ過ぎて、はっきり言ってかなり微妙だ。今更言うべきことはないと思うので、本作が50億円もの巨額を投じて実現させた、合戦シーンに注目してみようと思う。ちなみに、この映画では合戦シーン再現のためカナダロケを敢行し、のべ6万5千人のエキストラを動員している。この人数は、映画のクライマックスシーンとなる、史実の第四次川中島合戦の両軍の動員兵力のおよそ倍にあたる。バブルの好景気が背景にあったから実現できたことで、今後こんな人数を動員する合戦シーンが作られることもないだろう。 まずは、第一次川中島合戦のシーンに注目してもらいたい。初めて謙信が信玄の軍勢に対峙するところなのだが、丘から信玄サイドの「魚鱗の陣(ぎょりんのじん)」がはっきりと確認することができる。CGもない当時に、陣形を上から見下ろす形で見せるというのは、陣形を再現できるエキストラをそろえなくてはならないので、凄いことなのだ。「魚鱗の陣」は、その名の通り、魚のうろこのような編成が特徴で、数百人程度部隊が、それぞれ間隔をあけて密集陣を三角形型になるように敷いている。映画でもその様子がはっきりとわかるので、丘から見下ろすシーンで、陣形に詳しい人なら劇中でのセリフがなくてもわかることだろう。伝令が馬で駆けて、陣形を指示しているシーンもあり、かなり細かくやっている。このシーンについては歴史マニア・合戦マニアも納得の演出だろう。 しかし、次のシーンあたりから早速雲行きが怪しくなってくる、謙信の軍勢が川を渡河する際、まるで昔の警察機動隊のような金属製の盾を持った鉄砲隊が登場し、戦場を駆ける。これだけならばまだいいのだが、両軍がにらみ合っている最中に、劇中では、信玄の側室という設定になっている八重率いる女武者部隊が現れる。しかも川越しに謙信の陣と対峙し口上をしたかと思ったら、次のシーンでは謙信に狙撃されてあっけなく討ち死にする。百歩譲って女武者部隊がいるとしても、やり取りが唐突すぎて困惑しかない。一応は、そのシーンの前に、謙信が隠居すると春日山城を抜け出した際に、八重に会うシーンがあるにはある。その時は八重の乗った暴れた馬を身分を隠した謙信が抑え、無礼を働いたということで、手討ちになりそうなところを謙信家臣が身代わりに切られるが、そのシーンの因縁を表現しようとしたのだろうか? その辺りは描写不足で全くわからない。でも渡河シーン自体は地鳴りのような馬の効果音などが臨場感を出し、結構いい感じだ。 第二次、第三次川中島合戦はこの映画では明確な描写はされていなので、次は第四時川中島合戦の話となる。この合戦、史実だと武田勢は信玄の弟の信繁を始め、山本勘助、諸角虎定、初鹿野忠次など有力な家臣を一度に失った戦いと伝えられており、上杉方もかなり多数の死傷者を出している。動員した兵力は武田勢が約2万人、上杉勢が約1万3千人。この合戦の後は、織田信長の台頭で状況は変わってくるが、この当時、兵力1万を超える軍勢同士が激突して、多数の損害を出しながら戦うという状況になることは少なかったらしい。 その戦国時代でも有名な激戦を再現するため、この邦画では他で見たこともないほどの人数のエキストラを使っている。武田勢の甲冑は赤で、上杉勢は黒でそれぞれ統一されており、両軍が対峙する場面ではかなり目を引く。この合戦は妻女山に籠もる謙信を別働隊の攻撃で、平野に誘導して包囲しようとする、信玄の策を読んで、逆に謙信が武田本陣を急襲したことで発生したと伝えられている。本作もそれに習い、しつこく濃霧の出るタイミングを謙信が地元の武将に聞き、武田本陣の飯だきの煙の多さに何か大きな動きを確信する謙信のシーンなどがある。 濃霧の中突然現れた上杉勢に対し、信玄は魚鱗の陣から、防御に優れる「鶴翼の陣(かくよくのじん)」に変更するよう指示する。この陣形は両翼を前方に張り出し、V字の形を取る陣形で、ここでも陣形の形成をかなり詳細に描写している。この映画、他はともかく、とにかく陣形の作り方が凄い。陣形を変更する風景まで描写する映画は本作以外にないかもしれない。 しかし、ここで問題となるのが謙信が自軍に敷いた「車懸りの陣(くるまがかりのじん)」だ。この陣形、実はどんな陣形だったのか現在でも詳細が明らかになっていない。魚鱗や鶴翼などの陣形は、中国の孫子、呉子、諸葛亮などが考案し日本に伝わった「八陣」の陣形の中に含まれるもので、陣立ての詳細はわかっている。しかし車懸りの陣は、越後で生まれた独自の陣形と言われており、大将を中心に、その周囲を各部隊が円陣を組み、車輪が回転するように入れ代わり立ち代わり各部隊が攻めては退くとも、戦場に到着するなり全体を素早く展開させて、一斉攻撃し敵に圧力をかけるものとも言われている。また、江戸時代の読み物での創作という説もある。 この映画でも車懸りの陣をどう見せるか苦労したのだろう、上杉勢は濃霧の中をなぜか全軍でお経を唱えて現れる。とにかく凄い陣形であるということを表現したかったのだろうが、ちょっと笑ってしまう場面でもある。 合戦は鉄砲の撃ち合いから始まり、その後、槍隊での競り合いという流れ。この辺りは他の戦国時代を扱った映像作品でもよくやる演出だが、規模が段違いだ。引きで撮った映像なのに一面が両軍で埋め尽くされる。しかし、迫力はというと、これがイマイチなのだ。NHK大河ドラマなどで真横から撮ったシーンの方が臨場感を感じるほどだ。人数が多いからといって、引きのカットを多用するのも良くないようだ。しかも、甲冑のカラーを2色に限定したせいか、よく北朝鮮でやっているマスゲームをしているように見えてしまう。 ここから合戦の演出もかなり微妙なものになっていく。信玄が手薄になった部隊の増援として、「諏訪神軍」という史実にも原作にも一切登場しない、バカでかい太鼓を鳴らしながら進軍する部隊を派遣するのだが、これが見せ場もなく、側面から銃撃を受け、あっさり総崩れになってしまう。 元ネタは、信玄が信濃攻めで吸収した、諏訪頼重の遺臣で構成された、「諏訪衆」だとは思うのだが、これではなんのために登場したかわからない。バカでかい太鼓はおそらく諏訪太鼓なのだろう。信玄の軍記物「甲陽軍鑑」では、信玄が命令伝達のために諏訪太鼓を使用したと伝えられているが、もちろんこんな大型でもなく、前線を無防備で進むこともない。NHK大河ドラマ『信長 KING OF ZIPANGU』でも、長篠の戦いで騎馬隊の突撃の合図として諏訪太鼓が出てくるが、このシーンは濃霧の中で響く太鼓の音が、段々と馬の蹄の音にかき消される演出になっており、かなり緊迫感がある。 さらに、第一次川中島合戦にも登場した女武者部隊も合戦の最中に突然現れる。もちろん原作にこんなシーンはない。しかもこれがまた、なんの見せ場もなしに全員討ち死にしてしまう。主君である八重を謙信が撃ち殺したので、謙信に何か一矢報いる演出かと思ったがそうでもなかった。こんな部隊を出すのなら、信玄が良く使ったと言われてる、投石部隊でも出して欲しかった。 そしてこの困惑の合戦劇の極めつけが、謙信が手勢の旗本衆と信玄の本陣に奇襲をかける場面だ。まるでモーセの十戒の様に、武田勢の軍勢が2つに割れていく。せめて蹴散らすくらいはしてくれ。しかも、本陣に肝心の信玄がいないという肩透かしまで視聴者は喰らうことになる。 史実かどうかはともかく、この合戦のメインイベントは、本陣での謙信と信玄の一騎打ちにあると言ってもいい。言い伝えでは、本陣を単騎急襲した謙信の太刀を床几に座したままの信玄が手に持っていた軍配で3度受けたとされている。これはもう、黄門様の印籠や、遠山の金さんの桜吹雪のように“お約束”で入れなければいけないシーンではないだろうか。斬新な演出で驚かせたかったのはわかるが、そのかわりの一騎打ちが河原での馬上チャンバラ合戦ではなんとも締まりが悪い。しかも、ここで信玄は謙信の太刀を受け切れず落馬しており、見方によっては合戦の結果を知らない人だと、信玄が討ち取られたようにも誤認されかねない。 この一騎打ちの後は、謙信がそのまま、またモーセ状態で帰還して終了する。人数を使っただけあり、合戦の迫力は所々あるのだが、全体で考えると残念な部分が多い。監督を担当したのは、角川春樹氏である。ご存知の通り、彼は専業の映画監督ではない。これだけ豊富な資金をつぎ込むことが可能ならば、別の監督が担当すれば、もっと凄い合戦シーンになっていたのかもしれないと考えてしまう。 しかし、十数年間置いてもう一度観賞してみると、当時の印象よりは大分ましに見える。それは、他の戦国時代を扱った作品で微妙なものが増えたからかもしれない。この作品を未観賞の人に勧めるときは多分、「他の人の評価を気にせず見てみな、思ったよりはひどくないから」と言うことにしたい。どの作品とは言わないが、最近は、「他の人の評価を気にせず見てみな、思った以上にひどいから」と言わなければいけない作品が多すぎる気がするので…。(斎藤雅道=毎週金曜日に掲載)
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その他 2015年05月18日 15時00分
静岡ホビーショーで徳川家康にまつわる商品が大きな存在感を放つ
今年は、静岡を隠居先とした徳川家康の没後400周年にあたる。そういった経緯もあり、今回の静岡ホビーショーでは、家康にまつわる商品がいくつかあった。 中でも目を引いたのが、模型メーカーのプラッツが展示していた1/6スケール「駿府人形(HITOGATA) 徳川家康公坐像」だ。この商品は、他の静岡の企業と共同開発して作った商品とのことで、衣装は人形メーカーの左京、箱はルイ・ヴィトンの箱などを手がけるユーシーイレブンが担当。静岡の物づくりを象徴するキットになっているようだ。 担当者の話によると、全体的には雛人形などと同様の技術を使っているそうだが、顔のパーツには、リアリティを追求した、フィギュアの技術が使われており、「リアルなアレンジが特徴」と語った。持ち物なども、最新の資料を元に、何度も検討を重ね再現しているようで、その造形の素晴らしさは、地元メディアなどにも取り上げられ、10万円(税別)の高価な商品にも関わらず反響は上々とのことだった。商品の受注は、5月29日までプラッツで行っている。 他にも同メーカーでは「名鉄3300系『徳川家康公顕彰四百年記念事業』ラッピング電車 Nゲージ」などの鉄道模型や、1/35スケール「徳川家康公像」キットなどで、家康を大きくアピールしていた。他のメーカーでも、木製キットを販売しているウッディジョーが、家康の護衛を務めた軍船を木製キット化した 1/24スケール「八丁櫓」を展示しており、静岡での徳川家康の存在はかなり大きいようだ。(雅楽次郎)
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その他 2015年05月18日 12時00分
【コンピューターゲームの20世紀 50】ゴシックホラーアクションゲームの決定版「悪魔城ドラキュラ」
『ファミリーコンピュータ ディスクシステム』が発売された1986年に登場した『悪魔城ドラキュラ』は横スクロールの2Dアクション。前年には世界的なヒット作品となった『スーパーマリオブラザーズ』が発売。その後2Dアクションは黄金期を迎え、長きに渡ってゲーム業界のさらなる発展とゲームファンの増加に大いに貢献することとなる。 さて、まずは本作のストーリーを、取扱説明書から抜粋してみよう。舞台となるのは中世ヨーロッパにある平和な小国トランシルバニア。彼の地では「魔王ドラキュラは百年に一度、キリストの力が弱まるころ、邪悪な心を持つ人間の祈りによって復活する。そして、その復活のたびに、彼の魔力は強くなる」という伝説が語り継がれており、実際に過去に一度、ドラキュラはこの世に復活した。だが、英雄クリストファー・ベルモンドによって倒されている。 その死闘からちょうど百年が経過しようかというイースターの夜、邪教徒の手によって魔王ドラキュラが再びこの世に舞い戻った。一報を受けたベルモンド一族の血を受け継ぐ青年シモンは、父譲りの不思議な力を秘めたムチを手に、単身ドラキュラ城へ乗り込むのであった。「ドラキュラVSベルモンド家」というシリーズおなじみの構図、「武器はムチ」という基本システムは、第1作から受け継がれた伝統である。ただし、これに属さないシリーズ作品も存在することを付け加えておきたい。 ゲーム内容はオーソドックスなステージクリア型。全体で6ブロック、各ブロックはそれぞれ3つのステージで構成されているので、全18のステージ構成となる。前述の通りシモンの武器はムチ。このムチは、アイテムのクサリを取ることで攻撃力がアップし、さらにこの状態でもう一度クサリを取ると飛距離が伸びて使い勝手が増す。 また、ムチとは別にサブウェポンが5種類用意されており、パワーアップこそできないものの、それぞれ性能が異なるのが面白い。常に1種類しか携帯できないため、どのサブウェポンを持ち歩くのか悩みどころだが、ステージに応じて適宜変えるのがベストだろう。とはいえ、使い勝手の良し悪しはプレイヤーによって様々。常に同じサブウェポンを持ち歩くという選択肢ももちろんアリだ。なお、サブウェポンを使用する際には一定数のハートを消費する仕様。ハートは、敵を倒したりロウソクや壁を破壊することで出現することがある。 各ブロックの最後にはボスが待ち構えており、シモンの行く手を阻む。中でも反則的な強さを誇るドラキュラの副官・死神は、以降のシリーズにもたびたび登場し、その都度プレイヤーを奈落の底に突き落とすことに。 本作の難易度の高さはつとに有名だが、それはボス戦の難しさだけに依るものではない。道中も決して無傷では済まされず、ライフ制ではあるものの、穴や川に落ちたら即アウトというシビアな内容だ。鋭い刺の付いた吊り天井等も即死に繋がるギミック。こちらも駆け抜けるタイミングがなかなか難しい。一方、敵や敵が放った火の玉や骨に触れた程度で一撃死することはないが、触れた瞬間にはシモンが吹き飛ばされてしまうため、これが原因で画面外へフェードアウト、それを眺めながらため息…というシーンも日常茶飯事。本作において、転落死はもはや風物詩の感すらある。また、即死を回避するためにジャンプを試みたはいいが、予期せぬ所から敵が特攻を仕掛け、触れた反動で無残にも穴に落下してしまうことも珍しくない。敵の配置が意地悪なくらい絶妙であり、さらにジャンプ中に軌道修正ができない点も、本作の難易度を押し上げる要因の一つと言えるだろう。 ちなみに1993年に発売されたROMカートリッジ版には、ダメージの際の吹き飛びがないEASYモードが搭載されていたが、当時ファミコンはすでに第一線から退いていたこともあり、このROM版はあまり数が出回らなかった。そのため、現在ではプレミアソフト化している。 余談だが、ディスクシステム版も元々はROMカートリッジで開発されていた経緯があり、美しい音色を持つディスクシステム拡張音源には残念ながら非対応だったものの、他メーカーの追随を許さないハイクオリティなサウンドを実現していた。再びディスクシステムで登場した次回作『ドラキュラII 呪いの封印』では拡張音源も使用され、特にフィールド曲の「Bloody Tears」は、のちのシリーズでもたびたびアレンジ使用されるなど、シリーズを代表する曲の一つに数えられる。そして、ROMカートリッジでの発売となったシリーズ第3作『悪魔城伝説』は、コナミ独自の拡張チップ「VRC VI」を搭載したことで、ゲーム内容はもとより、グラフィック・サウンド両面が格段にグレードアップ。シリーズのファンを大いに喜ばせたのである。(内田@ゲイム脳=隔週月曜日に掲載)DATA発売日…1986年メーカー…コナミハード…ディスクシステムジャンル…アクション(C)KONAMI 1986
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その他 2015年05月18日 11時45分
レッドブル・エアレースの「サイドアクト」も大盛り上がり
千葉の幕張海浜公園で日本初開催された「レッドブル・エアレース」だが、メインとなるエアレースの他にも、レースの準備の合間や、終了後を盛り上げるサイドアクトも大きな盛り上がりを見せた。 エアレースが行われた、場所と同じ海上では、水圧で宙を舞うハイドロフライト競技の「ジェットデッキ」から、ロニー・ファイスとスコッティー・ニーマイヤーが来日し、空中でバックフリップや、スピンなど、派手なデモンストレーションを見せた。他にも千葉市消防航空隊から、「おおとり」で親しまれている消防ヘリが登場し、海上救難の訓練を披露。低空をホバリングしながら、水難事故者を救助する訓練を見せ、来場者からは拍手が起こっていた。 他にも会場内の特設ジャンプ台では、FMX(フリースタイルモトクロスバイク)の、デュアルランディング(2列に並んで飛ぶこと)での曲芸が間近で見れるようになっており、レースの合間や、レース終了後には、数多くの来場者が足を止めて見物していた。こういった競技を初めて見る人も多かったようで、前列の方で歓声をあげていた、千葉県在住の20代女性は、「ヤバイって感じですね! こんなのがあるなんてすごいです」と興奮気味に話した。 さらに、レース終了後にはDJの世界一を決める大会、「Red Bull The 3Style World Final」の2013年チャンピオンであるDJ・SHINTAROらによるライブも開催されており、夕方からは、レース会場がライブステージに変貌した。SHINTAROのファンも会場にはかなりいたようで、ライブで踊っていた山梨県在住の30代男性は「レースも見れて、かつライブもタダで見れる。これは贅沢ですよ」と語った。(斎藤雅道)
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その他 2015年05月18日 11時45分
日本初開催の「レッドブル・エアレース」盛り上がったが改善点も?
16、17日の2日間に渡り千葉県の幕張海浜公園で世界最高峰のエアレース「レッドブル・エアレース」が国内で初開催された。観戦チケット6万枚は両日完売。計12万人がレースに熱狂した。このエアレースが、今後も千葉で、同じようなコース構成で開催されるかは定かではないが、今後に国内で見ようと思っている人に向けて、見所を解説したいと思う。 まず今回の幕張のコースだが、複雑なコースが多いレッドブル・エアレースには珍しく、直線主体の高速コースとなっている。一見単純で簡単そうなコースに見えるが、今回準優勝したマット・ホール選手によると、高速旋回する場所が多く、気を抜くとすぐにオーバーG(通常の10倍の重力を体に与えてしまうこと)で失格になってしまうそうだ。実際にレースのセミファイナルでは、唯一の日本人パイロットの室屋義秀選手が、決勝戦ではフランスのニコラス・イワノフ選手がオーバーGで失格になっている。 パイロットはスピードが出過ぎるコースに苦労するようだが、客席ではそのおかげで、スタートしてからゴールまで、猛スピードで飛行する派手な飛行機の機動を見ることができる。注意して確認すると、選手個々の好きなコース取りが手に取るようにわかるはずだ。派手な飛行機の動きを見たいのならば特に、幕張メッセ寄りの自由席がオススメ。浜辺近くに陣取れば、高速コースならではの、トップスピード状態のナイフエッジ(飛行機90度倒した状態での水平飛行)を近くで見ることができる。轟音をたててパイロンを通過する飛行機の迫力は十分で、興奮間違いなしだ。 他にも、選手がエアパイロンに接触してパイロンを破損した時の、修復スタッフに注目して欲しい。このパイロン、エアーで膨らませる風船のような材質で、すぐに修復できる設計になっているそうだが、とにかくスタッフの手際がいい。高さ25メートルの巨大パイロンを修理に取りかかってから、90秒程度で復旧させてしまうのだ。ちなみに、予選のタイムアタックでもパイロンが破損する場面があり、その素早い修復を見た観客からは、歓声が起こっていた。 最後に会場に関してだが、この点では、来場者から若干の不満があった。特に多かったのが水の持ち込みが不可だったという点。しかも飲み物の販売場所が、エリアによってはかなり遠く、時間帯のよっては長蛇の列になっていることもあり、東京都からレース観戦に来たという40代男性は、「今日はそこまで暑くはなりませんでしたが、脱水の危険とかもありますし、水を買うのに並ばなければいけないのはちょっと…」と語っていた。ちなみに日傘なども禁止で、直射日光を避ける手段は、タオルや帽子程度しかないという状態だった。脱水などの危険性を考えると、このあたりは今後の改善点ではないだろうか。(斎藤雅道)
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その他 2015年05月18日 11時45分
今話題のドローン 静岡ホビーショーでの各メーカーの反応は?
最近、首相官邸落下事件や、落下事故などで、ドローンが話題となっている。規制の噂も出ている状況だが、静岡ホビーショーでは各ラジコンメーカーや模型メーカーが、多数のドローンを展示していた。世間の目が厳しくなる中、各メーカーはどういう状況なのだろうか、話を聞いてみた。 まず、多数のドローンを販売している、童友社の担当者に話を聞いてみると、「首相官邸落下事件後から問い合わせ多くなっており、売れています」という意外な答えが返ってきた。 同じくドローンの販売を行っている京商でも、「事件後、かなり反響がありました」というコメントが。他のドローンを取り扱っているメーカーも同じような反応で、どうやら今回の事件・事故で、良くも悪くもドローンの知名度が世間に浸透したようだ。今回のイベントでも、各メーカーのドローンを目玉商品とし、デモフライトの際は、人だかりが出来るなど、注目度の高さがうかがえた。 また、気になる規制に関しては、ホビーショーに参加した国内メーカーは比較的楽観視していた。それには大きな理由がある。国内のメーカーにはホビー向けの商品を取り扱っているところが多いからだ。 実は、ドローンには、規格などの明確な制度はないが、大きくわけて、2つのタイプがあるといわれている。価格が10万円を超え、飛行範囲も広く、高性能のカメラを搭載できるハイエンド機と、内蔵のカメラなどはついているものの、価格も数万円程度で、飛行範囲の短いホビー向けの面が強い機体だ。現在政府が免許制度などを設け、規制を考えているのは、中国などの海外メーカー製の商品が多いハイエンド機のみと噂されており、国内のメーカーが多く取り扱っている、ホビー向けの商品には、現在のところ規制の話はないようだ。 そういった経緯もあり、現在国内メーカーでは、規制に関してどう対策するかというよりは、どこまでがハイエンド機の扱いを受けるか、成り行きを見守っている様子。しかし、ホビー向けといえど、間違った使い方をすると事故や、近所トラブルの火種なることはあり、会場では、使用する際の注意書きを配布したり、各メーカーがデモフライト中などに、安全に正しく使って欲しいと呼びかけていた。 ちなみに、ハイエンド機に当たるドローンにはGPSでの遠隔操作により5キロメートル以上先まで飛ぶ商品もあるそうだ。それに対し、ホビー向けの性格が強いドローンは、補助機能はあったとしても姿勢制御程度。50メートル以下の飛行範囲で、高度もあまり高くまで飛べない商品が殆どだという。(雅楽次郎)
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その他 2015年05月18日 11時45分
第54回 静岡ホビーショー開催 注目のミリタリーアイテムが多数!
14日から17日までの4日間(14、15日は業者招待日)にわたりツインメッセ静岡にて「第54回 静岡ホビーショー」が開催された。 業界大手のタミヤは、マンガ雑誌で新作も始まり、ここ数年で人気が再燃しているミニ四駆や、自社が得意とするスケールモデルを数多く展示。中でも注目だったのが、1/32スケールで新たに発売予定の「デ・ハビランド モスキート FB Mk.VI」だ。同商品の元となるのは、第二次大戦時に活躍したイギリス空軍の同名の高速爆撃機だが、リアリティを追求するために、機体が現存するカナダまで行って入念な調査をしたとのこと。 最近艦船模型に力を入れているハセガワでは、自衛隊の最新鋭艦である、ヘリコプター搭載護衛艦「いずも」が1/700スケールで早くも登場。担当者の話によると、最新の艦艇であるため、開発のための取材にはかなり苦労したとのこと。他にも日本海海戦から110周年ということで、東郷平八郎と秋山真之のフィギュアを付属した戦艦三笠の1/350スケールフルハル(喫水線から下の船底まで再現したプラモ)タイプ「日本海軍 戦艦 三笠“日本海海戦1905”w/東郷平八郎&秋山真之フィギュア」を展示していた。 バンダイのブースでは、今年末に新作の公開が予定されている、スター・ウォーズシリーズから、「Y-ウイング」、「スノースピーダー」、「ダースベイダー」など、昔からののファンの心をくすぐるプラモデルが数多く展示されていた。(雅楽次郎)
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その他 2015年05月15日 12時00分
【不朽の名作】「ゴジラ」と双肩をなす怪獣映画は?
色々異論はあるかと思うが、「ゴジラと双肩をなす怪獣映画は?」と問われた怪獣映画好きは、同じく長寿シリーズとして続いていたガメラシリーズをあげる方が多いだろう。しかし、平成に入りシリーズ作品が量産されたゴジラに比べ、ガメラはというと、いまいち存在感が薄い。しかし、「平成ガメラシリーズ3部作」と呼ばれた3作品は、出来として日本特撮映画史上においても、かなり面白い作品だ。今回はそんな平成ガメラシリーズの3部作の中から1996年制作の2作目、『ガメラ2 レギオン襲来』について解説したい。 作品の特徴についてだが、作中で戦う「自衛隊」、敵怪獣である「レギオン」、演出面での「火薬」3つの大きなポイントに注意して鑑賞すると楽しめるはずだ。 まず、自衛隊について。とにかく「強い」の一言につきる。強いとはいっても、怪獣映画の主役である怪獣を圧倒する強さではなく、我慢強く、持てる力を極限まで発揮する、「タフネス」の面での強さだ。よくゴジラ映画などで防衛の当たる自衛隊やGフォースは、「メーサー戦車」や「スーパーXシリーズ」などのスーパー兵器、果ては「メカゴジラ」や「モゲラ」といった、対ゴジラ用兵器まで持ち出して戦うが、この作品にはそんな都合のいい装備は一切ない。あるものといえば74式戦車や90式戦車など通常兵器の戦車や、高射砲などが精一杯。それなのに自衛隊はガメラ不在の間にレギオンを市街地に入れまいと、圧倒的な力の差があるのにも関わらず、必死に戦い、レギオンが電磁波を頼りに行動していることを利用した、現実的な作戦プランを立てて健闘。ガメラとレギオンの最終決戦時には、必死の抗戦でガメラの援護をするなど、ガメラに負けない大活躍を見せる。 それはガメラが「地球の守護神(決して人間そのものを守っている訳ではない)」的な立場なので、ガメラを支える存在に終始出来るので、成立する話かもしれない。しかし、この頑張りは、ただ蹂躙されるだけの他作品の防衛戦力とは違い、かなり印象の強いものとなっている。 続いてレギオンの話だが、この怪獣、名前の由来も怪獣の造形も、かなり凝っていて格好いいのだ。まずこの怪獣、なぜ名前が、「レギオン」というと、名付け親となった自衛隊の花谷一等陸尉が、クリスチャンだったのか、ちょっとイタい趣味の人だったのか定かではないが、聖書のマルコの福音書から、キリストが悪霊に相対した時の一節「主が、『名は何か』とお尋ねになると、それは答えた。『わが名はレギオン。我々は、大勢であるがゆえに』」から引用して怪獣の名前としているのだ。 名前の由来だが、聖書で悪霊のレギオンは最後、憑依していた墓場の男から2千頭の豚の群れに乗り移り、崖から落ちるが、映画の本編で、怪獣のレギオンも最初は数千体の群体生物だったことが大きな理由となっている。始めは体調3メートルほどの小型怪獣で、かなり多数の個体が存在していたが、体の構成組織がケイ素という、集積回路の化け物みたいな存在なので、通信し合い意志の統一や、大きな危機が迫った時に、各個体が、共生関係の頂点に君臨する、「マザーレギオン」という体長120メートルの巨大怪獣に格納されて、統一的な行動をとることができる。まさに個であり大勢。「レギオン」という名前がふさわしい怪獣といえる。 この小型怪獣の時も、体を維持するために、食料となるガラスや半導体を求めて次々と人間を襲うので、パニック映画のような面白い要素もあるのだが、それは置いておくとして、この巨大化した完全体のレギオンは、日本の特撮史上でもかなり上位にくる造形の怪獣だと個人的に思っている。まず生命体とも人工物ともとれるような、突起物の造形が素晴らしい。しかもこれCGではなく、着ぐるみで、本編中ではかなりゴテゴテした造形にも関わらず動きまくるのだ。しかもビーム発射時は特徴的な左右の角が大きく開く。現在だったら確実にCGを追加してなんとかしようと試みるところかもしれないが、96年のCG技術ではそれは望めないと判断したのか、CGは一部触手の演出などで使うだけに留まっている。着ぐるみは数人がかりで動かしたそうだが、どう動かせばこんな生物っぽくなるのか謎だ。何度動きを見てもかなりの迫力で、「すげえ」とつぶやいてしまうほどの完成度。個人的にはゴジラシリーズの「ビオランテ」と並んで、CGを使わない造形の限界に挑戦した怪獣だと思っている。 最後に「火薬」だが、これは平成ガメラシリーズに通じて言えることなのだが、事あるごとに火薬を使った派手な爆発が起きる。しかも、一作目となる、『ガメラ 大怪獣空中決戦』のヒットにより資金が潤沢になったおかげか、この作品はシリーズ中最大規模で、遠慮なしに爆発を繰り返す。 なかでも凄いのが、自衛隊の戦車をレギオンがビームでなぎ払う場面で、有名なところではジブリ映画の『風の谷のナウシカ』での巨神兵の「なぎ払え!」の時の演出だろうか、アニメではよくある、ビームでなでた地面が次々と火柱をあげる演出を実写でやってしまっているのだ。他にもガメラとの対決シーンなどで効果的に爆発が多用されており、怪獣映画ファンが「こういうのを見たかった」と思うような迫力あるシーンを演出している。 俗に「パート2」と呼ばれる作品には3タイプある。1つは『ゴッドファーザー PARTII』や『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』のように、ファンの要望にも答えつつ、従来の作品の世界観を広げて、さらに作品に奥深さをつけるタイプ。2つ目が『ランボー/怒りの脱出』や『エイリアン2』のように、「コレジャナイ感」はあるが、これはこれで面白くて楽しめるタイプ。3つ目は『スピード2』、『ジョーズ2』のように、あまりに微妙すぎて続編のナンバリングをつけないで欲しいタイプ。この作品は個人的な判断にはなるが、多分1つ目のタイプの作品だと思う。「人間ドラマ」、「怪獣の造形の美しさ」、「演出の迫力など」怪獣映画に必要な要素が全て揃っており、怪獣映画の面白さを知りたいという人は、この映画を手始めに見ても良いかもしれない。あと、ちなみにだが、前半の北海道のシーンで、当時は知名度がそれほどなかった大泉洋がチョイ役で出演したりしている。(斎藤雅道=毎週金曜日に掲載)
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その他 2015年05月12日 14時00分
日テレが社運を懸け新シリーズ開始『ルパン三世』100億円プロジェクト
日本テレビが社運を懸けた極秘プロジェクトが始動する。昨年10月にフランス・カンヌで開催されたテレビ見本市『MIPCOM』でベールを脱いだ『ルパン三世』テレビ新シリーズが、今年10月から同局でOAされるのだ。 「'84〜'85年の『ルパン三世 PARTIII』終了以来、実に30年ぶりの作品。本作は日本に先駆け、この5月からイタリアRTI局で放送される。アニメの舞台をイタリアやサンマリノ共和国に設定しているのもそのためです」(事情通) 実はこのルパンプロジェクト、今後はドイツやフランス、ベルギーと、ヨーロッパ各国で新たなシリーズ展開が予定されているという。 「総製作費100億円規模の大プロジェクト。日本が誇るコンテンツとして、日テレが他局に先駆け売り込みをかける。上手くいけば数千億円の利益が見込まれています」(日テレ関係者) もちろん日テレは、日本に多くいるルパン・ファンのケアも忘れていない。総監督には『ルパン三世』シリーズのアニメーター・作画監督として数々の作品に参加した友永和秀氏、さらにあの“ルパン三世のテーマ”で知られる大野雄二氏を音楽監督に迎え、声優もお馴染みのメンバーが顔を揃える。 そこで、人気アニメ番組の声優たちの1本当たりのギャラを聞いてみると…。 「一番ギャラが高いのは、昔から変わらず声優を続けている小林清志(次元大介)で1本80万円〜。栗田貫一(ルパン三世)と山寺宏一(銭形警部)が50万円〜、浪川大輔(石川五ェ門)40万円〜、沢城みゆき(峰不二子)30万円〜。映画になると、この3〜4倍になる。稼働率の割にギャラが高いため、芸能界では一度声優をやったら止められないといわれています」(事情通) 4作目は見逃せない!?
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その他 2015年05月04日 12時00分
【コンピューターゲームの20世紀 49】2本のレバーでビルを登れ 「クレイジークライマー」
日本のアーケードゲーム産業は1978年に『スペースインベーダー』が大ヒットしたことから急速に発展していった。しかし、そのヒットがあまりに急速でブームが大きすぎたため、テレビゲームは一部の層から警戒され、いわれのない批判を浴びるようになり、業界は急速に冷え込むことになってしまう。そしてその後、テレビゲームには悪印象がついて回るようになり、一方的な偏見から小中学校ではテレビゲーム禁止令が出され、ゲームセンターにいる子供らは補導されるという憂き目にあっていた。だが、このような状況の中でも子供たちのテレビゲームに対する情熱は消えることはなく、駄菓子屋の軒先など比較的安全な場所で、少ないお小遣いを投資してゲームに興じていたのである。 今回紹介する『クレイジークライマー』は、まさに前述のような状況下で発売された作品だが、稼働を始めるや否やプレイヤーの心をいきなり鷲づかみにした。その理由は数多く存在するが、特に同時代のゲームと比べて一足先に画面のスクロールを取り入れたことが大きい。同時代に大ヒットした『パックマン』や『ドンキーコング』は1ステージが1画面に収まる固定画面方式を採用していたのに対し、本作は高層ビルという舞台を縦にスクロールすることで表現している。そのため、初めからステージの全てが見えている固定画面式のゲームと比較して、まだ見えないステージの先を見てみたいという気持ちを強く起こさせる。このドキドキ感こそが、本作の面白さの大きな要因となっている。 実際筆者も先へ進みたいがために、小遣いを散らしたくちなのだが、最初のステージをクリアするのに相当に難儀した記憶がある。後にプレイしてみるとかなり簡単なゲームだと思えるのだが、当時はまだ子供でありそれまでのゲームと比べると難しい操作を必要とした本作に慣れるには、それなりの試行回数が必要であったのだろう。話を元に戻そう。スクロール方式の利点としては1画面にこだわる必要がないためキャラを大きく描写できるという点もある。当時の小さなブラウン管モニターでも本作のキャラたちは大きく生き生きとしており、背景の鮮やかな水色とも相まって、非常に際立った存在であった。 本作の操作系は独特で、1レバーに1or2ボタンが普通であった時代にツインレバーという特有なものを採用している。この2本のレバーを左右の手に見立てて高層ビルを登っていくのである。このゲーム性は非常に斬新で、従来の敵を撃つ、ドットを消すといったゲームとは一線を画していた。また、ツインレバーによる操作がゲーム性と上手くマッチしており、慣れてくれば実にスムーズに主人公の両手を動かせるようになるのだ。しかし、その主人公の邪魔をするべく立ちはだかるのがビルの住人たちで、彼らは窓を閉める、植木鉢などを落とすといった行為で主人公の邪魔をしてくるのだ。さらに巨大な看板や鉄アレイなども上空から落下してくる。まさに主人公は命がけでビルを登っているのだ。 本作はまた、いち早く音楽に注目したゲームでもある。前述の住人以外にも本作には様々なキャラが登場するのだが、糞を落として攻撃してくるコンドル登場時には、伊東四朗と小松政夫らによる人気番組「みごろ!たべごろ!笑いごろ!」で人気だった「しらけ鳥音頭」が流れる。また、その巨体で主人公にパンチ攻撃をしてくるキングコング登場時は「ピンクパンサーのテーマ」が、上へと運んでくれるラッキーアドバルーンに掴まると「ドラえもんの歌」が流れるのだ。これらの演出は特に子供たちには大ウケで、本作の人気の一因にもなっている。さらに「ガンバレ」「イテッ」といった合成音声も採用されており、まさに耳でも楽しませる作品になっているのだ。 このように一世を風靡したゲームながら本作はいまいちマイナーな存在である。その原因は発売元である日本物産が後に路線を変更し、18禁の麻雀ゲームばかりを発売するようになったこともあるが、最も大きな原因は本作の操作系が後の家庭用ゲーム機に合っていなかったことなのだろう。そのため1986年2月に発売されたファミコン版では、2つのコントローラの十字ボタンを使用するという苦しい移植がなされている。このあたりはナムコの名作『リブルラブル』も同様で、ツインレバーは家庭用ゲーム機と相性が悪い(プレステのデュアルショック発売以降は改善された)のである。 余談だが本作にはとんでもない裏技が存在している。それは、ハイスコア獲得時のネームエントリーで特定の文字を打ち込むとクレジットが2も増加してしまうというもので、この存在が広まっていたら本作は早々に市場から姿を消してしまい、幻のゲームとなっていただろう。もしも、そんな事態になっていたならば、奇跡ともいえる先進性を持った本作が人々に知られることもなく、業界の発展にも悪影響を与えていたであろう。(須藤浩章=隔週月曜日に連載)DATA発売日…1980年メーカー…日本物産ハード…アーケードジャンル…アクション
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