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専門医に聞け! Q&A 運動だけでのダイエットは至難の業

 Q:身長165センチ、体重85キロの肥満です。健診で異常はなかったですが、医者に「やせるように」と言われました。食事の量は人並みのつもりですが…。運動も苦手で、まったくやりません。3カ月ほど前から時々、右の膝が痛むようになりました。肥満が関係しているのでしょうか。対策法と併せて教えてください。(42歳、税理事務所勤務)

 A:太っていると、体の大きさに比べて筋肉が対応できず、そのひずみが体に現れます。その一つが膝の痛みです。
 なにはともあれ、やせることですが、運動だけでダイエットするのは至難の業。運動のダイエット効果は、食事による効果に比べて小さいのです。
 まずは、食事の量を減らし、腹八分目に留めましょう。

●大事なことは自覚
 肥満の人の多くは、自分では「あまり食べていない」「食べ過ぎないよう注意している」などと言います。
 しかし、体が必要とする量よりも多く食べているから太るのです。
 ご質問の方も、実は食べ過ぎているのではありませんか。普段の生活をもう一度振り返ってみてください。食べ過ぎていることに、きっと気づくでしょう。
 大事なことは、自覚です。最終的には「食べ過ぎている」「食事の量を減らす必要がある」としっかり自覚しない限り、ダイエットは長続きしません。
 言い換えると、あなたに必要なのは、自分自身と向き合うことです。しっかりと向き合い、自分を見直すことが、生活の改善につながると思います。

●食べることを節制しよう
 食事については、1日2食にして、トータルの量をコントロールするようにすればよいでしょう。
 具体的には、朝は野菜ジュースだけにして、昼はソバ、夜は好きなだけ食べるようにします。食べる行為は誰にとっても幸せで楽しいこと。また、食を楽しむのも大事です。しかし、何かを節制することも同時に必要であるし、求められます。
 ですから、朝、昼は軽くして節制しますが、夜は好きなだけ食べて、食事を楽しみましょう。
 もちろん、コーヒーが好きなら、朝は野菜ジュースとともにコーヒーを飲むくらいはかまいません。飲食を節制することが摂生になります。
 なお、健康には運動は欠かせません。どう体をうごかすか、自分と向き合い、認識を改めましょう。膝の痛みには運動不足も関係していると思われます。毎日歩く習慣を持つようお勧めします。
 以上の2つを実践すれば、きっとダイエットできるし、膝の痛みも解消するでしょう

石井文久氏(湯島清水坂クリニック医師)
自律神経免疫療法を実践する整形外科医。東京慈恵会医科大学卒業後、15年以上、整形外科医として診療。自然治癒力を重視し、それを引き出す治療と指導に定評がある。

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