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コンピューターゲームの20世紀 第31回…『バハムート戦記』

<一生遊べるファンタジーSLG>

 任天堂のファミリーコンピューター(FC)に対抗するためセガが送り出した16BITゲーム機メガドライブ(MD)。日本では最後まで劣勢を強いられたものの北米では大ヒットを記録し、セガのコンシューマー機としては最盛期を築いた名機である。MDのゲームと言えばまず真っ先に思い出されるのが『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』を中心とする良質アクションゲームの数々だが、実はシミュレーションゲームの分野でも名作が数多く発売されている。中でも今回紹介する『バハムート戦記』はファンタジーSLGの傑作として根強い人気を持っている作品である。

 ゲーム性はターン制の戦略SLGであり、1ターンが外交や策略を主とする政策フェイズと軍備や移動、侵略を実行する作戦フェイズに分かれている。戦いの舞台となるバハムート大陸は40のエリアに分かれており、最高で8人のマスターが覇を競っている。勝利条件は自分以外の他のマスターを倒すことで、全土を領有する必要がない。このため、非常にスピーディにゲームが進行し、平均して1〜2時間ほどでゲームのクリアが可能である。

 登場するマスターはいずれもファンタジー世界の王道キャラばかりで、フォーリア王国の復興と秩序ある世界を取り戻すために聖戦士を率いて戦う「ジーク」。古の帝国を復活させるために戦う蛮族達の王「バストラル」。永遠の命を持ち大陸を己の意のままにするため戦う女魔術師「シェルファ」。闇の時代を終わらせるために立ち上がったエルフ族の勇者「エル=モア」&「エル=ウィン」。ドワーフ族に騙されて地下に閉じこめられ復讐の鬼と化した巨人族「ガイラム」。かつて大空を支配していたドラゴン族の女王「ベルフレイム」。大陸で最も古くから存在する悪魔族の王「クリムト」。妖刀ベサルスネーガによって精気を奪われアンデッドと化したフォーリア王国の創始者「バ ルマー」。いずれも個性的な面々であり、招集することが出来るユニットの能力も異なるため、マスターを変えてプレイすれば何度も楽しむことが出来る。

 また、本作の優れているところは自分の好みに合わせてルールを自在にカスタマイズ出来ることで、これによって戦闘画面もSLGらしいHEX戦からRPG風の簡易戦闘、果てはアクションゲームにすることすら可能。その他にもイベントの有無や召喚部隊やマスターのいない部隊の強制委任のon offなど、ルールを変えれば全く異なったゲーム性となり、また、その判断がプレイヤーに委ねられているのは素晴らしいの一言だ。

 そして本作には各マスターごとに用意されているエンディングの他に真のエンディングと呼ばれるものが存在する。これはジークを使用し特定の手順を踏んだ場合にのみ発生し、バハムート大陸の謎が解き明かされるというもの。20分近くノンストップで流れるこのエンディングは本作を語る上で外せない存在であり、途中で止めることが出来ないため充分に余裕を持って鑑賞したい。手順などはネットで検索すれば容易に発見出来る。優秀な攻略サイトが多く存在するのも、また本作の特徴なのだ。

 今ならばWiiのバーチャルコンソールでダウンロードが可能。まだ未体験の方はこの素晴らしきSLGを是非プレイしてほしい。その際には難易度は4以上、上級ルール採用でアクションはoffにするのが最も楽しめる。もっとも前述した通りルールはプレイヤー個人が決めればいいのだが、先ずは推奨ルールで遊んでから好みに変えていくのがオススメだ。(須藤浩章)

DATA
発売日…1991年
メーカー…セガ
ハード…メガドライブ
(C)SEGA 1991

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