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日本初開催の「レッドブル・エアレース」盛り上がったが改善点も?

 16、17日の2日間に渡り千葉県の幕張海浜公園で世界最高峰のエアレース「レッドブル・エアレース」が国内で初開催された。観戦チケット6万枚は両日完売。計12万人がレースに熱狂した。このエアレースが、今後も千葉で、同じようなコース構成で開催されるかは定かではないが、今後に国内で見ようと思っている人に向けて、見所を解説したいと思う。

 まず今回の幕張のコースだが、複雑なコースが多いレッドブル・エアレースには珍しく、直線主体の高速コースとなっている。一見単純で簡単そうなコースに見えるが、今回準優勝したマット・ホール選手によると、高速旋回する場所が多く、気を抜くとすぐにオーバーG(通常の10倍の重力を体に与えてしまうこと)で失格になってしまうそうだ。実際にレースのセミファイナルでは、唯一の日本人パイロットの室屋義秀選手が、決勝戦ではフランスのニコラス・イワノフ選手がオーバーGで失格になっている。

 パイロットはスピードが出過ぎるコースに苦労するようだが、客席ではそのおかげで、スタートしてからゴールまで、猛スピードで飛行する派手な飛行機の機動を見ることができる。注意して確認すると、選手個々の好きなコース取りが手に取るようにわかるはずだ。派手な飛行機の動きを見たいのならば特に、幕張メッセ寄りの自由席がオススメ。浜辺近くに陣取れば、高速コースならではの、トップスピード状態のナイフエッジ(飛行機90度倒した状態での水平飛行)を近くで見ることができる。轟音をたててパイロンを通過する飛行機の迫力は十分で、興奮間違いなしだ。

 他にも、選手がエアパイロンに接触してパイロンを破損した時の、修復スタッフに注目して欲しい。このパイロン、エアーで膨らませる風船のような材質で、すぐに修復できる設計になっているそうだが、とにかくスタッフの手際がいい。高さ25メートルの巨大パイロンを修理に取りかかってから、90秒程度で復旧させてしまうのだ。ちなみに、予選のタイムアタックでもパイロンが破損する場面があり、その素早い修復を見た観客からは、歓声が起こっていた。

 最後に会場に関してだが、この点では、来場者から若干の不満があった。特に多かったのが水の持ち込みが不可だったという点。しかも飲み物の販売場所が、エリアによってはかなり遠く、時間帯のよっては長蛇の列になっていることもあり、東京都からレース観戦に来たという40代男性は、「今日はそこまで暑くはなりませんでしたが、脱水の危険とかもありますし、水を買うのに並ばなければいけないのはちょっと…」と語っていた。ちなみに日傘なども禁止で、直射日光を避ける手段は、タオルや帽子程度しかないという状態だった。脱水などの危険性を考えると、このあたりは今後の改善点ではないだろうか。(斎藤雅道)

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