■山口…作家・山口敏太郎氏
【平成の「デコトラの鷲」世代へ】
山口:このシリーズは完結したんですか?
須藤:いやっ、5作目で区切りが良いところで何かインパクトのある物を作って、なにかそれで「復活」しようかなぁって考えてるんです。
山口:なるほど! 第一部完…て形に。
須藤:要するに、一番最初の桃次郎じゃないですけど、好きになってフラれて失恋して…。
山口:失恋パターンですね?
須藤:そう。それで最後に、主役は一回死んでもらわないとダメかな? って思ってて(笑)。
山口:ははは(笑)。
須藤:それで、死んだのか死んでないのかって…次はあるのかないのかってところで一区切りにしたんですけど。あの寅さんのテレビ版じゃないですけど、沖縄のハブに噛まれて死んじゃったみたいって言っておきながら、その後に映画になりましたよね。ヒントにしたわけじゃないんですけど、何か(観客への)インパクトに「え!? 鷲一郎って死んだの?」「生きてるの?」というのを(印象に)残しておいて、次回作で「ぶら〜っ」と出てきて…亡霊じゃないけど(笑)。
山口:あぁ〜、いいですねぇ。
須藤:「どこへ行ってたの!?」って感じに(作品を)始めたら面白いかなと。
山口:第二幕が始まるわけですね。
須藤:そうですねぇ(笑)。
山口:面白いですね…。本当に(トラック野郎は)須藤さんにとってのライフワークですね。
須藤:ライフワークと言ったら、そうですね。大変でしたけど。
山口:あのー、菅原文太さんが特別に顔を出すってことはありますか?
須藤:いやぁー実はね、声をかけたんですけど文太さんは「もうやらない」って話で…。
山口:それは…年齢的にもうキツイよってことでですか…?
須藤:ええまぁ。…愛川欽也さんは「いいよ」って言ってくれましたよ。
山口:ああ欽也さん! 名コンビでしたね。
須藤:ちょうどその時、梅宮辰夫さんがOKしてくれたので、梅宮さんも何度かトラック野郎のゲストに出ていた方なので、「梅宮さんに探しているお父さん役」で演じてもらったんです。
山口:いつか共演を見たいって気がしますけどね…文太さんがオリジナルの主役の方で…。
須藤:文太さんがまた、年取ってからもトラックに乗ってるって、いいですよね…。
山口:渋くていいですねぇ。
須藤:でも皆思っていますよ。文太さんと愛川欽也さんとの(共演)ね。
山口:今の30代40代は仕事に夢中になっていて、トラック野郎シリーズがまた違った切り口で始まっているって知らない人が多いですよ。僕らも仕事が忙しくて、なかなかレンタル店やセルビデオに目が行かないところがあって…。ところで今回の記事は、ネットニュースとして約30万人の人が見るんですよ。
須藤:それはありがたいですね…。
山口:30万人中、30代40代の男が見てる率が高いと思うので、そこで「ハッ」と気づいてくれれば、同窓会に似てるかなってところがあるので(笑)。今回こういうインタビューがやりたかったんです。
須藤:あぁ、ありがとうございます。
山口:今後とも是非よろしくお願いします。お忙しいところありがとうございました。
須藤:いえ、とんでもない。ありがとうございました。
※写真は『デコトラの鷲 火の国熊本親子特急便』DVD(劇場公開は2008年)