スポーツ
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スポーツ 2012年01月25日 11時45分
川澄奈穂美がバレンタインデーは「彼氏といっしょに…」
なでしこJAPANの川澄奈穂美選手(26)と、お笑い芸人・小島よしお(31)が24日、東京・千代田区のサブウェイ野菜カフェ神田小川町店で、「SUBWAY『チョコウィッチ』発売記念イベント」に登場。好みのタイプは「おもしろい人」という川澄選手はバレンタインデーの予定を「彼氏といっしょに、と言いたいのですが、おそらく練習があるので…」と告げると、小島が奇妙な顔や動きをしながら「チョコウィッチ」と連呼する“チョコウィッチ一発芸”を披露して、川澄選手へ猛烈アピールを試みた。川澄選手は「本当におもしろかったです」と小島の芸に一定の評価を下すも、おもしろい人はほかにもたくさんいるので、「そこはやっぱりいろんな人に競い合っていただければ」と小島のアピールをかわした。 お菓子づくりが大好きという川澄選手は、去年のバレンタインデーはスタッフなど周りの人たちに配るチョコレートを20個ほどつくったという。今年のバレンタインデーの過ごし方は、練習のあと「きっと、友だちとお菓子交換をして過ごすのかなと思います」。小島は、今のところチョコをもらう予定はないが、隣の川澄選手を見つめながら「今日、予定ができるかもしれません」「可能性はゼロじゃないですから。男と女ですから」とアピール。川澄選手は「世の中、可能性がゼロということはないので…」と苦笑い。また、今年の抱負を「なでしこの一員として大会に挑んで、また世界一になりたいなという気持ちがあります」と語った。 「チョコウィッチ」とは、メキシコ料理に使われるカカオの入ったスパイスソースを使ったサンドウィッチ「菜彩鶏のモーレソース」のことで、1月26日から2月14日まで、全国のサブウェイで販売。(竹内みちまろ)
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スポーツ 2012年01月25日 11時45分
シーズン総括 キャンプ直前補強はあるのか? 巨人編
67試合登板、20セーブ。クローザー・久保裕也に繋ぐ必勝パターンが確立されるまで、時間が掛かりすぎたことも敗因ではないだろうか。 アルバラデホを新クローザーに据える構想は早々に崩れ去った。彼が巨人と契約した時点から制球難を指摘するメジャー通も多く、また、キャンプ、オープン戦を視察したライバル球団スコアラーは「クイックが全然出来ない」と失笑…。育成枠出身のロメロが健闘した時期もあったが、7月13日には開幕投手も務めた東野峻を救援で起用。翌14日にはラミレスがスタメンから外れ、『連続4番出場試合数』は「469」でストップした。投打ともに危機的状況は広がり、小川ヤクルトの独走を許してしまった。 統一球の影響もあっただろうが、不振者と故障者がこれだけ重なったシーズンも珍しい。 まず、開幕直前に阿部慎之助を欠いた。阪神との練習試合で右ふくらはぎを痛めたのだが、復帰は27試合目。正捕手復帰でチームの雰囲気も代わると思いきや、今度は小笠原道大が死球故障で登録を抹消…。小笠原は開幕から不振が続き、その復調の兆しも掴めず、喘いでいた。期待の新人・沢村拓一は打線の援護に恵まれず、好投しても勝ち星が付かない日々が続いた。 巨人の勝ちパターンは重量打線が爆発し、それに投手陣もノッていくというものだった。 2010年と2011年の攻撃陣の成績を比較してみると、チーム平均打率は2割6分6厘から、2割4分3厘(4位)にダウン。総得点「711」(2位)も「471」(3位)へ、総本塁打数は「226」から「108」(1位)。打点は「687」から「455」(3位)に。統一球の影響で打線の爆発力は確かに落ちた。しかし、チーム総得点はセ・リーグ6球団全てが大幅にダウンしており、同部門1位のヤクルトが「484」、2位阪神の「482」と比べてもさほどの差はない。盗塁部門だけは2010年の「96」(2位)から「106」(1位)にアップ。藤村大介の成長によるものであり、犠打「124」(リーグワースト)と犠飛「24」(5位)の“チーム力”の部門を強化すれば、一発が出なくても勝てるチームに変貌できるのではないだろうか。 2011年のキャンプ中、確かに巨人は前年以上にバントの練習に時間を割いていた。それが結果に結びつかなかったのは選手の危機意識の低さであり、首脳陣の責任でもある。 対戦カード別の勝敗表を見てみると、対中日戦が12勝10敗2分け、対ヤクルト戦が8勝12敗4分け、4位の対阪神戦は11勝11敗2分け、対広島戦が16勝6敗2分け、対横浜戦が14勝10敗。ヤクルトの本塁打王・バレンティン(31本)、同部部門2位の畠山(23本)、170安打、73得点の青木のいる打線は確かに脅威だった。しかし、ヤクルトは「171の犠打」(1位)をマークしたチームでもあり、チーム総合力が高い。阪神戦で勝ち越せなかったのは能見、岩田という苦手投手がいたからだろう。 新人王、首位打者、盗塁王、最多勝を輩出しても「3位」ということは、いかに「巨人の野球が大雑把」なのかを象徴している。 巨人は2ケタ借金から逆転で優勝したシーズンが1度もない。その点では24勝34敗4分けとなった7月7日時点で2011年シーズンは終了していたのかもしれない。杉内、ホールトン、村田を補強したが、ヤクルトのように犠打・犠飛絡めて得点を挙げる攻撃スタイルも出来なければ、主力選手の故障、不振に左右される悪循環を繰り返すだけである。
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スポーツ 2012年01月24日 15時45分
散々だった琴奨菊 強い日本人大関の誕生こそ相撲人気回復のカギ
大相撲初場所(1月8日〜22日=東京・両国国技館)は、エストニア出身の大関・把瑠都(27=尾上)が14勝1敗で初優勝を遂げた。モンゴル出身の横綱・白鵬(26=宮城野)は12勝3敗で、3場所連続22度目の優勝はならなかった。昨年11月の九州場所(福岡)に続き、2場所連続で13日目に幕内優勝が決まり、終盤の盛り上がりに欠ける場所となった。 観客動員の低迷はなかなか改善されず、3日目(10日)には現国技館ではワーストとなる入場券売れ残り枚数(5793枚)を記録するほどだった。一昨年6月に起きた野球賭博問題に始まり、不祥事が相次いだ相撲界。その人気も八百長問題で地に堕ちた。落とした人気を取り戻すためには、やはり白鵬を脅かすライバル(新横綱)出現と、強い日本人大関、横綱の誕生しかないだろう。 来場所(3月=大阪)、把瑠都が綱獲りに挑むが、5場所連続で2ケタ勝利を挙げている安定性に期待したいところ。昨年7月の名古屋場所で優勝し、翌9月の秋場所(両国国技館)で綱獲りを目指しながらも、8勝7敗と期待はずれに終わったモンゴル出身の日馬富士(27=伊勢ヶ浜)の二の舞は避けてほしいところだ。 そして、ファンの注目度も高い2人の日本人大関陣。昨年11月の九州場所で新大関となった琴奨菊(27=佐渡ケ嶽)。先場所は11勝を挙げ、まずまずの健闘ぶりを見せたが、初場所では千秋楽でようやく8勝目を挙げて勝ち越すほどの惨状だった。先場所まで5場所連続2ケタ勝利の安定感を示していたが、周囲の期待を裏切る結果となってしまった。 一方、大関昇進への直前3場所で基準といわれる33勝に足りないながらも、期待度と相撲内容を評価されて、初場所で新大関になった稀勢の里(25=鳴戸)は11勝4敗で合格点といえた。しかし、早々に優勝争いからは脱落し、その点ではファンを落胆させた。 琴奨菊も稀勢の里も、来場所からが正念場。2ケタ挙げることで満足されては、場所が盛り上がることはない。少なくとも、この日本人大関が優勝争いに絡まなければ、相撲人気回復にはつながらない。2人には、その自覚をもって、精進してほしいものだ。(落合一郎)
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スポーツ 2012年01月24日 11時45分
シーズン総括 キャンプ直前補強はあるのか? オリックス編
2010年のドラフト会議で放った岡田監督の『眼光』が思い出される…。チーム盗塁数はリーグワーストの「49」。2010年ドラフト会議で岡田彰布監督(54)は1位入札の抽選クジを外しまくり、後藤駿太(18=登録名『駿太』)の獲得がやっと決まったとき、楽天・星野監督が失笑した。岡田監督は下唇を噛み、星野監督を一瞥した。「絶対に凄いリードオフマンに育ててみせる」−−。そんな決意を秘めていたはずである。その高卒1年目のルーキーを開幕スタメンで起用したのは、単なる“私怨”ではなかった。攻撃陣の弱点はリーグワーストの盗塁数からも窺えるように、『機動力』である。 現有メンバーを見ると、走ろうと思えば走れる選手も少なくない。しかし、2011年犠牲フライの数値を見てみると、打者の方にも「走者を進める、本塁に返す」という意識が希薄だと言わざるを得ない。年間の犠牲フライは僅か「30」…。また、『犠打』だが、オリックスはリーグ4位の「145」。年間を通して、もっとも『犠打』が多かったチームは埼玉西武の「158」。大差はないが、両チームを『チーム総得点』で比べてとると、埼玉西武は「571」(1位)で、オリックスは「478」(4位)になる。年間総安打数では埼玉西武が「1204」(リーグ2位)で、オリックスが「1172」(同4位)。埼玉西武には本塁打、打点の二冠王に輝いた中村剛也がいたとはいえ、年間総安打数で30本程度しか違わない。総得点部門で「100」以上も違うのは、『走塁能力』と「走者を進める、本塁に返す」というチームバッティングが出来なかったからだろう。この差が、3位争いの明暗を分けたのではないだろうか。 チーム盗塁数「49」はリーグワースト。チームトップの盗塁数は後藤の「14」。盗塁数が「20」到達しないのがチームトップになったのは、オリックスだけだ。 4、5月はエース・金子千尋の故障離脱も重なって、最下位にも喘いだ。交流戦で15勝7敗2分け(2位)といったんは浮上しかけたが、7月上旬の11試合で「1勝9敗1分け」と大きく負け越し、連勝、連敗を繰り返しした。そんな好不調の波が激しかったチームのなかで、安定した成績を残したのは、後藤光尊だろう。自身初の3割越えの好打率(3割1分2厘)とリーグ最多安打のタイトル獲得もそうだが、『連続出塁試合数43』はもっと評価されてもいいのでないだろうか。安打での記録更新は26試合、9月16日の千葉ロッテ戦で途切れたが、後藤はこの試合で四球を選んでいる。8月11日の東北楽天戦で4番に入り、史上9人目となる『全打順本塁打』をマークしたように、バットを振って結果を残せる選手である。なのに、「四球を選んで次打者に託す」という姿勢は本当に凄いと思う。 移籍2年目のバルディリスは9月こそ5ホーマーだが、埼玉西武との3位争いの大一番となった10月は2本…。期待された李承●(●は火へんに華)(イ・スンヨプ)は9月以降に7本塁打を放ったが、シーンを通しては15本塁打と奮わなかった。2010年本塁打王のT-岡田は16本塁打と“試練の年”となってしまった。岡田監督が韓国の大砲・李大浩の獲得に躍起だったのは、後藤が出塁した後のクリーンアップに安定した爆発力が見られなかったからだろう。 約2カ月半の離脱があったとはいえ、エース・金子千尋は2ケタ勝利に到達。中山慎也、西勇輝の成長、横浜から移籍してきた寺原隼人の復調は大きかった。33セーブの岸田護、72試合に登板した平野佳寿といったリリーフ陣の“安定感”も考えると、オリックスは攻撃の戦略を建て直し、リードオフマンがプラスされれば、優勝を狙えるのではないだろうか。
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スポーツ 2012年01月23日 11時45分
シーズン総括 キャンプ直前補強はあるのか? 阪神編
24試合に減少−−。2010年ペナントレースはリーグ最多の41試合の逆転勝利が見られたが、昨季は24試合だった。勝敗は結果論としても、3点以上のビハインドから逆転は1試合もない…。阪神打線の破壊力が落ちたのか? いや、先発投手が早いイニングで崩れた際の脆さと『攻撃面でのチグハグさ』が“敗因”ではないだろうか。 打撃陣の成績はむしろ高い方である。チーム打率2割5分5厘はリーグトップ。チーム総得点「482」(同2位)、出塁率3割7厘(同1位)、総安打数「1206」(同1位)。打撃10傑(打率)にも、2位のマートンを以下、鳥谷敬(4位)、平野恵一(5位)、ブラゼル(10位)と4人がランキングしている。チーム防御率2.83(3位)という、決して低くない『投手&守備力』を考えると、3点以上のビハインド・ゲームをひっくり返せなかったのは、やはり疑問だ。 8月28日、対ヤクルト戦(甲子園)。真弓明信監督は『代走』に『代走』を送った。7回裏、一死から藤井彰、代打・桧山の連打で一、二塁とすると、まず一塁走者の桧山に、代走・野原将を起用。続く平野の左前適時打で1点を勝ち越し、なおも一、二塁としたところで、今度は野原将に代わって大和を代走に送った。試合は平野の適時打による1点が決勝点となったが(1対0)、代走に代走を送る必要性があったのだろうか。野原将は外野手、大和は内野手。その7回裏が無得点に終わった際の9回裏、10回裏の攻撃を見越して、打撃力のある野原将を送り、勝ち越した時点で、8回表以降の守備を考え、内野手の大和に切り換えたというのが試合後の真弓監督の説明だったが、首を傾げていた阪神選手は、かなり多かった。2010年に逆上れば、真弓監督は控え野手を使い切り、投手の西村を代走に送ったこともある。 『采配』の是非はともかく、真弓監督は自身の攻撃スタイルを阪神ナインに理解させていれば、不信感を募らせることはなかったはずだ。8月28日の試合だが、虎の子の1点を守りきるのか、2点目を取りにいくのか、阪神ナインは分かっていなかった。こういうコミュニケーション不足がチームの低迷を招いたと言っていい。 また、交流戦の時期は打線が機能しなかった数値も残っていた。指名打者が「42打数4安打」と奮わなかった。本塁打も1発だけ…。交流戦は10勝14敗(8位)。5、6月のチーム成績も17勝23敗であり、7月から攻勢に転じたものの、Aクラスには届かなかった。結果的には「前半戦のもたつきが最後まで響いた」と言えるが、6月は外国人投手の活躍も目立った。スタインリッジは6月9日から6連勝、メッセンジャーも7月9日までトータル7勝1敗。この時期、打線が爆発していれば、Aクラスには確実に食い込んでいたはずだ。 2011年は、クローザー・藤川球児のイニングをまたぐ継投策の是非も問われた。藤川に繋ぐ「8回を小林宏に託す構想」が崩れたためだが、真弓監督の退団後、「藤川が志願した日もある」と関係者はコメントしていた。一般論として、クローザーが「イニングまたぎの登板」を続けると連投が効かなくなる。安定感のあるセットアッパーがいなかったことも、チームが最後まで勢いづかなかった原因だろう。その意味では、新人ながら62試合に登板した榎田大樹がいなかったら、救援陣は“大炎上”していたかもしれない。 2012年の構想では、先発の一角を託されていた久保をリリーバーに、榎田を先発にコンバートさせるという。久保クラスの投手がセットアッパーで待機するとなれば頼もしい限りだが、藤川の後継者はまだ見通しすら立っていない。藤川の2011年の成績は58試合登板で41セーブ、防御率1.24。一連のメジャー志望発言にあるように、藤川が本当に海外FA権を行使するのなら、何人かの救援投手のなかから「ストッパーの適性があるか否か」もテストしておきたい。 打点王・新井貴浩、最高出塁率・鳥谷、最多安打・マートン、最多セーブ・藤川…。これだけのタイトルホルダーを輩出して勝てなかったのは、故障者続出も影響してのことだろう。新生・和田阪神の巻き返しに期待したい。
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スポーツ 2012年01月21日 17時59分
実は安定した実力示していた大関・把瑠都が初場所で初優勝飾るも、綱獲りには大きな関門待ち受ける!
大相撲初場所(東京・両国国技館)はエストニア出身の大関・把瑠都(27=尾上)が初優勝を決めた。13日目(1月20日)、トップを独走していた把瑠都は、大関・琴奨菊(27=佐渡ケ嶽)を下手投げで下して13戦全勝をマーク。片や、2差で首の皮一枚で優勝の可能性を残していた横綱・白鵬(26=宮城野)が、大関・琴欧洲(28=佐渡ケ嶽)に寄り切られ、よもやの完敗で3敗目。これで、先場所(昨年11月九州場所=福岡)に続き、2場所連続で13日目に優勝が決まるドッチラケの場所となった。 大関2場所目の琴奨菊、新大関の稀勢の里(25=鳴戸)を除き、大関陣で唯一優勝がなかったのが把瑠都だった。しかし、優勝経験がある日馬富士(27=伊勢ヶ浜=2度)や琴欧洲(1度)が成績にムラがあるのに対し、安定した実力を示していたのが、実は把瑠都だったのだ。 昨年10月1日付の記事で横綱、大関の八百長問題発覚前と全面ガチンコとなった後の成績を比較したが、八百長問題関係なく安定した結果を残していたのが把瑠都だった。10年3月場所から昨年1月場所までの問題発覚前(10年3月場所は関脇)が、61勝29敗(勝率.678)。ガチンコオンリーとなった昨年5月場所から11月場所までで、把瑠都は大関陣でただ一人4場所連続2ケタ勝利を挙げて、42勝18敗(勝率.700)。今場所の星も加えれば、勝率はさらに上がる。 八百長が禁じられてから、安定した成績を残し、かつ勝率を上げてきたのだから、把瑠都の力はホンモノだ。ただ、来場所(3月・大阪)は初の綱獲り場所となるが、これには大きな関門が待ち受ける。今場所の最終的な星にもよるが、そのハードルは高く設定されるだろう。それは、12日目に立ち合いの変化で星を取って、横綱審議委員会の心証をひどく悪くしたからだ。元々、把瑠都は私服やラフな格好で外出して度々注意を受けるなど、素行の問題もある。上を目指そうと思えば、高レベルの星、相撲内容、土俵を下りた際の品格が求められる。(落合一郎)
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スポーツ 2012年01月20日 15時30分
観客からブーイングも飛んだ! 優勝争いに水差した大関・把瑠都と日馬富士
大相撲といえば、毎場所のように繰り返されるのが横綱・白鵬(26=宮城野)の独走。先場所(昨年11月九州場所=福岡)は、13日目にして白鵬の優勝が決まり、いちばん盛り上がるはずの終盤は消化相撲となってしまった。 しかし、この初場所(東京・両国国技館)はいつもと様相が異なっていた。全勝で単独トップを走っていたのは優勝経験がない大関・把瑠都(27=尾上)。白鵬は10日目に関脇・鶴竜(26=井筒)に不覚を喫し、1敗で追走する形となった。異例な展開に、「今場所こそ、終盤がおもしろくなる」と思った相撲ファンも多かっただろう。 ところが、12日目(1月19日)、その盛り上がりに水を差したのが当の把瑠都と、大関・日馬富士(27=伊勢ケ浜)だった。2敗の新大関・稀勢の里(25=鳴戸)と対戦した把瑠都は、なんと立ち合いで変化する姑息な相撲で、はたき込んで全勝を守ったが、場内からはブーイングも飛び、「帰れ」コールも巻き起こった。把瑠都は「体が勝手に反応した。見に来たファンの皆さんに申し訳ない」と謝罪した。 これでは終わらなかった。結びの一番では、目の前で把瑠都への「帰れ」コールを聞いていたはずの日馬富士が、白鵬相手にまたもや立ち合いの変化。送り出された白鵬は何もできずに土俵下へ一直線。ファンは相次ぐ変化相撲に絶句。落胆の色濃く、場内には重苦しい空気が流れた。そもそも、すでに3敗の日馬富士が変化をしてまで勝ちにいく必要などなく、「横綱に失礼な相撲。だますような相撲だった。うれしいはずが、うれしくない」と自らの相撲を責めた。 これで、白鵬は2敗目を喫し、把瑠都と2差。完全に優勝争いの興味がそがれた。早ければ、13日目(20日)にも把瑠都の優勝が決まる。本来、立ち合いの変化は小兵力士や、番付下位の力士が上位力士に対して殊勲を狙って、主に用いられる戦法で、少なくとも横綱や大関が使う手ではない。 まさに、優勝争いに水を差す2大関に対して、日本相撲協会には業務が終わる午後7時まで、クレームの電話が鳴りやまなかったという。この相撲に関し、放駒理事長(元大関・魁傑)は「勝負だから仕方がないが、まともにぶつかり合ってほしかった。注目の相撲がアレではお客さんも興ざめ」とため息。横綱審議委員会の鶴田卓彦委員長は「もっと正々堂々いかないと。これでは(横綱)昇進へのマイナス」とダメ出し。 横綱、大関は責任ある立場であり、ただ勝てばいいというものではない。相撲内容も重視される。これで、把瑠都が優勝しても、ファンの評価も得られないだろうし、綱獲りへの機運も盛り上がらない。この両大関には、もっと自覚をもってほしいものだ。(落合一郎)
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スポーツ 2012年01月20日 11時45分
歯止めきかぬスポーツ中継の衰退 F1が地上波から消える!
モータースポーツのF1グランプリを中継するフジテレビが、1月19日、営業権を持つFOM(フォーミュラ・ワン・マネジメント社)と12、13年の放送権について契約延長したことを発表した。しかし、その一方で今季から地上波は撤退し、BSとCSで放送することを明らかにした。 同局広報部は「近年、BSの視聴可能世帯が増えてきたため」とし、現在深夜に放送している時間帯については、「地上波より見やすい時間になる」と話したが、マイナー化のイメージはぬぐえない。 F1中継は86年まではTBSがダイジェストで放送していたが、87年からフジテレビがグランプリ全戦を中継するようになった。かつては、アイルトン・セナ、アラン・プロスト、ナイジェル・マンセル、ミハエル・シューマッハ、ジャン・アレジらの名レーサーを抱え、ゴールデンタイムやプライムタイムで放送。中嶋悟、鈴木亜久里、片山右京といった日本人レーサーが著名になったのも、いい時間帯での放送だったからだろう。 最盛期の91年の日本GPは視聴率20%を超えるほどの人気番組であったが、F1ブーム自体が下火となり、中継は深夜枠へ移行し、次第に視聴率も落ちていった。89年から94年までは、テレビ朝日を退社しフリーとなった古舘伊知郎が実況を務め、プロレスさながらの名調子を披露したが、それも、いにしえの話となってしまった。フジテレビが中継を開始してから、ちょうど四半世紀が過ぎたが、ついに地上波からF1が消え去る。 今や、テレビはバラエティー全盛時代。国民的スポーツのプロ野球やサッカーJリーグでさえ、BSやCSに追いやられてしまった。かつては、大ブームを巻き起こしたプロレスやK-1などの格闘技も、ほとんどが地上波から消えた。これもまた、時代の変遷。F1も、その流れから逃れることはできなかった。(落合一郎)
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スポーツ 2012年01月19日 15時30分
プライド捨て夢を貫いた前ヤクルト青木は“男の中の男”!?
ダルビッシュ有投手(前日本ハム)が、レンジャースと日本人選手としては破格の条件で合意する一方、米メジャーで一からチャレンジする決意を固めたのが、ブルワーズと合意した前ヤクルトの青木宣親外野手(30)だ。 青木はポスティングシステム(入札制度)を利用して、米メジャー入りを目指し、ブルワーズが250万ドル(約1億9300万円)で落札。これは、ヤンキースに落札された西武・中島裕之内野手と同額だったが、前年にポスティングでツインズ入りした西岡剛内野手(前千葉ロッテ)の落札額約533万ドルと比較すると、半額以下の極めて低い評価だった。 その上、駐日スカウトを置いていないブルワーズは、異例の入団テストを敢行。これは、青木のプライドをズタズタにしたはずだ。合意したのも、交渉期限ギリギリだった。契約は2年で、3年目は球団に選択権が付く内容で、年俸は公表されなかったが、昨季推定年俸3億3000万円より、はるかに下回るものとみられる。ただし、「かなりの額のインセンティブ(出来高)がある」といい、結果を残せば、カネも手に入る契約内容のもようだ。 青木のレギュラーは保障されていない。ブルワーズのダグ・メルビンGMは起用法に関して、「チャンスは与えるが、(ライアン)ブラウンの処遇が決まるまで確かなことは言えない」と語っている。昨季MVPの主砲ブラウンはドーピング疑惑により、開幕から50試合の出場停止で、復帰するのは5月31日以降の見通し。この間、青木は代役で左翼のポジションに入る見込みで、結果が残せたら右翼手で起用される可能性もあるが、すべては成績次第。 青木は日本国内では3度の首位打者を始め、2度の最多安打と最高出塁率、盗塁王(1度)、ベストナイン6度、ゴールデングラブ賞5度を獲得。05、10年には200安打を達成、通算打率は.329で、打者としては超一流選手。その青木に対して、こんな条件を強いてきたのだから、破談になってもおかしくなかった。同じく低評価だった中島は西武残留を選択した。それでも、プライドより夢を貫いた青木は“男の中の男”か? アメリカンドリームを実現できるかどうかは、まさに本人の腕次第となる。(落合一郎)
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スポーツ 2012年01月19日 15時30分
幕下・佐久間山が序ノ口から歴代単独1位のデビュー27連勝で史上最速十両へ王手も、元学生横綱なのに特別扱いされないワケ
08年の学生横綱(「全日本学生相撲選手権大会」制覇)で、東幕下15枚目の日大出身・佐久間山(23=北の湖)が、大相撲初場所(東京・両国国技館)11日目(1月18日)で安芸乃川を押し出し、今場所6勝目を挙げ、序ノ口でのデビュー以来27連勝を飾った。これで、佐久間山は26連勝で並んでいた元小結・板井を抜き、歴代単独1位となった。今場所、あと1番残しており、全勝優勝を果たせば、来場所での十両昇進が有力となる。実現すれば、序ノ口デビュー組としては、板井らの所要6場所を抜いて、所要5場所での史上最速昇進記録となる。 ここで、疑問に思う読者諸兄も多いと思う。元学生横綱でありながら、佐久間山はなぜ特別扱いを受けていないかだ。好対照なのが、彼と同期生で10年に「全日本学生相撲選手権大会」「国民体育大会相撲競技(成年男子A)」を制した日体大出身の千代大龍(23=九重)だ。千代大龍は特別扱いを受け、昨年5月の技量審査場所にて、幕下15枚目格付出でデビュー。同場所では2連敗の後、故障のため途中休場して、番付を下げたが、翌場所から3場所連続で勝ち越して、今場所、新十両となった。現在、西十両13枚目で10勝1敗のトップタイで、優勝のチャンスも十分だ。 同じ学生横綱なのに、なぜ両力士の扱いが違うのか、それは日本相撲協会の規定にある。アマチュアで実績を残した者は、幕下15枚目格か10枚目格付出でデビューすることが可能。15枚目格は「全日本相撲選手権大会」(アマチュア横綱)、「全国学生相撲選手権大会」「全日本実業団相撲選手権大会」(実業団横綱)、「国民体育大会相撲競技(成年男子A)」(国体横綱)のいずれかに優勝した者。10枚目格はアマチュア横綱に加えて、上記のその他の3大会の1大会以上で優勝した者が有資格者。ただし、これには注釈があり、義務教育を終了した(中学卒業見込みを含む)25歳未満の男子で、その期限はいずれも優勝の日から1年間であるというもの。つまり、千代大龍は4年次の10年に2大会を制しているため、1年以内で有資格者。逆に佐久間山は2年次に優勝しているため、期限が失効しているわけだ。早い話、佐久間山が学生横綱になってから、1年以内に大学を中退して、角界入りしていれば、幕下15枚目格付出から取れたことになる。ただ、佐久間山はあくまでも卒業を優先したため、特別扱いにはならず、前相撲からのスタートとなったのだ。 幕下付出のちゃんとした規定ができたのは66年5月だが、実はそのルールはコロコロ変わっている。当時は幕下最下位格(現在は60枚目)に付け出され、これは00年9月まで続いた。当初は大学相撲の体重別で上位入賞の経験があれば、ほぼ無条件で幕下最下位格に付け出されたが、93年3月から全日本選手権ベスト16以上、または学生選手権、実業団選手権、国体成年Aのいずれかに優勝、または3位以内が2回に基準が厳格化された。年齢規定も23歳未満とされたが、後に25歳未満に緩和された。 00年9月の新ルール適用後、佐久間山と同様に前相撲から取ったのが、日体大出身の嘉風(29=尾車)。彼は3年次にアマチュア横綱となったが、卒業を優先したため、04年1月場所にて前相撲でデビュー。所要9場所で新十両、12場所で新入幕を果たしたが、幕内では伸び悩み、最高位は前頭筆頭。今場所は東前頭6枚目だ。 かくして、協会が定めたルールによって、学生時代のライバル・千代大龍に大きな差を付けられてデビューした佐久間山だが、スピード出世でいち早くライバルに追い付きたいところだ。(落合一郎)