スポーツ
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スポーツ 2012年02月02日 15時30分
兄の門出に泥! ダルビッシュ弟に有罪判決
2月1日、大阪地裁堺支部は米メジャーリーグのレンジャースに入団した前日本ハムのダルビッシュ有投手の実弟で、知人の女性の顔を殴るなどしたとして傷害罪に問われた会社員ダルビッシュ翔被告(22)に、懲役1年、執行猶予4年(求刑懲役1年)の判決を言い渡した。 翔被告は昨年1月25日未明、大阪府河内長野市の知人女性宅で、女性の顔を平手で多数回殴ったり首を絞めたりして、打撲などのケガを負わせ、同年6月17日に傷害容疑で逮捕されていた。 逮捕当時、写真週刊誌「フライデー」で事件の詳細を告白した被害女性の友人によると、翔被告は好意を寄せていた離婚歴のある子供がいる被害者の自宅に行った際、被害者がほかの男性と電話で話していたところ突然暴れ出し、「何でオレを恋愛対象として見られないのか?」と2時間にわたって殴る蹴るの暴行を加えた。この際の暴行により、被害者の右目の視力は1.5から0.3にまで極度に低下したという。 古賀英武裁判官は判決理由で「女性の交友関係に腹を立てた。長時間、一方的に顔を殴るなど犯行は執拗で悪質」と指摘。弁護側は殴った回数や暴行の内容を争っていたが、「医師の診断と整合しないとして退けた。もともと、翔被告はこれ以前にも逮捕歴があり、学生時代から札付きのワルとして地元では有名。執行猶予がついただけでも良しとすべきか。 翔被告は20歳の時に、兄のコネで団野村氏の事務所入りするが辞めてしまい、K-1デビューを目指しキックボクシングを始めたが、これもあっさり断念。兄のサポートのため、父ファルサさんが社長を務める会社に入った後に、この事件を犯した。兄も高校時代やプロ入り当初、喫煙などで素行に問題はあったが、野球で見事に更生した。今回、タイミング的に兄のレンジャース入団が決まったばかりで、まさに兄の門出に泥を塗った格好だ。(落合一郎)
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スポーツ 2012年02月01日 11時45分
ツインズ・西岡と徳澤直子が早くも離婚へ!
一部スポーツ紙によると、おととし7月に結婚した大リーグ・ツインズの西岡剛内野手と妻でモデルの徳澤直子がすでに別居状態で、代理人を立て離婚協議中だという。 2人は知人の紹介で知り合い09年の夏から交際し、10年1月に交際が発覚。同年7月に入籍。西岡は結婚をバネに、同年、自身初の首位打者と最多安打のタイトルを獲得し、ロッテの日本一に貢献。同年オフにポスティングシステム(入札制度)で大リーグ、ツインズへ移籍。徳澤はそんな夫を支えるため、11年1月にファッション誌「CanCam」(小学館)の専属モデルを卒業。料理や英会話を勉強し米国生活に備えていたのだが…。 「当時、徳澤は妊娠5カ月で日本に残っていた昨年3月、単身渡米していた西岡が年上でGカップの元グラドルを米に呼び寄せ密会していたことが女性誌で発覚。そのことで夫婦の間に深い溝ができてしまったようだ」(週刊誌記者) 西岡はツインズと3年総額900万ドル(当時のレートで約7億5600万円)で契約し、スプリング・トレーニングでは13試合連続安打を記録して打率.345の成績を残し昨年4月1日のトロント・ブルージェイズとの開幕戦でメジャーデビューしたが、開幕直後二塁に滑り込んだ走者と交錯し、左足腓骨を骨折。8月下旬にも脇腹を痛め、結局、出場68試合で打率.226、19打点、本塁打0、2盗塁と散々な結果に終わった。 8月には第一子の長女が誕生したが、すでに結婚生活は破綻していたようだ。 「ただでさえ、日本人野手への評価が低いのに、西岡のおかげでますます評価が下がってしまった。球界関係者の間では『契約を終えたら日本に戻るのでは』と早くもささやかれているほど厳しい状況」(プロ野球担当記者) 結婚わずか1年半で離婚を迎えた西岡だが、それなりに養育費も払うことになりそうなだけに、今シーズンは奮起してほしいものだ。
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スポーツ 2012年02月01日 11時45分
業界最大手の新日本プロレスが身売り! あのブシロードが5億円で買収!
業界最古参で最大手の新日本プロレスリング株式会社(東京都目黒区=菅林直樹社長)が身売りした。新日本の親会社であるゲームソフト制作会社の株式会社ユークス(大阪府堺市=谷口行規社長)が、1月31日付で、新日本の全株式をカードゲーム制作会社の株式会社ブシロードグループパブリッシング(東京都中野区=木谷高明社長=以下、ブシロード)に譲渡した。譲渡価額は5億円。新日本の組織と体制は現行のまま変わらないが、ブシロード木谷社長が新日本の代表取締役会長に就任する。 新日本は72年1月にアントニオ猪木が創業。今年3月で旗揚げ40周年の節目を迎える業界最古参のプロレス団体。05年11月にユークスが創業者の猪木から51.5%の株式を取得し(その後100%保有)、新日本を子会社化した。ユークスの11年1月期の連結業績は売り上げが50億4800万円。12年1月期の予想売り上げは49億8400万円で、ややジリ貧状態が続いている。そのうち、新日本の売り上げはここ数年11億円ほどで推移している。 一方のブシロードは07年5月に設立されたばかりの若い会社。08年7月期の売り上げは3億6200万円だったが、その後は25億4000万円(09年7月期)、32億7100万円(10年7月期)、64億9100万円(11年7月期)と驚異的なスピードで急成長。今年度は12年1月の中間期で売り上げ60億円を超える見込みだという。商品のひとつである「ヴァンガード」のテレビCMでは、ミュージシャンのDAIGOがイメージキャラクターとして起用されている。 木谷社長はもともと、大のプロレスファンとして有名。昨年5月5日には東京・後楽園ホールでブシロード主催興行を開催し、K-1戦士の長島☆自演乙☆雄一郎のプロレスデビュー戦を実現させた。8月には「G1クライマックス」の冠スポンサーとなって、新日本と急接近。その際にユークス谷口社長と会食し、新日本買収を打診し、交渉が続けられていた。木谷社長は「世界一のプロレスリングカンパニーを目指す。“打倒WWE(米国最大手のプロレス団体)”をしたい」と高らかに宣言した。 今回の買収劇はユークスの経営状態が決して悪いわけではなく、勢いのあるブシロードに後を委ねた形で、前向きな身売りといえる。これで、新日本がより良い経営環境になることが期待され、今後に注目が集まる。(落合一郎)
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スポーツ 2012年01月31日 15時30分
ロートルOBかき集める中日 目標は3連覇より観客動員アップ?
昨季、球団史上初のセ・リ−グ2連覇を達成しながら、落合博満監督を事実上解任した中日ドラゴンズ。後任には高齢のOB、高木守道氏(70)を招へい。投手コーチにはこれまた高齢の権藤博氏(73)を起用し、若返りにはほど遠い首脳陣となった。 落合前監督の解任理由は高額年俸、観客動員減少などが挙げられていた。現実に中日の観客動員は2連覇しながら、10年、11年と2年連続で落ちており、球団経営を考えると、「勝っても客が入らない」と深刻な課題となっている。 そんななか、選手の入れ替わりはどうかというと、左のエースであったチェン・ウェイン投手がメジャーのオリオールズに移籍。小池正晃外野手はFAで古巣・横浜DeNAに復帰、谷繁元信の控えだった小山桂司捕手を金銭で楽天に放出した。一方、入団組はドラフトで高校生(東海大甲府)の高橋周平内野手(18)を1位指名するなど、即戦力より将来を見据えた補強を優先。トレードでの新戦力獲得はなかった。新外国人は投手、外野手の2人のドミニカンをテストした上で合否を決める。 賛否両論渦巻いたのが、楽天を自由契約となったOBの山崎武司内野手(43)の獲得。推定年俸は3000万円+出来高で、球団にリスクはないが、観客動員アップのための営業優先の補強ともいわれている。かつては、本塁打王を2度獲った強打者も、昨季は11本塁打、48打点、打率.229と衰えは隠せず。同じポジションの一塁には09年の本塁打、打点の2冠王のトニ・ブランコ内野手(31)が控えている。山崎はレギュラー獲りを宣言しているが、セ・リーグには指名打者制度もなく、代打要員に終わる可能性も高い。 さらに脅かされたのが、元エース川上憲伸投手(36)の緊急獲得だ。川上はFA権を行使してメジャーのブレーブスと3年契約。09年には7勝を挙げたが、10年はわずか1勝に終わり、昨季は右肩の故障のため登板0。メジャーでの成績は8勝22敗と散々な結果に終わった。ブレーブスとの契約が満了し、移籍先を探していた川上が自ら古巣にアプローチして4年ぶりに中日に復帰した。こちらも、推定年俸は3000万円+出来高で、球団のリスクは低い。川上本人は「右肩は大丈夫」と語っており、チームもローテーションに入ることを期待しているようだが、実際のところ、肩はもうボロボロで、峠を越えた選手との評価も少なくない。 そして、メジャーのインディアンスからFAとなり、今季の所属先がまだ決まっていない大物OBの福留孝介外野手(34)にも、食指を動かしているとのウワサもあり、こちらの動向にも目が離せない。 確かに、かつてのスター選手が帰ってきたことで、営業面でプラスになる計算は立つだろう。しかし、結果より昔の名前に頼った選手起用をしたら、中日にリーグ優勝への道はないだろう。時代に逆行した補強は、3連覇より観客動員アップのためといわれても仕方あるまい。(落合一郎)
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スポーツ 2012年01月31日 11時45分
北の湖親方が理事長復帰! 九重親方も理事返り咲きで相撲改革にはほど遠いイメージ残る
任期(2年)満了に伴う日本相撲協会の理事選挙が、1月30日、東京・両国国技館で開かれ、元理事の北の湖親方(58=元横綱・北の湖)、九重親方(56=元横綱・千代の富士)が復帰。投票後の改選理事による理事会で、新理事長には北の湖親方が互選された。北の湖親方は弟子の大麻問題で辞任した08年9月以来、3年5か月ぶりの理事長復帰。再登板は史上初となる。 定数10の枠の中で、12人の立候補があり、理事改選は2期連続で選挙となった。票集めで苦戦が伝えられていた伊勢ケ浜親方は、投票前に辞退を申し入れたが、すでに立候補の受付期間が終了していたため受理されず、事実上11人での争いとなった。投票は全親方と力士、行司の代表者で構成する109人の評議員により実施された。 現職で当選したのは貴乃花親方(39=元横綱・貴乃花=11票)と出羽海親方(62=元関脇・鷲羽山=10票)。新人では千賀ノ浦親方(60=元関脇・舛田山=9票)、尾車親方(54=元大関・琴風=13票)、楯山親方(62=元関脇・玉ノ富士=12票)、鏡山親方(53=元関脇・多賀竜=10票)、春日山親方(45=元前頭・春日富士=11票)、八角親方(48=元横綱・北勝海=10票)の6人が当選。昨年4月に弟子の八百長関与で理事から降格していた北の湖親方(10票)と九重親方(7票)が復帰した。 落選は現職の立浪一門の友綱親方(6票)と伊勢ケ浜親方(0票)で、同一門からは春日山親方一人だけの当選となった。逆に高砂一門では九重親方の苦戦が予想されていたが、九重親方が最下位で滑り込み、八角親方ともども2人とも当選。両一門は明暗を分けた。 不祥事が相次いだ角界の改革を担う新体制は、弟子の不祥事で降格した北の湖親方や九重親方が出戻り、60代の高齢理事も3人。いささか、改革から後退のイメージはぬぐえない面が残った。(落合一郎)
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スポーツ 2012年01月31日 11時00分
理事選間近で露骨な報復戦
1月22日に千秋楽を迎えた相撲界は一気に向こう2年間のリーダーを決める理事選モードに突入する。親方たちの裏の動きも一段と熱を帯びてきているが、この年末年始にかけて、早くも高砂一門で理事選がらみの生臭い争いが表面化した。 「ここは時津風一門の協力を仰いでも2人しか理事に当選する票はないのに、八角(元横綱北勝海)、九重(元横綱千代の富士)、高砂(元大関朝潮)の3人が立候補の意思を示し、どう収束するか注目されていましたが、去年の暮れに高砂親方が立候補を断念しました。弟子の朝青龍に対する指導力不足で理事を降りて4年、それでも身内から反乱分子が出て辞退せざるを得なくなったというのが実情です。これを裏付けるように、仕事納めの12月28日、高砂部屋の所属だった大山親方(元幕内大飛)が東関部屋に転属になりました。部屋の師匠である高砂親方との間に、何か気まずいことが起こったのは明らかです」(担当記者) また年明けの5日、もともと高砂部屋育ちで、副理事を務めている中村親方(元関脇富士桜)が来年2月に定年を迎えるのに伴い、今年の九州場所限りで部屋を閉じ、所属する7人の力士は東関親方(元幕内潮丸)が師匠の東関部屋に移籍させることを明らかにした。こういう場合、中村親方の生まれ育った高砂部屋に移籍させるのが常道。それが直接の縁がない東関親方に託すことになったのは、理事選が影響していることは明白。大山親方は高砂親方の理事復職に異を唱え、分家の中村親方も本家に背き、関係が悪化したことが容易に想像される。 「オレの言うことを聞かないヤツは部屋を出ていけ、背くヤツの弟子なんか引き受けられるか、というところでしょう。これから他の一門でも同じような報復行為が表面化するかもしれませんよ」(協会関係者) くわばら、くわばら。
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スポーツ 2012年01月27日 15時30分
プロ野球の午後7時開始は是か非か?
プロ野球両リーグが今季の公式戦詳細日程を発表。巨人は後半戦の初戦となる7月25日(水曜日)の東京ドームでの横浜DeNA戦を、通常のナイターより1時間遅い午後7時開始とすることが分かった。巨人によると、「会社帰りでも試合開始から観戦したい」というファンの要望に応えるためで、今季は1試合のみ実験的に実施する。 プロ野球の平日ナイターの開始時間はほぼ6時時開始。昨季までは神宮球場を本拠地とするヤクルトが、大学野球の関係で、6時以降に設定されることも多かったが、今季はすべて6時開始で統一された。12球団のなかで唯一6時15分開始としているのが、千葉ロッテのQVCマリンスタジアムで、これは東京方面からの移動時間を考慮したものと思われる。 巨人がテスト的に実施する7時開始については、大いに歓迎すべきことで、もっと他球団も議論すべきではなかろうか。そもそも、プロ野球の開始時間は他の娯楽と比べると早い。サッカーJリーグ公式戦は土日開催が主だが、平日の場合は7時開始が主流。プロレスは6時半開始が多いが、最近では7時開始も多くなってきた。コンサートも6時半か7時開始だ。 エンターテインメントである以上、観客があってこそ。6時開始では仕事帰りに向かっても、開始時間に間に合わない人がほとんど。ファンの多くが「試合開始から見たい」と思うのは当然で、7時開始とすれば、その要望はかなり改善されるだろう。 ただ、問題なのは試合終了時間だ。プロ野球は他のスポーツやコンサートなどと比べて、時間が長い。平均で3時間はかかっているから、7時開始なら終了はおおむね10時過ぎることになり、小さな子ども連れの客にとっては帰りの時間が気になるところだろう。 プロ野球各球団とも、観客動員は頭打ちで、より客の立場に立った興行の在り方を検討する時期に迫られている。これもファンサービスのひとつである。終了時間が遅くなる問題があるなら、よりスピードアップに努め、まずは休日前の金曜日の試合あたりから、7時開始を積極的に導入してみるのも良いだろう。(落合一郎)
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スポーツ 2012年01月27日 11時45分
北の湖親方の理事長復帰が確実に! 日本相撲協会の粛正改革に逆行?
日本相撲協会のトップは理事長であるが、現職の放駒理事長(63=元大関・魁傑)が来年2月に65歳の定年を迎えるため、1月30日に行われる役員改選(2年1期)にて退任する。これに伴って、新理事長候補として急浮上したのが北の湖親方(58=元横綱・北の湖)だ。 30日の役員改選では理事(定数10)が決まるが、25日の立浪一門の会合で、理事候補者の調整が不調に終わったため、定数の10人を超える立候補者が出ることが濃厚となった。以前は事前の調整で無投票が慣例だったが、10年2月に続き、2期連続で投票によって、理事が選ばれることになる。 北の湖親方の現在の役職は理事より1階級下の役員待遇であるが、26日、理事選に立候補することを届け出た。すでに所属する出羽海一門の協力で、理事の当選ラインとなる10票前後を確保しているとみられ、理事当選は確実な情勢。理事選後に開かれる新理事会では、他に適切な候補者が見当たらないため、北の湖親方が新理事長に推される見通しだ。北の湖親方が理事長に就任するのは、辞任した08年9月以来、約3年5カ月ぶりとなり、再登板は史上初となる。 北の湖親方は02年2月に理事長に就任。4選を果たしたが、08年9月にロシア人の弟子(白露山)の大麻問題で引責辞任。昨年4月には弟子(清瀬海)の八百長関与で、理事から役員待遇に降格していた。 北の湖親方の辞任後は、武蔵川親方(63=元横綱・三重ノ海)が08年9月から10年8月まで理事長を務めたが、野球賭博問題で謹慎後、体調不良のため辞任。後任を現職の放駒親方が引き継いでいた。放駒理事長は野球賭博問題の後処理や、八百長問題の噴出で、まさに貧乏くじを引いた恰好だった。しかし、放駒理事長は現役時代、クリーンさで知られ、八百長をかたくなに嫌ったといわれており、他の人物では八百長問題に対じできなかったともいえる。 現在の角界は一連の不祥事の影響で、著しい人気低迷に陥っている。公益財団法人移行や年寄名跡問題も抱えている。協会自体が粛正改革していかなければならない時期に、かつて、自身の弟子が問題を起こして処分を食った北の湖親方が、理事長として復帰するのはイメージとして良くない。粛正改革どころか、昔の体質に戻るのではないかとの懸念もある。しかしながら、改革派の貴乃花親方(39=元横綱・貴乃花)ではまだ早すぎて、「北の湖さんしかいない」という人材難が、北の湖親方の再登板を生む背景のようだ。(落合一郎)
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スポーツ 2012年01月27日 11時45分
シーズン総括 キャンプ直前補強はあるのか? 東京ヤクルト編
ペナントレース終盤で故障者が続出しなければ…。8月に7勝15敗3分けと苦しみ、いったんは2位巨人に1.5ゲーム差まで肉薄されたが、9月には勝率7割8厘とチームを建て直した。そんな「優勝」を意識した発言も聞かれるようになった矢先だった。主にセットアッパーとしてチームを支えていたバーネットが右手首の剥離骨折で登録を抹消(9月6日)。由規も右肩の違和感、張りを訴え、チームのムードが一変してしまう。正捕手・相川も右手親指の亀裂・剥離骨折で『全治6週間』と診断されていたが(8月26日)、強行出場。エース・館山昌平も右手の血行障害があったが、チームのために最後まで奮闘した。 この頃、優勝争いのライバルは中日だけになったが、9月以降の直接対決で1勝8敗と大きく負け越し、クライマックスシリーズ・ファイナルステージでも『故障者続出』の劣勢を跳ね返すことは出来なかった。 ペナントレース途中のチーム順位表を見直すと、小川淳司監督が「いかに良いチームを作ったか」が再認識できる。8月6日時点、勝率が5割を上回っていたのは東京ヤクルトだけだった。「2位以下のチームがもたついていた」のは否めないが、出塁率3割1分2厘(リーグ1位)、犠打「171」(同1位)、チーム総打点「461」(同1位)という、低反発の統一球に左右されない攻撃スタイルが功を奏したのだろう。投手部門においても、「個人技」ではなく、総力戦で勝ちにいく姿勢が見られた。中継ぎ投手の『ホールドポイント』に松岡健一(63試合登板)、押本健彦(65試合登板)の2人がランクインしている(ともに4位)。52試合に登板した新人・久古健太郎も健闘した。クローザー・林昌勇(65試合登板)は、セーブポイントでリーグ5位。先発では館山、石川雅規の2人が規定投球回数に到達。さらに、赤川克紀、増渕竜義、村中恭兵、日高亮といった若手も成長し、来季以降への期待も持たせてくれた。 開幕3連敗でスタートしたが、序盤戦の牽引役となったのは新加入のバレンティンだった。4月16日に来日1号を放ち、同21日から28日までの7試合で5ホーマーと爆発。これに続いたのが、畠山和洋である。5月は“沈黙”したが、4月の16試合で6ホーマーを放っている。トータルでは打率こそ2割6分9厘だが、本塁打「23」、打点「85」。キャンプ、オープン戦のころ、小川監督は「守備は少々目を瞑っても」という言い方だったが、シーズンを通しての畠山の失策は「6」。「守備難を気にしすぎて、打撃に影響する」こともなかったので、小川ヤクルトは投打ともに中堅・若手の潜在能力を発揮させたと言っていい。 終盤戦の勝負どころで落合中日に逆転されたのは『故障者続出』だが、言い方を換えれば、『人材不足』である。9月まで投打ともに使える人材を全て出し切っていた状態で、投打ともに「あと1人」が足らなかった。選手層がもう少し厚ければ、『結果』は違っていたのではないだろうか。“人材難”をもっとも感じさせたのは、捕手である。相川が右手親指を故障したとき、川本良平、福川将和、中村悠平といった2番手以降との力量差は否めなかった。首脳陣は「21歳の中村を将来の正捕手に」と期待しており、川本の打撃にも捨てがたいものがある。 『2番手捕手不在』の弱点はシーズン前から指摘されていた。それでも補強しないでシーズンに臨んだのも、現有戦力を底上げする小川イズムかもしれないが、経営面での事情を指摘する向きもないわけではない。 余剰人員を抱えていること、選手層を厚くすることは同じではない。 先発枠を託された赤川などの若手投手は、シーズンを通してコンスタントに活躍するまでには至っていない。また、畠山もクライマックスシリーズ(短期決戦)で、打率1割4分8厘、打点「2」と不振だった。フルシーズンを戦う疲労と経験不足も出たのだろう。「投打ともに、あと1人いたら…」と思うと同時に、中堅・若手の伸びしろがある以上、小川ヤクルトはまだまだ強くなると期待も出来る。2011年は世代交代の途中、新旧取り混ぜ、総力戦で戦ったシーズンでもあったようだ。
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スポーツ 2012年01月26日 16時00分
プロ野球をつまらなくする3時間半時間制限制を今季も継続!
プロ野球の実行委員会が1月24日、東京都内で開かれ、昨季同様、今季も節電対策のため、試合開始3時間半を超えて新しい延長回に入らない特別ルールを採用することを決めた。これは、電力事情が依然として厳しい状況を踏まえたもの。 プロ野球に時間制限があった方がいいかどうかの是非は、意見が分かれるところ。昨季は開幕前の時点で、東京電力、東北電力管内の電力事情がひっ迫。東京電力管内では計画停電も実施されたことで、文部科学省や経済産業省からNPB(日本野球機構)に圧力がかかり、一昨年までの時間制限なし延長12回制から、3時間半の時間制限制とされた。 昨季の平均試合時間はセ・リーグが3時間9分(前年3時間17分)、パ・リーグが3時間6分(前年3時間18分)で、最長試合は9月8日、横浜スタジアムでの横浜対ヤクルト17回戦で、4時間33分だった(9回)。 数字だけを見れば、両リーグとも、3時間程度で試合が終わっており、観戦するにはほどよい時間といえる。ただ、いざ勝負となれば、時間制はプロ野球そのものをつまらなくするとの意見も多い。まさに、緊迫した1点の攻防となる延長戦にこそ、野球のだいご味が詰まっているとの声も多いのだ。しかし、3時間半という時間制限を設けることで、延長戦は大方10回まで。引き分けに持ち込むために、片方のチームが露骨な時間稼ぎを行うケースもあった。 一昨年、両リーグでわずか16試合だった引き分け数は、昨季は3.5倍の56試合に激増した。決着がつかない引き分けが多ければ、ファンも消化不良に陥る。引き分けの差は優勝争いや順位争いに直結する。プロ野球では通常、引き分けが多い方が勝率の点で有利とされる。昨季、終盤まで中日と優勝を争ったヤクルトは、両リーグ最多の引き分け数15を記録したが、野球自体が勝つための試合ではなく、負けないための試合になってしまい、野球そのものがつまらなくなる懸念も出てくる。 電力事情は昨年3月11日の福島原発事故直後から夏場に比べれば回復している。一昨年までの時間制限なし延長12回制に戻すのはむずかしだろうが、せめて間を取って、4時間の時間制限制あたりで、落ち着かせるわけにはいかなかったのだろうか。3時間半の時間制限制は、プロ野球自体をつまらなくしてしまいかねない。(落合一郎)