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シーズン総括 キャンプ直前補強はあるのか? 東京ヤクルト編

 ペナントレース終盤で故障者が続出しなければ…。8月に7勝15敗3分けと苦しみ、いったんは2位巨人に1.5ゲーム差まで肉薄されたが、9月には勝率7割8厘とチームを建て直した。そんな「優勝」を意識した発言も聞かれるようになった矢先だった。主にセットアッパーとしてチームを支えていたバーネットが右手首の剥離骨折で登録を抹消(9月6日)。由規も右肩の違和感、張りを訴え、チームのムードが一変してしまう。正捕手・相川も右手親指の亀裂・剥離骨折で『全治6週間』と診断されていたが(8月26日)、強行出場。エース・館山昌平も右手の血行障害があったが、チームのために最後まで奮闘した。
 この頃、優勝争いのライバルは中日だけになったが、9月以降の直接対決で1勝8敗と大きく負け越し、クライマックスシリーズ・ファイナルステージでも『故障者続出』の劣勢を跳ね返すことは出来なかった。

 ペナントレース途中のチーム順位表を見直すと、小川淳司監督が「いかに良いチームを作ったか」が再認識できる。8月6日時点、勝率が5割を上回っていたのは東京ヤクルトだけだった。「2位以下のチームがもたついていた」のは否めないが、出塁率3割1分2厘(リーグ1位)、犠打「171」(同1位)、チーム総打点「461」(同1位)という、低反発の統一球に左右されない攻撃スタイルが功を奏したのだろう。投手部門においても、「個人技」ではなく、総力戦で勝ちにいく姿勢が見られた。中継ぎ投手の『ホールドポイント』に松岡健一(63試合登板)、押本健彦(65試合登板)の2人がランクインしている(ともに4位)。52試合に登板した新人・久古健太郎も健闘した。クローザー・林昌勇(65試合登板)は、セーブポイントでリーグ5位。先発では館山、石川雅規の2人が規定投球回数に到達。さらに、赤川克紀、増渕竜義、村中恭兵、日高亮といった若手も成長し、来季以降への期待も持たせてくれた。

 開幕3連敗でスタートしたが、序盤戦の牽引役となったのは新加入のバレンティンだった。4月16日に来日1号を放ち、同21日から28日までの7試合で5ホーマーと爆発。これに続いたのが、畠山和洋である。5月は“沈黙”したが、4月の16試合で6ホーマーを放っている。トータルでは打率こそ2割6分9厘だが、本塁打「23」、打点「85」。キャンプ、オープン戦のころ、小川監督は「守備は少々目を瞑っても」という言い方だったが、シーズンを通しての畠山の失策は「6」。「守備難を気にしすぎて、打撃に影響する」こともなかったので、小川ヤクルトは投打ともに中堅・若手の潜在能力を発揮させたと言っていい。

 終盤戦の勝負どころで落合中日に逆転されたのは『故障者続出』だが、言い方を換えれば、『人材不足』である。9月まで投打ともに使える人材を全て出し切っていた状態で、投打ともに「あと1人」が足らなかった。選手層がもう少し厚ければ、『結果』は違っていたのではないだろうか。“人材難”をもっとも感じさせたのは、捕手である。相川が右手親指を故障したとき、川本良平、福川将和、中村悠平といった2番手以降との力量差は否めなかった。首脳陣は「21歳の中村を将来の正捕手に」と期待しており、川本の打撃にも捨てがたいものがある。
 『2番手捕手不在』の弱点はシーズン前から指摘されていた。それでも補強しないでシーズンに臨んだのも、現有戦力を底上げする小川イズムかもしれないが、経営面での事情を指摘する向きもないわけではない。
 余剰人員を抱えていること、選手層を厚くすることは同じではない。
 先発枠を託された赤川などの若手投手は、シーズンを通してコンスタントに活躍するまでには至っていない。また、畠山もクライマックスシリーズ(短期決戦)で、打率1割4分8厘、打点「2」と不振だった。フルシーズンを戦う疲労と経験不足も出たのだろう。「投打ともに、あと1人いたら…」と思うと同時に、中堅・若手の伸びしろがある以上、小川ヤクルトはまだまだ強くなると期待も出来る。2011年は世代交代の途中、新旧取り混ぜ、総力戦で戦ったシーズンでもあったようだ。

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