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シーズン総括 キャンプ直前補強はあるのか? 阪神編

 24試合に減少−−。2010年ペナントレースはリーグ最多の41試合の逆転勝利が見られたが、昨季は24試合だった。勝敗は結果論としても、3点以上のビハインドから逆転は1試合もない…。阪神打線の破壊力が落ちたのか? いや、先発投手が早いイニングで崩れた際の脆さと『攻撃面でのチグハグさ』が“敗因”ではないだろうか。
 打撃陣の成績はむしろ高い方である。チーム打率2割5分5厘はリーグトップ。チーム総得点「482」(同2位)、出塁率3割7厘(同1位)、総安打数「1206」(同1位)。打撃10傑(打率)にも、2位のマートンを以下、鳥谷敬(4位)、平野恵一(5位)、ブラゼル(10位)と4人がランキングしている。チーム防御率2.83(3位)という、決して低くない『投手&守備力』を考えると、3点以上のビハインド・ゲームをひっくり返せなかったのは、やはり疑問だ。

 8月28日、対ヤクルト戦(甲子園)。真弓明信監督は『代走』に『代走』を送った。7回裏、一死から藤井彰、代打・桧山の連打で一、二塁とすると、まず一塁走者の桧山に、代走・野原将を起用。続く平野の左前適時打で1点を勝ち越し、なおも一、二塁としたところで、今度は野原将に代わって大和を代走に送った。試合は平野の適時打による1点が決勝点となったが(1対0)、代走に代走を送る必要性があったのだろうか。野原将は外野手、大和は内野手。その7回裏が無得点に終わった際の9回裏、10回裏の攻撃を見越して、打撃力のある野原将を送り、勝ち越した時点で、8回表以降の守備を考え、内野手の大和に切り換えたというのが試合後の真弓監督の説明だったが、首を傾げていた阪神選手は、かなり多かった。2010年に逆上れば、真弓監督は控え野手を使い切り、投手の西村を代走に送ったこともある。
 『采配』の是非はともかく、真弓監督は自身の攻撃スタイルを阪神ナインに理解させていれば、不信感を募らせることはなかったはずだ。8月28日の試合だが、虎の子の1点を守りきるのか、2点目を取りにいくのか、阪神ナインは分かっていなかった。こういうコミュニケーション不足がチームの低迷を招いたと言っていい。

 また、交流戦の時期は打線が機能しなかった数値も残っていた。指名打者が「42打数4安打」と奮わなかった。本塁打も1発だけ…。交流戦は10勝14敗(8位)。5、6月のチーム成績も17勝23敗であり、7月から攻勢に転じたものの、Aクラスには届かなかった。結果的には「前半戦のもたつきが最後まで響いた」と言えるが、6月は外国人投手の活躍も目立った。スタインリッジは6月9日から6連勝、メッセンジャーも7月9日までトータル7勝1敗。この時期、打線が爆発していれば、Aクラスには確実に食い込んでいたはずだ。
 2011年は、クローザー・藤川球児のイニングをまたぐ継投策の是非も問われた。藤川に繋ぐ「8回を小林宏に託す構想」が崩れたためだが、真弓監督の退団後、「藤川が志願した日もある」と関係者はコメントしていた。一般論として、クローザーが「イニングまたぎの登板」を続けると連投が効かなくなる。安定感のあるセットアッパーがいなかったことも、チームが最後まで勢いづかなかった原因だろう。その意味では、新人ながら62試合に登板した榎田大樹がいなかったら、救援陣は“大炎上”していたかもしれない。
 2012年の構想では、先発の一角を託されていた久保をリリーバーに、榎田を先発にコンバートさせるという。久保クラスの投手がセットアッパーで待機するとなれば頼もしい限りだが、藤川の後継者はまだ見通しすら立っていない。藤川の2011年の成績は58試合登板で41セーブ、防御率1.24。一連のメジャー志望発言にあるように、藤川が本当に海外FA権を行使するのなら、何人かの救援投手のなかから「ストッパーの適性があるか否か」もテストしておきたい。
 打点王・新井貴浩、最高出塁率・鳥谷、最多安打・マートン、最多セーブ・藤川…。これだけのタイトルホルダーを輩出して勝てなかったのは、故障者続出も影響してのことだろう。新生・和田阪神の巻き返しに期待したい。

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