定数10の枠の中で、12人の立候補があり、理事改選は2期連続で選挙となった。票集めで苦戦が伝えられていた伊勢ケ浜親方は、投票前に辞退を申し入れたが、すでに立候補の受付期間が終了していたため受理されず、事実上11人での争いとなった。投票は全親方と力士、行司の代表者で構成する109人の評議員により実施された。
現職で当選したのは貴乃花親方(39=元横綱・貴乃花=11票)と出羽海親方(62=元関脇・鷲羽山=10票)。新人では千賀ノ浦親方(60=元関脇・舛田山=9票)、尾車親方(54=元大関・琴風=13票)、楯山親方(62=元関脇・玉ノ富士=12票)、鏡山親方(53=元関脇・多賀竜=10票)、春日山親方(45=元前頭・春日富士=11票)、八角親方(48=元横綱・北勝海=10票)の6人が当選。昨年4月に弟子の八百長関与で理事から降格していた北の湖親方(10票)と九重親方(7票)が復帰した。
落選は現職の立浪一門の友綱親方(6票)と伊勢ケ浜親方(0票)で、同一門からは春日山親方一人だけの当選となった。逆に高砂一門では九重親方の苦戦が予想されていたが、九重親方が最下位で滑り込み、八角親方ともども2人とも当選。両一門は明暗を分けた。
不祥事が相次いだ角界の改革を担う新体制は、弟子の不祥事で降格した北の湖親方や九重親方が出戻り、60代の高齢理事も3人。いささか、改革から後退のイメージはぬぐえない面が残った。
(落合一郎)