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大相撲八百長調査に“個人情報保護”の壁 暗礁に乗り上げた全容解明

 大相撲の八百長調査が遅々として進まない。臨時で設置された特別調査委員会が力士、親方の調査をしているが、なかなか協力を得られず、伊藤滋座長は「ずる賢いヤツを許しちゃいけない。調査に影響しているし、頭にくる」とイライラを隠せず。

 野球賭博に関与した元前頭・春日錦の竹縄親方(春日野)、十両・千代白鵬(九重)の携帯メールが警察の調査を受けた結果、14人の力士、親方の八百長疑惑が浮上した。その14人ですら、調査には非協力的。八百長関与を認めたのは竹縄親方、千代白鵬、三段目・恵那司(入間川)の3人だけ。携帯電話をちゃんとした形で提出したのはわずか7人。3人は壊れた携帯を提出。残る4人は未提出で、内1人は紛失したと申告。未提出の1人である十両・清瀬海(北の湖)は、八百長関与を否定したものの、明らかになった携帯メールの内容からクロと認定済み。現役続行が不可能と判断した清瀬海は、引退を決意し、携帯電話の提出はしない意向とも伝えられている。

 そんななか、「正直者がバカをみてはいけない」と八百長を正直に告白した者には処罰軽減案が出され、日本相撲協会の理事会で承認された。調査委員会はあくまで、逃げ切りは許さない方針だ。

 調査で大きな壁となっているのが、個人情報保護法。調査委員会によると、メールの解析を依頼した携帯電話会社からは、捜査当局からの依頼ではないこともあり、個人情報保護の観点から協力を断わられたことが明かされた。残るは民間の調査会社のみ。これとて、やはり個人情報保護の壁が立ちはだかる可能性もあるのだ。携帯電話の提出すらままならず、調査も進まないなか、閉塞感も漂っている。全容解明ができる日は、果たして来るのであろうか。
(ジャーナリスト/落合一郎)

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