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この日行われた試合前日計量は井上がリミットの53.5キロ、ディパエンが53.3キロでそれぞれクリア。両者は計量後のフェイスオフ(対戦する選手同士の対面)で20秒ほどにらみ合った後、力強く握手を交わしその後の会見に臨んだ。
14日のタイトルマッチは、2019年11月7日に行われたWBSS(ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ)決勝のノニト・ドネア(フィリピン)戦以来、2年1カ月ぶりの日本国内での試合となる井上。「無事に計量を終えて、リカバリーも終わったところで気持ち的にはすごくリラックスして落ち着いている状態です。明日は2年ぶりの日本での試合になるので自分自身すごく楽しみにしていますし、皆さんもこの2年、楽しみにしてくれていたので、その分素晴らしい試合をお見せする予定です」と、凱旋試合にふさわしい結果・内容をファンに見せることを約束した。
一方、挑戦者のディパエンも「計量も終わって体(の状態)はバッチリで全然問題ない。明日、絶対いい試合になりますよ。みなさん見ててください」とコンディションは万全であると強調。これを受けた井上は「計量の時に体見ましたけど『しっかりと仕上げているな』と思いました」としつつも、「それでもしっかりと力の差を見せてその次の、来年春のビッグマッチに向かいたいと思いますので、ここは危なげなく、いつも通りしっかりと勝つだけです」と、ディパエンを下し来春に計画される他団体王者との統一戦に弾みをつけたいと宣言した。
今回の試合は井上の国内試合では初めて、PPV(ペイ・パー・ビュー/有料コンテンツに料金を支払って視聴するシステム)で配信される。これについても井上は「今回こういうPPVという形を選びましたけども、この先につながるよう成功していけばいいなと思ってます」とコメント。今回の一戦がPPV定着のきっかけになればと期待を込めた。
来春予定の統一戦実現、国内ボクシング界へのPPV浸透がかかる一戦に闘志をのぞかせた井上。会見最後にはディパエンから「俺は密林のブレデター(自身の異名)じゃなくて、モンスター(井上の異名)ハンターだよ」と両者の異名を交えて挑発されるも、「このぐらい気合入ってないといい試合にならないと思うので。明日はみなさんの期待、想像を超える勝ち方をしていきたいので楽しみにしていてください」と余裕の口ぶりだった。
文 / 柴田雅人