秋場所2日目終了後。両国国技館添いの歩道に人だかりができていた。金のシルクハット、金縁メガネ、金の腕時計、金の扇子。黄金の4点セットを身にまとったおじさんは、よくよく見てみると“オリンピックおじさん”こと山田直稔氏ではないか。
実は山田氏は、かれこれ40年以上相撲を観戦し、大相撲振興応援団長でもある。今場所も千秋楽まで15日間すべてのチケットを押さえるなど大の相撲フリークなのだ。それだけに今回の一連の不祥事について「軌道修正が必要。今の時代に合わせてどんどん(人間を)入れ替えていかないと」と改革の必要性を訴える。
さらに、山田氏は協会改革の適任者を本紙だけに耳打ちする。「江戸東京博物館の館長がいいんじゃないかな。相撲を誰よりもよく知っているし、オレなんかより相撲歴が長い。きょうも見に来たよ」。両国国技館に隣接する江戸東京博物館の館長で、過去に「相撲の歴史」を出版するなど、相撲に対してとても造けいが深い竹内誠氏を猛プッシュだ。
この日は臨時の理事会、評議員会を実施し、非常勤の外部理事及び監事を迎えることを決定した相撲協会。改革の重要な局面を迎えているだけに、いまこそ原点回帰で熱心なファンの声に耳を傾ける必要があると思うが、果たして。