前日まで「2勝2敗」の豊昇龍はこの日、「0勝4敗」の平幕・錦木と対戦。立ち合い鋭く当たると、すぐにもろ差しの体勢に持ち込み前に出ようとする。しかし、錦木に左足を後方に引きながらの小手投げを合わせられ、右足から崩れるように地面に落ちた。
ただ、豊昇龍は地面に落ちる直前、錦木の左足に右手でしがみついて粘ろうとする。この直後に右肘が地面についたため豊昇龍は負けとなったが、左足をとられ体勢を崩した錦木は尻もちをつくように転倒。幸いにもけがなどはなかったようですぐに立ち上がったが、両手についた砂を「バンッ!」と大きな音を立てながら払うなど、いら立ったような雰囲気も出ていた。
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敗戦直前まで粘りを見せた豊昇龍だが、ネット上には「今の豊昇龍は最後危なすぎるわ、相手のこと壊す気かよ」、「お互いに怪我するリスクあるからやめろ」、「粘る気持ちは分かるが、体飛んでるのに足にしがみつくのはダメ」、「変に道連れにするなよ、コケた錦木左ひじ思いっきり打ってたぞ」といった批判が寄せられた。
ファンからひんしゅくを買っている豊昇龍だが、この日ABEMA中継で解説を務めた元大相撲力士・大岩戸氏(元幕内)はそれ以前の問題を指摘している。同氏は取組終了後に「けがが治りきってないような感じですね。治ったとしても、治るまでの時間は稽古できなくて、あんまり体調が仕上がってないというか」、「なんか軽いですよね。前だったらあんな投げは食わないんですけどね」とコメント。豊昇龍は先場所左足首を故障し、1日のみ休場をしいられているが、このけがが尾を引いているのか状態が整っていないように見えると見解を示している。
豊昇龍は翌6日目の平幕・阿武咲戦で、立ち合い左方向に変化しながらの叩き込みで勝利している。コンディションの悪さを考慮したのか、あからさまに真っ向勝負を避けた形だが、このような調子で今場所を完走できるのだろうか。
文 / 柴田雅人