スポーツ
-
スポーツ 2012年07月14日 17時59分
中日・高木監督頭が痛い! 荒木の球宴出場を辞退させられない裏事情
日本野球機構(NPB)は7月13日、オールスター戦(7月20日=京セラドーム、21日=松山、23日=盛岡)に選出されていたトニ・ブランコ内野手(31=中日)、ターメル・スレッジ外野手(35=日本ハム)がケガのため出場を辞退したことを発表した。 ブランコは8日のDeNA戦で死球を受けて左手甲を骨折、全治6〜8週間の見込みで、9日に出場選手登録を抹消された。スレッジは左ヒザ痛のため、6月16日に出場選手登録を抹消され帰国。米国で精密検査を受けた結果、重度の軟骨損傷と遊離軟骨があると診断され、復帰のメドが立たない状態。この2人は長期戦線離脱が濃厚で、出場辞退は致し方ない。 そこで、セ・リーグの指揮を執る中日・高木守道監督(70)の頭を悩ませているのが、荒木雅博内野手(34=中日)の出場問題だ。荒木は10日の阪神戦で左太もも裏を肉離れ、11日に全治2〜3週間と診断されて、12日に出場選手登録を抹消された。 荒木はさほど重症ではないことから、後半戦が始まる25日からの復帰を目指しているが、問題となっているのが球宴出場。荒木自身は「オールスターには出たい」と語っているが、チームとしては辞退して後半戦に備えてほしいのがホンネ。 ところが、野球協約がそれを許してくれないのだ。球宴を辞退すると、球宴後の10試合に出場できないとのルールがある。もし、荒木が大事を取って辞退した場合、最短で復帰できるのは8月5日になってしまう。これは、荒木にとっても、中日にとっても大きな痛手。 そうなると、荒木は球宴に強行出場するしかない。ただ、そこで故障を悪化させても困るわけだ。回復状況次第だが、足に故障を抱えている以上、守備に就くのも、代走も厳しいところ。そうなると、荒木の出番はせいぜい代打程度になるだろう。セ・リーグ的にはほとんど戦力としては期待できず、本来なら元気な選手に代替出場してもらった方がいい。それでも、協約上、荒木は無理を承知で球宴に出るしかない。 そもそも、この協約は球宴に選ばれながら、大した故障でもないのに、後半戦に備えるために辞退することを防ぐために設けられたもの。ところが、逆に球宴後10試合の出場停止を避けるために、故障を抱えながらも辞退をせず、代走代打程度の出場でお茶を濁す選手が多いのも事実。過去には1試合も出場しなかった選手もいる。根本的な問題は、この協約そのものにあり、改善策を検討する必要もあるのではなかろうか。(落合一郎)
-
スポーツ 2012年07月14日 17時59分
斎藤佑樹勝負弱さ露呈! 田中マー君との直接対決で3連敗
7月13日、Kスタ宮城での楽天対日本ハム戦で、高校時代からのライバルであるマー君こと、田中将大投手(23=楽天)と斎藤佑樹投手(24=日本ハム)がプロ3度目の直接対決。田中が投げ勝って、楽天が5-1で勝利し、斎藤との対戦で3連勝を飾った。斎藤はここ一番での勝負弱さを改めて露呈する格好となった。 前回6日の西武戦では、右脇腹付近の炎症で予告先発を回避した田中は、不安を抱えての復帰登板となった。しかし、田中は故障明けであることを感じさせない投球で、8回を8安打無失点。今季自己最多の13三振を奪う力投で、斎藤(5勝)を越える6勝目(2敗)を挙げた。 今季、腰痛で出遅れた田中だが、この日の登板で、規定投球回数に到達。防御率は1.63となり、2位の成瀬善久投手(ロッテ)の1.99に、0.36もの大差を付けて、ダントツのパ・リーグトップに立った。勝ち星は1差でも、防御率では3.40(リーグ16位)の斎藤とは比較にもならない。 一方の斎藤は6回を投げて、7安打6四球1死球の乱調で5失点。この日の黒星で、昨季の6敗を上回る7敗目を喫した。これで、斎藤は6月6日の広島戦で5勝目をマークして以降、5戦連続で勝ち星なしの状態が続いている。 両者は昨年9月10日にKスタ宮城でプロ初対戦。その際、田中は9回5安打1失点で完投勝利、斎藤は8回10安打4失点で敗戦投手となった(楽天が4-1で勝利)。2度目の対戦は4月13日の札幌ドームで、田中は8回7安打1失点、斎藤は6回0/3を投げ7安打2失点。試合は2-1と僅差のゲームとなったが、この日も田中が投げ勝った。 斎藤との投げ合いで3連勝を飾った田中はお立ち台で、「2度あることは3度あるということで」と余裕を見せた。栗山英樹監督から、エースとしての英才教育を受けながら壁を打ち破れない斎藤と、楽天のエースとして君臨する田中との力の差がくっきり見えた勝負だった。(落合一郎)
-
スポーツ 2012年07月14日 17時59分
日本批判の真意 ダルビッシュはパワー・ベースボールに泣かされていた!
登板はなかったものの、ダルビッシュ有(25=レンジャーズ)が米球宴でも“存在感”を見せつけた。恒例の前日会見でのことだった。彼の口から日本球界への批難発言が飛び出した。 「日本はヘンな固定観念に縛られすぎています。そのせいでまったく野球が伸びていないと思います、この何十年」 この発言が出たのは、インタビューの規定時間の45分が「あと少し」で終わろうとしているときだった。ダルビッシュは、『初出場』ということで「他球団選手とどんな話をしたいのか?」とも質問され、まずは「トレーニングのメニューとかも聞きたい」と回答。すると、日本人選手との体格や筋力の違いにも話が及び、“日本球界の練習方法”を否定したのである。 米国人ライターがそのときの様子を詳しく説明してくれた。 「ダルビッシュは今日まで筋トレ、食事、サプリメントで体重を増やしてきたと話してくれました。ウエイト・トレーニングのことを指していたんだと思われますが、日本球界時代、彼の周りには体重が増えたり、筋肉が厚くなりすぎることに否定的な見解を示す声が多かったという主旨でした。『筋トレはダメだと固定観念を持つよりは、筋トレをやって失敗した方が得るものもある』というニュアンスでした。ちょっと興奮気味な口調だったのでビックリしました」 ここまで熱くなる必要もないと思うが…。 米国と日本野球を語るうえで、パワー(筋肉)の違いが話題になる。しかし、メジャーリーガーとのパワーの違いを痛感しているのは、ダルビッシュ自身のようである。 前半戦、ダルビッシュは9本の被弾を浴びている。102回3分の2、総対戦打者447人(前半戦終了時点)だから、被弾率の高いピッチャーではないが、5月6日(現地時間)、2本目の被弾を浴びせたインディアンズのキプニスはこう話していた。 「ダルビッシュには、簡単には打てない変化球がたくさんある。−省略− 変化球は最初から捨てて、ストライクゾーンに来た速球を強く叩くことだけに集中した。そうしたら、ホームランに…」(同日試合後の談話) また、メジャー2戦目の先発登板となった4月14日(同)、対戦チーム・ツインズのバレンシアは、6回途中でダルビッシュを降板させた“勝因”を次のように明かしている。 「変化球はどれもハイレベルだ。甘い速球を辛抱強く待つに限るよ」(試合後) 同じく、スパン外野手も「真ん中高めの失投を待った」と話していた。 対戦打者のコメントから察するに、ストレートを狙い打ちされているようである。どんな一流投手にも失投はあるが、それを確実に長打にされているという印象をダルビッシュは抱いているのではないだろうか。 また、ダルビッシュは『与四球』が多い。前半戦16試合で「90」の四球を記録している。昨年はシーズンを通じて「36」。日本ハム時代でもっとも「与四球」が多かったのは、06年の「64」だから、シーズンの半分で自己ワーストを更新したことになる。これも、失投を長打にされるパワーの違いを痛感している証だろう。メジャーでは失投が長打に結びつくため、慎重になりすぎていると見るべきである。 同様に、メジャーでは捕手別の防御率が弾き出される。球宴にも選出された正捕手・ナポリと組んだときのダルビッシュの防御率は、4.57。2番手のトレアルバと組んだ際は、2.29。日本国内でも販売されているメジャーリーグ専門誌によれば、「ナポリはストレート(直球系)を中心に配球を組み立てるタイプ」と紹介されていた。『捕手別防御率』の数値を見る限り、トレアルバを「パーソナル・パートナー」にすれば、もっと勝ち星が稼げそうだが…。 「レンジャーズは『パーソナル・キャッチャー』を作らない方針のチームです。それに、ナポリはチームの中心打者であり、打線、得点力にも影響が出かねないので」(前出・米国人ライター) 甘いボールが行けば、長打を浴びる危険性はメジャー移籍時に覚悟していたはず。ダルビッシュは直球系のボールをパワーアップさせなければ、さらに被弾の数を重ねるだろう。※メジャーリーグに関わるアナリスト、統計会社はフォーシーム、ツーシーム、カッター(もしくはカットボール)を『直球系』と位置づけており、今回の「ダルビッシュの被弾」に関する本サイドの取材はその定義に基づいてまとめました。
-
-
スポーツ 2012年07月13日 15時30分
中畑DeNAが福留獲り画策 そのポリシーなき補強策
ダントツのセ・リーグ最下位にあえいでいるDeNAが、ホワイトソックスから自由契約となった福留孝介外野手(35)の獲得に乗り出すことが明らかになった。 今季、ホワイトソックス入りした福留は出場機会に恵まれず、残した成績は24試合の出場で、41打数7安打4打点0本塁打、打率.171。6月3日(日本時間4日)の試合中に右脇腹を痛めて故障者リスト(DL)入り。マイナーの3Aで調整中の同月22日(同23日)に戦力外通告を受け、同月28日(同29日)に自由契約となった。 福留はメジャーでのプレーを希望しているが、米国内で獲得球団がなかった場合、DeNAはオファーを出す方針。かねて、池田純球団社長も「興味はあります。ファンを呼べる選手というより、まず実力がある選手だと思う」と評価している。 DeNAの外野は左翼が巨人からの移籍のアレックス・ラミレス外野手(37)、中堅が俊足の荒波翔外野手(26)で固定。残された右翼のポジションを、00年の首位打者・金城龍彦外野手(35)、昨季日本ハムからFA移籍した森本稀哲外野手(31)、今季中日からFA移籍した小池正晃外野手(32)、下園辰哉外野手(27)、二軍で調整中の吉村裕基外野手(28)らが争っている状態だった。 ところが、6月に大した戦力にならないと思われた元楽天のランディ・ルイーズ内野手(34)を獲得したことで、事態は混迷。ルイーズが一塁しか守れないため、中村紀洋内野手が一塁から三塁に回り、期待の大砲である筒香嘉智内野手は三塁から経験のない右翼に弾き出されてしまった。 ルイーズは7月12日現在、33打数7安打1打点0本塁打、打率.212で、予想通り、ほとんど役に立っていない。この上、福留をもし獲得して、右翼に固定したとしたら、どういうことになるか言わずもがなだ。ルイーズを使い続けるなら、筒香はベンチウォーマーとなってしまい、外野のレギュラー候補も控え専門となる。 スポーツジャーナリストのA氏は「DeNAの補強にはポリシーが全く感じられません。そもそも、一塁ではノリ(中村)が頑張っているのに、なぜ一塁しかできないルイーズを獲る必要があったのでしょうか。仮に福留の獲得に成功したとしたら、筒香らの出場機会は減ります。スランプで二軍に落ちている吉村は、06〜08年に3年連続20本塁打をマークし、08年には34本塁打放った大砲。もう一度、鍛え直して復活させたい選手です。いくら、チームの成績が悪いからといって、その時の思い付きで補強をするのは感心しません。時間はかかるかもしれませんが、生え抜きの有望な若手を育てることが一番大事ではないでしょうか。こんな補強案は、その場しのぎで、長い目で見てチームのためになりません」と言及する。 まだ前半戦だというのに、12日現在、借金22を抱え、5位・阪神に7ゲーム差も付けられているDeNA。もはや、必要なのは目先の補強ではなく、若手の育成にほかならないと思われるのだが…。(落合一郎)
-
スポーツ 2012年07月12日 15時30分
“苦労人”オリックス・井川が6年ぶりの国内勝利
5年間、米国で辛酸をなめてきたオリックス・井川慶投手(32)が、7月11日の楽天戦(Kスタ宮城)で白星を挙げ、国内では阪神時代の06年10月16日のヤクルト戦以来、6年ぶりの勝ち投手となった。白星自体は米メジャー・ヤンキースでの1年目の07年4月28日(現地時間)のレッドソックス戦での救援勝利以来、5年ぶりで、日米通算89勝目をマークした。 同日、井川は今季4度目の先発。過去3度の登板では結果が出せず、これがラストチャンスともいえた。全盛期のスピードこそないが、巧みな投球術で、8回を3安打1失点で抑えた。7回表に自軍が逆転して、オリックスが3-1で勝利。6年ぶりの国内での勝ち星をつかみ取った。 井川は「なかなか向こう(米国)で結果が出なかったので、何とか日本で結果を出したいと思って頑張っていました。ふがいない投球が続いたので、正直ホッとしています」と安どの表情を浮かべた。 対戦相手の指揮官・星野仙一監督は、阪神時代の03年にともに優勝を味わった間柄。この年、井川は20勝を挙げて、星野監督の胴上げに大きく貢献。自己最高のシーズンとなった。かつての恩師の前での復活勝利に、井川は「星野監督には頑張っている姿を見せられた。岡田(彰布)監督にはチャンスをいただいた恩返しができた」と感慨深げ。 井川は06年オフ、ポスティングシステム(入札制度)を利用して、ヤンキースに入団。落札額は約2600万ドル(当時のレートで約30億円)、5年総額2000万ドルの大型契約を結んだ。しかし、1年目(07年)の4月に2勝をマークしただけで、それ以降、勝ち星を挙げることはできず。2年目(08年)はわずか2試合の登板しかなく、同年6月にマイナーに降格してからは、2度とメジャーのマウンドに立つことはなかった。5年間、米国で苦しい思いをした井川は、ニューヨークの地元メディアやファンから、「獲得は失敗だった」と酷評された。 オリックスに入団が決まってからも、「井川はもう日本でも通用しない」と陰口を叩かれることもあった。それを、自らのパフォーマンスで払しょくした。苦労の末に待っていた復活劇。この白星が大きなきっかけとなるはず。かつて、20勝を挙げた男が、どこまで輝きを取り戻せるか注目が集まる。(落合一郎)
-
-
スポーツ 2012年07月11日 15時30分
「ロンドン五輪〜美人日本代表を探せ!」第1回〜なでしこジャパン・鮫島彩
リアルライブ読者の皆さま、こんにちは。 ロンドン五輪もいよいよ、7月27日に開会式を迎えます。そこで、本項では五輪に出場する美人アスリートたちをピックアップしていきます。 第1回では、女子サッカー・なでしこジャパンのDF、鮫島彩(25)を取り上げます。 鮫島は87年6月16日生まれ、栃木県河内郡河内町(現宇都宮市)出身。小1の時にサッカーを始めたが、中学時代はテニス部に入った。それでも、地元クラブの河内SCジュベニールに所属すると、頭角を現し、U-15の全国大会に出場。その実力が認められて、宮城県仙台市の常盤木学園高にサッカー留学。1年次からレギュラーに抜てきされ、第14回全日本高等学校女子サッカー選手権大会(05年)では準優勝を果たし、U-18で初めて日本代表に選出される。 高校卒業後の06年、東京電力女子サッカー部マリーゼ(福島県双葉郡広野町)に入団。プロ契約ではないため、東電福島第一原発で事務員の仕事をするかたわら、練習に励んだ。レギュラーの座を確保すると、U-20日本代表に選出され、08年には初めて、なでしこジャパンに招集された。 11年3月11日の東日本大震災によって引き起こされた福島第一原発事故により、マリーゼは活動自粛。鮫島は悩んだ末、WPS(アメリカ女子プロサッカー)のボストン・ブレイカーズに移籍。 そして、同年6月、「2011 FIFA女子ワールド杯」で全試合にスタメン出場し、優勝に大きく貢献した。 「ワールド杯」でのフィーバー後、同年9月、フランスのモンペリエHSCに移籍したが、今年6月に退団。 さる7月9日、なでしこリーグの2部に当たるチャレンジリーグのベガルタ仙台レディースに移籍したことが発表された(プロ契約)。仙台は今年2月にマリーゼが移管されたチームで、1年ぶりの古巣復帰となった。 鮫島は「チームの勝利、また東北のさらなる盛り上がりに貢献できるように頑張りたいと思いますので、応援よろしくお願い致します」とコメントしている。 これまで、日本代表の国際Aマッチに45試合出場、2得点を挙げている。 なでしこジャパンの美人戦士といえば、とかく川澄奈穂美(INAC神戸)の名が挙がることが多いが、川澄はどちらかといえば、“カワイイ系”。鮫島はなでしこ1の正統派美人といえる。 五輪での金メダルが期待される女子サッカー。鮫島の活躍にも大いに注目が集まる。(坂本太郎)画像:鮫島彩オフィシャルブログ http://ameblo.jp/ayasameshima/
-
スポーツ 2012年07月11日 15時30分
米球宴ドッチラケ! ダルビッシュの出番なし
米メジャーリーグのオールスター戦が7月10日(日本時間11日)、ロイヤルズ本拠のミズーリ州カンザスシティーのカウフマン・スタジアムで開催され、ナ・リーグが8-0でア・リーグに大勝した。 ア・リーグのレンジャーズに所属し、日本人で唯一の出場となったダルビッシュ有投手(25)の登板機会はなかった。 試合は先行のナ・リーグが初回に5点、4回表に3点を取り、ワンサイドゲームとなって、そのまま8-0で終了。ダルビッシュはブルペン待機したものの、マウンドには上がらなかった。 ア・リーグの指揮を執ったレンジャーズのロン・ワシントン監督は戦前、ダルビッシュの起用法に関して、「試合がどう動くか見ていく必要がある」と明言しなかった。ア・リーグのベンチ入り投手は13人で、どうしても余剰人員が出る。ワシントン監督は「(使わなかったのは)彼がフレッシュな選手だから。もし何かの理由で延長になっても、彼は1試合分まるまる投げられる」と語り、ダルビッシュを延長戦に突入した場合の予備要員として、計画していたようだ。 日本では当初、NHKがBS1での生中継を予定していたが、ダルビッシュの出場で、地上波の総合テレビでの放送に昇格、主、副チャンネルでリレー中継された。しかし、“主役”の出番は訪れず、登場を待っていたファンにとっては、まさにドッチラケの結果になった。 国内のオールスター戦は2戦制(11、12年は3戦制)であるため、故障でも起こさない限りは、選ばれた選手が出場しないケースはまずない。従って、日本のファンにとっては、球宴に選ばれて出場しないという事態になじみがない。 だが、米球宴は1戦制で、延長戦など不測の事態に備えて、選手を残しておく必要性もあり、新人のダルビッシュは予備要員に回された格好。 ダルビッシュが選ばれたのは、監督推薦や選手間投票ではなく、最後の1人を決めるインターネットでのファン投票。日本からもかなりの票が入ったことは明白で、テレビの放映権料など、米球宴にはジャパンマネーも流れている。「せめて、打者1人だけでも投げさせてくれたら良かったのに…」というのが、日本のファンのホンネだ。 ダルビッシュは「ボクにとって初めてのオールスターで、何人かの選手といろいろな話ができて楽しかった」とコメントしたが、ファンにとっては残念至極。この日ばかりは、起用しなかったワシントン監督が“悪者”扱いをされそうだ。(落合一郎)
-
スポーツ 2012年07月10日 15時40分
ルーキーのダルビッシュ、青木は合格点! 日本人メジャーリーガー前半戦総括
米メジャーリーグ公式戦は7月8日(日本時間9日)、前半戦を終了した。そこで、おもな日本人メジャーリーガーたちのプレーぶりを総括する。 1年目ではダルビッシュ有投手(25=レンジャーズ)、青木宣親外野手(30=ブルワーズ)が合格点といえる。ダルビッシュは開幕からローテーションを守り、16試合に登板し、10勝5敗、防御率3.59(リーグ15位)。奪三振117は投球回数102回2/3を上回った。ダルビッシュ本来の力を考えると、防御率の高さにやや不満は残るものの、最多勝も十分狙える成績である。 メジャー全体で日本人野手への評価が低い現状で、青木はベンチスタート。それでも腐ることなく、自分の仕事に徹した青木は、6月からほぼスタメンに定着。日ごとに、その評価は高まり、15試合連続安打で前半戦を折り返した。残した成績は229打数69安打20打点5本塁打11盗塁で、打率は.301。日本人野手ではイチロー外野手(38=マリナーズ)以来となる1年目での3割でターン。現時点で規定打席には3足りないが、今の調子が持続できれば、規定打席をクリアしての3割達成も夢ではない。 他の選手に目をやると、まず投手だが、ヤンキースに移籍した黒田博樹投手(37)。17試合に登板し、8勝7敗、防御率は3.50。負け数の多さが気になるところだが、上々の成績で3年連続2ケタ勝利は間違いないだろう。 1年目の岩隈久志投手(31=マリナーズ)は慣れないリリーフでのスタートとなったが、15試合に投げて、1勝1敗2セーブ、防御率4.84と不本意な成績。だが、後半戦では先発に回ることが決まっており、本来のポジションで、巻き返しを図りたいところ。 大手術を乗り越えた松坂大輔投手(31=レッドソックス)は、5試合で0勝3敗、防御率6.65と散々な成績で、故障者リスト(DL)入りした。こちらはまだ、完全復活に時間がかかりそうだ。 上原浩治投手(37=レンジャーズ)は20試合21回1/3を投げ、防御率2.11とまずまずだが、背筋痛で故障者リスト入りしている。後半戦からの復帰に期待が懸かる。高橋尚成投手(37=エンゼルス)は28試合30回1/3を投げ、0勝2敗、防御率4.15といまひとつの内容。 マイナー落ちも経験した建山義紀投手(36=レンジャーズ)、現在マイナーの五十嵐亮太投手(33=ヤンキース)、田沢純一投手(26=レッドソックス)にとっては、サバイバルをかけた厳しいシーズンとなりそうだ。 野手に目を転じると、イチローが絶不調。356打数93安打27打点4本塁打で、打率は.261。この成績は前半戦の数字としては、これまでのワースト。このままでは、2年ぶりの3割、200安打も実現困難となるだろう。 5月下旬にメジャーに合流した松井秀喜外野手(38=レイズ)は、80打数14安打7打点2本塁打で、打率.175と、こちらも低迷。現在、左太もも裏を痛めており、出場機会も減った。後半戦での巻き返しに期待したいところ。 1年目の川崎宗則内野手(マリナーズ)は、途中出場が多く、65打数12安打6打点0本塁打1盗塁で、打率.185。レギュラーだった日本の時と違い、ベンチスタートで調整も難しいだろうが、もう少し打撃成績を上げたいところ。 福留孝介外野手(35)はホワイトソックスから自由契約となり、現在、新たな所属先を探しているところ。キャンプ中にマイナー落ちした西岡剛内野手(27=ツインズ)は、いまだメジャー昇格の気配はない。 悲喜こもごもの日本人メジャーリーガーたち、後半戦での活躍を望んでやまない。(落合一郎)
-
スポーツ 2012年07月10日 11時00分
独占直撃90分 谷川貞治 K-1の裏舞台を全部話そう 〜曙スカウト裏、石井館長逮捕劇、負債30億円商標売却、ギャラ未払い問題…〜(2)
−−TBS系で放送された『K-1 PREMIUM 2003 Dynamite!!』のボブ・サップ対曙戦は、あの大晦日で一番注目されたイベントでした。 谷川「視聴率は最高43%です。だから、曙にはせめて2ラウンドまで頑張ってほしかった(笑)。曙はものすごく自信を持ってたんですよ。あんな自信家は見たことないっていうくらい自信満々だった。それであまり練習しなかった(笑)」 −−でも、興行的には大成功だったでしょう。 谷川「そうですね。大晦日は、だいたい5億から8億くらい売り上げてました。ほかの会場でも興行的な赤字はありませんでした。でも、脱税の追徴課税を支払ったり、高騰する選手のギャラを支払うと結果的には資金面で苦しかった。逮捕・収監されていた石井館長が'08年に出所して、その頃からK-1をどこかに売ろうという話になりました。実際に数十億で買いたいという話も当時はあった。でも、なぜかずるずると引っ張って、その間に資金面でどうにもならなくなったんです」 −−株式会社FEGの最終的な負債は…。 谷川「30億くらいか、それ以上でしょうね」 山本「それ、言わないほうがいいんじゃないの(笑)」 谷川「どのみち公表されることですから(笑)。'03年に曙を引っ張ってきたときは、過去最高の“3試合で1億円以上”っていう契約でしたが、その後はどんどん高い選手が何人も出てきたんです。それで、'10年ぐらいからギャラの未払いが起き始めた。最後の方は、前の試合のギャラが未払いだからって、試合直前になっても選手がホテルから出てこないときもありましたよ。前日になって選手の出場が危うくなるとか、そういうトラブルはしょっちゅうでした」 −−そういえば、ボブ・サップが試合直前に控え室から帰ってしまったことがありましたね。 谷川「'06年のホーストの引退試合ですね。試合直前になってギャラを上げろと言ってきたんだったかな。それを僕が断ったら帰ったんです。プロデューサーとしてお金で揉めたのはサップだけだったと思います。初めて会ってからの2年間はなんでも言うこと聞いてたんですけどねぇ。『イエッサー』ってサーが付いてましたから(笑)。でも、お金を稼ぎ始めてから言うことをきかなくなったし、弱くなりましたよね。逆にサップの代役として急遽出場してくれたピーター・アーツには感謝してます。あのときは解説者としてビールを飲んでいたところへ、僕が『ピーター、試合!』とオファーしました(笑)。2つ返事でOKしてくれた男気が素晴らしかった」 −−サップ以外の選手たちは、それほどお金に執着しなかったんですか? 谷川「魅力的なリングを用意すれば、選手たちは出てくれますよ。そのいい例が今回の『WARU』です。賞金こそありますが、出場選手はみんなノーギャラ。だからって適当に手を抜くなんてことは絶対にない。むしろプロよりも、がむしゃらにガチです。普段いきがってる不良だからこそ、カッコ悪いマネはできない。お金より大事なものを背負って戦うところが、地下格闘技の醍醐味ですから」 山本「刺青を入れてる街の不良たちですが、試合になると反則が非常に少ないんです。それは、反則してまで勝ってもカッコよくないという意識があるからでしょう」 谷川「プロでもそうですが、格闘技の魅力って“幻想”だと思うんですよ。たとえば、どこかの暴走族チームのリーダーと、どこかの街を仕切ってる番長はどっちが強いんだろうっていうね。それぞれのドラマをぶつけることで、試合は格段に盛り上がるんです。プロでも“因縁の対決”とかあるでしょう。そういうドラマチックな要素って、地下格闘技の方も濃いんですよ」 −−そうなると、今後の谷川さんは地下格闘技をメーンに活動するということですか? 谷川「というより、プロ格闘技の業界を一度“更地”にリセットしたいですね。メジャーがなくなって、選手たちはどこに目標を置いたらいいのかわからない。10年前のビジネススキームが通用しなくなってるのに、キツキツのままそれを続けてる団体が多すぎます。もちろん、ファンも一から作り直さないといけないでしょう。破産したとはいえ、いつか皆さんに恩返ししなくちゃいけないと僕は考えています。そのためにも現状をリセットして、新しいイベントを立ち上げたいですね」 −−その構想に、目玉となる選手はいますか? 谷川「うーん、今度のオリンピックで活躍してくれる選手がいればいいんですが…。あとは朝青龍とか。でも選手云々じゃないんですよね。これからいかに新しいビジネススキームを格闘技界で確立するかが重要なんです。今のままではいずれ立ち行かなくなります。そういう意味では『WARU』みたいな地下格闘技イベントの人気が、いい刺激になるかもしれないですね」谷川貞治(たにがわ さだはる)1961年9月27日愛知県名古屋市生まれ。日大法学部卒業後、ベースボールマガジン社に入社。空手専門誌『近代空手』などの編集部を経て、『格闘技通信』の編集長に就任。'96年に退社し、CS格闘技専門チャンネルの立ち上げに参加。'03〜'12年までK-1プロデューサーを務めた。山本ほうゆう世界空手道連盟真樹道場海外部部長。映像プロデューサー。これまで手がけた作品は700本を超える。『WARU』の代表を務める。★『WARU 下剋上』ワル日本一決定トーナメント大会スケジュール・7月7日(土) ディファ有明・7月15日(日) 後楽園ホール・9月8日(土) ディファ有明・10月7日(日)※予定 さいたまスーパーアリーナ コミュニティアリーナ
-
-
スポーツ 2012年07月09日 15時30分
“早稲田大三羽烏”は今… 6球団競合の西武・大石が2年目でようやくプロ初勝利
一昨年秋のドラフト会議で、大いなる注目を集めた“早稲田大三羽烏”。プロ2年目を迎え、その立場もそれぞれだ。 7月8日、そのうちの1人である西武・大石達也投手(23)がようやくプロ初勝利を挙げた。大石は西武ドームでの楽天戦で、3-5と2点ビハインドの5回一死一塁の場面で登板。1回2/3を無失点で抑えた。その後、自軍が6回裏に5点を取って逆転。救援投手がリードを守って、9-5で勝利。大石に白星が転がり込んだ。 大石は早大時代は抑え役で活躍。球速155キロを超える剛速球で鳴らし、ドラフト会議では斎藤佑樹投手(現日本ハム=24)の4球団(日本ハム、ヤクルト、ロッテ、ソフトバンク)を上回る、6球団(西武、阪神、横浜=現DeNA、広島、楽天、オリックス)から1位指名を受け、抽選の結果、西武に入団した。 1年目の昨季、開幕一軍メンバーに選ばれたものの、直後に右肩痛を訴え、二軍降格。1試合の一軍登板もなく、シーズンを終えた。プロ球界から最も注目を集めながら、結果を残せず、同期生の斎藤、福井優也投手(現広島=24)の後じんを排しただけに、初勝利には感慨ひとしおだろう。大石は「7、8、9回。どこでもいいので、勝ち試合に投げられるようになりたい」と、今後の抱負を語った。 一方、斎藤は昨季、19試合に登板、6勝(6敗)を挙げた。今季は開幕投手に指名され、8日現在、15試合に登板し、5勝(6敗)をマークしているものの、ここ最近はKOされるケースも増えており、伸び悩み気味だ。 ドラフトでは大石の外れ1位で広島に入団した福井は、その悔しさをバネに昨季、1年間ローテーション投手として奮闘。27試合に投げて、8勝(10敗)を挙げ、同期生3人の中で最高の成績を残した。しかし、今季は2年目のジンクスか、わずか5試合の登板で1勝(2敗)しただけ。現在は二軍で調整中だ。 1年目とは大きく立場が変わった早大三羽烏の面々。今シーズンが終わった際に、それぞれどんな成績を挙げているか注目されるところ。(落合一郎)