前回6日の西武戦では、右脇腹付近の炎症で予告先発を回避した田中は、不安を抱えての復帰登板となった。しかし、田中は故障明けであることを感じさせない投球で、8回を8安打無失点。今季自己最多の13三振を奪う力投で、斎藤(5勝)を越える6勝目(2敗)を挙げた。
今季、腰痛で出遅れた田中だが、この日の登板で、規定投球回数に到達。防御率は1.63となり、2位の成瀬善久投手(ロッテ)の1.99に、0.36もの大差を付けて、ダントツのパ・リーグトップに立った。勝ち星は1差でも、防御率では3.40(リーグ16位)の斎藤とは比較にもならない。
一方の斎藤は6回を投げて、7安打6四球1死球の乱調で5失点。この日の黒星で、昨季の6敗を上回る7敗目を喫した。これで、斎藤は6月6日の広島戦で5勝目をマークして以降、5戦連続で勝ち星なしの状態が続いている。
両者は昨年9月10日にKスタ宮城でプロ初対戦。その際、田中は9回5安打1失点で完投勝利、斎藤は8回10安打4失点で敗戦投手となった(楽天が4-1で勝利)。2度目の対戦は4月13日の札幌ドームで、田中は8回7安打1失点、斎藤は6回0/3を投げ7安打2失点。試合は2-1と僅差のゲームとなったが、この日も田中が投げ勝った。
斎藤との投げ合いで3連勝を飾った田中はお立ち台で、「2度あることは3度あるということで」と余裕を見せた。栗山英樹監督から、エースとしての英才教育を受けながら壁を打ち破れない斎藤と、楽天のエースとして君臨する田中との力の差がくっきり見えた勝負だった。
(落合一郎)