スポーツ
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スポーツ 2012年08月22日 15時30分
部員の不祥事でも出場辞退しなかった作新学院 怒りの会社員が甲子園球場に脅迫電話
作新学院(栃木県宇都宮市)の野球部員が不祥事を起こしながらも、開催中の「第94回全国高校野球選手権大会」の出場を辞退せず、それを日本高野連が容認したことで、思わぬ事件に発展した。 兵庫県警甲子園署は8月21日、甲子園球場(兵庫県西宮市)に脅迫電話をかけたとして、威力業務妨害の疑いで福岡県水巻町の会社員・園田健一郎容疑者(40)を逮捕した。 同署によると、園田容疑者は「高野連が、(野球部員が)強盗事件を起こした高校(作新学院)を出場停止にせず納得がいかなかった」と話している。 逮捕容疑は19日午前9時20分頃、甲子園球場に電話をかけて「アルプスに血が流れるぞ」と脅し、球場の業務を妨害した疑い。当時、甲子園球場では当の作新学院と仙台育英(宮城)の試合が行われていた。 むろん、作新学院が出場を辞退しなかったことについては、賛否両論あろう。 問題の事件は10日午前6時50分頃に起きた。甲子園の登録メンバーに入っていない同校の野球部員の男子生徒(2年生=17)が、宇都宮市の雑木林で少女(16)を襲った。宇都宮中央署は17日、少女のヒザなどに軽傷を負わせた上、現金数千円を奪ったとして、強姦(ごうかん)致傷及び強盗の疑いで、この生徒を逮捕した。生徒はわいせつ目的で少女を襲ったことは認めたが、強姦目的と現金を奪った点を否認している。 甲子園開催中の不祥事とあって、衝撃が大きかったが、同校は出場を取りやめず、高野連も「過去の事例から、部活動外の個人の不祥事で出場を差し止めたことはない」として容認。同校は19日の3回戦で仙台育英に3-2で勝利し、ベスト8に進出したが、21日の準々決勝で東海大甲府(山梨)に4-8で敗れ、甲子園を去った。 21日、高野連は同校が岐阜国体(9月30日〜10月3日)への出場を辞退したことを発表した。同校・長谷川勝比古校長は「国体出場チームに選ばれたことは大変名誉なことでしたが、この度の野球部員による不祥事発生に絡み、この後、日本高野連による正式なご審議、ご判断を待つ身であり、これ以上のご迷惑を掛けることはできないと考え、辞退をさせていただいた次第です」とコメントした。 なぜ、甲子園はOKで、国体はNGなのか、同校の判断には疑問が残るところ。 高野連の「部活動外の個人の不祥事で出場を差し止めたことはない」との考えは一定の理解はできるし、事件に関与していない部員まで連帯責任を負う必要はないだろう。ただ、脅迫電話をかけた犯人のように、その判断に違和感をもつ者もいるということを、高野連は十分認識すべきだ。(落合一郎)
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スポーツ 2012年08月21日 15時30分
ダルビッシュが勝ち星で元中日チェンに並ばれる! 風雲急告げるア・リーグ新人王争い
前半戦が終わった時点では、ダルビッシュ有投手(26=レンジャーズ)で間違いなしと思われていた米メジャー、ア・リーグの新人王争いが風雲急を告げてきた。日本の野球ファンにもおなじみである元中日のチェン・ウェイン投手(27=オリオールズ)が、ついに勝ち星でダルビッシュに並んだのだ。 8月19日(日本時間20日)、デトロイトでのタイガース戦に先発したチェンは、初回に5点を奪われたが、2回から立ち直り、5回まで無失点で切り抜けた。その間に味方打線が奮起し逆転。オリオールズが7-5で勝利し、チェンが12勝目を挙げた。 チェンは「考えすぎないで、できるだけ失点を少なくと思った。(1回に)球数を投げていたので、一人一人に集中して、どんどん勝負にいった」とコメントした。会心の逆転勝ちに、バック・ショーウォルター監督は「タフな男。(5回まで)投げられると思った」と満足げ。 前半戦では、常にダルビッシュの後を追いかける格好になっていたチェンだが、後半戦になって、ダルビッシュが不調でもたつく間に白星を積み重ね、ついに追いついた。 ここまでの両者の成績は、ダルビッシュが23試合登板、147回2/3を投げて、12勝(9敗)=勝率.571、防御率4.51、奪三振172、与四死球90。チェンは25試合登板、151回を投げて、12勝(7敗)=勝率.632、防御率3.87、奪三振122、与四死球51。 投球回、防御率、勝率とおもな成績はチェンが上回っており、ダルビッシュが上回っているのは奪三振のみ。こうなると、新人王争いは現時点ではチェンが優勢にも思える。 過去、日本人でMLBの新人王を獲得したのは、95年の野茂英雄投手(ドジャーズ)、00年の佐々木主浩投手(マリナーズ)、01年のイチロー外野手(マリナーズ)と3人だけ。ダルビッシュが獲得すれば、11年ぶり4人目の快挙となるだけに、期待が懸かる。今後も両者のマッチレースが続くことが予想され、2人の登板に注目が集まるところだ。(落合一郎)
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スポーツ 2012年08月20日 17時52分
ディファ有明で『喧嘩屋VSプロ格闘家』 5対5マッチが開催された
1ラウンド3分で行い決着がつかなかった場合はマスト判定方式とする。「ルールは喧嘩です!」のキャッチフレーズで2008年8月東京・渋谷Atomで旗揚げした、喧嘩格闘技イベント「KRUNCH」創立者の杉浦和男の不安、恐怖、社会に対する不満をリング上でぶつけ、「敗者復活の舞台をKRUNCHで創ってやりたい」という趣旨のもとエネルギーをぶつけ合う激しい闘いが繰り広げられた。 今大会のメインは『喧嘩屋VSプロ格闘家』5対5マッチとしてKRUNCH精鋭群がボックスファイトで活躍するプロ軍団に2分3Rのボックスファイトルールでの試合を受けてたった。 試合は流石にプロ対アマチュアの実力差が出て、先鋒から中堅戦までKRUNCH側は3連敗を喫するが、副将戦でプロ大会でも活躍して、この日も昼に茨城県で開催した地下格闘技大会に参戦してからのダブルヘッダーになる将軍が修羅場の数の違いを見せ、1Rから各ラウンドダウンを奪い最終3Rに3度目のダウンを奪いレフェリーストップでKRUNCH側が初勝利をあげた。大将戦は、元プロボクシング日本ウェルター級6位でキックボクシングにも転向したボックスファイト代表・戸田拳士と地下格闘技集団・野蛮一族代表の吉田武生の対戦、技術で上回る戸田に気持ちで前に出る吉田がスプリット2-1で判定勝ち、KRUNCH勢は2勝3敗と負け越しながらプロ格闘家に引けをとらない闘い振りをみせた。 またKRUNCH第13戦から始まった75kg以下のトーナメントの決勝戦では三河幕府のMASAKIが判定で勝利し、地下格闘技団体の頂点に立った。 第14試合には初期KRUNCHの中心選手だったが塀の中で俗世と3年間離れた杉浦グループの 林HITMAN大輔 が復帰戦をレフェリーストップのTKO勝利を飾り、創設者杉浦和男の唱える「挫折した人間にもチャンスを与える敗者復活の舞台」を具現した。 対抗戦、ワンマッチだけでなく恒例の飛び入りマッチも行われ、観戦者も参戦できる活気ある大会であった。2012年8月19日(日)KRUNCH第十五戦会場 ディファ有明 主な試合結果 〈第11試合〉飛び入りワンマッチ引分 〈第14試合〉横浜のどすこい!●ジャム(BIC WOEK)レフェリーストップ挫折しても挫折してもチャンスを与えるそんな心のデカイグループ!そう!杉浦グループより○林HITMAN大輔(杉浦グループ) 〈第15試合 KRUNCH 75kg以下級決勝戦〉喧嘩日本一は本当は俺だよ!●小澤(JOKER)判定KRUNCHは日本のリングのUFC!だからこのリングに上がる○MASAKI(三河幕府) 〈ボックスファイト VS Krunch 5対5・ボックスファイトルール2分3R 〉〈第16試合・先鋒〉○タイガーナッツ(ボックスファイト・翔拳道)2RKO1:29※3ダウン●鈴木悠太(野蛮一族) 〈第17戦・次鋒〉○Kojiman(ボックスファイト・KAKOGYM)判定3-0(29-28、29-28、29-28)●竜坊(侍) 〈第18試合・中堅〉○野村法宏(ボックスファイト・フリー)2RKO1:11●忠義(APACHE) 〈第19試合・副将〉●岡田祐一(ボックスファイト・フリー)TKO3R0:44○将軍(侍)※将軍昼に茨城の地下格闘技ST祭 後のダブルヘッダー 〈第20試合・大将〉●戸田拳士(ボックスファイト)判定1−2(29-28、28-29、28-29)○吉田武生(野蛮一族)
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スポーツ 2012年08月20日 16時30分
首位陥落の日本ハム 2軍でズタボロの斎藤佑樹の昇格は無理!?
8月19日、パ・リーグの首位を走っていた日本ハムがロッテに1-2で敗れた。2位・西武が楽天に6-2で勝ったため、両チームはゲーム差なしとなったが、勝率で西武が上回り、日本ハムは7月31日から守っていた首位から、19日ぶりに陥落した。 パ・リーグは首位から4位・ロッテまで、わずか3ゲーム差。日本ハムにとっては、黒星がかさめば、優勝はおろか、一気にCS(クライマックスシリーズ)進出圏外に落ちてしまいかねない状況となった。 同日、2軍で再調整中の斎藤佑樹投手(24)が、南三陸で行われたイースタン・リーグ、楽天戦に先発したものの、5回を投げて、7安打6失点と散々な投球内容だった。 斎藤は今季、栗山英樹新監督(51)から開幕投手に指名され、“ポスト・ダルビッシュ”の期待を懸けられ、ローテーションの柱として回った。しかし、シーズン中盤以降は不振に陥り、7月29日のオリックス戦では3回0/3を投げて、7安打6失点。6戦連続で勝ち星なしとなり、翌30日に出場選手登録を抹消された。斎藤にとっては、プロ入り以来、初の不調での2軍降格の屈辱を味わった。 降格後の8月4日、斎藤はフューチャーズとのイースタンチャレンジマッチ(鎌ヶ谷)に先発したが、6回6安打5失点とふがいない内容であった。昇格が懸かった11日のヤクルト戦(戸田)では、6回を4安打3失点と、いまひとつ。当初の予定では、2度の登板で1軍復帰の見込みだったが、1軍からお呼びが懸かることはなかった。そして、19日のKO降板。これで、斎藤の昇格は無期延期となった。2軍首脳陣は追試をする意向を明らかにしている。 1軍が首位を独走していれば話は別だが、首位陥落で投げてみないと分からない投手に、チャンスを与えるような余裕はなくなった。このまま、斎藤が2軍で結果を残せないようなら、昇格の目はなくなるだろう。 現在の斎藤の成績は17試合登板(98回1/3)、5勝7敗、防御率3.66。この不振から抜け出せないようなら、19試合登板(107回)、6勝6敗、防御率2.69の昨季成績を、すべての面で下回ることになりそうだ。(落合一郎)
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スポーツ 2012年08月20日 15時30分
“奪三振王”桐光学園・松井投手が準々決勝で散る! こうなったら桑田の通算奪三振記録更新目指せ!
ここ数年、甲子園で個人記録に、これだけの注目が集まったことがあっただろうか? 「第94回全国高校野球選手権大会」で驚異的なハイペースで、三振を奪ってきた松井裕樹投手(2年=16)擁する桐光学園(神奈川)は、8月20日、準々決勝で2季連続準優勝の強豪・光星学院(青森)と対戦。 松井は7回まで無失点で切り抜けたが、連投の疲れからか、8回に集中打を浴び3失点。味方の援護はなく、桐光学園は0-3で敗れ去った。この試合で強豪相手に15の三振を奪った松井だが、ベスト4の壁は破れなかった。松井は「朝から体が重くて腕が振れなかった。気力だけだった」と話したが、「来年はレベルアップして甲子園で優勝したい」と気持ちを切り替えた。 ここまで、松井は1回戦(9日)の今治西(愛媛)戦で22三振を奪い、1試合の大会奪三振新記録を樹立。その後も、2回戦(16日)の常総学院(茨城)戦で19、3回戦(19日)の浦添商(沖縄)戦で12の奪三振を記録。準々決勝での15を加えると、大会通算68の奪三振となった。 残念ながら、松井は第40回大会(58年)で板東英二(徳島商=元中日)がマークした大会通算奪三振記録の83(6試合62回)には及ばなかったが、第87回大会(05年)の辻内崇伸(大阪桐蔭=現巨人)の65(5試合=41回2/3)を抜き、歴代2位の斎藤佑樹(早稲田実=現日本ハム)の78(第88回大会=06年/7試合=69回)に次ぎ、歴代3位となった。 特筆すべきは、その奪三振率。松井が1試合当たり奪った三振は実に17.00で、板東の12.05、斎藤の10.17をはるかに上回っている。春のセンバツで大会通算最多奪三振記録(60個/4試合=33回)を持つのは、第45回大会(73年)の江川卓(作新学院=元巨人)だが、その際の奪三振率は10.64だった。 春夏合わせた奪三振率では、江川が92(59回1/3)で13.96、田中将大(駒大苫小牧=現楽天)が102(91回1/3)で10.05、斎藤が104(106回)で8.33、松坂大輔(横浜=現レッドソックス)が97(99回)で8.82、ダルビッシュ有(東北=現レンジャーズ)が87(92回)で8.51。松井の17.00は並みいる速球投手と比較しても、群を抜いている。 松井はまだ2年生で来年春、夏と2度のチャンスがある。春の江川、夏の板東の大会奪三振記録の更新もさることながら、狙ってほしいのは春夏合わせた通算奪三振記録。この記録を保持するのは桑田真澄(PL学園=元巨人、パイレーツ)の150(197回2/3)。桑田の場合は三振を奪うタイプの投手ではなく、奪三振率も6.83と低い。だが、実に5回も甲子園に出場し、23試合に登板して、甲子園での奪三振王に君臨している。 松井は今回のハイペースが今後も継続できるようなら、桑田の記録更新が十分可能。ただし、チームが甲子園に出場し、今大会と同等の実力をもっていることが条件となる。(落合一郎)
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スポーツ 2012年08月18日 17時59分
もはや害人? 阪神マートンが拙守連発の上、コーチに反乱!
かつて、優良外国人と呼ばれていたこともいにしえの話か…。阪神のマット・マートン外野手(30)がまたも、トラブルを起こした。 8月17日、神宮球場でのヤクルト対阪神戦で、お粗末な守備を連発したマートンが、試合後にブチ切れたのだ。 3回裏無死二、三塁の場面で、ヤクルト・川本良平捕手(30)が放った打球がマートンの守る左翼の正面に飛んだ。ところが、マートンは目測を誤って、そらした。本来なら、レフトライナーに取れる打球を2点タイムリー二塁打にしてしまった。続く、山田哲人内野手(20)の打球は左翼左へのフライ。前進しながらスライディングキャッチを試みたマートンだが、打球は自らの足に当たって、これも二塁打にしてしまった。記録上はともにヒットになったが、明らかにエラーに等しいものだった。 我慢も限界に達した和田豊監督(49)は、即刻マートンを懲罰交代させた。マートンは打撃不振のため、前日のDeNA戦ではスタメンから外され、出場機会もなかった。和田監督は試合後、「打てない時に集中力を欠くプレーが多い。アレは捕ってやらないと投手がかわいそうだよ。使い方を考える? そういうことだ」と語った。 試合は幸い阪神が9-7で勝ったが、試合終了後、ベンチ裏ではさらにひと波乱起こった。コーチ陣と野手陣との緊急ミーティングで、関川浩一外野守備走塁コーチ(43)がマートンを叱責すると、逆ギレ。マートンが関川コーチに反発して食ってかかり、あわや殴り合いにもなりかねない事態になった。慌てて有田修三ヘッドコーチ(60)、クレイグ・ブラゼル内野手(32)が制止に入ったが、後味の悪いミーティングとなった。 これまでも、マートンは6月9日のオリックス戦(甲子園球場)で敗因につながる緩慢な守備を見せた上、試合後には「(投手の)能見(篤史)さんが嫌いだから、二塁走者を還した」と暴言を吐き、球団から注意を受けた。 6月22日のDeNA戦(同)では、イニング間のキャッチボールでカメラマン席にボールを投げ入れる暴挙もはたらいた。 相次ぐマートンの問題行動に、阪神も手を焼いている状況。首脳陣はマートンを二軍に降格させることを示唆した。こうなると、優良外国人の復活は、もはや夢物語か…。(落合一郎)
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スポーツ 2012年08月17日 15時30分
桐光学園・松井投手が今度は19奪三振 板東英二の大会通算記録更新に現実味
桐光学園(神奈川)2年の松井裕樹投手(16)が、またまたやってくれた。 「第94回全国高校野球選手権大会」2日目(8月9日)、1回戦の今治西(愛媛)戦で7-0と完封勝利を挙げた上、22奪三振を奪い、19だった1試合の大会奪三振記録を3つも超えて新記録を樹立した松井。 大会8日目(16日)の2回戦では、強豪・常総学院(茨城)と対戦。松井は5失点しながらも、完投勝ち(7-5)。1回戦の22には及ばなかったが、19三振を奪い、大会歴代2位タイ記録をマークした。 当の松井は「(三振の数は)数えていないです」と、奪三振数には無頓着な様子。5点を奪われたことについては、「四球で走者を出してから大量点につながったので、そこを修正していきたいです。今日はチームが勝てたのでそれで満足なんですけど、もっと上を目指すには、もっと内容を良くしていかないといけない。今日は全然よくなかった」と反省しきり。 これで、2試合で実に41奪三振。58年(昭和33年)の第40回大会で、板東英二(徳島商=元中日)が記録した2試合40奪三振を抜いた。こうなると、板東が持つ大会通算奪三振83(58年)の更新も、いよいよ現実味を帯びてきた。 ここまで、1試合当たりの奪三振は20.5個。このハイペースが続けば、あと3試合あれば大会記録を更新できる計算になる。決勝まで進出しなくても、準決勝まで勝ち上がれば可能な数字だ。 記録保持者の板東も「ボクが記録をつくって50年以上経ちましたからね、ぜひ、抜いてほしいですね。決勝まで行けば記録更新の可能性は十分。野球人気が低迷している今、松井クンに一石を投じてもらいたい」とエールを送っている。 桐光学園の3回戦は19日の浦添商(沖縄)戦。同校は1回戦で愛工大名電(愛知)、2回戦で滝川二(兵庫)に勝利して波に乗っており、簡単には勝てない相手。勝ち進まなければ、松井の記録更新は露と消えるだけに、がぜん注目度を増してきた。(落合一郎)
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スポーツ 2012年08月17日 11時45分
ドラフトが阪神を救う? 連日のプロアマ交流戦が意味するもの
8月11日、対九州共立大戦、同12日、大阪体育大戦。阪神二軍(育成)が異例とも言っていい連日の『プロアマ交流戦』を行った。その狙いは今秋のドラフト戦略を少しでも有利に進めるためだろう。 大学の単独チームとの試合が可能となり、その目的は「ドラフトではない」とは言うものの、11日の九州共立大戦には8球団27人のスカウトが招集。阪神は6人体制という、これまた異例の体制で同大学との試合に臨んでいる。 「目的は川満(寛弥=4年)クンですよ。186センチの長身から投げ下ろす本格派左腕で、地元のソフトバンクも早くからマークしてきた好投手です」(大学野球関係者) 関西系メディアに、阪神スカウトはこの川満投手が『上位指名候補』であることを認め、「体力がつけば、ストレートはもっと速くなる」と“絶賛”。まだ伸びしろを感じさせる好左腕は、阪神二軍を相手に4イニング5奪三振を奪ってみせた(4回)。 翌12日の大体大戦だが、阪神スカウトが熱視線を送っていたのは、ちょっと意外な投手だった。右腕・宮川将投手(=4年)である。7月時点でのドラフト情報を整理する限り、プロ野球各球団が注目している同大学のドラフト候補は、左腕・松葉貴大投手(=4年)だったはず…。 「いや、宮川クンや松葉クンもどちらも素晴らしい。松葉クンは左投手なので(ドラフト報道で)目立っているだけ」(在京球団スカウト) 前出の大学関係者によれば、宮川クンは1年生時から高く評価されていたという。しかし、野手で入学した松葉クンが投手に再コンバートされ、その後は『2枚看板』として活躍してきたそうだ。 「阪神が宮川クンに注目するのは、松葉クンとの優劣をつけたからでもなければ、松葉クンに指名が集中しそうな状況から逃げたためでもありません。宮川クンは大阪府出身なので、地元出身のドラフト候補を大切にしたいと思ったからでしょう」(前出・在京球団スカウト) 宮川クンは先発で4回を投げ、「自責点1」と好投。二番手としてマウンドに上がった松葉クンも『被安打5』と本来の調子は発揮できなかったが、3回を無失点に抑えている。 前出のスカウトは「宮川クンは大学4年間で真っすぐが速くなった」「スライダーはプロでも通用する」と評価していた。 今年は即戦力の投手が少ないという。阪神にすれば、直接対戦した二軍選手から印象を聞くなどし、「より詳細なデータ」を集めようとしたのだろうが、こんな情報も聞かれた。 「地元と言えば、甲子園の雄・藤浪(晋太郎=大阪桐蔭3年)も無視できません。他球団に指名を許したときのファンからの反発を考えると、競合覚悟でも1位指名に参加せざるを得ないでしょう」(プロ野球解説者) 関西系メディアによれば、高野栄一・阪神球団本部長が「甲子園大会を視察する意向を語った」とも伝えていた。本部長自らがドラフト候補生を視察するのも異例だが、確か、同本部長は6月の全日本大学選手権を視察していたはず…。視察の目的は“数少ない即戦力投手の1人”東浜巨投手(亜細亜大=4年)と思われる。連日のプロアマ交流戦もそうだが、阪神はチーム再建に向け、今秋のドラフトにかなりの力を入れているのは間違いない。 先のプロ野球解説者がこう続ける。 「昨年3月、阪神は近畿大学ともプロアマ交流戦を行い、その試合で好投したのが千葉ロッテに2位指名された中後(悠平)でした。指名順位の絡みもあったのでしょうが、その阪神とのプロアマ交流戦で中後の将来性を確信したのは千葉ロッテだけではありませんでした」 1位候補を絞り込むのはまだまだ先の話だが、『投手』と『野手』のどちらで行くのかを、『投手』ならば、将来性の高校生なのか、それとも、即戦力の大学・社会人なのかを、早めに表明した方が良さそうだ。
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スポーツ 2012年08月16日 15時30分
WBC出場問題でNPB側が渡米交渉も進展なし どうする? 選手会
13年3月に予定されているWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)への出場に関し、NPB(日本野球機構)と日本プロ野球選手会(阪神・新井貴浩会長)との意見が割れている問題で、現状打破のため、NPB・島田利正国際関係委員長(日本ハム代表)が主催者であるWBCI(ワールド・ベースボール・クラシック・インク)との交渉のため渡米した。 選手会側はあくまでもスポンサー権、グッズ販売権のNPBへの帰属、収益分配率の見直しを主張しており、これが認められなければ、WBCには出場しないことを明言している。一方のNPB側はすでに主催者に出場を表明済み。WBC期間以外にも日本代表(侍ジャパン)を運営し、そのスポンサー収入で、独自の利益を確保するとの考え。だが、両者の話し合いは平行線に終わっており、選手会側はNOの姿勢を貫いている。 収益配分見直しのため渡米したNPB側は、8月13日(日本時間14日)、米ニューヨークでWBCIと折衝を持ったが、案の定、ゼロ回答だった。MLBアジアのジム・スモール副社長は「条件を変えるつもりはない。交渉は終わった。WBCはNPBを招待するもので、選手会を招待するわけではない。今後はNPBと日本選手会の問題。日本が参加国に含まれることを願うしかない」とコメントした。 NPB側の島田氏は「厳しい状況に変わりはない。出場したいから模索している」と話した。12球団は20日に代表者会議を開き、対応策を協議する。その後、再度、選手会と話し合いの場をもつ段取りになる。しかし、何の手みやげも持たされず、手ぶらで帰国したのに、強硬な選手会側を懐柔させるのは至難のワザ。 11月には侍ジャパンとキューバとの親善試合が予定されているが、NPBによると、この試合はWBC出場が前提だという。選手会側が折れなければ、このキューバ戦にも影響を及ぼす。NPB側に選手会を翻意させるウルトラCがあるのかとういうと、はなはだ疑問で、粘り強く交渉していくしかないが、そのための材料が乏しい。今後は選手会側がどれだけ歩み寄れるかが、WBC出場問題の焦点となる。(落合一郎)
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スポーツ 2012年08月15日 15時30分
「ロンドン五輪〜美人日本代表を探せ!」第6回〜卓球少女・石川佳純
リアルライブ読者の皆さま、こんにちは。 大いに盛り上がったロンドン五輪も、終わってしまいましたね。美人アスリートを紹介する本コーナーも、残りあと2回となりました。今回は見事、銀メダルを獲得した卓球少女の石川佳純(19)を取り上げます。 石川は93年2月23日生まれ、山口県山口市出身。卓球選手だった両親の影響で、7歳の時から卓球を始めました。小学6年で出場した05年の全日本選手権では、高校生や大学生を破り、3回戦に進出。“愛ちゃん(福原愛)2世”として話題になった。 05年4月、大阪の四天王寺羽曳丘中学校に進学し、ミキハウスJSC卓球部に所属。06年にはメガネからコンタクトレンズに変え、素顔のあまりのかわいさに、この頃から男性人気がフツフツと上昇していきました。 中学2年で出場した07年の全日本選手権では史上最年少でベスト4進出。四天王寺高校1年次の08〜09年には、全日本ジュニア、インターハイ、国体、選抜と国内4大会を完全制覇。高校時代はまさに敵なしの強さをみせ、09年の世界選手権ではベスト8に進出。 高校3年次の11年1月、10年度の全日本選手権を高校生ながら初制覇。これは22年ぶりの快挙で、元祖・卓球少女の福原ですら成し遂げられなかった。 高校卒業後、同年5月の世界選手権において、女子シングルスでベスト16入り。その後の世界ランキングで五輪代表となることが決定した。同年7月からはJA全農所属(スポンサー契約)となり、競技に専念している。 ロンドン五輪においては、女子シングルスでは残念ながら4位に終わったが、平野早矢香、福原と出場した団体で銀メダルを獲得した。7月現在の世界ランクは6位。 卓球の実力もさることながら、ターニングポイントとなったのはコンタクトに変えたこと。メガネのままなら、人気沸騰はなかったかもしれません。 まだ19歳の石川、16年リオ五輪時には23歳になる。アスリートしては伸び盛りの年齢となる。ぜひ、世界の頂点を目指してほしいものです。(坂本太郎)