「第94回全国高校野球選手権大会」2日目(8月9日)、1回戦の今治西(愛媛)戦で7-0と完封勝利を挙げた上、22奪三振を奪い、19だった1試合の大会奪三振記録を3つも超えて新記録を樹立した松井。
大会8日目(16日)の2回戦では、強豪・常総学院(茨城)と対戦。松井は5失点しながらも、完投勝ち(7-5)。1回戦の22には及ばなかったが、19三振を奪い、大会歴代2位タイ記録をマークした。
当の松井は「(三振の数は)数えていないです」と、奪三振数には無頓着な様子。5点を奪われたことについては、「四球で走者を出してから大量点につながったので、そこを修正していきたいです。今日はチームが勝てたのでそれで満足なんですけど、もっと上を目指すには、もっと内容を良くしていかないといけない。今日は全然よくなかった」と反省しきり。
これで、2試合で実に41奪三振。58年(昭和33年)の第40回大会で、板東英二(徳島商=元中日)が記録した2試合40奪三振を抜いた。こうなると、板東が持つ大会通算奪三振83(58年)の更新も、いよいよ現実味を帯びてきた。
ここまで、1試合当たりの奪三振は20.5個。このハイペースが続けば、あと3試合あれば大会記録を更新できる計算になる。決勝まで進出しなくても、準決勝まで勝ち上がれば可能な数字だ。
記録保持者の板東も「ボクが記録をつくって50年以上経ちましたからね、ぜひ、抜いてほしいですね。決勝まで行けば記録更新の可能性は十分。野球人気が低迷している今、松井クンに一石を投じてもらいたい」とエールを送っている。
桐光学園の3回戦は19日の浦添商(沖縄)戦。同校は1回戦で愛工大名電(愛知)、2回戦で滝川二(兵庫)に勝利して波に乗っており、簡単には勝てない相手。勝ち進まなければ、松井の記録更新は露と消えるだけに、がぜん注目度を増してきた。
(落合一郎)