スポーツ
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スポーツ 2012年07月19日 15時30分
ヤンキース黒田が日本人3人目のメジャー通算50勝を達成!
ヤンキース黒田博樹投手(37)が7月18日(日本時間19日)、ヤンキースタジアムでのブルージェイズ戦で先発し、7回を4安打無失点に抑えて勝ち投手になり、メジャー通算50勝目を挙げた。これは日本人投手としては野茂英雄(引退)の123勝、大家友和(元横浜)の51勝に続き3人目の偉業。 メジャーでの勝ち星では松坂大輔投手(レッドソックス)と49勝で並んでいたが、松坂は今季未勝利のまま、故障者リスト(DL)入り。その間に、黒田が先に50勝に到達した。あと1勝すれば、大家と並んで日本人2位タイとなる。 この勝ち星は今季9勝目(7敗)で、防御率は3.46。ダルビッシュ有投手と同じア・リーグに属しているが、防御率ではダルビッシュの3.96を大きく下回っている。 区切りの勝利に黒田は「50勝するために来たわけではないが、1つでも多く勝てることはいいこと。また、次の51勝を目指して調整します」と話した。 黒田は96年ドラフト2位で広島に入団。同球団の絶対的エースとして君臨し、05年には15勝を挙げて最多勝、06年には最優秀防御率(1.85)のタイトルを獲得し、通算103勝を挙げた。07年シーズン終了後にFA権を行使し、3年3530万ドルでドジャースと契約した。 1年目の08年は9勝(10敗)、09年は8勝(7敗)と1ケタ勝利に終わったが、10年は11勝(13敗)、昨年はメジャーで自己最多の13勝(16敗)をマーク。防御率もメジャーでは自己最高の3.07を記録した。 ドジャースとの契約が切れた今季は、1年1000万ドルでヤンキースと契約。昨季までは黒星が先行する傾向にあったが、今季は強豪チームに移ったことで、早期の50勝到達を後押しした。(落合一郎)<参考>日本人メジャーリーガー勝ち星10傑=7月18日現在(米時間)(1)野茂英雄123勝(109敗)、(2)大家友和51勝(68敗)、(3)黒田博樹50勝(53敗)=現ヤンキース、(4)松坂大輔49勝(33敗)=現レッドソックス、(5)長谷川滋利45勝(43敗)、(6)石井一久39勝(34敗)=現西武、(7)伊良部秀輝34勝(35敗)=故人、(8)吉井理人32勝(47敗)=現日本ハムコーチ、(9)斎藤隆21勝(15敗)=現ダイヤモンドバックス、(10)岡島秀樹17勝(8敗)=現ソフトバンク画像:野茂英雄
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スポーツ 2012年07月18日 15時30分
「ロンドン五輪〜美人日本代表を探せ!」第2回〜女子バレー・木村沙織
リアルライブ読者の皆さま、こんにちは。 ロンドン五輪開幕まで、いよいよあと10日を切りました。美人アスリートたちをピックアップする本コーナー、今回は女子バレーボールのエース、サオリンこと木村沙織(25)を取り上げます。 木村は86年8月19日生まれ、埼玉県草加市出身。母親の影響で、小2の時にバレーを始めた。中学はバレーの名門、成徳学園中学校(現・下北沢成徳中学校)に入学。全日本中学校バレーボール選手権大会で優勝も果たしている。 02年、成徳学園高等学校(現・下北沢成徳高等学校)に進学。03年には主力選手として、春高バレーで優勝を飾り、大きな注目を集める。同年には全日本代表に初召集され、アジア選手権、ワールドカップにも出場。04年のアテネ五輪(5位)で日本代表にも選ばれ、“スーパー女子高生”と呼ばれた。 高校卒業後、05年に東レ・アローズに入団。07年にはアジア選手権の優勝に貢献。07年、天皇杯・皇后杯全日本バレーボール選手権大会で優勝し、初代王者となった。08年にはVプレミアムリーグで、東レに初優勝を導いた。そして、北京五輪(5位)に2度目の出場。09、10年もVプレミアムリーグを制覇し3連覇を達成した。12年には、東レのVプレミアムリーグV4に貢献し、ロンドン五輪日本代表に選出され、3大会連続出場となった。 個人的には9月いっぱいで7年間余プレーした東レを離れ、10月からトルコ1部リーグのワクフバンク・テュルクテレコムに移籍することが決まった。ワクフバンクは同リーグで6度の優勝を誇る強豪チーム。 木村は「誰もが経験できることではないということ、トップレベルの選手の中でプレーし色々なことを吸収したいということ、日本人プレーヤーとして世界で戦ってみたいと思ったことがタイミングよく重なり、挑戦してみようと決めました」と意欲を見せた。 自称巨乳評論家のA氏によると、「キュートなルックスも魅力ですが、バストにも注目です。バレーの選手でバストが大きい選手は少ないのですが、サオリンは別格。EカップともFカップともいわれています。日本でのプレーが見られなくなるのは残念ですが、五輪でのプレーに注目しています」と語る。 ロンドン五輪において、女子バレーが躍進できるかどうかは、木村の活躍に懸かっているといっても過言ではない。3度目の五輪で、女子バレーでは84年の銅以来、28年ぶりのメダル獲得を期待しています。(坂本太郎)
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スポーツ 2012年07月18日 15時30分
松井秀喜崖っぷち! 正念場の7月
不振にあえぐ米メジャー、レイズの松井秀喜外野手(38)が、まさに正念場の夏を迎えている。 7月17日(日本時間18日)現在、松井の成績は85打数14安打7打点2本塁打で、打率.165と低調。しかも、2日(同3日)のヤンキース戦で左太もも裏を痛め、故障者リスト(DL)入りこそしなかったものの、出場機会は激減。今はまだ守備にも就けない状態だ。1日(同2日)のタイガース戦を最後に安打は出ておらず、ただいま8打席連続無安打中。 そんな折り、17日にライバルの1人である正右翼手のマット・ジョイスが故障者リストから復帰。メジャー25人枠を空けるため、マイナー落ちする恐れもあったが、降格したのはウィル・ライムス内野手で、松井は生き残った。 とはいえ、まだまだ予断を許さない。同じ外野手のサム・フルドも右手首の故障から、近日中に復帰予定。その際にも松井がマイナー落ちのふるいにかけられるのは間違いない。 さらに、7月31日のトレード期限を目前にして、レイズはトレードも画策中。新戦力が加わった場合、松井が余剰戦力として弾き出される可能性もある。 唯一の救いはジョー・マドン監督が「プロとして自分の仕事を全うし、誇り高い人物。結果は出ていないが、やっていることに間違いはない」と、評価していること。 レイズは現在、46勝44敗で、ア・リーグ東地区でレッドソックスと並んで同率3位。2位オリオールズにはわずか0.5差だが、首位ヤンキースには9.5差もつけられており、早々にヤンキース追撃態勢を整えたい事情がある。裏を返せば、地区最下位(5位)のブルージェイズに1差と迫られており、なんとしても最下位転落は避けたいところ。 松井によると、負傷している左太もも裏は順調に回復しており、間もなく守備にもゴーサインが出る予定だという。松井は限られた期間でメジャーでのサバイバルを懸ける。(落合一郎)
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スポーツ 2012年07月18日 11時45分
消化試合に突入… シアトルの地元ファンがイチローとの契約更新を注視
首位戦線から後退したシアトルマリナーズが『2012年問題』に結論を付けようとしている。『2012年問題』とは、今季で1800万ドルの5年契約が終了するイチロー(38)との残留交渉のことだ。 「マリナーズがイチローと契約を更新するのは間違いありませんが、どういう内容になるのかは意見の別れるところです。イチロー側は長期契約を希望しているとされ、でも、現在のバットマン成績を冷静に判断すれば、球団も好条件は出せないはずです」(米国人ライター) 『2012年問題』なる言葉が使われ出したのは、昨年オフ。シアトルの地元紙がイチローの契約更新について「難しい交渉になる」と報じていた。一般論として、メジャーでは複数年契約を交わす主力選手との更新が『契約最終年』のシーズン途中に行われるケースが多い。かつては大魔神・佐々木も02年5月に契約を延長させており、イチローもその手順を踏むと目されていた。 前出の米国人ライターがさらにこう説明してくれた。 「何故、イチローとの契約更新が『難しくなるか』といえば、球団筆頭オーナーの山内溥氏(任天堂元会長)との親密な関係が背後にあるからです。今の成績でイチローに有利な契約を結べば、他のマリナーズ選手との契約にも影響が出ます」 そんなイチローに地元シアトルのファンが手厳しい評価も下していた。 6月19日(現地時間)、地元紙『シアトルタイムズ』が、今季で契約の切れることを改めて触れ、「後半戦、イチローをどう処遇(評価)すべきか?」なるアンケートを実施。その結果を報じた。●このまま1番バッターとして起用すべき=28.45%●打順を下位に落とすべき=37.69%●ベンチスタートに格下げ=4.36%●トレードか、解雇=29.50% 「1番バッターで使い続けるべき」以外の回答を『批判』と捉えることもできなくはない。その場合、70%強が“マイナスの評価”を下していることになる。だが、「ベンチスタート」と「放出&解雇」は全体の約30%程度。約70%の地元ファンが苦言を呈しながらも「必要な選手」と見ているわけだ。 過去3年だが、イチローの安打に関する『MLBデータ』がある。09年=30.7%10年=33.2%11年=25.0%今季=13.0%(7月6日時点) これは年間ヒット数における『内安打、バントヒット』の占める割合だ。「足で稼ぐヒットが減った」との声は、昨季、11年連続200本安打を失敗した時点でも多く聞かれたが、地元ファンがイチローへの厳しい見方をしているのは、スピード・プレーヤーとして見せ場が少なくなったからだろう。 「昨年7月末にトレード加入してきたキャスパー・ウェルズへの期待が高まっています。右のパワーヒッターで、守備も巧い。イチローからライトの定位置を奪う可能性、期待の声も多い」(前出・同) 球宴明けのレンジャーズ戦に突入し、イチローの打率は2割6分(14日/同)。山内氏との特別な関係もあるが、年俸ダウンでの契約更新でなければ、地元ファンの見方はもっと厳しいものになるだろう。
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スポーツ 2012年07月17日 16時00分
先場所幕内最年長優勝の旭天鵬が初日から9連敗 たなぼた賜杯の反動大きく…
先の大相撲夏場所(5月=両国国技館)で12勝3敗の好成績を挙げ、栃煌山(25=春日野)との優勝決定戦を制し、37歳8カ月で史上最年長優勝を果たした旭天鵬(37=友綱)があえいでいる。 先場所の西前頭7枚目から東前頭筆頭に番付を上げた旭天鵬は、初日から9連敗のドロ沼にはまった。9日目(7月16日)は、ここまで1勝7敗と、同様に苦しんでいる栃煌山との対戦で、先場所の優勝決定戦の再現となったが、上手出し投げで敗れて初日が出ず。「勝っている時のリズムじゃない」とうなだれた。優勝した力士が翌場所、初日から連敗した記録(休場力士を除く)は、75年名古屋場所で平幕優勝した金剛(現二所ノ関親方)が7連敗した例があったが、旭天鵬はこのワースト記録を塗り替えた。 先場所の優勝は実力でもぎ取ったというより、幸運が重なってのものだった。横綱・白鵬は10勝5敗で昇進後最低の成績、大関陣では稀勢の里(26=鳴戸)の11勝4敗が最高だった。上位陣の不振のなかでつかんだ幕内優勝。 場所後、メディアからの取材要請やイベント出演依頼も想像以上で、ふだん通りに過ごすことはできなかった。今場所、観客からの声援も多く、逆にプレッシャーになったかもしれない。旭天鵬は「優勝した翌場所がこんなに大変とは思っていた以上だ」と苦笑した。 そもそも、旭天鵬の先場所の番付では横綱、大関と対戦する位置ではなく、14日目に大関・琴欧洲(29=佐渡ケ嶽)と対戦しただけだった。しかし、今場所は初日から7日連続で、横綱、大関との対戦。これでは、星が上がらなくても当然だ。 過去、平幕優勝は旭天鵬を含め19例あるが、そのうち、翌場所で勝ち越したのは6例しかない。番付が一気に上がって、対戦相手も上位陣となり、成績も厳しくなるのは当然のこと。後に横綱に昇進した貴花田(現貴乃花親方)でさえ、東前頭2枚目で初優勝を飾った翌場所では、西関脇で5勝10敗と大きく負け越したほど。 いわば、たなぼたで賜杯を抱いた旭天鵬が、番付が上がった今場所、簡単に勝たせてもらえるわけがない。平幕優勝した力士の翌場所の過去最低の成績は、68年夏場所の若浪(立浪)、00年夏場所の貴闘力(二子山)の2勝13敗。旭天鵬自身の最低の成績も、昨年名古屋場所での2勝13敗(東前頭2枚目)。なんとか、後半巻き返して、過去ワーストの成績は回避し、40歳まで現役を目指してほしいものである。(蔵元英二)
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スポーツ 2012年07月16日 15時30分
部員死亡事故起こした青森山田高野球部が甲子園予選に出場 遺族と学校に大きな隔たり
昨年12月18日夜、青森山田高校(青森市)野球部の寮で、1年の男子部員が(当時16)が寮の消灯時間後に同級生と焼き肉をしたため、腹を立てた上級生(18)=退学=が顔や背中を殴るなどの暴行をはたらいた。男子部員は意識を失い病院に運ばれたものの、19日未明に死亡が確認される痛ましい事件が起きた。 青森県警は今年1月、上級生を暴行容疑で青森地検に書類送検。上級生は2月に自主退学した。両親側は上級生の暴行により、男子部員が死に至ったと主張。学校側にも管理体制の不備があったとして、4月9日、上級生を傷害致死容疑で同地検に告訴。上級生ら、学校を運営する青森山田学園に計約8700万円の損害賠償を求め係争中だ。 県高野連は同校を春のセンバツ大会の推薦校に選んでいたが、この事件で、同校は推薦を辞退。練習も4月中旬まで自粛した。 「全国高校野球選手権」青森県大会から自粛を解いた同校野球部は、7月13日、同大会の2回戦に登場。昨年10月の秋季東北大会以来、9カ月ぶりの実戦に臨んだ同校は、南部工に11-0で6回コールド勝ち。3回戦では昨夏、今春の甲子園で準優勝を果たしたライバル・光星学院との対戦が待ち受けている。 ナインは今大会に挑むに当たり、亡き部員のため、ユニフォームの胸の部分の内側に喪章を縫い付けて臨んでいる。学園の木村雅大副理事長が手渡したものだ。寮には男子部員の遺影が飾られ、毎朝部員が水や花をあげ、手を合わせているという。 一方、遺族側弁護士は13日、同校に対して、遺族への対応に抗議する文書を送付した。同校側が遺族に直接会って説明していないのに、青森大会に出場することについて、「誠実さはみじんも感じられない。部員同士の事件なのに、事件は過去のものであるかのように振る舞われている」と訴えた。両親側は「息子の死がなかったかのように、県大会に出場することに腹が立つ」と語っているという。また、学園が調査委員会を設置したことについては、「裁判対策や大会出場に向けたアピールとしか思えない」と批判。 くしくも、遺族と学校には、いまだ大きな隔たりがあることが明らかになった。しかし、事件に関わりがない野球部員に罪はない。遺族の思いとはうらはらに、青森山田高野球部の熱い夏は続く。(蔵元英二)
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スポーツ 2012年07月16日 15時30分
失明しても野球観戦中のケガは自己責任か?
北海道札幌市の30代主婦が、札幌ドーム(札幌市豊平区)でプロ野球観戦中にファウルボールが当たり失明したのは、「ドームが安全対策を怠ったため」として、札幌ドームと施設所有者の札幌市、試合主催者の北海道日本ハムを相手取り、計約4700万円の損害賠償を求めて札幌地裁に提訴した。 訴状によると、女性は10年8月21日、一塁側内野席10列目で日ハム対西武戦を観戦中、日ハム選手のライナー性のファウルボールが顔面を直撃。顔面骨折し、右目の視力を失った。女性側は「被告側が防球ネット設置などの安全対策を怠った」としている。 札幌ドームは06年3月、内野席フェンス上にあった防球ネットを撤去した。ドームが女性側に開示した記録では、日ハム主催試合で起きた観客の打球衝突事故が09年に94件、10年に99件あった。女性側は「ドームは06年以降の事故多発を認識していたが、ネット再設置など十分な対策を怠った」と主張している。 野球観戦中にファウルボールが当たってケガを負った観客が、主催球団などを提訴した例は数件ある。類似例としては、宮城県の40代男性が、08年5月にKスタ宮城で楽天対西武戦を内野席で観戦していた際、ファウルボールが右目に当たり、視力が0.3から0.003に落ちたケースがある。男性は視力が低下したのは、ネット配置などの安全対策を怠ったのが原因として、主催者の楽天野球団と球場所有者の同県に、約4400万円の損害賠償を求める訴訟を起こした。 昨年2月24日、仙台地裁は男性の請求を棄却した。裁判長は「安全対策に合理性が認められる場合、来場者に危険なことが起きても、球場の設置者にとっては不可抗力というべきだ」とした上で、フェンスの高さやファウルボールへの注意を促す看板を設置していることを挙げ、「球場として通常備えるべき安全性を備えている」と指摘。また、「臨場感も観戦における本質的要素で、必要以上に過剰な安全施設は観戦の魅力を減少させ、プロ野球の発展を阻害する要因になりかねない」との解釈も示した。 これまで、同様の裁判で観客側が勝訴した例はない。野球を内野席で観戦する以上、ファウルボールが飛んでくるのは前提としてあり、観客側にも注意義務がある。ただ、今回のケースでは女性の代理人弁護士は「球場には子供や女性、高齢者もおり、注意義務にも限度がある」と主張している。確かに、それにも一理ある。果たして、たとえ失明しても、野球観戦中のケガは自己責任になるのかだろうか?(落合一郎)
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スポーツ 2012年07月16日 15時30分
レンジャーズ「ベンチ裏情報」 注目度ナンバー1はダルビッシュではなく、アノ男
7月末の“トレード締め切り日”が近づくにつれ、上原浩治(37=テキサスレンジャーズ)の『与四球』の少なさがクローズアップされそうだ。 「右脇腹の筋肉を痛めていた上原は14日にマイナー登板する予定で(10日時点)、故障個所への影響がなければ近いうちにメジャーに復帰すると思われますが、今のところ、具体的な日程に関しては球団から発表がありません」(現地特派記者の1人) この「球団発表がない」というのが、“怪しい”のだ。他球団は「上原のトレード期限直前での放出もあり得る」と見ており、その動向に注目している。 一般論として、メジャーリーグでは7月末のトレード期限に『駆け込みトレード』が多く成立する。優勝圏内にいるチームは『弱点』を補うためにピンポイントでのトレード補強を行い、首位戦線から完全に脱落してしまったチームは、来季に向けてベテランや高年俸選手を放出し、有望な若手選手を獲得して来季に備えようとする。レンジャーズは『前者』の立場にあるものの、ペナントレースの折り返し地点ともいえる球宴休み目前に、何人かの主力投手がDL入り(故障者リスト)してしまった。 前出の現地特派記者がレンジャーズの戦況をこう説明する。 「先発のルイス(元広島)が18日にメジャー復帰する予定で、セットアッパーのオガンドは早ければ17日からチームに合流するそうです。マイナーでの調整登板の時期はほとんど変わらないのですが、上原に関してはメジャー復帰の時期は明らかにされていません」(同時点) 結論から先に言えば、上原に関する評価はレンジャーズと他球団では大きく異なり、トレード放出される可能性も高い…。 「試合の要所で上原を使わないのなら、トレードで獲得したい!」という球団は少なくないそうだ。 前半戦の上原は20試合(21回3分の1)に登板し、防御率2.11。勝敗もセーブも付いていないが、与四球は僅か「2」。DL入りするまでは、WHIPは0.54で、全メジャーのリリーバー・ランキングで4位。『B/KK』ではリーグ2位という好成績をおさめていた。しかし、米国人ライターはこう言う。 「レンジャーズのロン・ワシントン監督は上原をモッパー(敗戦処理)か、ミドルマン(6、7回に投げる中継ぎ)としか見ていません。20試合に登板したと言っても、『5点以上リード』した場面での登板が7試合、あとは同点か、ビハインド・ゲームでの登板ばかりで…」 その理由は、ホームラン・リスクにある。昨年、上原はオリオールズから途中移籍してきて、プレーオフを含めると19イニングで8本の本塁打を献上している。今季の被弾もすでに3本、オープン戦でも4本塁打を浴びている(9イニング)。レンジャーズの本拠地は広域球場と見られているが、テキサスは高温乾燥地帯にあるため、「本塁打の出やすいヒッターズ・パーク」と位置づけられている。ワシントン監督からすれば、被弾のリスクが怖くて、「上原は僅差の場面で登板しにくいタイプ」(同)に映るのだと言う。 「他球団の評価は違います。被弾の多さは環境が変われば解消されるとし、WHIPの数値の高さに注目しています。救援投手が不足しているチームからすれば、魅力的な投手です」(前出・米国人ライター) 上原放出の可能性が高いのは、他球団の高評価だけが理由ではない。レンジャーズは通算159勝のベテラン、ロイ・オズウォルトを途中獲得している。現在はマイナーだが、「夏場以降に昇格させる予定で調整させている」とのことで、その場合、レンジャーズの先発投手5人のなかから1人がリリーバーにまわされる。そうなると、リリーバーに飽和状態となる。また、オズウォルトを昇格させるとき、誰か1人を抹消しなければならない。その標的は「首脳陣からの信頼が薄い上原」と見るべきではないだろうか。 「今年1月、ブルージェイズとレンジャーズの間で上原のトレードがいったん成立したんです。しかし、上原が『ノー・トレード条項』を行使し、トロントに転居することを拒み、ご破算になりました。セットアッパーを探しているチーム? ヤンキース、レッドソックス、レイズ、ジャイアンツ。上原の古巣のオリオールズも人材難ですし、カージナルス、メッツ、パイレーツも食指をのばす可能性があります」(現地関係者) 上原のトレード・バリューは高い。ブルージェイズへの移籍は拒んだとはいえ、「敗戦処理のような立場」から抜け出すには、環境を変える必要もある。同僚・ダルビッシュを蹴落として、後半戦の主役に躍り出るかもしれない。※WHIPは1イニングあたりに許した走者(安打プラス四球)の数、『B/KK』は三振と四球の割合(奪三振数÷与四球)。メジャーリーグではリリーバーを評価する指標としても使われております。
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スポーツ 2012年07月16日 11時00分
白鵬手抜き稽古で燻る“引退説”
白鵬、引退の兆し? 6月25日には新番付も発表され、7月8日から始まった名古屋場所(名古屋市の愛知県体育館)。注目はやはり横綱白鵬(27)だ。 先場所は横綱になって自己ワーストの10勝5敗。平成20年名古屋場所以降の4年間、2場所続けて優勝を逃したことがないだけに、今場所はどうやって巻き返すか。 「決して老けこむような年齢ではないのに、もうベテラン気どり。朝青龍も引退前は番付発表の直前までモンゴルで過ごし、初日前に数日間、よその部屋に出稽古して調整し、本番に突入するという方式を取っていましたが、最近、白鵬も同じような手抜き稽古が目立ってきました。東京での最後の稽古日だった6月16日も、なかなか稽古場に現れず、関係者が自宅まで迎えに行きましたが、疲れていると言ってとうとう起きて来ず、昼に予定されていたテレビ番組の収録もドタキャン。師匠の宮城野親方(元幕内竹葉山)は、こんなことは初めてだ、と苦い顔をしていました」(担当記者) そう言えば、モンゴルにも先場所後から名古屋入りするまでのわずか1カ月間に2度も帰り、一方で後援者開拓にはすこぶる精力的。7月5日には東京、横浜、徳島などに次いで名古屋でも個人的な後援組織の「横綱白鵬名古屋後援会」が発足し、記念祝賀会を開いた。 「中心メンバーには名古屋を代表するセレブ、名古屋市内でエステサロンを経営する服部由奈さんが名前を連ねています。会長は夫で、会社経営をしている服部章平さんです」(部屋関係者) 力士が後援会作りに励むときは引退が間近に迫ったとき。果たして白鵬は復活できるか。
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スポーツ 2012年07月15日 11時00分
中継にAKBも登場 協会が必死に繰り出す名古屋場所の“あの手この手”
7月8日から名古屋場所が愛知県体育館で幕を開けた。今年の春場所では担当部長をつとめた貴乃花親方(元横綱)が精力的に動き、9日間の大入りを記録した。それに負けじとばかり、名古屋場所の担当部長の千賀ノ浦親方(元関脇舛田山)も観客動員にねじり鉢巻きだ。 「千賀ノ浦親方も、貴乃花親方と同じくこの春に担当部長に任命されたばかりで、気合いは人一倍。北の湖理事長も大いに期待しています」(相撲担当記者) この千賀ノ浦親方が打ち出したファン動員策第1弾が、「序盤の5日目までに横綱大関との対戦を組む」という画期的な取組の実現だ。 これまで千秋楽には判を押したように横綱白鵬と東の正大関が対戦するなど、幕内の取組は完全にマニュアル化していた。それを見直そうというのだ。 「大関が6人もいるんだから柔軟に編成すべき。後半、番付中心よりも成績のいい者同士の対戦を増やせば、土俵はもっと盛りあがる」 と、千賀ノ浦親方は力説する。これには取組編成を司る審判部との密な連携が必要だが、もし序盤に横綱大関戦が実現すれば、昭和57年秋場所の若乃花(2代目)対琴風以来、30年ぶりのことになる。 第2弾が、十両以上の力士の正面入り口からの場所入りの義務付けだ。 「会場の愛知県体育館は、正面入り口の反対側に支度部屋や駐車場があり、力士たちは裏口近くにクルマで乗りつけ支度部屋入りするというのが通例。しかし、これではファンとの接触はゼロのため、たとえ遠回りでも正面入り口からの場所入りを決めたのです」(前出・担当記者) もっと画期的なファンサービスが、お目当ての力士が勝ったときのザブトン投げの復活。これは6月26日、表敬訪問した河村たかし名古屋市長の提案に応じたもの。もし実現すれば、新名古屋名物になるかも。 さらにNHKもAKB48の岩佐美咲(17)を幕内力士のインタビュアーに抜擢する。果たしてこれらの策がどう実を結ぶか。