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先場所幕内最年長優勝の旭天鵬が初日から9連敗 たなぼた賜杯の反動大きく…

 先の大相撲夏場所(5月=両国国技館)で12勝3敗の好成績を挙げ、栃煌山(25=春日野)との優勝決定戦を制し、37歳8カ月で史上最年長優勝を果たした旭天鵬(37=友綱)があえいでいる。

 先場所の西前頭7枚目から東前頭筆頭に番付を上げた旭天鵬は、初日から9連敗のドロ沼にはまった。9日目(7月16日)は、ここまで1勝7敗と、同様に苦しんでいる栃煌山との対戦で、先場所の優勝決定戦の再現となったが、上手出し投げで敗れて初日が出ず。「勝っている時のリズムじゃない」とうなだれた。優勝した力士が翌場所、初日から連敗した記録(休場力士を除く)は、75年名古屋場所で平幕優勝した金剛(現二所ノ関親方)が7連敗した例があったが、旭天鵬はこのワースト記録を塗り替えた。

 先場所の優勝は実力でもぎ取ったというより、幸運が重なってのものだった。横綱・白鵬は10勝5敗で昇進後最低の成績、大関陣では稀勢の里(26=鳴戸)の11勝4敗が最高だった。上位陣の不振のなかでつかんだ幕内優勝。

 場所後、メディアからの取材要請やイベント出演依頼も想像以上で、ふだん通りに過ごすことはできなかった。今場所、観客からの声援も多く、逆にプレッシャーになったかもしれない。旭天鵬は「優勝した翌場所がこんなに大変とは思っていた以上だ」と苦笑した。

 そもそも、旭天鵬の先場所の番付では横綱、大関と対戦する位置ではなく、14日目に大関・琴欧洲(29=佐渡ケ嶽)と対戦しただけだった。しかし、今場所は初日から7日連続で、横綱、大関との対戦。これでは、星が上がらなくても当然だ。

 過去、平幕優勝は旭天鵬を含め19例あるが、そのうち、翌場所で勝ち越したのは6例しかない。番付が一気に上がって、対戦相手も上位陣となり、成績も厳しくなるのは当然のこと。後に横綱に昇進した貴花田(現貴乃花親方)でさえ、東前頭2枚目で初優勝を飾った翌場所では、西関脇で5勝10敗と大きく負け越したほど。

 いわば、たなぼたで賜杯を抱いた旭天鵬が、番付が上がった今場所、簡単に勝たせてもらえるわけがない。平幕優勝した力士の翌場所の過去最低の成績は、68年夏場所の若浪(立浪)、00年夏場所の貴闘力(二子山)の2勝13敗。旭天鵬自身の最低の成績も、昨年名古屋場所での2勝13敗(東前頭2枚目)。なんとか、後半巻き返して、過去ワーストの成績は回避し、40歳まで現役を目指してほしいものである。
(蔵元英二)

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