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消化試合に突入… シアトルの地元ファンがイチローとの契約更新を注視

 首位戦線から後退したシアトルマリナーズが『2012年問題』に結論を付けようとしている。『2012年問題』とは、今季で1800万ドルの5年契約が終了するイチロー(38)との残留交渉のことだ。
 「マリナーズがイチローと契約を更新するのは間違いありませんが、どういう内容になるのかは意見の別れるところです。イチロー側は長期契約を希望しているとされ、でも、現在のバットマン成績を冷静に判断すれば、球団も好条件は出せないはずです」(米国人ライター)
 『2012年問題』なる言葉が使われ出したのは、昨年オフ。シアトルの地元紙がイチローの契約更新について「難しい交渉になる」と報じていた。一般論として、メジャーでは複数年契約を交わす主力選手との更新が『契約最終年』のシーズン途中に行われるケースが多い。かつては大魔神・佐々木も02年5月に契約を延長させており、イチローもその手順を踏むと目されていた。

 前出の米国人ライターがさらにこう説明してくれた。
 「何故、イチローとの契約更新が『難しくなるか』といえば、球団筆頭オーナーの山内溥氏(任天堂元会長)との親密な関係が背後にあるからです。今の成績でイチローに有利な契約を結べば、他のマリナーズ選手との契約にも影響が出ます」
 そんなイチローに地元シアトルのファンが手厳しい評価も下していた。
 6月19日(現地時間)、地元紙『シアトルタイムズ』が、今季で契約の切れることを改めて触れ、「後半戦、イチローをどう処遇(評価)すべきか?」なるアンケートを実施。その結果を報じた。

●このまま1番バッターとして起用すべき=28.45%
●打順を下位に落とすべき=37.69%
●ベンチスタートに格下げ=4.36%
●トレードか、解雇=29.50%

 「1番バッターで使い続けるべき」以外の回答を『批判』と捉えることもできなくはない。その場合、70%強が“マイナスの評価”を下していることになる。だが、「ベンチスタート」と「放出&解雇」は全体の約30%程度。約70%の地元ファンが苦言を呈しながらも「必要な選手」と見ているわけだ。

 過去3年だが、イチローの安打に関する『MLBデータ』がある。

09年=30.7%
10年=33.2%
11年=25.0%
今季=13.0%(7月6日時点)

 これは年間ヒット数における『内安打、バントヒット』の占める割合だ。「足で稼ぐヒットが減った」との声は、昨季、11年連続200本安打を失敗した時点でも多く聞かれたが、地元ファンがイチローへの厳しい見方をしているのは、スピード・プレーヤーとして見せ場が少なくなったからだろう。
 「昨年7月末にトレード加入してきたキャスパー・ウェルズへの期待が高まっています。右のパワーヒッターで、守備も巧い。イチローからライトの定位置を奪う可能性、期待の声も多い」(前出・同)
 球宴明けのレンジャーズ戦に突入し、イチローの打率は2割6分(14日/同)。山内氏との特別な関係もあるが、年俸ダウンでの契約更新でなければ、地元ファンの見方はもっと厳しいものになるだろう。

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