スポーツ
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スポーツ 2012年07月27日 11時45分
究極の折衷案? 選手会が妥協しなければ、『混成サムライジャパン』
プロ野球労組・選手会がWBC辞退を表明し、経営陣は混乱に陥っている。 「経営陣は8月中に話し合いの場を設け、選手会側を説得する予定です。選手会が妥協するという見方と同じくらい、彼らの態度は変わらないとの声も聞かれます」(在京球団職員) 選手会がWBC不参加を決議した理由は、カネだ。WBCの収益は大会を運営するWBCIによって一括管理されている。その配分は米国66%に対し、日本は13%。前出の球団職員によれば、連覇を果たした前大会の取り分は、日本円に換算して約2億円。この不公平感は経営陣側も首を傾げていたが、大リーグ機構側と実際に話し合い、「絶対に妥協しない」という米国側の強気な態度も改めて思い知らされた…。 「昨秋、オーナー会議で議長を務めた楽天の島田亨オーナー(当時)が『侍ジャパンの常設』という折衷案をまとめてきたんです。WBC参加目的以外で結成された代表チームの興行に関しては、その収益は自国の取り分にしていい、と。そのころは、この案で選手会を説得できると思われたんですが」(同) 不公平感が改正されない以上、今般的な解決になっていないとする選手会側の言い分は間違っていない。 「島田氏の渡米する前、球界に強い影響力を持つ渡辺恒雄・巨人会長が『最初から妥協してはダメだ。出場しないなら、出場しないで…』と発言していました」(球界関係者) 経営陣に「選手会の態度は変わらない」という悲観的な声があるのはそのせいだろうか。 しかし、経営陣は島田氏が折衷案をまとめた後、正式回答の期限が迫っていたため、「参加する」と米国側に伝えている。選手会の意志を確認する前の“フライング発言”だったが、ここにきて、「やっぱり出ません」と米国側に伝えた場合、日本プロ野球界は信用を失うという。 オリックス・岡田彰布監督が興味深い発言をしていた。 「大谷(翔平=花巻東)と藤浪(晋太郎=大阪桐蔭)のプロ入りを1年遅らせて、WBCに出せばええんちゃう?」 記者団とのフリートークで出た冗談だが、WBCを主催する米国側は「日本は参加するものと認識している」と、選手会のボイコット表明後も発言している(7月23日時点/現地時間)。一部の球界要人は、選手会には加盟していない日本人メジャーリーガー、社会人・大学生による混成チームでの参加を真剣に検討していた。 「オリンピック競技から野球が消え、アマチュア球界は国際的な大きな大会に飢えています。シドニー五輪でこちら(プロ側)が選手派遣に協力した実績もあるので、正式に協力を要請すれば建設的な話し合いもできるはず」(前出・関係者) また、経営陣が第3回WBCに「参加する」と回答した昨年12月時点で、NPB以外からの選手招集も検討されていたという。日系3世のメジャー捕手、カート・スズキ(28=アスレチックス)である。阪神・城島の故障、さらに前大会で「左打者に偏重した野手招集になってしまったこと」「打者がストレートに力負けする場面があった」などの反省点から、カート・スズキの名前が浮上してきたという。 WBCは出身国に関しては“厳しい線引き”をしていない。国籍が違っても、“先祖がその国の出身なら”と、寛容なルールになっている。アスレチックスでクリーンアップを打つこともあるスズキを本当に招集できるのなら、たとえ日本人投手とバッテリーが組めなくても、日本代表チームの打線の中核を託せる…。 捕手・スズキ、二遊間は川崎宗則と西岡剛、外野陣はイチロー、松井、福留、青木。ダルビッシュと黒田の出場をWBCIにもサポートしてもらい、3番目の先発は岩隈、リリーバーは高橋、上原、岩隈、建山、田沢…。ここに社会人と大学生のドラフト候補を加えれば、なんとか戦えるのではないだろうか。選手会と折り合いが付くのがベストだが、「日本人メジャーリーガー&アマチュア」の混成・サムライジャパンも面白そうである。
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スポーツ 2012年07月27日 11時00分
加藤コミッショナー続投に猛反発 巨人に反旗! パ・リーグが画策するNPB脱退(1)
プロ野球のオーナー会議は年に2回開かれるプロ野球の最高決議機関。毎年、オールスター前と日本シリーズ後に開かれるが、今回(7月12日)ほど拍子抜けに終わったのは珍しい。 最大のテーマは6月末で任期が切れたコミッショナー問題。既に加藤良三氏(70)が3期目の再任に手を挙げていたが、パ・リーグ側が反発していたからだ。 とりわけ、楽天とオリックスは「加藤降ろし」の急先鋒を務め、日本プロ野球機構(NPB)が10月1日に一般社団法人に移行するのを好機ととらえ、球界の体質改善を図ったのである。 一般社団法人に移行すれば税の減免で恩恵を受ける見返りに、文科省などの監督を受け、毎年行政庁へ事業報告などの手続きが義務付けられる。野球賭博問題で揺れた大相撲がそうだったように、今後はプロ野球もガラス張りの経営、運営が求められることになる。 「その意味でも試金石になるのが、朝日新聞が報じた巨人が高橋由伸、阿部慎之助、内海哲也、野間口貴彦ら6選手と結んだ超過額27億円の契約金問題への対応と、週刊文春がすっぱ抜いた巨人・原監督が女性問題解決に元暴力団員に1億円を払った問題だった。その重要案件を加藤コミッショナーは議題に乗せなかったばかりか、議長を務めた中日・白井オーナーもスルー。会議後、取材陣は加藤コミッショナーに原監督の1億円事件について意見をただしましたが、加藤氏は『私からは何も言えない』の逃げの一手。こういったうやむやの体質に楽天とオリックスがブチ切れ、加藤氏の再任に最後まで反対したのです。楽天は近く三木谷浩史球団会長がオーナー復帰することになっており、パは三木谷氏を総大将にセ側と一線を画す行動を起こすのは避けられません」(スポーツ紙デスク) パ側が現体制の自浄努力欠如にこだわったのは、この機会にコミッショナーの役割を明確化し、「定款及び野球協約の修正」を求めたかったからだ。 「三木谷会長が描いているのは、球団株式の上場なのです。巨人に匹敵する戦力や球場を整えるには巨大な資金がいり、それには株式の新規上場が手っ取り早くリスクも少ない。しかも、株式を公開すれば投資家や監督官庁の目が厳しくなり、不明瞭な会計処理などできない。スキャンダルに際しても株主代表訴訟の標的となり、経営陣はうやむやにできない。そこで楽天とオリックスは今回の巨人の不祥事に乗じて、野球協約を見直し、持ち株会社による球団株の上場や複数グループによる球団所有を可能にすべく軌道修正を図ったのです」(球界事情通)
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スポーツ 2012年07月26日 15時30分
ついに来るべき時が来た! レイズが松井秀喜に戦力外通告
ついに来るべき時が来たというべきか。米メジャーのレイズが7月24日(日本時間25日)の試合後、松井秀喜外野手(38)にメジャー出場の前提である40人枠から外すことを通告。事実上の戦力外となった。 今後は移籍先を探すことになり、他球団からオファーがなければ自由契約となるが、マイナー契約を結び直してチームに残留する可能性もある。処遇は10日以内に決まる見通し。 結果が出せなかった松井にとって、戦力外は時間の問題だったといってもいいだろう。昨オフ、アスレチックスからFAとなるも、所属先が決まらないままシーズンに突入。4月30日(同5月1日)、レイズとマイナー契約を結び、5月29日(同30日)にメジャー昇格。 メジャーでの初戦で、本塁打を放つものの打撃は低迷。主に指名打者、左翼、代打での起用となったが、調子は上がらず。7月2日(同3日)のヤンキース戦では左太もも裏を痛め、出場機会が激減。故障から復帰後、チャンスがなかったわけではないが、好機での凡退が続き、18打席連続無安打中だった。 レイズは25日(同26日)現在、51勝47敗で、ア・リーグ東地区でオリオールズと並び、同率2位で首位ヤンキースを追撃中。レイズとしては、なんとしてもプレーオフには出場したいところ。ここにきて、故障者リスト(DL)入りしていた同じ外野手のサム・フルドが復帰。7月末のトレード期限を目前にして、ダイヤモンドバックスからライアン・ロバーツ内野手を獲得。メジャー40人枠から1人外す必要が生じ、当落線上の松井が戦力外となった。 今季の松井は34試合に出場、95打数14安打7打点2本塁打、打率.147と極度の不振であった。しかし、松井のキャリアを評価するジョー・マドン監督は辛抱強く起用していたが、その期待に応えることができなかった。マドン監督は「キャンプを行わず実戦から長く離れていたことも影響しただろう。彼がやりきったとは思えない。まだ力は残っていると思う」と松井をかばった。 ヤンキース時代の09年にはワールドシリーズでMVPになった男も衰えは隠せず、メジャーでの評価も急落している。38歳という高年齢を考慮すると、松井にオファーを出すメジャー球団が出るかどうかは疑問。選択肢として日本球界復帰もあるが、トレード期限ギリギリのこの時期ではタイミングが悪く、そもそも本人が望むかどうかの問題もある。松井の再就職先探しは難航しそうな気配だ。(落合一郎)
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スポーツ 2012年07月25日 16時50分
“ヤンキース”イチローに突き付けられた現実 来季の保障なし!
7月23日(日本時間24日)に発表されたイチロー外野手(38)の、マリナーズからヤンキースへの電撃トレードは、日米の野球ファンを仰天させた。 トレード発表直後にヤンキースのユニフォームを着て、これまでの本拠であるセーフコフィールドで古巣との対戦に臨んだイチローは、24日(同25日)も同所でのマリナーズ戦に8番右翼でスタメン出場。第2打席で二塁打を放ち、3打数1安打1死球だった。25日(同26日)もマリナーズ対ヤンキース戦が行われる。 イチローは移籍の理由として、「20代前半の選手が多いこのチームの未来に、来年以降ボクがいるべきではない」と語ったが、早い話、マリナーズで控えに回るくらいなら、レギュラーで起用してくれる球団に移った方が得策との判断だ。 ヤンキースでは正左翼手のブレット・ガードナー外野手(28)が右ヒジ故障のため戦線離脱。手術が必要なことが分かり、今季中の復帰が絶望的となった。現在はベテランのアンドリュー・ジョーンズ(40)とラウル・イバニエス(35)両外野手が左翼の穴を埋めている状況。正右翼手のニック・スウィシャー(31)外野手も故障で戦列を離れており、トレードでの外野手補強を画策していた。 ここで持ち込まれたマリナーズからの打診は、ヤンキースにとって渡りに船だったに違いない。ヤンキースが放出したのはマイナーの若手投手2人で、いずれもそれほど期待されている投手ではない。イチローの今季年俸は1800万ドル(約14億4000万円)といわれているが、ニューヨークの地元紙によれば、そのうち、ヤンキースの年俸負担は200万ドル(現在のレートで約1億5600万円)程度と推測されており、いわばレンタル移籍。ヤンキースにとっては、まさしく“お買い得”だったわけだ。 スウィシャーが復帰すれば、イチローは左翼に回る。ヤンキースがイチローに期待しているのは、守備と走塁面で、衰えた打力への期待は大きくない。その証拠が8番という打順であって、よほどイチローが調子を上げない限り、1、2番の上位を打つことはないだろう。 ヤンキースが求めたのは、あくまでも今季のガードナーの穴埋めであって、来季は全くの白紙だ。スポーツジャーナリストのA氏は「今後、イチローがどれほどの成績を残すかにもよりますが、昨季から衰えが目立つイチローに高額年俸を提示することはないと思われます。今季年俸の半分以下と推測されます。大幅減俸でイチローが納得できればいいですが、折り合わなければ、わずか3カ月ほどでヤンキースを去ることになるでしょう」と語る。 10月で39歳になるイチロー。来季もヤンキースのユニフォームを着ているかどうかは分からない。何の保障もないのだ。(落合一郎)
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スポーツ 2012年07月25日 15時30分
「ロンドン五輪〜美人日本代表を探せ!」第3回〜陸上短距離・福島千里
リアルライブ読者の皆さま、こんにちは。 注目のロンドン五輪開幕がいよいよ目前に迫りました。美人アスリートたちをピックアップする本コーナー、今回は女子陸上短距離界のエースである福島千里(24)を取り上げます。 福島は88年6月27日生まれ、北海道中川郡幕別町出身。帯広南商業高等学校を経て、北海道ハイテクノロジー専門学校情報システム科に進学。09年に卒業後は同校の職員として、競技活動を続けています。 中学、高校時代の福島は決して目立った存在ではありませんでした。頭角を現してきたのは08年から。同年4月28日、織田記念陸上女子100mにおいて、11秒36で日本タイ記録をマーク。同年6月29日、日本陸上競技選手権大会では女子100mで、11秒48の記録ながら同大会で初優勝を遂げた。 これらの記録が評価されて、同年の北京五輪女子100mの日本代表に選出された。同種目の五輪日本代表は女子では実に56年ぶりだった。8月の北京五輪本番では11秒74と不本意な記録で、1次予選で敗退した。 北京五輪後も福島は止まることはなかった。同年9月のスーパー陸上では11秒70のタイムで優勝。これは、国内で開催された陸上競技国際大会では、女子100mで日本女子史上初の優勝となった。 09年は日本記録の更新ラッシュとなった。同年5月3日、静岡国際陸上競技大会では、女子200mで23秒14の日本新記録を樹立。同年6月7日、鳥取で開催されたスプリント挑戦記録会で、女子100mにおいて、第1レースで11秒28、第2レースで11秒24と1日に2回日本記録を更新。同年8月16日、ベルリンで開催された世界選手権女子100mでは、敗れはしたものの、2次予選まで進出。世界選手権での女子100mでの2次予選進出は日本女子では史上初、五輪を含めても32年ロサンゼルス五輪での渡辺すみ子以来、77年ぶりの快挙となった。 10年に入っても、福島の飛躍は続いた。4月29日の織田記念陸上女子100mで、11秒21で日本記録を更新(現在の自己ベスト)。5月3日、静岡国際陸上競技大会女子200mで、22秒89の日本記録をマーク(現在の自己ベスト)。同年11月22日、中国・広州でのアジア競技大会では女子100m、200mで金メダルを獲得しアジア最速女王となった。 11年8月28日、韓国・テグでの世界選手権では100m、200mともに準決勝まで進出。世界選手権での準決勝進出は100mでは日本女子初、五輪を含めても32年ロサンゼルス五輪の渡辺以来、200mでは世界選手権、五輪を通じて日本女子初であった。そして、12年6月、日本選手権で100m、200mで2年連続2冠を達成し、ロンドン五輪代表となった。 福島の魅力といえば、速さだけではない。愛くるしいルックスと天然系のかわいさで、男性の視線をクギづけにしている。アジア最速女王の福島が、日本女子として初めて五輪の決勝レースで走ることを願ってやまない。(坂本太郎)画像:福島千里オフィシャルブログ http://ameblo.jp/chiasto0627/
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スポーツ 2012年07月24日 15時45分
イチローのヤンキースへの電撃移籍で福留はどうなる?
7月24日朝、起床したらぶっ飛んだ野球ファンは多いことだろう。 23日(日本時間24日)、マリナーズのイチロー外野手(38)と、ヤンキースに所属するマイナーの若手投手、DJミッチェル(25)、ダニー・ファーカー(25)との2対1の交換トレードが成立したことが電撃発表された。 今季、5年契約の最終年となるイチロー。22日(同23日)までに残した成績は95試合出場、402打数105安打28打点4本塁打15盗塁、打率.261と低迷していた。来季、マリナーズに残留するのかどうか、水面下で交渉も持たれたようだが、動くとしたらシーズンオフと思われていただけに、シーズン中の移籍は仰天の展開だった。 「11年半、ファンの方と同じ時間、思いを共有したことを振り返り、自分がマリナーズのユニホームを脱ぐと想像したときに大変寂しい思いになったし、今回の決断は大変難しいものだった」と、声を詰まらせながら語ったイチロー。 決め手となったのは自軍の世代交代だ。マリナーズは22日(同23日)現在、ア・リーグ西地区のダントツ最下位(4位)で、3位アスレチックスまで10ゲーム差。こうなると、イチローの今季の不本意な成績なら、来季のために若手優先起用となり、スタメンを外れることも増えると予想された。 イチローが「20代前半の選手が多いこのチームの未来に、来年以降ボクがいるべきではない、そしてボク自身環境を変えて刺激を求めたい、という強い思いが芽生えた」と話したように、出場機会が減るくらいなら、必要とされる球団へ移った方が得策と考えたのも自然な流れだろう。 感傷に浸る間もなく、同日、イチローは新たな背番号31を付けて、マリナーズ本拠のセーフコフィールドで古巣と対戦。8番右翼でスタメン出場し、第1打席で中前打を放ち、4打数1安打1盗塁だった。試合は同僚となった黒田博樹投手が先発し、7回1失点の好投で、ヤンキースが4-1で勝利。黒田が3年連続2ケタとなる10勝目(7敗)を挙げ、大家友和(元横浜)と並ぶ日本人メジャー歴代2位の通算51勝目をマークした。 ヤンキースはア・リーグ東地区で首位を独走中で、イチローは最下位チームから一転して、ワールドシリーズ出場に夢を馳せる。この日は右翼での出場だったが、ジョー・ジラルディ監督は左翼での起用を明言した。 イチローがヤンキースに移籍したとなると、気になるのは福留孝介外野手(35)の存在。ホワイトソックスから自由契約となった福留は、13日(同14日)にヤンキースとマイナー契約を交わしたばかり。現在は傘下3Aで調整中だ。 昨季の盗塁王で正左翼手のブレット・ガードナー外野手(28)が右ヒジを故障。ここにきて、手術が必要であることが分かり、今季中の復帰が絶望的となった。福留獲得はガードナー不在の保険的な意味合いがあった。ところが、イチローの加入で、その穴は埋まった。そうなると、ヤンキース内で、福留に求められた役割はなくなったといってもよく、メジャー昇格は極めて厳しい状況となった。福留はイチローの移籍で、微妙な立場に追い込まれたと見ていいだろう。(落合一郎)
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スポーツ 2012年07月23日 15時30分
千秋楽全勝対決制した日馬富士 3度目の綱獲りには期待薄!?
大相撲名古屋場所(7月8〜22日=愛知県体育館)は、千秋楽で全勝決戦となり、大関・日馬富士(28=伊勢ヶ浜)が、横綱・白鵬(27=宮城野)を寄り切りで破り、1年ぶり3度目の優勝を果たした。 千秋楽での全勝対決は、隆の里(先代鳴戸親方)と千代の富士(現九重親方)の両横綱が対戦した83年秋場所(9月=蔵前)以来、28年10カ月ぶりで、横綱同士以外では史上初めて。 大関の15戦全勝は07年夏場所(5月=両国)の白鵬以来、5年2カ月ぶり。八百長問題が発覚して以降、ガチンコ相撲オンリーとなってからは初の全勝力士。白鵬は朝青龍引退後、1人横綱となってから初めて2場所連続で優勝を逃した。 先場所(5月夏場所=両国)は、横綱、大関の上位陣が総崩れ。千秋楽で12勝2敗の成績で優勝決定戦の舞台に立ったのは、ともに平幕の旭天鵬(37=友綱)と栃煌山(25=春日野)だった。決定戦は旭天鵬が制し、史上最年長優勝を果たしたが、日本相撲協会にとっては最悪のシナリオとなった。その点で、今場所は横綱と大関が全勝同士で、千秋楽で雌雄を決するという理想的な展開で、協会としてはホッと胸をなで下ろしたに違いない。 3度目の賜杯を手にした日馬富士。当然、秋場所(9月9日初日=両国)は綱獲りが懸かる。協会としては、長らく続いた1人横綱時代に何としても終止符を打ってほしいところだが、過去の日馬富士のデータを見ると大きな不安が覗く。 日馬富士はこれまで2度綱獲りに挑んでいるが、いずれもプレッシャーに負けて散々な成績に終わっている。09年夏場所で14勝1敗の成績を挙げ、白鵬との優勝決定戦を制し初V。初の綱獲りとなった翌名古屋場所は、9勝6敗と1ケタの成績に終わり、大きく期待を裏切った。その後、3場所連続で9勝しか挙げられなかった。 そして、昨年名古屋場所では14勝1敗で2度目の優勝を飾ったが、翌秋場所での2度目の綱獲り場所も8勝7敗で、勝ち越すのがやっと。翌々場所も8勝止まりだった。 優勝した翌場所では勝てないというのが、日馬富士のジンクスとなっている。「全身全霊で頑張ります」と綱獲りを宣言した日馬富士。過去のデータから見れば、来場所は期待薄だが、“3度目の正直”はなるのだろうか?(落合一郎)
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スポーツ 2012年07月21日 17時59分
プロ野球選手会がWBC不参加を表明! 表面化した日本野球機構との対立
WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)参加問題を巡り、労働組合・日本プロ野球選手会(阪神・新井貴浩会長)とNPB(日本野球機構)との対立が表面化した。 選手会は7月20日、大阪市内で臨時大会を開き、3連覇が懸かった来年3月に開催予定の第3回WBCに参加しないことを全会一致で決めた。新井会長は「ファンも楽しみにしていたし、選手も楽しみにしていた。ただ、5年後、10年後、これからの世代を考えた時に、苦渋の決断をせざるを得なかった。1年前から(主催者に)要望を出しているのに、1年経っても何にも返ってこない。今の段階で(主催者から)アクション、アプローチがあるとは考えられない」と語った。 そもそも、この問題の始まりは1年前にさかのぼる。昨年7月22日、選手会は参加条件が改善されない場合はWBCに参加しないことを表明した。選手会側が問題視したのは利益配分。第1回、第2回ともに約1800万ドル(当時のレートで16〜20億円)の利益があったが、配分率はMLB(米国)が66%、日本が13%と極めて不均衡なものだった。この不公平感を解消することが、選手会側の条件だったのだ。 NPBと主催者側の交渉は昨年8月から始まった。WBCのスポンサー収入の約7割は、日本を支援する企業から出ているとされる。NPBはそのスポンサー収入は、日本が得られる権利と主張した。しかし、MLB側から大きな譲歩は得られず。やむなく、12球団は方針を転換し、WBC期間以外にも日本代表(侍ジャパン)を運営しスポンサーを募って、WBCとは別の独自の利益を確保することを決めた。 これを盾に、12球団は昨年12月1日、選手会の了解なしにWBCへの参加を表明。さる7月19日には、参加前提で日本が1次ラウンドでキューバ、中国と同組になることが明らかになった。 そこで待ったをかけたのが選手会。問題を投げかけた1年前から何ら改善されていないとして、不参加表明に至った。選手会は侍ジャパンに協力することには同意しているが、これは論理のすり替えで、WBCの利益配分の問題は全く解消されていない。 NPBと選手会は8月1日に再協議する意向だが、もはや主催者側の条件が変わることはまずない。選手は各球団との契約上、国際大会への出場は明記されておらず、NPBが参加を強要することはできない。残された道は、選手会がNPBの説得に折れるかどうかだが、WBC出場ボイコットが現実味を帯びてきた。(落合一郎)
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スポーツ 2012年07月20日 16時30分
イチロー ようやく100安打到達も2年ぶり200安打達成は絶望的!?
今季、不振にあえいでいるマリナーズ、イチロー外野手(38)が7月18日(日本時間19日)、カウフマンスタジアムでのロイヤルズ戦で、ようやく100安打に到達した。出場91試合目での到達はMLB入りして以降、最も遅いペース。 昨季、184安打、打率.272で、米国に渡って以来続けていた200安打、3割は10年でストップした。今季は3番打者でスタートしたが、得点圏打率の低さ、打点の少なさが原因で、6月から定位置の1番打者に復帰。しかし、イチローの調子は上がることはなく、19日(同20日)現在、92試合出場、388打数103安打で打率は.265と低迷。 もはや、この成績では2年ぶりの3割は無理といってよく、そうなれば残る希望は200安打達成となる。今季、ここまで出場1試合当たりの安打数は1.12本。残り68試合で、このペースのままなら、179安打にしかならない。200安打に到達するには、今後1試合平均1.43本のハイペースが必要となる。 過去最高のペースで安打を放ったのはMLBシーズン最高安打262本(161試合)を記録した04年。この年は自身のメジャー最高打率(.372)をマークし、2度目の首位打者を獲得したが、1試合平均1.63本だった。打率.350(242安打)で初の首位打者となった1年目の01年は、1試合平均1.60本。2番目に高い打率.352をマークした09年は、225安打(146試合)で1試合平均1.54本。 しかし、それはイチローが全盛期の頃の話で、10年は162試合で214安打(平均1.32本)、昨季は161試合で184安打(平均1.14本)、今季は現時点で平均1.12本と、年々ペースは落ちており、衰えは明らか。 仮に今後、イチローが全盛期のハイペースを取り戻し、1試合平均4打数以下で200安打に到達すれば、ギリギリ3割も見えてくる。だが、これはあくまでも机上の計算。この2年のイチローの状態を見るにつけ、200安打達成は極めて厳しいといわざるを得ない。(落合一郎)
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スポーツ 2012年07月20日 11時45分
2012年夏の高校野球特集 大会を根底から変える(?)少子化問題
今年と来年は『節目の大会』になる−−。 今夏の第94回選手権地方大会は、大きなルール改定が行われた。部員不足による連合チームの参加に関する規制を大きく緩和された。そもそも、この『連合チーム』の制度がクローズアップされたのは、昨夏。東日本大震災で転校や部員数の減少等で大会出場が危ぶまれた高校を“救済”するために、特例措置としてこの制度が使われた。 日本高野連の説明によれば(5月24日の理事会)、昨年度は公式戦を2大会以上も棄権している高校が全国で96校もあったという。高野連は『連合チーム』に関する規定を緩和し、大会に出場できるようにしたのだ。 理由は『少子化』に尽きるが、激戦区の1つである東京都も難しい選択を迫られている。東京都の『加盟校責任教師会議』で、「東西の格差」が議案に上げられたのは、5月26日だった。東京都は「東」と「西」に分けて甲子園代表校を争っているが、現在の地区割では「東=151校」に対し、「西=120校」。「約30校の格差を解消すべき」として、来年夏から地区割の線引きを変えることになった。 「(東西の学校数の違いは)同数か1ケタにしたい」(武井克時理事長/加盟校責任教師会議後) 東京都が東西に代表校を分けるようになったのは、74年。その際、「東東京」に区分された世田谷区の高校を再び「西東京」に戻すか、豊島区と板橋区を「西東京」に移すなどの具体案が同会議で出たそうだが、結論は出なかった。後者の「豊島区と板橋区」を西に移行させる案が採用された場合、甲子園の歴史に“注釈”が書き加えられることになる。板橋区には春夏通算3度の全国優勝をなし遂げた帝京高校がある。2012年以降に栄冠を勝ち取れば、「但し、89年夏、92年センバツ、95年夏は東東京代表で全国優勝」なんて注釈が書き加えられる…。 大会パンフレットによれば、世田谷区内の高野連加盟校は20校。豊島区11校と板橋区10校を合わせて21校。世田谷区か、「豊島区と板橋区」を「西東京」に移行させれば、学校数の格差は解消される。 「各理事が意見を持ち寄り、これから具体的に考えて行くか、現在の(東西の)境界線に隣接する区や市の入れ替え、移動が対象になってくる」(武井理事/同) 東京都は来年夏から「新しい東西区分」による大会を実施する。東から西に編入されたからといって、甲子園出場の可能性が高まるわけではない。しかし、ある東東京の学校関係者は「西東京の学校のデータをゼロから集め直すとなると…」と“不安”を口にしていた。西東京の古豪校職員も「帝京(高校)さんがこちらに来るとなると、確実に勢力分布図が変わる」と話していた。話を聞けた限りでは、肝心の球児たちは「どちらでもいい」という言い方だったが…。少子化は約100年の高校野球大会の歴史を変えようとしている。(スポーツライター・美山和也)※東京大会が東西に区分された1974年、世田谷区の高野連加盟校は21校でした。