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“ヤンキース”イチローに突き付けられた現実 来季の保障なし!

 7月23日(日本時間24日)に発表されたイチロー外野手(38)の、マリナーズからヤンキースへの電撃トレードは、日米の野球ファンを仰天させた。

 トレード発表直後にヤンキースのユニフォームを着て、これまでの本拠であるセーフコフィールドで古巣との対戦に臨んだイチローは、24日(同25日)も同所でのマリナーズ戦に8番右翼でスタメン出場。第2打席で二塁打を放ち、3打数1安打1死球だった。25日(同26日)もマリナーズ対ヤンキース戦が行われる。

 イチローは移籍の理由として、「20代前半の選手が多いこのチームの未来に、来年以降ボクがいるべきではない」と語ったが、早い話、マリナーズで控えに回るくらいなら、レギュラーで起用してくれる球団に移った方が得策との判断だ。

 ヤンキースでは正左翼手のブレット・ガードナー外野手(28)が右ヒジ故障のため戦線離脱。手術が必要なことが分かり、今季中の復帰が絶望的となった。現在はベテランのアンドリュー・ジョーンズ(40)とラウル・イバニエス(35)両外野手が左翼の穴を埋めている状況。正右翼手のニック・スウィシャー(31)外野手も故障で戦列を離れており、トレードでの外野手補強を画策していた。

 ここで持ち込まれたマリナーズからの打診は、ヤンキースにとって渡りに船だったに違いない。ヤンキースが放出したのはマイナーの若手投手2人で、いずれもそれほど期待されている投手ではない。イチローの今季年俸は1800万ドル(約14億4000万円)といわれているが、ニューヨークの地元紙によれば、そのうち、ヤンキースの年俸負担は200万ドル(現在のレートで約1億5600万円)程度と推測されており、いわばレンタル移籍。ヤンキースにとっては、まさしく“お買い得”だったわけだ。

 スウィシャーが復帰すれば、イチローは左翼に回る。ヤンキースがイチローに期待しているのは、守備と走塁面で、衰えた打力への期待は大きくない。その証拠が8番という打順であって、よほどイチローが調子を上げない限り、1、2番の上位を打つことはないだろう。

 ヤンキースが求めたのは、あくまでも今季のガードナーの穴埋めであって、来季は全くの白紙だ。スポーツジャーナリストのA氏は「今後、イチローがどれほどの成績を残すかにもよりますが、昨季から衰えが目立つイチローに高額年俸を提示することはないと思われます。今季年俸の半分以下と推測されます。大幅減俸でイチローが納得できればいいですが、折り合わなければ、わずか3カ月ほどでヤンキースを去ることになるでしょう」と語る。

 10月で39歳になるイチロー。来季もヤンキースのユニフォームを着ているかどうかは分からない。何の保障もないのだ。
(落合一郎)

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