現地メディア『蘋果日報』によると、今回の一件について、ラミゴのGMは「これは第1段階。これから選手と代理人が日本ハムと交渉する」と話したが、入札に参加した球団や内容については明言せず。一方、『中央通訊社』は「MLBもNPBも、シーズン中から王に興味を示していた」という代理人の言葉を伝えている。
もちろん、王が実際に入団に至るかどうかはまだ分からない。ただ、同日の『三立新聞網』では、台湾野球解説者の潘忠韋氏(元ラミゴ)が王に対し、「インハイ、アウトロー、フォークボール」といった弱点を克服するようアドバイスを送るなどしており、台湾では“入団当確”と捉えられているようだ。
オズワルド・アルシアが退団し、ブランドン・レアードの去就も不透明となっている日本ハム。こうした助っ人野手事情を考えると、通算4シーズンで「打率.386・86本塁打・319打点」の成績を残した王に白羽の矢を立てたのも頷ける。
一方、日本のネット上では「台湾マネーが理由では?」という声も。実際に、今回の一件を受けた台湾ネット民からは「来年の家族旅行は北海道で決まりだな、絶対応援しに行くぞ」、「パワプロのマイチームは日本ハムに変更しよう」、「台湾の王から日本の王になったらいいな」といったコメントが寄せられている。
このような期待感の高まりが観光客誘致・放映権売却といった“外貨獲得”につながれば、ポスティング費用を補って余りあるほどのリターンがもたらされる可能性もある。王が前評判に違わぬ打棒を披露してくれれば、それはさらに大きくなることだろう。
現在台湾版の公式サイトやSNSを設けている日本ハムは、過去に陽岱鋼(現巨人)が所属していた球団。今回交渉権を獲得した背景には、王に“二匹目のドジョウ”となってほしいという思惑もあるのかもしれない。
文 / 柴田雅人