今後は移籍先を探すことになり、他球団からオファーがなければ自由契約となるが、マイナー契約を結び直してチームに残留する可能性もある。処遇は10日以内に決まる見通し。
結果が出せなかった松井にとって、戦力外は時間の問題だったといってもいいだろう。昨オフ、アスレチックスからFAとなるも、所属先が決まらないままシーズンに突入。4月30日(同5月1日)、レイズとマイナー契約を結び、5月29日(同30日)にメジャー昇格。
メジャーでの初戦で、本塁打を放つものの打撃は低迷。主に指名打者、左翼、代打での起用となったが、調子は上がらず。7月2日(同3日)のヤンキース戦では左太もも裏を痛め、出場機会が激減。故障から復帰後、チャンスがなかったわけではないが、好機での凡退が続き、18打席連続無安打中だった。
レイズは25日(同26日)現在、51勝47敗で、ア・リーグ東地区でオリオールズと並び、同率2位で首位ヤンキースを追撃中。レイズとしては、なんとしてもプレーオフには出場したいところ。ここにきて、故障者リスト(DL)入りしていた同じ外野手のサム・フルドが復帰。7月末のトレード期限を目前にして、ダイヤモンドバックスからライアン・ロバーツ内野手を獲得。メジャー40人枠から1人外す必要が生じ、当落線上の松井が戦力外となった。
今季の松井は34試合に出場、95打数14安打7打点2本塁打、打率.147と極度の不振であった。しかし、松井のキャリアを評価するジョー・マドン監督は辛抱強く起用していたが、その期待に応えることができなかった。マドン監督は「キャンプを行わず実戦から長く離れていたことも影響しただろう。彼がやりきったとは思えない。まだ力は残っていると思う」と松井をかばった。
ヤンキース時代の09年にはワールドシリーズでMVPになった男も衰えは隠せず、メジャーでの評価も急落している。38歳という高年齢を考慮すると、松井にオファーを出すメジャー球団が出るかどうかは疑問。選択肢として日本球界復帰もあるが、トレード期限ギリギリのこの時期ではタイミングが悪く、そもそも本人が望むかどうかの問題もある。松井の再就職先探しは難航しそうな気配だ。
(落合一郎)