6月5日(同6日)のヤンキース戦まで、24打数3安打4打点2本塁打、打率.125と不振で、翌日の試合からスタメンを外れ、出場機会がない試合も増えてしまった。ナ・リーグ主催試合では指名打者が使えず、故障者リスト(DL)入りしていた左翼手のデズモンド・ジェニングズが5日に復帰したことで、出番も減った松井は出場機会を増やすべく、一塁手の練習にも取り組んだ。
その松井は14日(同15日)のメッツ戦(トロピカーナフィールド)では、4番指名打者でスタメン出場。4打数2安打1四球と、今季初のマルチ安打を記録した。これで、通算成績は35打数7安打5打点2本塁打で、打率はようやく2割台(2割ジャスト)にのせた。
そんな松井に“朗報”が転がり込んできた。指名打者を務めるライバルのルーク・スコット外野手が腰痛のため、15日間の故障者リスト入りしたのだ。9日(同10日)にさかのぼって登録される。スコットは8日(同9日)のマーリンズ戦で腰を痛めたといい、12日(同13日)からのメッツ3連戦では松井が代わりに指名打者に入った。今季のスコットは51試合に出場、打率は.220と低いが、9本塁打、チームトップの35打点を挙げていた。
チームにとっては痛いスコットの故障者リスト入りだが、そのライバルである松井にとっては、“おいしい状況”であることに変わりはない。これで、当面、指名打者が使える試合では、スタメン出場を確保できるものとみられる。ここで、好成績を残せば、スコットが戻ってきても、松井がスタメンに居座り続ける可能性も十分。松井にとっては、絶好のチャンスが到来したといえる。
(落合一郎)