5月28日(日本時間29日)、インディアナ州インディアナポリスでのインディアナポリス戦後に言い渡された。ダーラムのチャーリー・モントーヨ監督によると、試合中にレイズから昇格の連絡が入ったという。松井は29日(同30日)のホワイトソックス戦から合流する。
15日からダーラムで調整していた松井は、28日も4番指名打者でスタメン出場したが、2打数無安打(2四球)だった。ここまで、3Aで13試合に出場し、47打数8安打4打点で打率は.170と低迷。とても、メジャー昇格切符をつかむような成績ではなかった。
レイズは27日(同28日)現在、ア・リーグ東地区でオリオールズと並んで同率首位で、チーム状態は良く、テコ入れをする必要はない。しかし、野手に故障者が続出したことで、松井に白羽の矢が立ち、まさしく“たなぼた”での昇格が決まった。松井には指名打者、左翼、あるいは代打での出場が予想される。
松井自身、「素直にうれしいとは思えなかった。正直なところ、ちゃんとした成績を残して行きたかった。複雑な気持ちもある。決まった以上はしっかりとやりたい」と戸惑いを隠せなかった。
メジャーでは元ヤクルトのブルージェイズ、五十嵐亮太投手(32)が昇格後、わずか2日で戦力外となったばかり。五十嵐は25日(同26日)に昇格したが、2試合に登板して、1回を投げて4失点、防御率36.00で、27日(同28日)に戦力外通告を受けた。今後は他球団からの獲得希望を待ち、希望球団がなければマイナー契約を結ぶ見通し。
五十嵐の場合は顕著な例だが、メジャーはシビアな世界。松井が昇格しても、安泰とはならないだろう。マイナー同様、成績が上がらなければ、故障者が復帰したところで、お役御免でマイナー降格の憂き目にあう可能性も十分。松井はメジャーでの選手生命を懸ける覚悟で、臨む必要がありそうだ。
(落合一郎)